米国アカデミー賞2020 オリジナル作曲賞 ショートリスト 15作品 発表

 米国アカデミー賞2020 オリジナル作曲賞のショートリスト15作品が発表されました。(12月16日)

 ・『アベンジャーズ/エンドゲーム』 アラン・シルヴェストリ
 ・『スキャンダル』 セオドア・シャピロ 
 ・『フェアウェル』 Alex Weston
 ・『フォードVSフェラーリ』 マルコ・ベルトラミ、バック・サンダース(Buck Sanders)
 ・『アナと雪の女王2』 クリストフ・ベック
 ・『ジョジョ・ラビット』 マイケル・ジアッキノ
 ・『ジョーカー』 ヒドゥル・グドナドッティル
 ・『キング』“The King” ニコラス・ブリテル
 ・『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』  アレクサンドル・デプラ
 ・『マリッジ・ストーリー』 ランディー・ニューマン
 ・『マザーレス・ブルックリン』 ダニエル・ペンパートン
 ・『1917 命をかけた伝令』(英・米)“1917”  トマス・ニューマン
 ・“Pain and Glory(Dolor y gloria)”(西) アルベルト・イグレシアス
 ・『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』 ジョン・ウィリアムズ
 ・『アス』“Us”  マイケル・アーベルス(Michael Abels)

 前回から、この部門もショートリストが発表になっています。

 発表されているのは、作品名だけで、ノミネート対象者は発表されておらず、他の映画賞のノミネーション、および、映画サイトから拾ってきてあります。

 上記の作曲家の中で、これまで受賞したことがあるのは、アレクサンドル・デプラとマイケル・ジアッキノ、ジョン・ウィリアムズ。

 受賞者以外でノミネートされたことがあるのは、アラン・シルヴェストリ、マルコ・ベルトラミ、バック・サンダース、ニコラス・ブリテル、ランディー・ニューマン、トマス・ニューマン、アルベルト・イグレシアスの6人。

 ノミネートされた/受賞したことのある者のうち、
 アラン・シルヴェストリは、ノミネートされれば2005年の『ポーラー・エクスプレス』以来3回目。
 マルコ・ベルトラミは、ノミネートされれば10年ぶり3回目
 バック・サンダースは、2010年に『ハート・ロッカー』でノミネート。ノミネートされれば2回目。
 マイケル・ジアッキノは、2010年に『カールじいさんの空飛ぶ家』で受賞。ノミネートされれば10年ぶり3回目。
 ニコラス・ブリテルは、2017年に『ムーンライト』で初ノミネート。前回、『ビール・ストリートの恋人たち』でノミネート。今回ノミネートされれば2年連続3回目。
 アレクサンドル・デプラは、2年連続ノミネート。ノミネートされれば、3年連続11回目。
 ランディー・ニューマンは、2011年に『トイ・ストーリー3』で2回目の歌曲賞受賞。作曲賞でノミネートされれば2002年の『モンスターズ・インク』以来、18年ぶり9回目。
 トマス・ニューマンは、ノミネートされれば3年ぶり15回目。受賞経験なし。
 アルベルト・イグレシアスは、ノミネートされれば8年ぶり4回目。
 ジョン・ウィリアムズは、ノミネート48回、作曲賞4回、編曲賞1回受賞。ノミネートされれば2018年の『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』以来、受賞すれば1994年の『シンドラーのリスト』以来。

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 【傾向】

 1.この部門は、(少なくとも近年は)新しい作曲家(新しい映画に新鮮な音楽)が有利で、初ノミネートが受賞しやすい。

 2019年:ルドウィグ・ゴランソン 『ブラックパンサー』 初ノミネート初受賞。
 2016年:ジャスティン・ハーウィッツ 『ラ・ラ・ランド』 初ノミネート初受賞。
 2014年:スティーヴン・プライス 『ゼロ・グラビティ』 初ノミネート初受賞。
 2013年:マイケル・ダナ 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 初ノミネート初受賞。
 2012年:ルドヴィック・ブールス 『アーティスト』 初ノミネート初受賞。
 2011年:トレント・レズナー&アッテシカス・ロス 『ソーシャル・ネットワーク』 初ノミネート初受賞。
 2009年:A・R・ラフマーン 『スラムドッグ$ミリオネア』 初ノミネート初受賞。
 2006年:グスタボ・サンタオラヤ 『ブロークバック・マウンテン』 初ノミネート初受賞(グスタボ・サンタオラヤは翌年も受賞)。
 2005年:ヤン・A・P・カチュマレク 『ネバーランド』 初ノミネート初受賞。
 2001年:タン・ドゥン 『グリーン・デスティニー』 初ノミネート初受賞。

