②米国アカデミー賞2019 外国語映画賞 各国代表リスト!その2

 米国アカデミー賞2019 外国語映画賞各国代表作品のリスト その2です。

 ここでは、エストニアからスウェーデンまでを記しています。

 ・米国アカデミー賞2019外国語映画賞 各国代表リスト その1(アイスランド~エジプト):https://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_4.html
 ・米国アカデミー賞2019外国語映画賞 各国代表リスト その3(スペイン~ネパール):https://umikarahajimaru.at.webry.info/201809/article_18.html
 ・米国アカデミー賞2019外国語映画賞 各国代表リスト その4(ノルウェー~ベルギー):https://umikarahajimaru.at.webry.info/201809/article_25.html
 ・米国アカデミー賞2019外国語映画賞 各国代表リスト その5(ボスニア・ヘルツェゴビナ~ロシア):https://umikarahajimaru.at.webry.info/201810/article_3.html

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 ◆エストニア:“Take It or Leave It(Võta või jäta)”(エストニア) 監督:Liina Trishkina
 物語:ある眠い土曜日の朝。30歳の建設作業員Erikは、ある驚天動地のニュースを聞く。過去6ヶ月は会っていない元カノMoonikaが妊娠したというのだ。しかしながら、Moonikaは母親になる準備はできていないし、Erikも子どもなど欲しくないと言えば、小さな女の子は養子に出されることになるだろう。受け入れるか否か、それは自分次第だ(Take It or Leave It)。
 15年以上の、ドキュメンタリーの編集技師としてのキャリアを持つLiina Trishkinaの、初めての長編フィクション監督作品。
 エストニアからは、2007年(度)以来12年連続16回目の出品。エストニア映画は2015年にザザ・ウルシャゼが『みかんの丘』で1回ノミネーションまで進んでいる。
 Liina Trishkinaは、米国アカデミー賞外国語映画賞エストニア代表初選出。


 ◆オーストラリア:“Jirga”(オーストラリア) 監督:Benjamin Gilmour
 物語:Mike Wheelerは、オーストラリア人の元兵士で、3年前に彼が誤って殺した市民の家族を捜しにアフガニスタンに戻ってきた。にぎやかなカブールのストリートから家族を捜す小さな町へ。旅には、遅延や遠回りや危険があり、思いもかけない美や平和で一息つける時もある。許しを求めに来た彼のクエストは、冷酷にも彼の命を村の司法制度“Jirga“に委ねることになる。それは部族の長老たちの権威の従うことで、拘束力があり、取り消せないものだった。
 第2監督長編。パシュトー語と英語の作品。
 シドニー映画祭2018出品。
 CinefestOz 2018出品。CinefestOZ Film Prize受賞。
 トロント国際映画祭2018 DISCOVERY部門出品。
 オーストラリア映画は、7年連続12回目の米国アカデミー賞外国語映画賞出品。これまで2010年に『サムソンとデリラ』でショートリスト入り、2017年に『タンナ』で初ノミネート。Benjamin Gilmourは米国アカデミー賞外国語映画賞オーストラリア代表初選出。


 ◆オーストリア:“The Waldheim Waltz(Waldheims Walzer)”(オーストリア) 監督:Ruth Beckermann
 第4代国際連合事務総長(1972年1月-1981年12月)であり、第6代オーストリア大統領(1986年-1992年)を務めたオーストリアの政治家クルト・ヨーゼフ・ヴァルトハイム(1918年-2007年)についてのドキュメンタリー・エッセイ。1986年の大統領選挙期間中に、ヴァルトハイムは、第二次世界大戦中に、ナチス・ドイツに併合されたオーストリアでナチス突撃隊に所属していたことが判明し、その後、彼に関してどういう議論が交わされたかを再構築する。世界ユダヤ人会議のプレス・カンファレンス、国連総会での議論、米国議会での公聴会、オーストリア人民党とその候補者による声明など様々な利害関係の立場に関して、Ruth Beckermannは主観的分析的にボイスオーバーでコメントする。彼女は、また、自分自身で撮影したビデオ・フッテージ、反ヴァルトハイム的事件を示す反対運動の文書、憤慨した反ユダヤ人の通行人との口頭での争いなども提示する。扇動的、中傷的、メディア・バッシング、否定的事実、これらすべてがここに新しい地平を切り開く。
 ベルリン国際映画祭2018 フォーラム部門出品。ドキュメンタリー賞(Glasshütte Original Documentary Award)受賞。
 Cinéma du Réel 2018出品。
 ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭2018出品。
 国際ウィミンズ映画祭(独)2018出品。
 DodAvivテルアビブ国際ドキュメンタリー映画祭2018インターナショナル・コンペティション部門出品。インターナショナル作品賞オナラブル・メンション受賞。
 シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭2018 ティム・ヘザリントン賞ノミネート。
 オーストリアは、2008年以降で米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞2回(『ヒトラーの贋札』『愛、アムール』)、ノミネートを1回(“Revanche”)果たしている。Ruth Beckermannは、米国アカデミー賞外国語映画賞オーストリア代表初選出。


