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zoom RSS 2018年を代表する(かもしれない)ヨーロッパ映画10本 ラックス賞オフィシャル・セレクション

<<   作成日時 : 2018/07/07 18:50   >>

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 第12回ラックス賞(Lux Prize)のオフィシャル・セレクションが発表されました。(7月1日)

 【ラックス賞】

 ラックス賞というのは、欧州議会(European Parliament)によって贈られる映画賞で、ヨーロッパの現状(拡大と交流)を示すような題材の映画を通して公衆に議論を呼び起こすことと、EU加盟国での映画の普及とを目的として、2007年からスタートしたものです。

 内容から言うと、@ローカルで、ドメスティックな内容のものではなく、いろんな出自(出身国や民族)のバックグラウンドを持つ登場人物が出てくる現代劇で、しかもそのことが物語の根幹に関わってくるような作品、あるいは、A物語が複数のヨーロッパ諸国にまたがっていて、物語の展開に従って、それぞれの国の実情(現状)が映画の中に映し出されていくような作品、といったインターナショナル、トランスナショナルなヨーロッパ映画がピックアップされるという印象だったのですが、最近では、ヨーロッパ各国固有の事情を描いていても、それがそのまま「ヨーロッパのいま」と見なされ、共通の問題意識をもって受け止められるようになってきたようで、よりシンプルに、Bヨーロッパの現状を示していると思われるような、優れた現代ヨーロッパ映画、がピックアップされるようになってきたようです。

 投票資格があるのは、欧州議会の議員約750名のみ(2018年7月現在は751名)で、議員には、ノミネート発表後、作品の無料の上映会が行なわれることになっています。(そのために、24の言語による字幕が用意され、ヨーロッパ28ヵ国で3ヶ月にわたって上映会が実施されます。)

 選考は、前年の5月30日から当年の5月31日までに劇場公開された作品の中から、欧州議会の文化教育委員会が選出したメンバー21名(プロデューサー、配給者、映画興行者、映画祭ディレクター、映画批評家らから選ばれた「ラックス賞セレクション・パネル」。毎年1/3が改選される)がセレクションを行なって、まずオフィシャル・セレクションとして10本を選び(発表し)、そこからノミネート作品3本に絞り込み、さらに上映会による上映&投票を経て、年間最優秀作品(ラックス賞)を決定するというプロセスが取られています。

 本年度のオフィシャル・セレクションは、7月1日にカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で発表され、ノミネーションは、7月末のベネチア国際映画祭ベネチア・デイズのラインナップ発表会で発表されます。

 過去11回のノミネート&受賞作品は以下の通りです。

 ◆2007年
 ◎『そして、私たちは愛に帰る』(独・トルコ) 監督:ファティ・アキン
 ・『4ヶ月、3週と2日』(ルーマニア) 監督:クリスティアン・ムンジウ
 ・『夜顔』(西・仏) 監督:マノエル・デ・オリヴェイラ

 ◆2008年
 ・『デルタ』(ハンガリー・独) 監督:コーネル・ムンドルッツォ
 ◎『ロルナの祈り』(ベルギー・仏・伊) 監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
 ・“Občan Havel”(チェコ) 監督:Miroslav Janek、Pavel Koutecký

 ◆2009年
 ・『ソフィアの夜明け』(映画祭上映題:『イースタン・プレイ』)(ブルガリア) 監督:カメン・カレフ
 ・“Sturm”(独・デンマーク・オランダ) 監督:ハンス=クリスチャン・シュミット
 ◎『君を想って海をゆく』(仏) 監督:フィリップ・リオレ

 ◆2010年
 ・“Plato's Academy(Akadimia Platonos)”(ギリシャ・独) 監督:Filippos Tsitos
 ◎“When We Leave (Die Fremde)”(独) 監督:フェオ・アラダグ(Feo Aladag)
 ・『イリーガル』“Illégal”(仏・ベルギー・ルクセンブルク) 監督:オリヴィエ・マッセ=ドパス(Olivier Masset-Depasse)

