2006年の夏映画のベスト!『時をかける少女』

画像 いや~、スゴい! 私が観た回に関して言えば、上映時間を10分も遅らせるほどの客入りで、映画館は入場客でごった返し、この作品の評判&人気の高さを伺わせました。
 舞台挨拶か何かがあるのかと思ったら全然そんなことはなくて普通の上映回で、係員には立ち見になるかもしれませんと言われてもいたんですが、列の前の方に並んでいたのに立ち見と聞いて帰ったお客さんがいたこともあってか、私はちゃんと席に座ることができました。

 さて、アニメ版『時をかける少女』が公開されるということは私も事前に知ってはいましたが、原作を忠実にアニメ化した作品だろうというくらいの認識でした。それがそうじゃないと知ったのは、フリーペーパー「R25」7/14~7/20で、原作者の筒井康隆さんがインタビューを受けていて、そこでこの映画の主人公がこれまでの映像化作品とは違って、「二代目」であり、“原作とは全然違う…だが、よいな”と発言されているのを読んだからからでした。へえ~、現代版にアレンジされてるんだ!?
 その記事を読んだ時点で映画は既に公開中だったので、ネットで映画満足度ランキングをチェックしてみると、びっくりするほど評価が高い。というかナンバーワンじゃないですか!

 というわけで観てきたんですが、よかったですね。とってもよかった。今年の夏休み映画は不作なんじゃないかと思い始めていたところだったからなおさらでしたが、確かに“見つけちゃった感”のある作品で、映画満足度ランキングに投票したくなるような映画でした。

画像 主人公(女子)の快活なキャラクター(異性に対する恋愛感情がまだ未成熟で、そういった感情抜きで放課後に男子と野球ごっこをしている)もいいし、何と言っても「若い時は何度でもやり直しが効く」ということのメタファーとしてタイムリープが使われるのが面白かったですね。
 主人公・紺野真琴は、タイムリープ経験者である叔母さん(オリジナル版『時をかける少女』の主人公である芳山和子)にタイムリープに関して「真琴くらいの女の子にはよくあることよ。そんなに驚くことじゃないわ」とあっさり言われてしまいますが、その発言がこの映画における“タイムリープ”を象徴していて、「そんなバカな」と笑っちゃうと同時に、なあ~るほどそういう映画だったのかと納得させられもしたのでした。まあ、本当は若い頃の時間も年齢を経てからの時間もどちらも一回限りで価値としては同じなんですが、やっぱり若い頃の失敗&やり直しは若さゆえに許されちゃうものなんですね。
 失敗を恐れずに何でもやれちゃうまっすぐな行動力、真摯さ、も、(観念的にはわかっているつもりでも)こうやって映画でストレートに見せつけられると、全くもって羨ましいし、素直に感動してしまいます。

 まあ、この映画に関する賛美はいろんなところで書かれていているので、私の感想はこのくらいにしておいてここでは別のアングルからこの映画の魅力(&謎)に迫ってみたいと思います。

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 ◆リンク集

 ・公式サイト:http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/

 ・公式ブログ:http://www.kadokawa.co.jp/blog/tokikake/
スタッフルーム探訪、完成披露試写、初日舞台挨拶、アニスタイベント「細田守人生相談」@ロフトプラッスワンなど情報満載。

 ・制作会社マッドハウスの公式HP:http://www.madhouse.co.jp/

 ・WEBアニメスタイル:http://www.style.fm/as/02_topics/top_060629.shtml
 『時をかける少女』応援企画:http://www.style.fm/as/13_special/13_tokikake_main.shtml
 応援コメント、ホソダマモル入門、小黒祐一郎との対談、絵コンテ、監督インタビュー、過去の細田作品に関する記事など、公式にまさる情報量!

