バーリ映画祭2019 受賞結果

 第10回バーリ国際映画祭(4月27日-5月4日)の受賞結果です。

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 バーリは、アドリア海に面したイタリアの港湾都市で、南イタリアではナポリ次ぐ経済の中心地であり、同地で開催される映画祭は、8日間で7万5千人を動員する大きな文化イベントになっています。

 この映画祭が、けっこう意欲的な映画祭であることはいろんな側面から窺われますが、

 ・映画祭と映画賞の折衷型の映画祭として、前年(過去1年)のイタリア映画に対して、各部門の最優秀者を選出する部門(長編イタリア映画部門)をも設けていること

 ・長編イタリア映画部門では、各部門にマリオ・モニチェリやトニーノ・グエッラ、アンナ・マニャーニ、アリダ・ヴァリ、エンニオ・モリコーネ、ジュゼッペ・ロトゥンノら、イタリア映画を代表する人物の名前を冠し、さらに、映画祭のメイン・イメージにフェリーニの自画像を採用していること

 ・映画祭が贈る名誉賞として、「フェデリコ・フェリーニ・プラチナム・アワード」を設けて、内外の映画人に授与し、その授賞式を会期中の名物イベントとしていること

 などが挙げられます。

 コンペティション部門は、長編作品、第1-2回監督作品というイタリア映画を対象とした2つのコンペティション部門と、インターナショナル作品のコンペティション部門という3部門がメインとなっています。

 コンペティション部門以外では、今回、
 ・Anteprime(インターナショナル・プレミア部門)(8作品)
 ・映画と医学(Cinema & medicina)(4作品)
 ・映画と科学(Cinema & scienza)(7作品)
 ・エンニオ・モリコーネ映画祭(41作品)
 ・トリビュート ブルーノ・ガンツ(2作品)
 ・Intoleranace(『イントレランス』『エレファントマン』『ジャングル・フィーバー』『ミルク』『グラン・トリノ』『それでも夜は明ける』など14作品)
 ・Tortura diritto cinema(『ゼロ・ダーク・サーティ』など4作品)
 ・Film Blumhouse(『ハロウィン』など7作品)
 ・マスタークラス(ヴァレリア・ゴリーノ、ヴァレリオ・マスタンドレア、パオロ・デル・ブロッコ(Paolo del Brocco)、ロベルト・ヘンリッカ(Roberto Herlitzka)、パオラ・コルテッレージ(Paola Cortellesi)、ロベルト・アンドー)
 などのプログラムがありました。

 後発の映画祭が、カラーを出して、国内的にも国際的にも注目すべき映画祭になるのはなかなか難しいのですが、バーリ国際映画祭は、上記のような趣向(仕掛け)を通じて、イタリアを代表する新たな映画祭・映画賞になっているようです。

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 【インターナショナル・パノラマ・コンペティション部門】(International Panorama)

 ・“Rafaël”(オランダ・ベルギー・クロアチア) 監督:ベン・ソムボハールト(Ben Sombogaart)
 ・“Rosa”(伊・スロヴェニア) 監督:Katja Colja
 ・“Sealed Lips (Und der Zukunft zugewandt)”(独) 監督:ベルント・ベーリッヒ(Bernd Böhlich)
 ・“The Bra”(独・アゼルバイジャン) 監督:ツァイト・ヘルマー
 ・“Irina”(ブルガリア) 監督:Nadejda Koseva
 ・“Meltem”(仏・ギリシャ) 監督:Basile Doganis
 ・“The Waiter”(ギリシャ) 監督:Steve Krikris
 ・“Sons of Denmark (Danmarks sønner)”(デンマーク) 監督:Ulaa Salim
 ・“Queen of Hearts (Dronningen)”(デンマーク・スウェーデン) 監督:May el-Toukhy
 ・“Saf”(トルコ・独・ルーマニア) 監督:Ali Vatansever
 ・“The Hummingbird Project”(カナダ・ベルギー) 監督:キム・グエン
 ・“Marighella”(ブラジル)(監督:ヴァグネル・モウラ(Wagner Moura)

 ◆監督賞
 ◎Ali Vatansever “Saf”(トルコ・独・ルーマニア)

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 ◆男優賞
 ◎Seu Jorge “Marighella”(ブラジル)(監督:ヴァグネル・モウラ(Wagner Moura))