 ◆オランダ:『正義のレジスタンス』“Bankier van het Verzet”(オランダ) 監督:ヨラム・ルーセン(Joram Lürsen)
 物語:ナチス占領下のオランダで、銀行家のWalraven van Hallは、レジスタンスを支えるために、金融的支援をしてもらえないかと頼まれる。彼は、すぐに了承し、兄のGijs van Hallとともに、巨額のローンを持ち出し、そのお金をレジスタンスに融資するために使うという危険な計画を思いつく。ところがこれでは十分ではないとわかった時、兄弟はオランダ史上最大の銀行詐欺に手を出し始める。ナチスの鼻先でオランダ中央銀行から数千万ギルダーを引き出すのだ。作戦が大きくなればなるほど、多くの人々が巻き込まれる。日々、リスクは大きくなり、ひとつのミスがすべてを終わりにしかねない。兄弟の命をも。
 実話に基づく物語。ナチスは、レジスタンス支援の実態をはっきりとはつかんでいなかったが、メンバーの裏切りに遭い、結果的に主要メンバーが見つかって殺された。その中にはWalraven van Hall(1906-1945年2月12日)もいた。兄のGijs van Hallは生き延びて、1977年まで生きた(1904-1977)。
 本作は、大ヒットし、オランダ映画史上トップ5に入る興行成績を残し、オランダのナショナル・フィルム・アワードであるThe Golden Calf(金の子牛賞)で史上最多となる11部門でノミネートされている。
 日本では、オランダ映画祭2009で『ライフ・イズ・オール』(監督表記はヨーラム・リュルセン)が上映されているヨラム・ルーセン監督の最新作。
 オランダ映画祭2018出品。
 Netflixnにて配信。
 オランダ映画は、米国アカデミー賞外国語映画賞ではトップ5(4カ国タイ)となる3回受賞(7回ノミネート)という成績を残している。最新の受賞は1998年の『キャラクター/孤独な人の肖像』、最新のノミネートは、2004年の『アンナとロッテ』、最新のショートリストは2015年の“Accused(Lucia de B.)”。


 ◆カザフスタン:『アイカ』“Ayka”(ロシア・カザフスタン) 監督:セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ
 出演:Andrey Pashnin、David Alaverdyan、Evgeniy Sushev、サマル・イェスリャーモワ(Samal Yeslyamova)、Vjacheslav Agashkin
 物語:若いキルギス娘のAykaは、モスクワに住み、不法労働をしている。彼女は、妊娠し、出産するが、赤ん坊を病院に置き去りにする。ところが、しばらくして、母心が湧いてきて、一度は棄てた赤ん坊を取り戻したくて必死に捜し始める。
 『トルパン』以来10年ぶりの第2監督長編。
 カンヌ国際映画祭2018 コンペティション部門出品。女優賞(Samal Yeslyamova)受賞。
 ベルゲン国際映画祭2018出品。Cinema Extraordinaire受賞。
 カザフスタン映画は、4年連続13回目の米国アカデミー賞外国語映画賞出品。2008年に『モンゴル』が初ノミネート、2010年に“Kelin”がショートリスト入り。セルゲイ・ドヴォルツェヴォイは、2008年度に『トルパン』が選ばれて以来、11年ぶり2回目の米国アカデミー賞外国語映画賞カザフスタン代表。