 2.作品賞や監督賞の周辺の作品が受賞することが多い。
 過去15年間で、作品賞受賞作品がオリジナル作曲賞を受賞したことは4回、監督賞受賞作品がオリジナル作曲賞を受賞したことは8回ある。
 作品賞のノミニーに限ると、過去15年間で、2016年を除くと、オリジナル作曲賞はすべて作品賞にノミネートされた作品が受賞している。

 3.近年はゴールデン・グローブ賞と一致することが多い。

 近年の米国アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞のオリジナル作曲賞ノミネーション&受賞作の合致度は、以下のようになっています。

 2019年:3/5 受賞作不一致
 2018年:4/5 受賞作一致
 2017年:3/5 受賞作一致
 2016年:2/5 受賞作一致
 2015年:3/5 受賞作不一致
 2014年:2/5 受賞作不一致
 2013年:4/5 受賞作一致
 2012年:3/5 受賞作一致
 2011年:4/5 受賞作一致
 2010年:2/5 受賞作一致
 2009年:3/5 受賞作一致
 2008年:2/5 受賞作一致
 2007年:1/5 受賞作不一致
 2006年:2/5 受賞作不一致
 2005年:1/5 受賞作不一致
 2004年:3/5 受賞作一致

 これまで、この部門はさほど一致度が高くなかったのですが、近年、連続で受賞作が同じになっています。
 受賞作が不一致の年も、(2015年と2019年を除くと)双方にノミネートされた作品の中から米国アカデミー賞受賞作が出ています。

 米国アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞のオリジナル作曲賞が合致しなければならないという合理的根拠は(単にその作品が素晴らしいからということになる以外には)ありませんが、近年のデータからすると、ゴールデン・グローブ賞の受賞作は、米国アカデミー賞受賞作となりやすく、少なくとも双方でノミネートされた作品が受賞しやすいことは確かであるようです。

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 【前哨戦】

 ◆アトランタ映画批評家協会賞 オリジナル作曲賞(Best Original Score)
 ◎トマス・ニューマン 『1917 命をかけた伝令』

 ◆サテライト・アワード 2020オリジナル作曲賞(Original Score) ノミネーション
 ・『1917 命をかけた伝令』(英・米) トマス・ニューマン
 ・『フォードVSフェラーリ』 マルコ・ベルトラミ、バック・サンダース(Buck Sanders)
 ・“Harriet”(監督:ケイシー・レモンズ) テレンス・ブランチャード
 ・『アイリッシュマン』 ロビー・ロバートソン(Robbie Robertso)
 ・『ジョーカー』 ・ヒドゥル・グドナドッティル
 ・『マリッジ・ストーリー』 ランディー・ニューマン

 ◆ニューヨーク映画批評家オンライン賞 音楽賞(Best Use of Music)
 ◎『ロケットマン』(作曲者:マシュー・マージソン(Matthew Margeson)、エルトン・ジョン、バーニー・トウピン(Bernie Taupin)、ジャイルズ・マーティン(Giles Martin)、パフォーマー:タロン・エガートン)

 ◆ロサンゼルス映画批評家協会賞 作曲賞(Best Music Score)
 ◎Dan Levy 『失くした体』“I Lost My Body(J’ai perdu mon corps)”(仏)(監督:ジェレミー・クラパン)
 次点:トマス・ニューマン 『1917 命をかけた伝令』(英・米)

 ◆ワシントンDC映画批評家協会賞 オリジナル作曲賞(Best Original Score)
 ・トマス・ニューマン 『1917 命をかけた伝令』(英・米)
 ・ヒドゥル・グドナドッティル 『ジョーカー』
 ・アレクサンドル・デプラ 『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
 ・ランディー・ニューマン 『マリッジ・ストーリー』
 ◎マイケル・アーベルス(Michael Abels) 『アス』

 ◆クリティクス・チョイス・アワード2020 作曲賞(Best Score)ノミネーション
 ・マイケル・アーベルス(Michael Abels) 『アス』
 ・アレクサンドル・デプラ  『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
 ・ヒドゥル・グドナドッティル 『ジョーカー』
 ・ランディー・ニューマン 『マリッジ・ストーリー』
 ・トマス・ニューマン  『1917 命をかけた伝令』(英・米)
 ・ロビー・ロバートソン(Robbie Robertson) 『アイリッシュマン』

