ワイルドフラワー映画賞2019 受賞結果

 韓国のインディペンデント映画を応援することを目的として2014年にスタートした「ワイルドフラワー映画賞」の第6回の受賞結果です。(4月12日発表)

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 対象となったのは、2018年に韓国で劇場公開された低予算映画です。
 選考のプロセスは明示されなくなったようですが、当初から特に変更されてないようであれば、「予算10億ウォン(90万USD)以下の作品を審査対象とし、ノミネーションは、映画の専門家と一般観客からなる25人のセレクション委員会がディスカッションを行なって決定し、その後、セレクション委員に批評家とプログラマーを加えたメンバーで最終投票を行なって各賞を決定する」からそんなに変わっていないと思われます。

 この賞は、1997年からソウルに住んで韓国映画のスペシャリスト、映画コラムニストとして活躍しているアメリカ人ダーシー・パケット(Darcy Paquet)がディレクターを務め、元堤川国際映画祭のディレクターで映画評論家のOh Dong-jinがオーガナイジング・ディレクターを務めています。

 名称の「ワイルドフラワー映画賞」は、インディペンデント映画の創造性の豊穣と多様性を象徴し、それらが厳しい環境の中で成長し、栄えることを目指して、名づけられています。
 ちなみに、日本の韓国映画情報サイトには、「野の花映画賞」という訳語を当てているものもあります。

 本年度のノミネート&受賞結果は以下の通り。

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 ◆グランプリ(Grand Prize)
 ◎Kim Il-ran(김일란)、Lee Hyuk-san(이혁상) “The Remnants(공동정범)”
 2009年、韓国ソウル市Yongsan-Guで、再開発のために住民の強制退去っ命令が出され、それに抗議した住民50人が古いビルに立て籠もる。そこに警察特殊部隊1500人が派遣され、対テロ作戦を行なった結果、火災が発生し、住民5人と警官1人が死亡する。ところが、この事件(龍山の悲劇)で、現場にいた5人が、実際には犠牲者であったのにも拘わらず、逮捕され、共犯者として告発される。監督の1人Kim Il-rhan(김일란)は、2012年に“Two Doors”というドキュメンタリーで、警察を介した国家の暴力としてこの事件を取り上げを扱っているが、本作では、5人の被告人の告白を通して、別のアングルからこの事件に迫っている。
 製作年度は2016年になっていて、釜山国際映画祭2016で上映されていますが、韓国で劇場公開されたのは、2018年1月になってからのようです。
 ロンドン・コリアン映画祭2017出品。
 韓国映画評論家協会賞2018 インディペンデント映画支援賞受賞。
 釜山映画評論家協会賞2018 大賞受賞。

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 ◆監督賞 ナラティヴ部門(극영화감독상)
 ・“After My Death(죄 많은 소녀)” Kim Eui- Suk(김의석)
 ・『最後の子供』”Last Child(살아남은 아이)” シン・ドンソク(Shin Dong-seok/신동석)
 ・“Pamir(눈꺼풀)” Oh Muel(오멸)
 ・“Mothers(당신의 부탁)” 이동은
 ・『群山:鵞鳥を咏う』“Ode to the Goose(군산: 거위를 노래하다)” チャン・リュル(장률)
 ◎“Microhabitat(소공녀/小公女)” Jeon Gowoon(감독)
 ・『草の葉』“풀잎들” ホン・サンス

 ◆監督賞 ドキュメンタリー部門(다큐멘터리감독상)
 ・“Courtesy to the Nation(1991, 봄)” Gwon Gyungwon(권경원)
 ・“The Remnants(공동정범)” Kim Il-ran(김일란)、Lee Hyuk-san(이혁상)
 ・“Mrs.B. A North Korean Woman(마담 B)” Jero Yun(윤재호)
 ・“Soseongri(소성리)” Park Bae-il(박배일)
 ◎“Night and Fog in Zona(천당의 밤과 안개)” Jung Sung-il(정성일)