 ◆カナダ:“Watch Dog(Chien de garde)”(カナダ) 監督:Sophie Dupuis
 物語:JPは、弟のVincentとガールフレンドのMelとアル中の母親Joeと一緒に、モントリオールのVerdunの小さなアパートに暮らしている。彼にはギャングの叔父Danyがいて、彼もドラッグ・カルテルの仕事を手伝っている。彼は、すべての無意味なことから抜け出したいと考えていて、弟ももっと空間的な余裕がほしいとJPに噛みついてきて、爆発寸前になっている。一家は、バイリンガルで、無産階級の労働者の家系だが、最近周辺が高級地化してきて、だんだんと息苦しさを感じている。
 初監督長編。
 アイリス賞2018 主演女優賞(モード・ゲラン)、編集賞、新人賞(Théodore Pellerin)受賞。作品賞、監督賞、主演男優賞(Jean-Simon Leduc)、オリジナル音楽賞ノミネート。
 カナダ映画は、1987年、1990年、最近では2007年、2011年、2012年、2013年と米国アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、2008年、2009年、2017年にはショートリスト入りしている。2004年の『みなさん、さようなら』で受賞。


 ◆韓国:“Burning”(韓) 監督:イ・チャンドン
 出演:: ユ・アイン、スティーヴン・ユァン(Steven Yeun)、Jong-seo Jeon
 物語:ジョンスは、アルバイトをしていて、配送の間に、以前近所に住んでいたヘミとぶつかる。ヘミは、ジョンスに、アフリカに旅行に行っている間に、私のネコを捜してくれと頼んでくる。ヘミが帰ってきた時、彼女はアフリカで知り合ったというミステリアスなベンを紹介する。ある日、ベンは、ヘミと一緒にジョンスを訪ねてきて、自分には秘密の趣味があると告白する。
 村上春樹の短編『納屋を焼く』の映画化。
 これが第6長編。
 カンヌ国際映画祭2018 コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞、Vulcan Award(Shin Joom-hee:美術)受賞。
 シドニー映画祭2018出品。
 アンドレイ・タルコフスキー国際映画祭'Zerkalo'2018出品。
 台北電影節2018出品。
 ミュンヘン映画祭2018出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018 ホライズンズ部門出品。
 ゴールデン・アプリコット・エレバン国際映画祭2018出品。
 オデッサ国際映画祭2018出品。
 ニュー・ホライズンズ映画祭2018出品。
 ニュージーランド国際映画祭2018出品。
 トゥーリバーサイズ・フィルム・アンド・アート・フェスティバル2018出品。
 メルボルン国際映画祭2018出品。
 ワールド・シネマ・アムステルダム2018出品。
 ブコバル映画祭2018出品。
 サハリン国際映画祭2018出品。
 釜日映画賞2018 作品賞、監督賞、主演男優賞(ユ・アイン)、助演男優賞(スティーヴン・ユァン)、脚本賞、美術賞、音楽賞、新人女優賞(Jeon Jong-seo)ノミネート。
 トロント国際映画祭2018 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 フィルム・バイ・ザ・シー映画祭2018出品。
 オステンデ映画祭2018出品。
 Jameson Cinefest国際映画祭2018出品。
 バルチック・パール映画祭2018出品。
 ハイファ国際映画祭2018出品。
 ニューヨーク映画祭2018出品。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2018出品。
 バンクーバー国際映画祭2018出品。
 BFIロンドン映画祭2018 Strand Galas部門出品。
 イ・チャンドンは、2003年の『オアシス』、2008年の『シークレット・サンシャイン』に続き、3回目の米国アカデミー賞外国語映画賞韓国代表選出。韓国映画は、ノミネートにもショートリストにも一度も選ばれたことがない。