 ◆2011年
 ・“Attenberg”(ギリシャ) 監督:アティーナ・レイチェル・トサンガリ(Athina Rachel Tsangari)
 ◎『キリマンジャロの雪』“Les neiges du Kilimanjaro (The Snows Of Kilimanjaro)”(仏) 監督:ロベール・ゲディギャン
 ・『プレイ』“Play”(スウェーデン・仏・デンマーク) 監督:リューベン・オストルンド

 ◆2012年
 ・『熱波』(ポルトガル・独・仏・ブラジル) 監督:ミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)
 ◎『ある海辺の詩人 -小さなヴェニスで-』“Io sono Li (Shun Li and the Poet)”(伊・仏) 監督:アンドレア・セグレ
 ・“Csak a szél (Just the Wind)”(ハンガリー・独・仏) 監督:Bence Fliegauf

 ◆2013年
 ・“The Selfish Giant”(英) 監督:クリオ・バーナード(Clio Barnard)
 ◎『オーバー・ザ・ブルースカイ』(オランダ・ベルギー) 監督:フェリックス・ファン・ヒュルーニンゲン
 ・『ミエーレ』“Miele (Honey)”(伊・仏) 監督:ヴァレリア・ゴリーノ

 ◆2014年

 ◎『イーダ』(ポーランド・デンマーク) 監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
 ・“Bande De Files(Girlhood)”(仏) 監督:セリーヌ・シアマ
 ・“Class Enemy (Razredni Sovražnik)”(スロヴェニア) 監督:Rok Biček

 ◆2015年
 ◎『裸足の季節』(仏・独・トルコ) 監督:デニズ・ガムゼ・エルギュベン
 ・『地中海』“Mediterranea”(伊・仏・米・独・カタール) 監督:ジョナス・カルピニャーノ(Jonas Carpignano)
 ・『ザ・レッスン/授業の代償』“Urok (The Lesson)”(ブルガリア・ギリシャ) 監督:クリスティナ・グロゼヴァ(Kristina Grozeva)、ペタル・ヴァルチャノフ(Petar Valchanov)

 ◆2016年
 ◎『ありがとう、トニ・エルドマン』(独・オーストリア) 監督:マーレン・アデ
 ・『ぼくの名前はズッキーニ』(スイス・仏) 監督: クロード・バラス
 ・“À Peine J’ouvre les Yeux (As I Open My Eyes)”(仏・チュニジア・ベルギー・UAE) 監督: Leyla Bouzid

 ◆2017年
 ・『BPM ビート・パー・ミニット』(仏) 監督:ロバン・カンピヨ
 ・“Western”(独・ブルガリア・オーストリア) 監督:ヴァレスカ・グリーゼバッハ(Valeska Grisebach)
 ◎『サーミの血』(スウェーデン・デンマーク・ノルウェー) 監督:アマンダ・シェーネル(Amanda Kernell)

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 【ラックス賞2018 オフィシャル・セレクション】

 ・“The Silence of Others(El silencio de los otros)”(西・米) 監督:Almudena Carracedo、Robert Bahar
 José Galantesは、自分を拷問した人が数メートルのところに住み、罰せられずにいることが受け入れられないし、受け入れるつもりもない。Maria Martínは、父の骨を合同墓地から掘り起こして、母の墓の隣に埋め直すことを認めさせるために闘っている。しかしながら、1977年にスペインの国会で恩赦法が大多数で可決されて、すべての政治犯が釈放されただけでなく、フランコ独裁で犯された多くの残虐行為が未解決のままとなっている。
 フィルムメイカーは、6年以上の歳月をかけて、犠牲者や親戚、人権弁護士に、罪の自白を引き出したり、恩赦法を廃止したりするための長い闘いについて話を聞いた。映画はまた、誰かの台所から始まった運動、すなわち、フランコ時代の20人以上の元加害者に逮捕令状が出されて、国際裁判が開かれ、抑圧された不正が大きく認知されて、次第に成果を上げていったのが、どのようなものであったかも描いている。このシンボリックなヴィジュアルに満ち、知的に編集された映画は、過去を忘れようとしている人々と過去と折り合いをつけようとしている人々の間で未だに分断されている社会を見せている。
 ベルリン国際映画祭2018 パノラマ部門出品。Peace映画賞、観客賞ドキュメンタリー部門第1席受賞。
 人権に関する国際映画祭&フォーラム2018出品。審査員スペシャル・メンション受賞。
 Hot Docsカナディアン国際ドキュメンタリー映画祭2018出品。
 シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭2018出品。審査員大賞受賞。
 AFI Docs 2018出品。

