アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞2019 受賞結果 本年度の黒人映画ナンバー1は?

 第16回アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞が発表されました。(12月11日)

 【アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞】

 アフリカン・アメリカン映画批評家協会(AAFCA:The African-American Film Critics Association)は、2003年に、ジャーナリストGil Robertson IV とShawn Edwardsによって、設立された団体で、アフリカを出自とする人々が監督したり、出演したりしている映画作品を、ユニバーサルに、ブラック・コミュニティーにアピールする目的でスタートしています。
 同じような目的の団体/賞に、公民権運動の流れを組むNAACPイメージ・アワードや、黒人の、映画やテレビにおける業績を認め、讃えるために設けられたブラック・リール・アワードがありますが、こちらはそんなにアグレッシブでもなく、もうちょっと穏やかな、映画好きのアフリカン・アメリカンによる映画賞となっています。

 近年の主な受賞結果は、以下のようになっています。

 【2009年】
 1位:『プレシャス』
 2位:『プリンセスと魔法のキス』
 5位:『This Is It』
 監督賞・脚本賞・助演女優賞:『プレシャス』
 主演男優賞:モーガン・フリーマン 『インビクタス』

 【2010年】
 5位:“Night Catches Us” 監督:Tanya Hamilton
 7位:『フランキー&アリス』“Frankie and Alice” 監督:ジェフリー・サックス
 8位:“Blood Done Sign My Name” 監督:ジェブ・スチュアート
 10位:“For Colored Girls” 監督:タイラー・ペリー
 主演女優賞:ハル・ベリー “Frankie and Alice”
 助演男優賞:マイケル・イーリー “For Colored Girls”
 助演女優賞:キンバリー・エリス “For Colored Girls”
 脚本賞:“Night Catches Us”
 歌曲賞:“For Colored Girls”

 【2011年】
 3位:『アリーケの詩(うた)』“Pariah” 監督ディー・リース
 10位:『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』
 監督賞:スティーヴ・マックイーン 『SHAME -シェイム-』
 主演女優賞:ヴィオラ・デイヴィス 『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』
 助演女優賞:オクタヴィア・スペンサー 『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』
 脚本賞:エヴァ・デュヴルネ “I Will Follow”
 ブレイクスルー・パフォーマンス賞:アデペロ・オデュイエ 『アリーケの詩(うた)』
 インディペンデント映画賞:『アリーケの詩(うた)』
 外国映画賞:『キニアルワンダ』

 【2012年】
 主演男優賞:デンゼル・ワシントン 『フライト』
 主演女優賞:エマヤツィ・コリニアルディ(Emayatzy Corinealdi) “Middle of Nowhere”
 助演男優賞:ネイト・パーカー 『キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け』
 ブレイクスルー・パフォーマンス賞:クヮヴェンジャネ・ウォレス:『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』
 脚本賞・音楽賞・インディペンデント映画賞:“Middle of Nowhere”

 【2013年】
 1位:『それでも夜は明ける』
 監督賞:スティーヴ・マックイーン 『それでも夜は明ける』
 主演男優賞:フォレスト・ウィテカー 『大統領の執事の涙』
 助演女優賞:オプラ・ウィンフリー 『大統領の執事の涙』
 脚本賞:ジョン・リドリー 『それでも夜は明ける』
 ブレイクスルー・パフォーマンス賞:ルピタ・ニョンゴ 『それでも夜は明ける』
 ドキュメンタリー賞:“American Promise”
 ワールド・シネマ賞:“Mother of George”

 【2014年】
 作品賞・監督賞・主演男優賞・音楽賞:『グローリー/明日への行進』
 主演女優賞:ググ・ンバータ=ロー 『ベル ~ある伯爵令嬢の恋~』
 アンサンブル賞:『ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男~』

 【2015年】
 作品賞・助演男優賞・アンサンブル賞:『ストレイト・アウタ・コンプトン』
 監督賞・助演女優賞・ブレイクスルー・パフォーマンス賞:『クリード チャンプを継ぐ男』
 主演男優賞:ウィル・スミス 『コンカッション』
 主演女優賞・インディペンデント映画賞:『シャイラク』
 脚本賞:『DOPE/ドープ!!』

 【2016年】
 作品賞・監督賞・助演男優賞・ブレイクスルー・パフォーマンス賞:『ムーンライト』
 主演男優賞・助演女優賞・脚本賞:『フェンス』
 主演女優賞:『ラビング 愛という名前のふたり』
 歌曲賞・ブレイクスルー・パフォーマンス賞・アンサンブル賞:『ドリーム』
 ドキュメンタリー賞:『13th -憲法修正第13条-』

 【2017年】
 作品賞・監督賞・主演男優賞・脚本賞:『ゲット・アウト』
 助演男優賞:ローレンス・フィッシュバーン 『30年後の同窓会』
 助演女優賞:ティファニー・ハディッシュ “Girls Trip”
 歌曲賞・アンサンブル賞:『デトロイト』
 コメディー賞:“Girls Trip”
 インディペンデント映画賞:“Crown Heights”
 ニュー・メディア賞・ブレイクアウト賞:『マッドバウンド 哀しき友情』
 外国映画賞:『傷』