 ◆主演男優賞(남우주연상)
 ・キム・チュンギル(김충길) “Loser’s Adventure(튼튼이의 모험)”(監督:Ko Bongsoo(고봉수))
 ・オム・テグ(엄태구) “Adulthood(어른도감)”(監督:Kim In-seon)
 ・イ・ヒョジェ(이효제) “home(홈)”(監督:Kim Jong-woo(김종우))
 ・チ・ヒョヌ(지현우) “True Fiction(살인소설)”(監督:Kim Jin-muk(김진묵)

 ◎ソン・ユビン 『最後の子供』”Last Child(살아남은 아이)”(監督:シン・ドンソク(Shin Dong-seok/신동석))

 ◆主演女優賞(여우주연상)
 ・Kim Ga-hee(김가희) “Park Hwa-young(박화영)”(監督:Lee Hwan)
 ・キム・ミニ 『草の葉』
 ・イ・サンヒ(Lee Sang-hee) ”Jamsil(누에치던 방)”(監督:イ・ワンミン(이완민/Lee Wanmin))
 ・チャン・リウ(장리우) “A Blue Mouthed Face(파란입이 달린 얼굴)”
 ・전여빈(チョン・ヨビン) “After My Death(죄 많은 소녀)”
 ◎イ・ソム “Microhabitat(소공녀/小公女)”

 ◆助演賞(조연상)
 ・リー・ジャイウォン(이지원) “Omok Girl(오목소녀)”(監督:Baek Seung Hwa(백승화))
 ・Jin Yonguk(진용욱) “PRESS(파란입이 달린 얼굴)”(監督:최정민(チェ・ジョンミン))
 ◎キム・セビョク 『草の葉』

 ◆脚本賞(시나리오상)
 ・“A Blue Mouthed Face(파란입이 달린 얼굴)”  김수정(キム・スジョン)
 ・“After My Death(죄 많은 소녀)” Kim Eli- Suk(김의석)
 ・“I have a date with spring(나와 봄날의 약속)” Baek Seung Bin(백승빈)、, Yu Ji-young(유지영)
 ・“Microhabitat(소공녀/小公女)” Jeon Gowoon(감독)
 ◎『最後の子供』”Last Child(살아남은 아이)” シン・ドンソク(Shin Dong-seok/신동석)

 ◆撮影賞(촬영상)
 ・“Microhabitat(소공녀/小公女)” Kim Tae-soo(김태수)
 ・“After My Death(죄 많은 소녀)” 백성빈(パク・ソンビン)
 ・“Pamir(눈꺼풀)” 성민철(ソン・ミンチョル)、Oh Muel(오멸)
 ・『群山:鵞鳥を咏う』”Ode to the Goose(군산: 거위를 노래하다)” Jo Yeong-jik(조영직)
 ◎“Beautiful Days(뷰티풀 데이즈)”(監督:Jero Yun(윤재호)) Kim Jong-Seon(김종선)

 ◆音楽賞(음악상)
 ・“I have a date with spring(나와 봄날의 약속)” 구자완(ク・ジャワン)
 ・“After My Death(죄 많은 소녀)” Sunwoo, Jeong-Ah(선우정아)
 ◎“Eyelids(눈꺼풀)”(監督:(O Muel) Chung Chae-woong(정채웅)

 ◆新人賞(신인배우상)
 ・Kim Ga-hee(김가희) “Park Hwa-young(박화영)”
 ・ノ・ジョンウィ(노정의) “Fantasy of the Girls(소녀의 세계)”(監督:안정민(アン・ジョンミン))
 ・ソン・ユビン 『最後の子供』”Last Child(살아남은 아이)” Shin Dong-seok(신동석) 
 ・ユン・チャニョン(윤찬영) “Mothers(당신의 부탁)”
 ・Choi Jun-Young(최준영) “Saem(샘)”(監督:Hwang Kyu-il(황규일))
 ◎Lee Jae-in(이재인) “After My Death(죄 많은 소녀)”