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 ・“Girl”(ベルギー・オランダ) 監督:Lukas Dhont
 出演:Victor Polster、アリエ・ワルトアルテ(Arieh Worthalter)
 物語:ララは、16歳で、父親と弟と一緒に暮らしている。彼女は、バレリーナになることを夢見ているが、肉体的には男の子として生まれた。思春期の早くから、彼女はホルモン・セラピーを受けているけれども、競技スポーツに携わっている彼女の体は、まだ性転換手術を受ける準備はできていない。まわりのサポートもあるが、彼女は、毎日、自分自身と、自分の肉体と、自分の恐れや希望と向き合っている。
 Lukas Dhontは、ゲント国際映画祭で、2012年に最優秀フレミッシュ学生短編映画賞スペシャル・メンション、2014年に最優秀ベルギー短編映画賞を受賞している。これが初監督長編。
 レザルク・ヨーロッパ映画祭2017 TitraFilm Prize受賞。
 カンヌ国際映画祭2018 ある視点部門出品。パフォーマンス賞(Victor Polster)、クィア・パルム 長編賞、カメラ・ドール、国際批評家連盟賞受賞。
 シドニー映画祭2018出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018ホライズンズ部門出品。
 オデッサ国際映画祭2018 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 エルサレム映画祭2018出品。
 ゲント国際映画祭2018出品。

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 ・ “Happy as Lazzaro(Lazzaro Felice/My Bitter Land)”(伊・スイス・仏・独) 監督:アリーチェ・ロルヴァケル
 出演:ニコレッタ・ブラスキ、セルジ・ロペス、アルバ・ロルヴァケル、Natalino Balasso、トマーゾ・ラーニョ(Tommaso Ragno)、Adriano Tardiolo、Luca Chikovani、Leonardo Nigro、Agnese Graziani、Gala Othero Winter
 物語:これは、あまりにも善良すぎてしばしば過ちを犯す若い農夫Lazzaroと、イマジネーションにとりつかれた若い貴族Tancrediの出会いの物語である。1980年代、イタリアの中部。隔絶した牧歌的な村の生活は、恐ろしいタバコ農園の女王Marchesa Alfonsina de Lunaによって支配されている。忠実なる絆は、TancrediがLazzaroに自分を誘拐する手助けをしてくれと頼んだ時に封印される。この奇妙でありそうもない同盟は、Lazzaroを目覚めさせる。あまりにも貴重すぎる友情は、時を超え、LazzaroをTancrediを捜す旅に移送する。大都市への初めての旅で、Lazzaroは現代世界で迷子になった過去のフラグメントのようなものだ。
 カンヌ国際映画祭2018 コンペティション部門出品。脚本賞受賞。
 ナストロ・ダルジェント賞2018 作品賞、助演女優賞(ニコレッタ・ブラスキ)、美術賞ノミネート。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018 ホライズンズ部門出品。
 ミュンヘン映画祭2018出品。
 ニュージーランド国際映画祭2018出品。
 エルサレム映画祭2018出品。