 ◆カンボジア:“Graves Without a Name (Les tombeaux sans noms)”(仏・カンボジア) 監督:リティー・パン
 『消えた絵 クメール・ルージュの真実』、『エグジール』の後、リティー・パンの個人的でスピリチュアルな探求は続いている。『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』や“Duch, Master of the Forges of Hell”では罪のメカニズムを分析した。本作では、平和への道を探っている。13歳の少年が、クメール・ルージュ時代に家族の大部分を失い、彼らの墓(土の墓なのか、精神的なものなのかはともかく)を探して旅に出る。そこで彼は何を見出すのか。特に、彼は何を探そうとしているのか? 亡霊の木のようなものなのか? 村は見分けがつかないほど破壊されていたか? 脅かされた目撃者たちは、話すことを渋っているか? 夜が近づいてくる時、兄弟姉妹の肉体の霊的な感触が得られるのか? 映画は、1つも国の物語を超えて、普遍性に到達する。
 ベネチア国際映画祭2018 ベネチア・デイズ出品。
 テルライド映画祭2018出品。
 トロント国際映画祭2018 TIFF DOCS部門出品。
 カンボジアからは、1994年(度)に米国アカデミー賞外国語映画賞に初出品してから、4年連続7回目の出品。リティー・パンは、カンボジア映画史上初めての出品となった1995年(1994年(度))の“Rice People”、2回目の選出となった2014年の『消えた画 クメール・ルージュの真実』に続き、3回目の選出。『消えた画 クメール・ルージュの真実』は、カンボジア映画史上初めて、そして今のところ唯一の米国アカデミー賞外国語映画賞のノミネート作品となっている。


 ×キューバ:『セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!』“Sergio and Sergei”(キューバ・西) 監督:エルネスト・ダラナス・セラーノ(Ernesto Daranas)
 物語:セルゲイ・クリカレフ(1958‐ )は、ソ連の宇宙飛行士で、1991年5月にミールの長期滞在ミッションに入った。クリカレフは、1992年3月25日に帰還するまで、311日20時間1分のミール滞在記録を残した。地球に帰ってきた時、ソ連は崩壊していて(1991年12月25日崩壊)、そのため彼は「最後のソビエト連邦国民」と呼ばれる。本作は、1991年にまだミールに滞在していたクリカレフからの無線電波を受け取ったキューバのアマチュア無線家Sergioとの交流を描く。
 『ビヘイビア』(2014)のエルネスト・ダラナス・セラーノ監督最新作。
 トロント国際映画祭2017 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 釜山国際映画祭2017 ワールド・シネマ部門出品。
 マイアミ国際映画祭2018出品。
 パナマ国際映画祭2018出品。最優秀中央アメリカ&カリブ海映画賞受賞。
 スペイン・マラガ映画祭2018出品。
 キューバ映画は、2年ぶり20回目の米国アカデミー賞外国語映画賞出品。これまで1995年に『苺とチョコレート』がノミネートされている。それ以外はショートリスト入りもノミネートも経験していない。エルネスト・ダラナス・セラーノは、2009年度の『壊れた神々』“Fallen Gods(Los dioses Rotos)”、2014年度の『ビヘイビア』に続き、3回目の米国アカデミー賞外国語映画賞キューバ代表選出。
 ※『セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!』は、出品したが、外国語映画賞キューバ代表としてAMPASに認められなかった。


 ◆ギリシャ:“Polyxeni”(ギリシャ) 監督:Dora Masklavanou
 物語:1955年、ギリシャのイスタンブール出身の裕福な夫婦が、自分たちの出身の町からギリシャ人の孤児の娘を養女にする。彼らは、12歳の少女Polyxeniに偉大なる自分たちの苗字と愛を与える。Polyxeniは、弟と引き離されて、新しい生活と明るく見える未来へと乗り出す。彼女は、教育を受け、思春期を迎え、恋をする。彼女には、生活に対する希望があった。一方で、屈折した壊滅計画があり、彼女の背後で他者が暗躍して、彼女の大きな遺産を狙っていた。
 テッサロニキ国際映画祭2017 出品。ユース審査員賞受賞。
 テトゥアン国際地中海映画祭2018出品。グランプリ受賞。
 ギリシャ・アカデミー賞2018 主演女優賞(Katia Goulioni)、助演女優賞(Lydia Fotopoulou)、撮影賞、オリジナル音楽賞受賞。作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、美術賞、衣裳賞、メイキャップ賞ノミネート。
 ロサンゼルス・ギリシャ映画祭2018出品。作品賞、演技賞(Katia Goulioni)受賞。
 Dora Masklavanouは、米国アカデミー賞外国語映画賞ギリシャ代表初選出。ギリシャ映画は、これまで5回ノミネートされていて、受賞されたことはない。最新のノミネートは2011年の『籠の中の乙女』。