 ・シネマヴェーラ渋谷・上映企画『アニメはアニメである』(8月12日~9月1日)にて細田守監督作品『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(8月28日&31日)上映!http://www.cinemavera.com/schedule.html

 ・細田守インタビュー「北電とあなたの快適ライフ応援マガジン えるふぷらざ」2006SUMMER:http://www.elfplaza.jp/06summer/interview/

 ・細田守ふぁんくらぶ:http://www.blueridge.gr.jp/~seeba/hobby/mhosoda.html

 細田監督は、『ハウルの動く城』の監督として、東映アニメーションからスタジオジブリに迎えられていながら、当初は同時上映の予定だった『猫の恩返し』が中篇の予定が長編化したため、『ハウル』がいったん制作中止となり、監督を降板した(参考:http://www.kanshin.com/keyword/225613)
 同ポジション(同じ構図・背景)の使いまわしが得意、標識・飛行機雲・球体状の空間を頻繁に画面に取り込むこと、シンメトリックなレイアウト・画面内にある三角形の力点・広角や望遠レンズを多用すること、ロケハンをきちんとすること、主人公がやんちゃだったりすること、などが特徴として挙げられるようです。
 熱心なファンが非常に多い。

 ・貞本義行に関するWikipedia:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%9E%E6%9C%AC%E7%BE%A9%E8%A1%8C
 「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターデザインを手がけていることで有名。

 ・「PROJECT REI」さんのブログにある「貞本義行発言集」アーカイブ:http://ayanami-rei.org/archives/sadamoto-interview.php
 「月刊少年エース」「ニュータイプ」等からの再録。

 ・ブログ「山本二三絵画展 アニメ映画の背景と原画と絵画」:http://ynkoten.exblog.jp/
 『時をかける少女』で美術監督を務めた山本二三さんに関するブログ(2005年5月の絵画展開催時のもの)。主要作品リストあり。

 ・テレコム・アニメーションフィルムに関するWikipedia:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%A0
 テレコム・アニメーションフィルムは、アニメーション制作会社で、一時は宮崎駿や高畑勲をも擁し、東映動画からスタジオジブリへの橋渡し的な役割を果たしたと評価されている。『時をかける少女』のキャラクターデザインの貞本義行、美術監督の山本二三、作画監督の青山浩行もOB。

 ・奥寺佐渡子インタビュー 日活.com「たまこのスタッフインタビュー」vol.15:http://www.nikkatsu.com/times/column/staff/volume/vol15.html
 シナリオライターになったきっかけなど(2003年現在?)。

 ・脚本家・奥寺佐渡子のフィルモグラフィー(allcinemaONLINE):http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=118651

 ・平田敏夫さんのフィルモグラフィー(allcinemaONLINE):http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=264457
 映画中に出てくる絵画「白梅ニ椿菊図」の原画(恐らくは掛け軸という設定)を描く。監督・演出家・絵コンテ作家。
 「白梅ニ椿菊図」は、曼荼羅の中心に仏母がいるような絵。胸部に4つの円(渦)が配されている。タイトルの梅・椿・菊を絵の中に探すのは難しいが、3つで春・冬・秋を表しているらしい。母なる自然(大地)と四季を慈しむ気持ち(平和・平穏・慈愛等)を表現した絵なのかもしれない。

 ・主題歌を歌う奥華子さんのブログ:http://blog.livedoor.jp/okuhanako/
 舞台挨拶付き試写会があった翌日の7月8日や主題歌「ガーネット」が発売された7月13日に関連記事があります。

 ・サウンドトラック:http://hp.ponycanyon.co.jp/pchp/cgi-bin/PCHPM.pl?TRGID=PCHP_SKH_1010&CMD=DSP&DSP_SKHBNG=200600000915&DSP_SKHKETSEQ=001

 ・博物館部分の監修をした東京国立博物館主任研究員の松嶋雅人さんに関する情報:http://read.jst.go.jp/ddbs/plsql/knky_24?code=1000291245
専門は、狩野派、日本画、日本美術史のようです。