 【2018年】
 作品賞・歌曲賞:『ブラックパンサー』
 監督賞:ライアン・クーグラー
 主演男優賞:ジョン・デイヴィッド・ワシントン 『ブラック・クランズマン』
 主演女優賞:レジーナ・ホール “Support the Girls”(米)(監督:アンドリュー・ブジャルスキー)
 助演男優賞:ラッセル・ホーンズビー 『ヘイト・ユー・ギブ』
 助演女優賞:レジーナ・キング 『ビール・ストリートの恋人たち』
 脚本賞:スパイク・リー、Charlie Wachtel、デイヴィッド・ラビノウィッツ(David Rabinowitz)、ケヴィン・ウィルモット(Kevin Willmott) 『ブラック・クランズマン』
 ドキュメンタリー賞:『クインシーのすべて』

 映画賞としてのカラーは非常にはっきりしていて、わかりやすい映画賞になっています。

 なお、アフリカン・アメリカン映画批評家協会は、2010年に分裂して、ブラック映画批評家協会が設立されています。
 ブラック映画批評家協会賞は、より「黒人色」が薄い映画賞になっていて、2010年の作品賞は『ソーシャル・ネットワーク』、2011年の作品賞は『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』、2012年の作品賞は『ゼロ・ダーク・サーティ』、2013年の作品賞は『それでも夜は明ける』、2014年の作品賞は『グローリー/明日への行進』、2015年の作品賞は『クリード チャンプを継ぐ男』、2016年の作品賞は『ムーンライト』、2017年の作品賞は『マッドバウンド 哀しき友情』という風になっています。

 設立年:2003 会員数:
 公式サイト:http://www.aafca.com/
 Wikipedia(英語):http://en.wikipedia.org/wiki/African-American_Film_Critics_Association

 2016年より、テレビ部門が設けられています。

アウリカン・アメリカン.jpg

 ◆作品賞
 ◎『アス』

 ◆監督賞
 ◎ジョーダン・ピール 『アス』

 ◆主演男優賞
 ◎エディー・マーフィー 『ルディ・レイ・ムーア』

 ◆主演女優賞
 ◎ルピタ・ニョンゴ 『アス』

 ◆助演男優賞
 ◎ジェイミー・フォックス 『黒い司法 0%からの奇跡』

 ◆助演女優賞
 ◎Divine Joy Randolph 『ルディ・レイ・ムーア』

 ◆ブレイクアウト・パフォーマンス賞(Best Breakout Performance)
 ◎ケルヴィン・ハリソン,Jr “Waves”

 ◆アニメーション賞(Best Animated Film:)
 ◎“Abominable”(中・米) 監督:Jill Culton、Todd Wilderman

 ◆ドキュメンタリー賞(Best Documentary)
 ◎『ブラック・ゴッドファーザー: クラレンス・アヴァントの軌跡』“The Black Godfather”(米) 監督:レジナルド・ハドリン

 ◆外国語映画賞
 ◎『パラサイト 半地下の家族』(韓) 監督:ポン・ジュノ

 ◆インディペンデント映画祭(Best Independent Film)
 ◎“The Last Black Man in San Francisco” 監督:Joe Talbot

 ◆脚本賞(Best Screenplay Presented with The Black List:)
 ◎『パラサイト 半地下の家族』(韓) 監督:ポン・ジュノ

 ◆インパクト賞(Impact Award)
 ◎“Queen & Slim” 監督:Melina Matsoukas

 ◆We See You Award
 ◎テイラー・ラッセル(Taylor Russell) “Waves”

 ◆AAFCA 10 Best Films of 2019:
 1.『アス』(Universal Pictures)
 2.『ルディ・レイ・ムーア』(Netflix)
 3.『黒い司法 0%からの奇跡』(Warner Bros. Pictures)
 4.“Clemency”(監督: Chinonye Chukwu)(Neon)
 5.『アイリッシュマン』(Netflix)
 6. “Queen & Slim”(Universal Pictures)
 7.“Waves”(A24)
 8.『パラサイト 半地下の家族』(韓)(Neon)
 8.『アトランテイックス』(Netflix)
 9.『フェアウェル』(A24)
 10.“Harriet”(監督:ケイシー・レモンズ)(Focus Features)

 本年度は、黒人映画があまり選出されていないと早い時期にネットに出ていて、実際、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされた黒人も多くはなかったんですが、アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞に選ばれた作品を見るとそんなに少ないわけではなかったですね。

 ただし、黒人映画を選出するに当たって、非WASP系映画をも対象にしていて、その中に『パラサイト 半地下の家族』も含めているようですね。

 本年度の映画賞で『パラサイト 半地下の家族』が高く評価されているのは、ひょっとするとそういう取り上げられ方をされているということもあるのでしょうか。そんな中には『アイリッシュマン』や『フェアウェル』も入ってくるようですが。

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 *当ブログ記事

 ・アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_28.html
 ・アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞2017 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201712/article_49.html
 ・アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201612/article_47.html
 ・アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201512/article_20.html
 ・アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_18.html
 ・アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_39.html
 ・アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_44.html
 ・アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_23.html
 ・アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_33.html
 ・アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_26.html

 ・全米の映画批評家協会系映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_2.html

 ・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2019年10月~2020年1月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201910/article_7.html

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