 ◆女優賞
 ◎トリーヌ・ディルホム “Queen of Hearts (Dronningen)”(デンマーク・スウェーデン)(監督:May el-Toukhy)

 ◆スペシャル・メンション
 ◎“Irina”(ブルガリア) 監督:Nadejda Koseva

 【長編イタリア映画部門】(ItaliaFilmFest, Lungometraggi in concorso)

 ※コンペティション部門ということになっていますが、事前に審査は済んでいて、受賞者も賞の授与の日も予め発表になっています。各受賞作以外の対象作品はありません(少なくとも発表されてはいません)。

 ・『カプリ島レボリューション』“Capri-Revolution” (伊・仏) マリオ・マルトーネ(Mario Martone)
 ・“Ovunque proteggimi(Wherever You Are)”(伊) 監督:Bonifacio Angius
 ・『堕ちた希望』“Il vizio della Speranza”(伊) エドアルド・デ・アンジェリス(Edoardo De Angelis)
 ・“Menocchio(Menocchio the Heretic)”(伊・ルーマニア) 監督:アルベルロ・ファズーロ
 ・”Il primo re(Romulus & RemusーThe First King”(伊・ベルギー) マッテオ・ロヴェーレ(Matteo Rovere)
 ・”La paranza dei bambini(Piranhas)”(伊) クラウディ・ジョヴァンネージ(Claudio Giovannesi)
 ・『ルチアの恩寵』“Troppa grazia(Lucia's Grace)”(伊) 監督:ジャンニ・ザナージ
 ・『サスペリア』(伊・米) 監督:ルカ・グァダニーノ
 ・“La strada dei Samouni”(伊・仏) 監督:Stefano Savona

 ◆プロデューサー賞/フランコ・クリスタルディ賞(Premio Franco Cristaldi per il miglior produttore)
 ◎ルカ・グァダニーノ、マルコ・モラビート(Marco Morabito)、フランチェスコ・メルツィ・デリル(Francesco Melzi d'Eril) 『サスペリア』

 ◆監督賞/マリオ・モニチェリ賞(Premio Mario Monicelli per il miglior regista)
 ◎マッテオ・ガローネ 『ドッグマン』

 ◆主演男優賞/ヴィットリオ・ガスマン賞(Premio Vittorio Gassman per il miglior attore protagonista)
 ◎Alessandro Gazale “Ovunque proteggimi(Wherever You Are)”

 ◆主演女優賞/アンナ・マニャーニ賞(Premio Anna Magnani per la migliore attrice protagonista)
 ◎アルバ・ロルヴァケル 『ルチアの恩寵』“Troppa grazia(Lucia's Grace)”

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 ◆助演男優賞/アルベルト・ソルディ賞(Premio Alberto Sordi per il miglior attore non protagonista)
 ◎エドアルド・ペッシェ(Edoardo Pesce) 『ドッグマン』

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 ◆助演女優賞/アリダ・ヴァリ賞(Premio Alida Valli per la migliore attrice non protagonista)
 ◎マリーナ・コンファローネ(Marina Confalone) 『堕ちた希望』“Il vizio della Speranza”

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 ◆主題賞/トニーノ・グエッラ賞(Premio Tonino Guerra per il miglior soggetto)
 ◎マリオ・マルトーネ、Ippolita Di Majo 『カプリ島レボリューション』“Capri-Revolution”

 ◆脚本賞/ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ賞(Premio Luciano Vincenzoni per la migliore sceneggiatura)
 ◎マウリツィオ・ブラウッチ(Maurizio Braucci)、ロベルト・サヴィアーノ(Roberto Saviano)、クラウディオ・ジョヴァンネージ(Claudio Giovannesi) ”La paranza dei bambini(Piranhas)”

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 ◆撮影監督賞/ジュゼッペ・ロトゥンノ賞(Premio Giuseppe Rotunno per il miglior direttore della fotografia)
 ◎ダニエーレ・チプリ(Daniele Ciprì) ”Il primo re(Romulus & RemusーThe First King”, “La paranza dei bambini(Piranhas)”

 ◆編集賞/ロベルト・ペルピニャーニ賞(Premio Roberto Perpignani per il
 ◎ヴァルテル・ファサーノ(Walter Fasano) 『サスペリア』

