イタリア人も生卵を飲むんだぁ~! BLU “Child”

 グロテスクなモチーフや展開を好むBLUですが、こんな作品も作れるんだ、ということを示したのが“Child”です。といっても、やはり、グロテスクな味つけも少々あるのですが。



 【物語】
 1つの点。
 少しずつ膨らんで、2つに分かれて2卵性の胎児になる。
 胎児は卵巣に包まれ、外枠が卵型になり、タマゴパックに収まる。
 そしてフタされ、たくさんのほかのタマゴパックとともに並ぶ。
 0.57ユーロの値札。
 他の買い物商品とともに買われ、買い物袋に入れて持ち帰られる。
 “胎児”の入ったタマゴが、つまみ上げられて割られ、生で飲まれる。
 そして生卵としてお腹の中へ。
 そこへカプセルも飲み込まれてくる。
 カプセルはお腹の中で開き、たくさんの粒々が出てくる。
 胎児はたくさんの粒々の中で溺れる。
 粒々がさーっと引いて点々になる。
 そして1つの点が残る。

画像

 【コメント】
 物語としては、一見ファンタスティックなやさしい物語のようにも見えますが、「おとぎばなしの主人公が生まれ出ようとしていて、人に飲み込まれ、薬物によって、消え去ってしまった」というような、おとぎばなしのパロディー、あるいは、おとぎばなしの現代的でグロテスクな結末を描いた作品(いかにもBLUらしい)とも見ることができそうです。

 BLUの作品としては、当ブログで2つ前に紹介した「No.23」を発展させた作品であり、また、BLU作品の1つのパターンとなっているループで閉められています。

 ちょっとわかりにくいですが、この作品は、「nihil is me」(http://www.myspace.com/nihilisme)というイタリアのインストゥルメンタル系のミュージシャン(バンドとしてはMaledetto)とのコラボレーションにもなっています。

 この作品は、今のところ、BLUの作品としては最長の作品になっています。

 ◆作品データ
 2005年/伊/3分27秒
 台詞なし/日本語字幕なし
 Flashアニメーション

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 ◆アーティストについて
 BLU
 イタリアのボローニャを拠点に活躍するグラフィティ・アーティスト、画家、壁画作家(muralist)、アニメーション作家。

 1990年代半ば、15歳からグラフィティ・アートを描き始める。当時、イタリアではグラフィティ・アートのブームがあり、雑誌も出版されていて、大いに刺激を受ける。

 元々は無許可で、ストリートや廃屋などに夜中に描くことが多かった。初期に描いたものはほとんど残っておらず、「ストリートなどに描いたものは消されて当然だし、描いた壁や建物が取り壊されてしまうことは決して苦痛ではない」、と語っている。
 古い建物、古い壁に触発(「古い壁が語りかけてくる」)されて描くことも多い、という。

 最近では依頼を受けて、プロジェクトとしてビルの外壁などに絵を描くことが
多い。

 2006年に映像作家ロレンツォ・フォンダLorenzo Fonda(http://www.lorenzofonda.com/index.html?id=hom)からBLUのドキュメンタリー“Megnica”を撮らせてほしいという申し出があり、彼と一緒にメキシコ、グアテマラ、ニカラグア、コスタリカ、アルゼンチンを旅する(http://www.megunica.org/news.php)。 “Megnica”は2008年国際アムステルダム映画祭(http://www.dnerve.com/IAFF_2008/films/competition.html)で上映されて、最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。BLU自身、この旅はとてもインスパイアされるものが多かったと語り、最新ウォール・アニメーション“Muto”もブエノスアイレスで制作している。

 2008年6月 第一画集“BLU-2004 2007”を出版。

 画家Ericailcane(http://www.ericailcane.org/)とともに(壁画の)仕事をすることが多い。

 壁画作品は、公式サイトの「WALL S」(http://blublu.org/sito/walls/walls.htm)で見ることができる。

 動画作品は、vimeo(http://www.vimeo.com/blu/videos)やYou Tube(http://jp.youtube.com/user/notblu)に自ら投稿している。

 公式には、プロフィール、作品年譜などは発表していない(生年すら明らかになっていませんが、1980年前後の生まれで、現在30歳くらいのようです)。

 【フィルモグラフィー】
 ・2005年 “Child”
 ・2006年 “ffwd”
 ・2006年 “fino”
 ・2006年 “Sulla differenza fra un sorriso e una risata”(微笑と笑いの違いについて)[ミュージック・ビデオ]
 ・2007年 “LETTER A” [グラフィティ・アニメーション]
 ・2007年 “WALKING” [グラフィティ・アニメーション]
 ・2008年5月 “MUTO” [グラフィティ・アニメーション]
 ・2009年9月 “COMBO” [David Ellisとの共作]
 ・2010年7月 “BIG BANG BIG BOOM” [グラフィティ・アニメーション]

 2008年以前の作品(制作年不詳)
 ・No.1(手回しカメラ)
 ・No.3(ネクタイ)
 ・No.4(腸があふれ出てきて困る)
 ・No.7(輪切り)
 ・No.8(ゲップ)
 ・No.10(脳の入れ替え)
 ・No.12(こんな車いらない)
 ・No.13(食事)
 ・No.15(目を押すと)
 ・No.16(耳から口へ抜ける)

 ・No.18(loop)
 ・No.20(ふたりにクギづけ)
 ・No.22(死の影)
 ・No.23(のどにしずく)
 ・No.24(頭がかゆくて)
 ・No.26(トランスフォーマー)
 ・No.27(目からヒョロヒョロ)
 ・No.29(換気扇)
 ・No.33(8本手男)
 ・“Connections”

 ・“loop #1” [グラフィティ・アニメーション]

 ※参考サイト
 ・公式サイト(英語):http://blublu.org/
 WALL S(2000年からの年別グラフィティ・アート)、Drawings(スケッチ集)、News、リンク集、Video、Shopなどで構成。
 ・公式ブログ(英語):http://www.blublu.org/blog/
 2008年3月スタートのBLUのブログ。BLUとしては3つ目のブログだとか。
 ・notblu(BLU video channel):http://jp.youtube.com/user/notblu
 ・Megunica(インタビュー/英語/PDF):http://www.megunica.org/download/swindle.pdf
 ・NAMES FEST@プラハ(インタビュー/英語):http://namesfest.net/news.php?extend.19
 NAMES FESは、さまざまなグラフィティ・アーティストのフェス。
 ・STUDIOCROMIE:http://www.studiocromie.org/gallery.php?id_art=56
 ・POW(Pictures on Wall):http://www.picturesonwalls.com/
 ・GIZMODO Japan:http://www.gizmodo.jp/2008/07/post_3935.html
 2008年7月にBLUを紹介している。

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