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 ・ “Styx”(独・オーストリア) 監督:Wolfgang Fischer
 物語:Rikeは、40歳の、ヨーロッパ出身の医師で、現代西欧の幸福と成功を体現している。彼女は、教育があり、自信を持ち、決断力があり、熱心である。Rikeの日常生活が描かれる。彼女は救命医で、長年の夢を実現すべく独りで船に乗って海に出る。彼女の目的地は、大西洋のアセンション島だ。ところが、夢の休暇は国際水域上で断ち切られる。嵐に遭い、気づいた時、彼女は100人近い難民を乗せたおんぼろ漁船の近くにいた。難民は死にかかっている。彼女は海事法に従い、無線で助けを求める。彼女の願いは聞き入れられず、彼女は思い切った決断をする。
 ベルリン国際映画祭2018 パノラマ部門出品。エキュメニカル審査員賞、Heiner Carow賞、Label Europa Cinemas賞、観客賞第2席受賞。
 香港国際映画祭2018 ヤング・シネマ・コンペティション部門出品。
 イスタンブール国際映画祭2018出品。
 Schwerin Art of Film Festival 2018出品。作品賞、サウンド・ミックス賞、観客賞受賞。
 エムデン国際映画祭2018出品。最優秀クリエイティヴ・パフォーマンス賞受賞(スザンネ・ウォルフ)。
 ヴァレッタ映画祭(マルタ)2018出品。女優賞(スザンネ・ウォルフ)、撮影賞受賞。
 ゴールウェイ映画祭2018出品。
 オデッサ国際映画祭2018インターナショナル・コンペティション部門出品。
 エルサレム映画祭2018出品。

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 ・ “Donbass”(独・ウクライナ・仏・オランダ・ルーマニア) 監督:セルゲイ・ロズニタ(Sergei Loznitsa)
 物語:東ウクライナのDonbass地区では、ハイブリッドな戦争が行なわれている。それには、ギャングによって引き起こされた大規模な略奪を伴う受け入れに好意的な紛争も含まれている。Donbassでは、戦争は愛と呼ばれ、プロパガンダは真実と見なされ、憎むことは愛することと宣言される。一地域や一国、一政治システムの話ではない。ヒューマニティーや一般的な文明の話であり、それぞれについて、われわれのひとりひとりについての話である。
 カンヌ国際映画祭2018 ある視点部門出品。監督賞受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018アナザー・ビュー部門出品。
 ミュンヘン映画祭2018出品。

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 ・ “Mug(Twarz)”(ポーランド) 監督:マウゴシュカ・シュモフスカ
 出演:マテウシュ・コシチュキェヴィチ(Mateusz Kościukiewicz)、アグニェシュカ・ポトシャドリク(Agnieszka Podsiadlik)、Małgorzata Gorol、ロマン・ガナルチック(Roman Gancarczyk)、Dariusz Chojnacki、Robert Talarczyk、Anna Tomaszewska、Martyna Krzysztofik
 物語:Jacekは、ヘビメタと愛犬を愛している。彼は、家の外の田舎道をレース場に変え、自分の小さな車を爆音で飛ばしている。彼とガールフレンドのDagmaraがダンスフロアで夢中になっている時、みんなは危険を避けて遠巻きにする。彼自身は、自分のことを古臭い環境にいるクールな変わり者と見なしてエンジョイしていた。ある日、彼は、ドイツ国境近くの、世界最大のキリスト像を建造中の建設現場で事故に遭い、顔を損傷する。Jacekは、ポーランドで初の顔面移植手術を受けることになる。彼は、国のヒーローであり、殉教者なのかもしれない。しかし、自分で自分の顔を鏡で見ても、誰だかわからなくなる。故郷に帰っても、彼がどんな手術を受けたのか、誰も知らず、全くの見知らぬ人になってしまう。その一方で、キリスト像はどんどん高くなっていく。
 ベルリン国際映画祭2018 コンペティション部門出品。審査員グランプリ受賞。
 FEST国際映画祭(ベオグラード国際映画祭)2018出品。
 Netia Off Camera国際インディペンデント映画祭2018 ポーランド長編映画コンペティション部門出品。男優賞(マテウシュ・コシチュキェヴィチ)、The Kulczyk Foundation Award受賞。
 Molodist国際映画祭2018出品。
 Biografilmフェスティバル2018出品。
 エジンバラ国際映画祭2018出品。