 ◆美術賞/ダンテ・フェレッティ賞(Premio Dante Ferretti per il miglior scenografo)
 ◎ディミトリー・カプアーニ(Dimitri Capuani) 『ドッグマン』

 ◆衣裳賞/ピエロ・トージ賞(Premio Piero Tosi per il miglior costumista)
 ◎ヴィオリカ・ペトロヴィッチ.(Viorica Petrovici) “Menocchio(Menocchio the Heretic)”

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 ◆音楽賞/エンニオ・モリコーネ賞(Premio Ennio Morricone per le migliori musiche)
 ◎アパラット(Apparat)、Philipp Thimm 『カプリ島レボリューション』“Capri-Revolution”

 ◆ドキュメンタリー賞
 ◎“La strada dei Samouni”(伊・仏) 監督:Stefano Savona

 【第1-2回監督作品部門】(Italiafilm Fest/Opere Prime O Seconde)

 ・『憶えてる?』“Ricordi?”(伊・仏) 監督:ヴァレリオ・ミエーリ
 ・“Domani è un altro giorno (Tomorrow's a New Day)” 監督:Simone Spada
 ・『幸せな感じ』“Euforia”(伊) 監督:ヴァレリア・ゴリーノ
 ・“In viaggio con Adele”(伊) 監督:Alessandro Capitani
 ・“Il bene mio(My Own Good)”(伊) 監督:Pippo Mezzapesa
 ・“La terra dell’abbastanza(Boys Cry)”(伊) 監督:Fabio & Damiano D’Innocenzo
 ・“Sembra mio figlio”(ベルギー・クロアチア・イラン・伊) 監督:Costanza Quatriglio
 ・“Saremo giovani e bellissimi(We'll Be Young And Beautiful)”(伊) 監督:Letizia Lamartire
 ・“Manuel”(伊) 監督:Dario Albertini
 ・“C’è tempo”(伊・仏) 監督:ワルテル・ヴェルトローニ(Walter Veltroni)
 ・“Dafne”(伊) 監督:Federico Bondi
 ・“Zen sul ghiaccio sottile”(伊) 監督:Margherita Ferri
 ・『彼女は笑う』“Ride”(伊) 監督:ヴァレリオ・マスタンドレア
 ・“Sulla Mia Pelle(On My Skin)”(伊) 監督:Alessio Cremonini
 ・『ある日突然に』“Un giorno all'improvviso(If Life Gives You Lemons)”(伊) 監督:チーロ・デミリオ(Ciro D’Emilio)

 ◆監督賞/エットーレ・スコラ賞(Il Premio Ettore Scola per il Miglior Regista)
 ◎ヴァレリオ・ミエーリ(Valerio Mieli) 『憶えてる?』“Ricordi?”

 ◆主演男優賞/ガブリエーレ・フェルツェッティ賞(Premio Gabriele Ferzetti per il miglior attore protagonista) アレッサンドロ・ボルギ “Sulla Mia Pelle(On My Skin)”

 ◆主演女優賞/マリアンジェラ・メラート賞(Premio Mariangela Melato per il cinema per la migliore attrice protagonista)
 ◎リンダ・カリーディ(Linda Caridi) 『憶えてる?』“Ricordi?”

 【フェデリコ・フェリーニ・プラチナム・アワード】

 ◆“Federico Fellini Platinum Award for Cinematic Excellence”
 ◎ヴァレリア・ゴリーノ

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 ◎ヴァレリオ・マスタンドレア

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 ◎パオロ・デル・ブロッコ(Paolo del Brocco)

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 ◎ロベルト・ヘンリッカ(Roberto Herlitzka)

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 ◎パオラ・コルテッレージ(Paola Cortellesi)

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 ◎ロベルト・アンドー

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 ◎故ブルーノ・ガンツ(alla memoria a BRUNO GANZ)

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 *当ブログ記事

 ・バーリ国際映画祭2018 受賞結果: https://umikarahajimaru.at.webry.info/201805/article_3.html
 ・バーリ国際映画祭2017 受賞結果: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201705/article_1.html
 ・バーリ国際映画祭2016 受賞結果: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201604/article_16.html
 ・バーリ国際映画祭2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201404/article_19.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2019年4月~9月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201904/article_12.html

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