 ×キルギスタン:“Night Accident(Tunku Kyrsyk)”(キルギスタン) 監督:Temirbek Birnazarov
 物語:老人は、独りぼっちで、傷つき、嫌われている。彼は、家族を壊し、人生を滅茶苦茶にした男を殺しに行こうとしている。ところが、事故が起こる。ひとりの女性をはねてしまったのだ。老人は、彼女を家に連れて帰り、傷の手当をする。彼は、実は、美しく、立派な心の持ち主で、思いやりもある。彼は、彼女に恋をする。彼の夢は湖を泳いで渡ることで、彼女は彼を励ましてくれる。こうして老人は、人生に意味を取り戻していく。
 キルギスタンの作家Talip Ibraimovの短編集“The Old man and the Angel”に基づく。
 タリン・ブラック・ナイツ映画祭2017 オフィシャル・セレクション出品。グランプリ受賞。
 キルギスタン映画は、5年連続11回目の米国アカデミー賞外国語映画賞出品。これまでノミネートもショートリスト入りも経験していない。Temirbek Birnazarovは、米国アカデミー賞外国語映画賞キルギスタン代表初選出。
 ※“Night Accident(Tunku Kyrsyk)”は、出品したが、外国語映画賞キルギスタン代表としてAMPASに認められなかった。


 ◆クロアチア:“The Eight Commissioner(Osmi povjerenik)”(クロアチア) 監督:Ivan Salaj
 物語:Siniša Mesjakは、若き野心的政治家で、次のザグレブの市長になると目されていた。しかし、セックスとドラッグのスキャンダルに巻き込まれキャリアを傷つけられてしまう。首相は、できるだけ彼をスポットライトから遠ざけようとして、アドリア海に浮かぶTrećić島に送る。ここは、まだクロアチアの法律に従った民政が成立しておらず、これまで7人の長官(Commissioner)が送られたが、失敗していた。Mesjakは、民政を樹立して、最初の選挙を行なわなければならない。島には電信が開通しておらず、インターネットもなく、島民は、地元民しか理解できないローカルな言葉を話していた。Mesjakは、やさしいがてんかん持ちの、通訳兼ガイド兼アシスタントのTonino Smeraldićの助けを借りて、島の秘密を発見していく。そして彼は、次第に島民の心をつかんでいき、自身も島を好きになっていく。
 ザグレブのRenato Bareticの小説の映画化。
 第2監督長編。
 クロアチアからは、1992年(度)に初選出して以来、27年連続27回目の選出。これまで一度もショートリストにもノミネーションにも選ばれたことはない。Ivan Salajは、米国アカデミー賞外国語映画賞クロアチア代表初選出。


 ◆ケニア:“Supa Modo”(独・ケニア) 監督:Likarion Wainaina
 物語:9歳のJoは、アクション映画が好きで、スーパーヒーローになることを夢見ている。彼女の最大の夢は、映画を作り、その中でスターになることだ。彼女は、そうしたファンタジーの中でのみ、自分が末期の病にあることを忘れることができる。Joの姉のMwixは、妹が苦しむ姿に耐えられず、最後の日々を過ごすために病院から故郷の村に連れ出す。そうすることでJoの中にある魔法の力を信じ、村人みんながJoの夢を現実に変えることを期待したのだ。
 ベルリン国際映画祭2018 ジェネレーションKplus部門出品。クリスタルベア・スペシャル・メンション受賞。
 アフリカン映画祭AfryKamera2018出品。
 ミネアポリス・セントポール国際映画祭2018出品。ヤング審査員賞受賞。
 Kristiansand国際児童映画祭2018出品。EFCA賞受賞。
 シアトル国際映画祭2018ニュー・ディレクターズ・コンペティション部門出品。
 ズリーン国際映画祭2018子供向け長編映画 インターナショナル・コンペティション部門出品。最優秀作品賞/金のスリッパ賞、エキュメニカル審査員賞受賞。
 Molodist国際映画祭2018 ティーン・スクリーン・コンペティション部門出品。審査員特別ディプロマ受賞。
 エムデン国際映画祭2018出品。AOK Film Award、SCORE Bernhard Wicki Award受賞。
 Kino W Trampkach (Cinema in Sneakers Film Festival for Children and Youth) 2018出品。最優秀児童映画賞スペシャル・メンション受賞。
 シネトピア映画祭2018出品。外国映画部門観客賞受賞。
 エジンバラ国際映画祭2018 インターナショナル長編作品賞ノミネート。スペシャル・メンション受賞。
 ザンジバル国際映画祭2018出品。The Golden Dhow(最優秀長編映画賞)、Verona Jury Award(最優秀東アフリカ映画賞)受賞。
 ダーバン国際映画祭2018出品。Artistic Bravery Prize受賞。
 CPH:PIX 2018出品。
 Africa Magic Viewers Choice Awards 2018 Best Indigenous Language Movie/TV Series in Swahili受賞。
 ハンブルク・フィルム・フェスト2018出品。
 チューリヒ映画祭2018出品。
 アデレード映画祭2018出品。
 ミル・ヴァレー映画祭2018出品。
 サンディエゴ国際映画祭2018出品。
 ケニア映画は、2年連続3回目の米国アカデミー賞外国語映画賞出品。これまでノミネートもショートリスト入りも経験していない。Likarion Wainainaは、米国アカデミー賞外国語映画賞ケニア代表初選出。