 ・紺野真琴役の仲里依紗さんの公式HP:http://www.amuse-models.com/junior_up/naka_riisa01.html

 ・仲里依紗インタビュー Sankei Web:http://www.sankei.co.jp/news/060722/bun055.htm

 ・間宮千昭役の石田卓也さんの公式サイト:http://www.from1-pro.jp/talent/IshidaTakuya.html
 『時をかける少女』には全く触れられてありません。

 ・津田功介役の板倉光隆さんの公式サイト「コウリュウが行く!!」:http://www.kouryu-i.net/top.html
 上の2人に比べてコンテンツが充実しています。ブログもあって『時をかける少女』にも度々言及しています。

 ・芳山和子役の原沙知絵さんの公式サイトDIARY:http://www.ken-on.co.jp/hara/archives/diary.html
 『時をかける少女』に触れた部分はわずか。

 ・原作者・筒井康隆さんのHP:http://www.jali.or.jp/tti/index.html
 「筒井康隆資料館」の中の「筒井康隆最新情報」に日記があります。

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 ◆アニメ版『時をかける少女』に関するトリビア
 *元ネタは主に『時をかける少女 NOTEBOOK』から。

 ・監督によると、『時をかける少女』には「SF」「恋愛」「青春」という3つの要素があり、「SF」の色合いが強いのが原作、「恋愛」の色合いが強いのが大林宣彦版の映画、であるから、本作は「青春」を前面に押し出した作品を目指した。

 ・キャラクターデザインの貞本義行さんは、「透明感があって、リアルでありながら清潔感が必要で」というところから抜擢された。

 ・美術監督が山本二三さんなのは、『COO 遠い海から来たクー』『火垂るの墓』『天空の城ラピュタ』など、彼が手がける作品が「夏」を感じさせるから。

 ・主人公たちが「野球」をしているのは、「野球」のできる最少人数が3人であって、1人欠けると「キャッチボール」にしかならない、という三角関係のバランスから発想された。

 ・主人公の名前は、「色」が入っていた方がキャラクターイメージが立てやすいということで「紺」野に決まった。

 ・野球シーンのイメージは、「長澤まさみとキャッチボールしている気分」。

 ・タイムリープの後、真琴がゴロゴロ転がって出てくるのは、アニメのキャラクターとしての動きが欲しかったから。

 ・タイムリープの使用回数をクルミ状の装置で身体にチャージするという方法は細田監督と脚本家の奥寺さんの間で「Suica理論」と呼ばれた。

 ・坂道は不可逆性(一定方向に動き出すと元へは戻らない)の象徴。

 ・映画の中の7月のカレンダーは2006年の7月のカレンダーと同じ(でも、7月13日は木曜日なので、それ以降、この映画でエピソードが描かれる5日間の曜日が何曜日なのかは、曖昧にぼかされているようです(終業式は恐らく7月20日))。

 ・真琴の家では「とろろ昆布」を冷蔵庫に入れている。

 ・真琴のバッグについているキーホルダーは、「クワガタくん」と「テントウムシくん」。

 ・不運な高瀬宗次郎のイメージは爆笑問題の太田光(福島先生のイメージはリリーフランキー?)。

 ・黒板に書かれていた落書き「Time waits for no man.↑(°д°)ハァ?」の元ネタは、実際にロケハンした学校の黒板に書かれていた落書き「私の可能性よ開け!私の可能性よ開け!↑(°д°)ハァ?」。

 ・「絵を見るため」ではないが、その時を逃すと見ることができない「ある建造物を見るため」にタイムワープする物語としては、梶尾真治著『クロノス・ジョウンターの伝説』の「布川輝良の軌跡」に前例がある。

