マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットについて、もう少し

 『岸辺のふたり』のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットについて、もう少し。

 当ブログでも動画をアップできる3作品(『岸辺のふたり』『お坊さんと魚』『掃除屋トム』)はもう既に紹介してしまったので、今回は彼のCM作品について。

 彼のCM作品については、Acme Filmworks(http://www.acmefilmworks.com/commercials/ATT/att_spot1.html)というところで観ることができます。画面中央の5つの画像をクリックすると、その動画が再生されます。

 ここで観られる作品は―
 “Catch”(AT&T) 60秒 台詞なし
 “Campus Family”(AT&T) 30秒 英語の台詞あり
 “Crikets”(AT&T) 30秒 英語の台詞あり
 “I'm Okay”(AT&T) 30秒 英語の台詞あり 
 “Wheels”(AT&T) 30秒 英語の台詞あり
 という5作品です。

 いずれも人と人とのふれあいにやさしいまなざしを向ける作品となっていて、観ていて暖かい気持ちになることができます。英語の台詞があるものもないものもあります。台詞がわからなくても雰囲気で大体わかりますが、やっぱり台詞がわかった方が作品のよさは伝わる感じがしますね。“Campus Family”と“Wheels”はAT&TからのメッセージCMで、他の3作品は、ドラマ仕立てになっています。

 “Crikets”
 男:ねえ…
 女:何?
 男:ぼくは君と話すことが好きなんだ……。
 女:うん、……あたしもよ。

 “I'm Okay”
 男:ハーイ、スウィーティー、eメールをもらったよ。
 女:うん
 男:これって元気(OK)だってことを言いたかったのかな?
 女:うん
 男:元気っていうのはすごく元気ってこと?それともただの元気?
 女:う~ん…、わかるでしょ…、元気よ。
 男:すごく元気ってわけじゃないんだ?
 女:でも…、あなたの声が聞けてよかったわ。

 いずれの作品も青を基調としていながらも、水彩画(?)によるあたたかなタッチの作品になっています。
 “Catch”と“Campus Family”では短い間に時間を凝縮している点で、“Wheels”では様々な自転車が画面を行ったり来たりするという描写が、『岸辺のふたり』の作品世界に通じています。

 もっと、彼のいろんな作品を観てみたくなりますね。

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画像 ◆監督について
 マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
 1953年 オランダ生まれ。
  ジュネーブのthe Ecole Supérieure des Beaux Arts Genève 、イギリスのthe University College for the Creative Arts in Farnhamを経て、1978年、イギリスのウエストスーリ・カレッジ・オブ・アート卒業。卒業制作は“The Interview”。
 1992年 『掃除屋トム』
 1994年 『お坊さんと魚』
 2000年 『岸辺のふたり』
 2006年 “The Aroma of Tea”
 そのほかにアニメーターとして参加している作品がいくつかあり、『ファンタジア2000』もその1つ。絵本も出版しているほか、アニメーションについて後進の指導にも当たっています。

 彼については英語版のWikipedea(http://en.wikipedia.org/wiki/Micha%C3%ABl_Dudok_De_Wit)で紹介されていて、それによれば、ジュネーブのthe Ecole Supérieure des Beaux Arts Genève ではエッチングを学んだこと、彼の絵のタッチには中国の水墨画や日本画からインスパイアされていること、などが紹介されています。

 彼は、2004年9月にロベール・ブレッソン賞を受賞したらしく、それにあわせて行なわれたインタビューがrobert-bresson.com(http://www.mastersofcinema.org/bresson/Words/Dudok_de_Wit.html)で読むことができます(英語)。この受賞を受けて、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットがあわててブレッソン作品を観たこと、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットの初ブレッソン体験は『バルタザールどこへ行く』だったこと、ブレッソン自身もマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットの『お坊さんと魚』までは観ていたらしいこと、などが語られています。

 ◇CM作品
 "Actifed Germ" The Welcome Foundation, Cough Medicine

 "Heinz Egg" Heinz Salad Cream

 "The Long Sleep" Mcallan Malt Whiskey

 "VW Sunrise" Volkswagen

 "Pink Foot" Owen's Corning Roof Insulation

 "Smart Illusions" Nestlé Smarties

 "Noah" The Irish Lottery

 "At&T" five TV commercials

 ◇絵本
 日本で出版されている絵本に『オスカーとフー』(評論社)『オスカーとフーいつまでも』(同)があります。

画像

 絵本版『岸辺のふたり』洋書版はこちら(http://www.amazon.co.jp/gp/product/3772522386%3ftag=kattenieigade-22%26link_code=xm2%26camp=2025%26dev-t=D31ZR0ROP0WVXQ

 ドイツ語版ですが、“Vier Biber in der Nacht ”という絵本もあります。

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 ◆最新作“The Aroma of Tea”について

 2006年に多数の映画祭(*)で上映された作品で、ヨーロッパでは既にDVD化されているようです。

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 内容としては、これまでの3作品とは異なり、等高線のような図と点で表される抽象的な作品で、これまで彼の作品を観てきた方にも意外な作品として受け止められているようです。
 2006年/オランダ/3分20秒 台詞なし

 日本では、2007年の広島国際アニメーション・フェスティバルあたりでお披露目になるのでしょうか(2006年でも上映可能だったはずですが)。

 (*)韓国国際アニメーション・フェスティバル(5月)、アヌシー国際アニメーション・フェスティバル(6月)、ザグレブ国際アニメーション・フェスティバル(6月)、オランダ・フィルム・フェスティバル(9月)、ロンドン・フィルム・フェスティバル(10月)、オランダ・アニメーション・フィルム・フェスティバル(11月)、ブラッドフォード・アニメーション・フェスティバル(11月)、コカコーラ・シネマジック・ワールド・スクリーン・フェスティバル(11月)など。韓国国際アニメーション・フェスティバルでは、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督のレトロスペクティブも行なわれました。

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 *当ブログ関連記事
 ・『岸辺のふたり』
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 ・『掃除屋トム』
 ・“Aroma of tea”

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