 ◆コスタリカ:“Medea”(コスタリカ・アルゼンチン・チリ) 監督:Alexandra Latishev
 物語:María Joséは、25歳。彼女の生活は、単調な大学の教室と、永遠に距離を縮められない両親と、ラグビーの練習と、ゲイの友人とのつきあいの間を行ったり来たりするだけだった。そういう生活が変わり始めたのはJavierと出会ってからだった。彼女の生活は劇的に変わる。彼女は、誰に知られることもなく、妊娠した……。
 ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭2017 インターナショナル・オフィシャル・コンペティション部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2017 ホライズンズ・ラティーノ部門出品。
 リマ・ラテンアメリカ映画祭2017出品。審査員スペシャル・メンション女優賞(Liliana Biamonte)受賞。
 リオ国際映画祭2017出品。
 ワルシャワ国際映画祭2017 1-2コンペティション部門出品。
 ボルドー・インディペンデント映画祭2017出品。
 Premios Fénix 2017 女優賞(Liliana Biamonte)ノミネート。
 The Platino Awards for Iberoamerican Cinema 2018 女優賞(Liliana Biamonte)、美術監督賞ノミネート。
 コスタリカ映画は、2005年(度)が米国アカデミー賞外国語映画賞に初出品で、5年連続7回目の出品。まだノミネートもショートリスト入りもない。Alexandra Latishevは、米国アカデミー賞外国語映画賞コスタリカ代表初選出。


 ◆コソボ:“The Marriage(Martesa)”(コソボ・アルバニア) 監督:Blerta Zeqiri 
 物語:Bekimは、フィアンセのAnitaと一緒に動揺させるような集まりに来ている。それは、共同墓地での古い死体の確認だ。Anitaの両親は、1999年のコソボ紛争で行方知れずになったままなのだ。情報は手に入らず、生きているのか死んでいるのかもわからない。結婚式は2週間後に迫っていて、どんなニュースでもあれば安心できる。彼らは、また、Bekimの厳格で支配的な家族とも会わなければならない。
 プリシュティナに戻った時、思いがけず、Nolと出くわす。彼は、戦争時代のBekimの親友で、フランスでミュージシャンをしていて、会うのは2年ぶりだ。Bekimは、NolをAnitaに紹介し、その夜は飲んで終わった。Bekimは次第にNolと過ごすことが多くなる。だが、これは彼の行動にネガティヴな影響を与える。彼は、神経質で攻撃的になっていく。実は、Nolは、Bekimの昔の秘密の恋人で、NolはまだBekimを愛していることがわかる。結婚式が近づくにつれ、次第に秘密が明らかになって来る。
 短編で多くの賞を受賞したBlerta Zeqiriの、初監督長編。
 タリン・ブラック・ナイツ映画祭2017第1回コンペティション部門出品。審査員特別賞 アンサンブル・キャスト賞、国際批評家連盟賞受賞。
 ルッカ映画祭(伊)2018出品。
 クリーヴランド国際映画祭2018出品。
 トランシルヴァニア国際映画祭2018コンペティション部門出品。
 Transatlantyk映画祭2018出品。
 コソボからは5年連続5回目の出品。これまで一度もショートリストにもノミネーションにも選ばれたことはない。