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 ・ “The Other Side of Everything (Druga strana svega)”(セルビア・仏・カタール) 監督:Mila Turajlić
 ベオグラードの母のアパートには、鍵がかけられて、65年以上開けられていないドアがあり、民主革命後、開けてみたら何が起こるのか、調べてみたい欲望にかられている。監督のMila Turajlićは、個人的なアングルから自分の国について話したいと考え、それなら自分が育った場所から始めたいと考えた。鍵のかかった部屋を見つめれば見つめるほど、この分断された空間について話すことがセルビアについて話すことになると考えるようになった。
 トロント国際映画祭2017 TIFF DOCS部門出品。
 DOC NYC2017出品。
 アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭2017出品。長編ドキュメンタリー賞受賞。
 Festival autorskog filma (FAF)ベオグラード2017出品。
 トリエステ映画祭2018出品。
 ヨーテボリ国際映画祭2018出品。
 ヴィリニュス国際映画祭2018出品。
 香港国際映画祭2018 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。
 サンフランシスコ国際映画祭2018出品。
 リバーラン国際映画祭2018出品。監督賞受賞。
 モントリオール国際ドキュメンタリー映画祭(RIDM)
 Docs Against Gravity映画祭2018出品。
 DocAviv映画祭2018 インターナショナル・コンペティション部門出品。

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 ・ “Woman at War(Kona fer í stríð)”(アイスランド・仏・ウクライナ) 監督:ベネディクト・エルリングソン
 物語:Hallaは、女ひとりで地元のアルミニウム工場に戦争を挑む。彼女が愛するアイスランドの自然のままのハイランドを守るためなら、あらゆるものを賭けるリスクもいとわない。だが、そんな彼女の生活に思いもかけず、ひとりの孤児が入り込んでくる……。
 『馬々と人間たち』のベネディクト・エルリングソンの第2監督長編。
 カンヌ国際映画祭2018 国際批評家週間出品。
 シドニー映画祭2018出品。

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 ・ “Border(Gräns)”(スウェーデン・デンマーク) 監督:Ali Abbasi
 出演:エヴァ・メランデル(Eva Melander)、エーロ・ミロノフ(Eero Milonoff)、Viktor Åkerblom、Joakim Olsson
 物語:税関職員のTinaは、子どもの頃、落雷に遭い、外見は醜く変わってしまったが、その代わり、違法なアイテムを持っていないかどうか見破る能力を手に入れた。この能力のおかげで、幸運にも彼女は、外国で働くことができるようになったが、彼女はスウェーデンの港町カペルシャーで静かな生活を送る道を選択した。ある日、彼女は、仕事で、他とは違う不穏な旅行者Voreと出会う。Voreを見て、Tinaは、本能的に密輸業者だと感じたが、探しても何も見つからなかった。何を隠しているのか、どのように隠しているのかがわからないのだ。わかっているのは、彼には何かがあるということだけ。困惑しつつも、TinaはどんどんVoreにのめり込んでいく。彼女は、自分の正気とプロとしても信頼を賭けて、Voreの秘密を探ろうとする。
 『ぼくのエリ 200歳の少女』の原作小説『MORSE -モールス-』、およびその脚本も手がけるスウェーデンの作家ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの短編小説の映画化。
 カンヌ国際映画祭2018 ある視点部門出品。ある視点賞、Prix de la Meilleure Création Sonore受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018アナザー・ビュー部門出品。
 ミュンヘン映画祭2018出品。
 エルサレム映画祭2018出品。