 ・主人公たち高校生の声をほぼ同世代の俳優に任せたのは、同世代の観客がそれを知ったら嬉しいだろうと思うんじゃないかと考えたから。

 ・本作の完成は、7月4日(ゼロ号試写)、もしくは7月5日(初号試写)。マスコミ試写は、7月6日と7日のなかのZEROホ-ルでのホール試写(一般客も含む)と10日の社内試写(角川ヘラルド映画試写室)の3回のみで、公開初日は7月12日。『時をかける少女 NOTEBOOK』の発売は7月21日、琴音らんまる版コミック発売は7月26日。
 企画スタートが2004年3月、脚本依頼が同年8月、絵コンテ開始が2005年8月、記事露出開始が同年12月、製作発表会見が2006年3月、アフレコ終了が同年5月。急遽劇場公開が決まったわけでもないようなのに、どうしてこんなバタバタした公開になってしまったのでしょうか? 完成から公開までのスケジュールが世界同時公開型のハリウッド映画並み(『ダ・ヴィンチ・コード』とか)や『釣りバカ日誌』シリーズあるいは『デスノート 前編』のよう)にタイトになっています。

 ・本作には、7月9日にブロガーのための試写(公式HPを通して募集)が角川ヘラルド映画試写室で特別に行なわれました(レビューはこちらhttp://www.kadokawa.co.jp/blog/tokikake/2006/07/post_44.php)
 ブログで記事をアップするためにビジュアル素材なんかもプレゼントされたようで、映画館でもう一度観たいという感想を述べられているブロガーさんがほとんどです。
 ブロガー試写が行なわれるのは、アップリンク配給の『ザ・コーポレーション』(http://www.uplink.co.jp/corporation/)に前例あります。私が知らないだけでブロガー試写の例はもっとあるのかもしれませんが。

 
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 ◆ロケ地

 ロケ地探しやロケ地めぐりをしたくなる映画は多いですが、それがアニメーションであるというのは珍しいですね。本作ではきちんとロケハンがなされていて、そのロケ地が公表されています。

 ロケ地情報は、劇場パンフと『時をかける少女 NOTEBOOK』に比較的詳しく載っています。「TITLe」7月号(http://www.bunshun.co.jp/mag/title/title0607.htm)にも「仲 里依紗さんと『時かけ』のロケ地を歩く」という記事が載っていたようです。

 ロケ地を実際に歩かれた方の記事としては、川崎ゆうさんのサイト「~アニメーション映画『時をかける少女』ロケハンの地を探して~」(http://www.eurus.dti.ne.jp/~nagi/tokikake01)が圧倒的に詳しい。いや~、凄いですよ!

 ・東京女子大学 善福寺キャンパス(http://lab.twcu.ac.jp/icsc/home.html)(倉野瀬高校のモデル) エンドロールによればそのほかにも目白学園中学校・高等学校、東京都立国分寺高等学校、東京都立農芸高等学校、東京都立産業技術高等専門学校もクレジットされているので、それらも部分的にモデルとして採用されているのかもしれません(ロケハンされた学校は全部で7ヶ所だそうです)。

 ・林芙美子記念館(http://www.regasu-shinjuku.or.jp/46humiko)とその周辺の建物(紺野家のモデル)

 ・中井商友会(http://shinjukuku-kushouren.net/082.htm) 商店街の看板のモデル)

 ・上野近郊(商店街のモデル)

 ・西武新宿線・中井駅駅前(http://of-tokyo.jp/station/s10242)

 ・哲学堂グラウンド(http://www.nices.or.jp/02guidance/tetugakudou/02-6.html)

 ・荒川グラウンド(http://www.taitocity.net/culture/sports/arakawa/arakawa.htm)

 ・豊島区高田の富士見坂・日無坂(http://members.at.infoseek.co.jp/fookey/toshima-fujimizaka.html HP「東京23区の坂道」←こちらも凄い!)