 ◆コロンビア:“Birds of Passage(Pájaros de verano)”(コロンビア・デンマーク・メキシコ) 監督:クリスティーナ・ガジェゴ(Cristina Gallego)、シーロ・ゲーラ(Ciro Guerra)
 物語:土着のワユー族出身の一家の、静かで、伝統的な生活が、富への渇仰の犠牲者になっていく。主な主人公のRapayetは、自分の仲間とのつながりを失い、マリファナの大きなディラーになっていく。愛する人と結婚するために金を儲けようとして始めた無垢なる手段は、紛争と虚栄と部族内部の暴力と復讐のスパイラルに陥った。
 70年代。祖母、母、男たち。ワユー族一家のクロニクル。コロンビアのドラッグ取引の始まり。コロンビア版のギリシャ悲劇。
 威厳と名誉を体現する登場人物たちの自然な演技は、非職業俳優によって演じられた。
 ドラッグ・カルテルの誕生についての、視覚的に洗練された家族サーガである本作は、コロンビアの歴史と今日の国の状況について、語っている。
 『彷徨える河』の監督シーロ・ゲーラの第4作。『彷徨える河』でプロデューサーを務めたクリスティーナ・ガジェゴの初監督作品。
 カンヌ国際映画祭2018 監督週間オープニング作品。
 オデッサ国際映画祭2018 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 ニュージーランド国際映画祭2018出品。
 モトヴン映画祭2018 メイン・プログラム出品。国際批評家連盟賞受賞。
 メルボルン国際映画祭2018出品。
 ロカルノ国際映画祭2018 ピアッツァ・グランデ部門出品。
 シーロ・ゲーラは、2006年の“Wandering Shadows(La Sombra del Caminante)”、2010年の“The Wind Journeys(Los viajes del viento)”、2016年の『彷徨える河』に続いて3年ぶり4回目の米国アカデミー賞外国語映画賞コロンビア代表選出。『彷徨える河』は、コロンビア映画史上初の外国語映画賞ノミネート。


 ◆ジョージア:『泉の少女ナーメ』“Namme”(ジョージア・リトアニア) 監督:ザザ・ハルヴァシ
 物語:アリの一家は村の伝統を引き継いでいる。それは、村に伝わる癒しの水を守り、病気の村人を助けることだ。3人の息子は、そうした言い伝えに懐疑的で、3人のうちの1人は、ムスリムであり、もう1人は無神論者で、ひとクラスしかない教室で教師をしている。もう1人は、正教会の司祭をしていて、教会を建てようとしている。今、異教徒の儀式を行なっているのは、父のアリと若い娘のナーメだけだ。兄たちは、完全に父のアイコンを拒絶している。このマジカルな環境の中に、都会の様式や生活が入り込んできて、水を堰き止める建物が建てられる。水が汚れ、魚は病気になる。このままでは、彼女も水の力も役に立たなくなる。ゆっくりと彼女は人々を癒すことができなくなっていく。個人の生活か、人々を助けることができるように伝統を守ることか。彼女はジレンマに直面する。ナーメは、大地から解放し、魚を自由にする。彼女は、水の上を歩き、カエルたちとともに消えていき、世界の一部となる。彼女が、その後、個人的な非神話的な生活を続けたのかどうかは、観客の判断に任される。
 第4作。
 東京国際映画祭2017 コンペティション部門出品。
 タリン・ブラック・ナイツ映画祭2017出品。
 トビリシ国際映画祭2017出品。
 ヨーテボリ国際映画祭2018出品。
 ザザ・ハルヴァシは、米国アカデミー賞外国語映画賞ジョージア代表初選出。ジョージアからは、12年連続17回目の出品。初選出の『シェフ・イン・ラヴ』が1997年にノミネートまで進んだきりで、その後ノミネートされたジョージア映画はない。2015年に『とうもろこしの島』がショートリストに進んでいる。


 ◆シンガポール:“Buffalo Boys”(インドネシア・シンガポール) 監督:Mike Wiluan
 物語:1860年。銃を携えた兄弟JamarとSuwoが、カリフォルニアのワイルド・ウエストから故郷のJavaに戻ってくる。父を殺した相手に、正義を果たすのだ。
 ロイストン・タンやエリック・クーなどの作品を手がけるプロデューサーMike Wiluanの初監督長編。
 ファンタジア国際映画祭2018出品。
 ニューヨーク・アジアン映画祭2018出品。
 シンガポールは、8年連続12回目の出品。これまで一度もショートリストにもノミネーションにも選ばれたことはない。