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 ・ “U-July 22”(ノルウェー) 監督:エリック・ポッペ
 出演:Andrea Berntzen、Aleksander Holmen、Brede Fristad、Elli Rhiannon Müller Osbourne、Solveig Koløen Birkeland、Sorosh Sadat、Ada Eide
 物語:2011年7月11日、ノルウェー史上最悪の連続テロ事件が起こる。犯人はアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(1979- )で、反移民、反イスラムの思想を持ち、当日、オスロ政府庁舎で爆破事件を仕かけ(8人死亡)、さらに、移民受け入れを推進していたノルウェー労働党青年部約700人が集会を行なっていたオスロ近郊のウトヤ島で銃乱射事件を起こして、69人を殺害した(併せて77人が死亡。単独犯による短時間での大量殺人としては、世界最多)。「ブレイビクはタクシーでウトヤ島の近くまで行った後に警察官の制服を着てボートで島に上陸し、爆破テロ捜査を口実に参加者を整列させ、午後5時頃より銃を乱射」。「確実に殺せるよう各人に2発ずつ撃ち込んで殺していった」(Wikipedia)、という。ブレイビクは、乱射事件直後に逮捕され、2012年8月、禁錮最低10年、最長21年の判決が下された(ノルウェーにおける最高の刑)。
 エリック・ポッペは、ノルウェー連続テロ事件という難しい題材を取り上げるに当たって、ブレイビクの心理を描くことも、裁判を追うこともせず、当日、島にいた若者たちに焦点を当てることにした。そして、ポッペと脚本家たちで事件の生還者の多くに話を聞き、テロから生き延びようとするKaja(18)という主人公を作り上げた。
 完成までに3年の歳月をかけた。
 ベルリン国際映画祭2018 コンペティション部門出品。エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション受賞。
 アマンダ賞2018 作品賞、監督賞、主演女優賞(Andrea Berntzen)、助演女優賞(Solveig Koløen Birkeland)、脚本賞、撮影賞、音響デザイン賞ノミネート。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018 ホライズンズ部門出品。

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 今年のベルリン国際映画祭は不作だという評判だったし、カンヌ国際映画祭もヨーロッパ映画よりもそのほかの地域の映画が善戦したような印象だったので、今年のヨーロッパ映画はどうなのかなあという感触だったのですが、ラックス賞のオフィシャル・セレクションを見た限りでは案外悪くないのかもしれません。

 といいつつも、大御所クラスの名前は見当たらなくて、未知の監督も多く、割とフレッシュな顔ぶれになりました。

 これら以外から注目作が出てこないはずもないとは思いますが、例年の流れを見れば、上記のタイトルが今後映画賞(各映画祭での受賞、ヨーロッパ映画賞オフィシャル・セレクション、米国アカデミー賞外国映画賞各国代表選出など)を重ねていくのはおそらく間違いないところで、今後、知名度や注目度を上げていくことになるんじゃないでしょうか。

 女性監督は4人(アリーチェ・ロルヴァケル、 マウゴシュカ・シュモフスカ、Mila Turajlić、Almudena Carracedo) 、ラックス賞初めてとなるドキュメンタリー作品が2本 (“The Other Side of Everything (Druga strana svega)”、“The Silence of Others(El silencio de los otros)”選出になりました。

 まだ内容がよくわからない作品もありますが、ファイナリスト3作品に残るのは、”Girl”、 “Happy as Lazzaro(Lazzaro Felice/My Bitter Land)”、 “Styx”あたりでしょうか。

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 *当ブログ記事

 ・ラックス賞2017 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201707/article_4.html
 ・ラックス賞2017 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201707/article_38.html
 ・ラックス賞2017 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201711/article_25.html
 ・ラックス賞2016 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201607/article_5.html
 ・ラックス賞2016 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201607/article_28.html
 ・ラックス賞2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_41.html
 ・ラックス賞2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_12.html
 ・ラックス賞2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_29.html
 ・ラックス賞2014 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_10.html
 ・ラックス賞2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_22.html
 ・ラックス賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_28.html
 ・ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_1.html
 ・ラックス賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_18.html
 ・ラックス賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_29.html
 ・ラックス賞2012 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_3.html
 ・ラックス賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_16.html
 ・ラックス賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_21.html
 ・ラックス賞2011:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_2.html
 ・ラックス賞2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_27.html
 ・ラックス賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_43.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2018年3月〜9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201803/article_33.html

 追記:

 ・ラックス賞2018 ノミネーション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201807/article_8.html
 ・ラックス賞2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201811/article_20.html

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