 ・神田川面影橋付近にある分かれ道

 ・渋谷スクランブル交差点(http://www.f-banchan.net/tokyo/sibuya/sibuya.htm)

 ・東京国立博物館(http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00/processId=00)

 ・カラオケ店のモデルはカラオケパセラ?(http://www.pasela.co.jp/event/tokikake/

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 ◆名セリフ集

 本当は『時をかける少女 NOTEBOOK』にシナリオが採録されていればよかったのですが、シーンごとの解説のみだったのでちょっと残念でした。コミックや「絵コンテ」だとシナリオとほぼ同じものが載っていたりするのでしょうか?

 なので、記憶と『時をかける少女 NOTEBOOK』に記載されているセリフを参照しつつ、『時をかける少女』の名セリフを書き出してみました。

 ・「真琴くらいの女の子にはよくあることよ。そんなに驚くことじゃないわ」

 ・「ずっと3人でいられる気がしてたんだよね」

 ・「真琴、俺と……付き合えば? 俺、そんなに顔も悪くないだろ?」「なにソレ? 止めて!ちょっと止めて!」

 ・「功介は彼女つくんないの?」「俺が彼女つくったら真琴がひとりになっちゃうじゃん」

 ・「アタシがなんとかする!」「なんとか?」「なんとかって?」「なんとかよっ!」

 ・「最低だ、アタシ。人が大事な話してるのに、それをなかったことにしちゃったの。なんでちゃんと聞いてあげなかったのかなあ」

 ・「おまえ、タイムリープしてねえ?」

 ・「俺、未来から来たって言ったら、笑う?」

 ・「川が地面を流れるのを初めて見た。自転車に初めて乗った。空がこんなに広いことを初めて知った。こんなに人がたくさんいるところを初めて見た」

 ・「私ね、本当は真琴は、功介くんとも千昭ともどちらとも友達のままって思ってた」「……アタシも昨日までそう思ってた」

 ・「私、千昭のこと好きだ。ごめん」「……そっか。そうだと思った」

 ・「未来で待ってる」

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 ◆真琴は何回タイムリープしているのか?

 ・7月13日(ナイスの日)放課後、理科実験室でチャージ?

 ・7月13日午後4時。坂道で自転車のブレーキが利かず、踏み切りに突っ込む。タイムリープ(以下TL)①→坂道の途中で転倒している。

 ・タイムリープ能力を試すために土手から川原へダイブ。TL②→一日前(7月12日)の自宅の食堂へ飛び出す。

 ・カラオケ、夕食の鉄板焼き、野球などをもう1回(あるいはもっとうまく)やるために何度もタイムリープする。TL③。この時点で、真琴は、タイムリープする期間を調整できるようになったのでしょうか? また、真琴はなぜ未来にもタイムリープできないのかどうか試さないのでしょうか?(ストーリーがややこしくなるから?) そして、こういうやり方では、真琴だけがまわりより早く年を取ってしまいそうですね。

 ・千昭に告白されて、告白以前の時間にタイムリープ。TL④

 ・いじめられている高瀬が逆恨みして真琴に消火器を投げつけ、かばってくれた千昭を助けようとしてタイムリープ。TL⑤→少し前の時間に? この時点で残りのチャージ数は06。

 ・描かれていないタイムリープが1回? チャージ数が05になっている。

 ・果穂と功介を取りもつためにタイムリープ3回(4回?)。TL⑥。チャージ数は01になる。7月13日の朝へ。プールのジャンプ台からダイブ! ジャンプする距離(勢い?)が大きいほどタイムリープで遡る時間が大きい?

 ・携帯で千昭に「タイムリープしてないか」と問われ、動揺してその直前の時間に戻り、千昭の問いをやり過ごす。TL⑦。チャージ数00。

 ・功介と果穂の踏み切りでの事故の瞬間に千昭が時間を静止させる。→事故以前の少し前の時間へタイムリープ?
この時点で真琴のチャージ数01に戻る(クルミ状の装置を無くしているはずの千昭にもチャージ数が残っていたというのは考えてみればヘンな話なのですが、1回分だけのチャージとか、複数でのチャージとかもアリだったのでしょうか?)