 ◆ゴールデン・グローブ賞2020 オリジナル作曲賞 ノミネーション
 ・トマス・ニューマン 『1917 命をかけた伝令』(英・米)
 ・ヒドゥル・グドナドッティル 『ジョーカー』
 ・ランディー・ニューマン 『マリッジ・ストーリー』
 ・アレクサンドル・デプラ 『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
 ・ダニエル・ペンパートン 『マザーレス・ブルックリン』

 ◆デトロイト映画批評家協会賞 音楽賞(Best Use of Music)
 ・『1917 命をかけた伝令』(英・米)
 ◎『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
 ・『ロケットマン』
 ・“Uncut Gems”
 ・“Wild Rose”(英)(監督:トム・ハーパー)

 ◆ニューメキシコ映画批評家協会賞 音楽/作曲賞(Best Music/Score)
 ◎『名もなき生涯』
 次点:『1917 命をかけた伝令』(英・米)

 ◆サンディエゴ映画批評家協会賞 音楽賞(Best Use of Music in A Film)
 次点:『ジョジョ・ラビット』
 ・『ジョーカー』
 ◎『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
 ・『ロケットマン』
 ・『イエスタデイ』

 ◆ラスベガス映画批評家協会賞 作曲賞
 ◎『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

 ◆シカゴ映画批評家協会賞 作曲賞(Best Original Score)
 ・『ファースト・マン』 ジャスティン・ハーウィッツ
 ・トマス・ニューマン 『1917 命をかけた伝令』(英・米)
 ◎アレクサンドル・デプラ 『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
 ・ランディー・ニューマン 『マリッジ・ストーリー』
 ・Daniel Lopatin “Uncut Gems”
 ・マイケル・アーベルス(Michael Abels) 『アス』

 ◆ボストン映画批評家協会賞 オリジナル作曲賞(Best Original Score)
 ◎『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
 次点:“The Last Black Man In San Francisco”(監督:Joe Talbot)

 ◆ボストン・オンライン映画批評家協会賞 作曲賞(Best Score)
 ◎Daniel Lopatin “Uncut Gems”

 ◆セントルイス映画批評家協会賞 作曲賞(Best Score)
 ・『アド・アストラ』 マックス・リヒター
 ・『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』 ジョン・パウェル
 ◎『1917 命をかけた伝令』 トマス・ニューマン
 次点:『マリッジ・ストーリー』 ランディー・ニューマン
 ・『アベンジャーズ/エンドゲーム』 アラン・シルヴェストリ

 やや『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』がリードしているように見えますが、米国アカデミー賞はもう既にノミネート対象外になっています。

 それに続くのは、『1917 命をかけた伝令』、『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』あたり。若手を買うなら『アス』でしょうか

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 前哨戦の結果から考えると、有望そうなのは以下の3本です。

 ・『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』  アレクサンドル・デプラ
 ・『1917 命をかけた伝令』(英・米)“1917”  トマス・ニューマン
 ・『アス』“Us” マイケル・アーベルス(Michael Abels)

 あと2本選ぶなら、以下のどれかでしょうか
 本年度、いくつか特別賞を与えられているランディー・ニューマンか、
 功労賞的な意味合いで、ジョン・ウィリアムズか、
 なぜか外国映画から選出されているアルベルト・イグレシアスか

 ・『マリッジ・ストーリー』 ランディー・ニューマン
 ・『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』 ジョン・ウィリアムズ
 ・“Pain and Glory(Dolor y gloria)”(西) アルベルト・イグレシアス

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 ・米国アカデミー賞2019 オリジナル作曲賞 ショートリスト15作品 発表:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_48.html

 ・米国アカデミー賞2018 オリジナル作曲賞候補141タイトル:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201712/article_76.html
 ・米国アカデミー賞2017 オリジナル作曲賞候補145タイトル:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201612/article_50.html
 ・米国アカデミー賞2016 オリジナル作曲賞候補112タイトル:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201512/article_54.html
 ・米国アカデミー賞2015 オリジナル作曲賞候補114タイトル:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201501/article_6.html
 ・米国アカデミー賞2014 オリジナル作曲賞候補114タイトル:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_33.html
 ・米国アカデミー賞2013 オリジナル作曲賞候補104タイトル:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_22.html
 ・米国アカデミー賞2012 オリジナル作曲賞候補97タイトル:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_55.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2019年10月~2020年1月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201910/article_7.html

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