 ◆新人監督賞(극영화신인감독상)
 ・“Adulthood(어른도감)” “Kim In-seon(김인선)”
 ・“A Blue Mouthed Face(파란입이 달린 얼굴)” 김수정(キム・スジョン)
 ・『最後の子供』”Last Child(살아남은 아이)” Shin Dong-seok(신동석)
 ・“Autumn, Autumn(춘천, 춘천)” Woo-jin Jang(장우진)
 ・“Microhabitat(소공녀/小公女)” Jeon Gowoon(감독)
 ◎“After My Death(죄 많은 소녀)” Kim Eui- Suk(김의석)

 ◆新人監督賞 ドキュメンタリー部門(주목할 만한 다큐상-민들레상) [改称?]
 ・“Courtesy to the Nation(1991, 봄)” Gwon Gyungwon(권경원)
 ・“The Black(더 블랙)” Mario Lee(이마리오)
 ・“Mrs.B. A North Korean Woman(마담 B)” Jero Yun(윤재호)
 ・“Grown Up(어른이 되면)” Jang Hye Yeong(장혜영)
 ◎Kim Bo-ram(김보람) “For Vagina’s Sake(피의 연대기)”

 ◆功労賞(공로상)
 ◎Indie Story Ltd Gwak Yong-su(곽용수)

 ◆プロデューサー賞
 ◎Je Jeong-ju 『最後の子供』

 主な作品のノミネート&受賞状況は以下の通り。

 ・“After My Death(죄 많은 소녀)”(2/7):ナラティヴ・主演女優・脚本・撮影・音楽・新人・新人監督
 ・『最後の子供』(2/5):ナラティヴ・主演男優・脚本・新人・新人監督 +プロデューサー
 ・“Microhabitat(소공녀/小公女)”(2/5):ナラティヴ・主演女優
 ・“A Blue Mouthed Face(파란입이 달린 얼굴)”(0/3):主演女優・脚本・新人監督
 ・“I have a date with spring”(0/2):脚本・音楽
 ・“Pamir(눈꺼풀)”(0/2):ナラティヴ・撮影
 ・“Mothers(당』(0/2):ナラティヴ・撮影
 ・“Courtesy to the Nation(1991, 봄)”(0/2):ドキュメンタリー監督・新人ドキュメンタリー
 ・“Mrs.B. A North Korean Woman(마담 B)”(0/2):ドキュメンタリー監督・新人ドキュメンタリー
 ・“Adulthood(어른도감)”(0/2):主演男優・新人監督
 ・“Park Hwa-young(박화영)”(0/2):主演女優・新人
 ・“The Remnants(공동정범)”(0/1):ドキュメンタリー監督 +グランプリ

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 *当ブログ記事

 ・ワイルドフラワー映画賞2018 ノミネーション: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201804/article_4.html
 ・ワイルドフラワー映画賞2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201804/article_13.html
 ・ワイルドフラワー映画賞2017 ノミネーション: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201704/article_9.html
 ・ワイルドフラワー映画賞2017 受賞結果: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201704/article_17.html
 ・ワイルドフラワー映画賞2016 受賞結果: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201604/article_4.html
 ・ワイルドフラワー映画賞2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201504/article_4.html
 ・ワイルドフラワー映画賞2014 受賞結果: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201404/article_3.html

 ・百想芸術大賞2019 映画部門 ノミネーション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201905/article_1.html
 ・百想芸術大賞2019 テレビ部門 ノミネーション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201905/article_2.html

 ・百想芸術大賞2018 映画部門 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201804/article_9.html
 ・百想芸術大賞2018 テレビ部門 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201804/article_10.html
 ・百想芸術大賞2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201805/article_4.html

 ・青龍映画賞2018 ノミネーション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201811/article_3.html
 ・青龍映画賞2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201811/article_37.html

 ・釜山映画評論家協会賞2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201811/article_35.html

 ・韓国映画評論家協会賞2018 発表:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201810/article_38.html
 ・韓国映画評論家協会賞2018 授賞式:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201811/article_17.html

 ・大鐘賞2018 ノミネーション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201810/article_14.html
 ・大鐘賞2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201810/article_36.html

 ・釜日映画賞2018 ノミネーション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201809/article_1.html
 ・釜日映画賞2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201810/article_7.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2019年4月~9月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201904/article_12.htm

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