 ・千昭が去った翌日の夜から7月13日の朝へ。夜の坂道からダイブ!TL⑧

 合計すると真琴は10数回タイムリープしたようです。

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 ◆映画『時をかける少女』の中での時間の流れを解読する!
 「a-1*1」は、事象aが1番目の時間世界で起こったこと(-1)で、その事象自体が1回目であること(*1)を示す。

 7月12日(1回目)
 a-1*1.妹・美雪が、真琴が取っておいたプリンを食べる。

 7月13日(1回目)
 b-1*1.真琴、朝寝坊。
 c-1*1.ギリギリで登校。叔母さんに持っていく桃を持たされる。
 d-1*1.国語の小テスト。真琴は散々な結果。
 e-1*1.調理実習(エビフライ+キャベツの千切り)で天ぷら鍋から出火。
 f-1*1.中庭でプロレスごっこに巻き込まれる。
 g-1*1.放課後、理科実験室に生徒のノートを運ぶ。真琴本人の知らない間にチャージされる。
 h-1*1.3人で野球。
 k-1*1.博物館に勤める叔母さんのところに行こうとして自転車のブレーキが利かず、踏み切りに突っ込む。

 タイムリープ(以下TL)①

 j-2*1.坂道の途中で転んでいる。
 k-2*2.恐らく自転車はそのまま手押しで坂を下る。
 l-2*1.博物館で叔母さんに会う。タイムリープのことを教えられる

 TL②

 7月12日(2回目)

 a-3*2.真琴が、自分で取っておいたプリンを食べる。

 7月13日(2回目)

 b-3*2.余裕を持って登校。
 c-3*2.小テストでいい成績を上げる。
 e-3*2. 調理実習は高瀬くんと代わってもらったので事故を逃れる。
 f-3*2.プロレスごっこには巻き込まれるのをうまく回避する。
 g-3*2.?
 h-3*2.野球をするとホームランばかり出る。
 k-3*3.自転車は乗らずに(手押しで?)駅へ。
 l-3*2.叔母さんに「誰かが代わりに悪い目に遭ってるんじゃないか」と言われる。

 7月××日(1回目)
 m-3*1.果穂が功介に告白するが、功介は断る。
 n-3*1.千昭が真琴に告白するが、真琴は動揺して答えられない。

 TL④

 n-4*2.真琴は千昭を避ける。
 o-4*1.叔母さんは真琴に千昭と付き合ってみればと勧める。

 7月△△日(1回目)

 p-4*1.高瀬がいじめられている。

 7月□□日(1回目)

 q-4*1.いじめられている高瀬が逆恨みして真琴に消火器を投げつけ、真琴はかばってくれた千昭を助けようとしてタイムリープ

 TL⑤

 q-5*2.消火器は友梨に当たるがその結果、友梨と千昭は急接近することになる。

 7月○○日(1回目)

 r-5*1.功介と真琴のキャッチボール。

 7月☆☆日(1回目)

 s-5*1.果穂が功介に恋していることを知り、真琴は2人の中を取り持つことに決める。

 TL⑥

 7月13日(3回目)

 f-6*3.プロレスごっこを利用して、果穂と功介を近づける。
 g-6*3.理科実験室に潜んでいると、友梨がノートを持ってくる。
 i-6*1.功介はいったん果穂を連れて自宅である病院へ向かう。

 TL⑦

 k-6*4.真琴の自転車で功介が果穂を送っていき、自転車のブレーキが利かず、踏み切りに突っ込む。

 千昭によるタイムリープ①

 j-7*2.千昭が自分のチャージを使って、功介と果穂を助けて(?)、姿を消す。

 TL⑧

 7月13日(4回目)

 g-8*4.理科実験室でクルミ状のタイムリープ装置を拾い、友梨に千昭が好きなことを告げ、千昭を見つけて装置を渡す。
 
 千昭によるタイムリープ② 以後は千昭のいない時間世界へ(つまりパラレルワールド)?