 ◆スイス:“Eldorado”(スイス・独) 監督:マークス・イムホーフ(Markus Imhoof)
 1941年生まれのマークス・イムホーフは、両親がジョヴァンナというイタリア人難民を連れてきた時、まだ小さな少年だった。しかし、グローバルな歴史は、子どもたちの友情を引き裂いた。こうした出来事に関する記憶が、彼に現在のヨーロッパの難民政策について、発言させる。リビアの海岸を離れたイタリアの海軍の船が、1800人の難民を運ぶ。彼らは、合法的にはヨーロッパに来る機会は得られない。彼らは、船から難民キャンプに送られ、平均8ヶ月から15ヶ月過ごす。「われわれは彼らに楽園は約束しない。ましな生活を提供するだけだ」とひとりの支援ワーカーは言う。キャンプを離れることを選んだ人々には、しばしば違法に働くというオプションが与えられる。それは、女であれば売春するということであり、男であればトマトのプランテーションで雇ってもらうことだ。「これは生活じゃない。サバイバルですらない。」彼らのひとりはそう結論づける。スイスによって受け入れられた少数の者はどうなるのか?イムホーフは、組織化された支援のシステムを問題にする。それが、経済的利益で大きく決定されるひどいサークルに難民を追い込むのだ。静かなる本作は、力強いリマインダーとなるだろう。
 ベルリン国際映画祭2018 アウト・オブ・コンペティション部門出品。アムネスティ・インターナショナル映画賞 スペシャル・メンション受賞。
 香港国際映画祭2018 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。
 DocAvivテルアビブ国際ドキュメンタリー映画祭2018 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 Docs Against Gravity映画祭2018出品。
 マークス・イムホーフは、1982年の“The Boat Is Full(Das Boot ist Voll)”、1992年の“Der Berg”、2014年の『みつばちの大地』に続いて、4回目の選出。“The Boat Is Full(Das Boot ist Voll)”でノミネート。


 ◆スウェーデン:“Border(Gräns)”(スウェーデン・デンマーク) 監督:Ali Abbasi
 出演:エヴァ・メランデル(Eva Melander)、エーロ・ミロノフ(Eero Milonoff)、Viktor Åkerblom、Joakim Olsson
 物語:税関職員のTinaは、子どもの頃、落雷に遭い、外見は醜く変わってしまったが、その代わり、違法なアイテムを持っていないかどうか見破る能力を手に入れた。この能力のおかげで、幸運にも彼女は、外国で働くことができるようになったが、彼女はスウェーデンの港町カペルシャーで静かな生活を送る道を選択した。ある日、彼女は、仕事で、他とは違う不穏な旅行者Voreと出会う。Voreを見て、Tinaは、本能的に密輸業者だと感じたが、探しても何も見つからなかった。何を隠しているのか、どのように隠しているのかがわからないのだ。わかっているのは、彼には何かがあるということだけ。困惑しつつも、TinaはどんどんVoreにのめり込んでいく。彼女は、自分の正気とプロとしても信頼を賭けて、Voreの秘密を探ろうとする。
 『ぼくのエリ 200歳の少女』の原作小説『MORSE -モールス-』、およびその脚本も手がけるスウェーデンの作家ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの短編小説の映画化。
 第2監督長編。
 カンヌ国際映画祭2018 ある視点部門出品。ある視点賞、Prix de la Meilleure Création Sonore受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018アナザー・ビュー部門出品。
 ミュンヘン映画祭2018出品。CineVision Award(Best Film By An Emerging Director)受賞。
 スカンジナビア映画祭2018出品。
 エルサレム映画祭2018出品。インターナショナル作品賞 オナラブル・メンション受賞。
 ラックス賞2018 オフィシャル・セレクション。
 ノルウェー国際映画祭2018出品。
 ロサンゼルス映画祭2018出品。
 Ali Abbasは、米国アカデミー賞外国語映画賞スウェーデン代表初選出。スウェーデンは、米国アカデミー賞外国語映画賞2年連続ノミネート中。

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