 h-9*4.真琴が果穂たちを野球に誘う。

 タイムリープするごとに、時間軸は次々と新しく枝分かれして(上書きされて)きたようですが、「千昭によるタイムリープ①」だけは、TL⑥が実行されていない時間軸に戻り、TL⑧だけは、TL①が実行されていない一番初めの時間軸に戻っているようです(TL②が行なわれた後の7月13日に戻ったのでは、装置は既に真琴の身体の中にチャージされてしまっている?)。記憶やチャージがどう「上書き」されるのかはちょっと曖昧にされているようです。

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 ◆何故ヒットしているのか?

 作品のよさが動員につながるのはもちろんですが、本作の場合は完成披露試写から劇場公開までの期間がタイト過ぎて、映画を観たライターや評論家の映画評は、新聞や週刊誌以外には間に合っていません。
 なので、公開当初のヒットは制作宣伝(完成前に制作中の映画をどんどん告知していく)によるもの、と考えられます。
 ホームページの早々の立ち上げ、コミック化、原作の新装版の発売なども効果的だったのでしょうが、細田守監督、貞本義行作画監督、山本二三美術監督らを知るファンが事前にこの映画に関する情報を(アニメ専門誌などで)得て、期待して、待ち望んで、大挙して劇場に押しかけたというのが現在のヒットの真相のようです。
 ヒットしているわりには、お客さんが偏っていて、見るからにそっち系のお客さんばかりなのが、その推測を裏づけます。
 映画をヒットに結びつける20代女性やファミリー層にこの映画のことがまだほとんどアピールできていないらしいのがこの映画にとっての難点で、そちらの層に気づいてもらえれば、より大きなヒットとなることは間違いありません。そういう魅力も十分兼ね備えた作品でもありますし。

 他のアニメ作品がテレビでガンガン宣伝しているのに対して、本作にはテレビもラジオも1社もついていないのも宣伝力・競争力を弱めていると言えそうです。そのわりには頑張っているとも言えそうですが。
 『時をかける少女』~角川ヘラルド映画+角川書店
 『ブレイブ ストーリー』~ワーナー・ブラザース映画+フジテレビ+GONZO
 『ゲド戦記』~東宝+日本テレビ+スタジオジブリ
 『カーズ』~ブエナビスタ+ピクサー
 『森のリトル・ギャング』~アスミック・エース+ドリームワークス
 『劇場版ポケットモンスター・アドバンスジェネレーション/ポケモンレンジャーと蒼海(うみ)の王子マナフィ』~東宝+テレビ東京
 『NARUTO/大興奮!みかづき島のアニマル騒動(パニック)だってばよ』~東宝+テレビ東京+集英社
 『それいけ!アンパンマン/いのちの星のドーリィ』~東京テアトル&メディアボックス+日本テレビ+読売新聞社+やなせスタジオ
 『王と鳥』~クロックワークス+スタジオジブリ
 『年をとった鰐』~ジェネオン&スローラーナー+ヤマムラアニメーション
 『おさるのジョージ』~UIP映画

 ポスターのビジュアルも悪くはありませんが、残念ながら、原作を知らない人にアピールできてはいませんし、原作通りのアニメ化だろうと思っている(私のような)人にもこの作品がそんな作品ではないことはまだ伝わってはいませんね~。
 ちなみに、宣伝美術担当のMETAMOの金松滋さんは、『溺れる魚』『金融腐食列島[呪縛]』『バトル・ロワイヤル』等で宣伝美術のクリエイティブ・ディレクターを務めた方。宣伝美術でお客さんを取り込むタイプのデザイナーさんではないようです。

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 *もう少し監督やスタッフに関して深く調べてみたかったのですが、既にかなり長くなってしまっているので、今回はとりあえず、ここまでとしたいと思います。
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 *祝・受賞 映画『時をかける少女』

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