ロカルノ2018 フィルムメイカーズ・オブ・ザ・プレゼント コンペティション部門 ラインナップ

 【フィルムメイカーズ・オブ・ザ・プレゼント コンペティション部門】 (Cineasti Del Presente /Film-makers of the Present Competition)
 第1回または第2回監督作品のコンペティション部門。

 ※審査員:アンドレー・ウジカ(Andrei Ujică:審査員長、ルーマニアのフィルムメイカー)、ベン・リヴァース、レティシア・ドッシュ(Lætitia Dosch:スイス/フランスの女優)

 ・“Trote”(西・リトアニア) 監督:Xacio Baño [ワールド・プレミア]
 物語:Carmeは、ガリシア地方の山村に、病の母と、彼女からはほとんど話しかけることのない父と一緒に暮らしている。彼女はベイカリーで働いているが、この抑圧的な雰囲気から逃げ出したい衝動にかられている。しかし、状況はいつも彼女を足止めしているように見える。敬老の祝いである“Rapa das Bestas”の間、兄であるであるルイスがマリアを連れて帰郷する。

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 ・“L'époque(Young and Alive)”(仏) 監督:Matthieu Bareyre [ワールド・プレミア]
 ドキュメンタリー。2015年1月7日の、パリの週刊新聞シャルリー・エプト事件から大統領選挙まで。眠れない若者たちとの夜の旅。彼らの夢、悪夢、酩酊、弱腰、退屈、涙。集会、カフェテリア、仕事、不眠症、未来。2015年、2016年、2017年、われらの時代。

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 ・“Sophia Antipolis”(仏) 監督:Virgil Vernier [ワールド・プレミア]
 物語:Sophia Antipolis:フレンチ・リヴィエラのハイテク産業の中心地。夢がかなう場所。その表面下には、恐れと絶望が潜む。偽りの太陽の下、5人の人生が、ひとりの若い女性Sophiaの忘れられない物語を展開する。

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 ・“Likemeback”(伊・クロアチア) 監督:レオナルド・グエッラ・セラーニョリ(Leonardo Guerra Seragnoli) [ワールド・プレミア]
 物語:LaviniaとCarlaとDanilaは、高校を卒業して、一緒にヨットでバケーションに出かける。携帯電話と船長以外はなく、夢と自由と気楽さいっぱいで、クロアチアの海岸線を進む。彼らは、ソーシャル・メディアですべてを分かち合うだけで、この旅が大人への通り道の残酷な儀式になることに気づいていない。これが終われば、一切が変わってしまうのだ。とりわけ友情が。
 『ラスト・サマー』のレオナルド・グエッラ・セラーニョリ監督最新作。

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 ・“Ceux qui travaillent(Those Who Work)”(スイス・ベルギー) 監督:Antoine Russbach [ワールド・プレミア]
 物語:フランクは、すべてを自分一人で成し遂げてきた行動の男で、人生を仕事に捧げてきた。どこでも、どんな環境でも、昼でも夜でも、いつも彼は電話中で、大手企業のためにチャーターした貨物船を操った。危機的な状況を処理しなければならなくなった時、フランクは残忍な決断をし、解雇された。彼は、自分がすべてを捧げていたシステムに深く揺さぶられ、裏切られた。彼は、自分に残されたひとつのコネクションを守るために、徐々に自分自身を問う。それは末娘のマチルドで、フランクは彼女との絆を守らなければならない。

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 ・“Closing Time(打烊時刻)”(スイス・独) 監督:Nicole Vögele [ワールド・プレミア]
 ドキュメンタリー。台北の中正街、午前3時。道路は、ずっとこのメトロポリスでうなりをあげている。多車線道路に隣接し、大きなフリーウェイからは見落とされがちな場所に、“Little Plates with Rice”はある。ここは、ミスター・クオと奥さんのミセス・リンが夜の住人のために調理する夜間食堂だ。タクシー運転手やショップ・オーナー、隣人のタトゥー・アーティスト、主人の帰りを待つストリート・ドッグのためにすら、ここは、一杯のごはんを約束してくれる避難所になっている。ある朝、市場からの帰り、ミスター・クオは高速の出口を間違えて、海に出てしまう。

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 ・“Alles ist gut(All Good)”(独) 監督:Eva Trobisch
 物語:どんな問題だって、問題視しなけば問題にならない。これがヤンネが、自分の意思に反して、新しいボスの配偶者の兄と寝ているという事実に対する彼女の態度だ。彼女は、事故を隠し、いつも通り仕事を続ける。だが、彼女の沈黙はある結果をもたらす。そして彼女は、友人のPietに感じていた愛に気づく。
 ミュンヘン映画祭2018 ニュー・ジャーマン・シネマ部門 監督賞、演技賞(Aenne Schwarz)、国際批評家連盟賞受賞。

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 ・“Chaos”(オーストリア・シリア・レバノン・カタール) 監督:Sara Fattahi [ワールド・プレミア]
 物語:3人のシリア人女性が、異なる場所で生活している。彼らは、自分たちを結びつけたまさにそのことによって分かたれる。それは恐れとトラウマだ。1人目は、ダマスクスに住んでいる。彼女は、息子の死後、一切他人と話すことをやめ、アパートの中に引きこもり、沈黙の中に慰めを求めている。2人目は、戦争のせいでダマスクスを離れて、スウェーデンに向かった。そこで絵画に没頭し、過去の苦しみから解き放たれようとした。3人目は、ウィーンにたどりついた。それは第二次世界大戦後オーストリアを逃げ出した女性の亡霊を思わせる。本作は、ダマスクスにまつわる女性のディスカッションである。1人目はとどまり続け、2人目は亡命し、3人目は離れたばかり。それは、内側からと外側からの、ありえない会話である。

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 ・“Tegnap”(ハンガリー・独・仏・オランダ・モロッコ・スウェーデン) 監督:Balint Kenyeres [ワールド・プレミア]
 物語:50歳のVictor Ganzは、ワールドワイドで取引をしている成功した土木会社を経営している。ある時、彼はコストの問題からモロッコの現場にいくことになるが、そこでかつて葬り去らざるを得なくなった若い頃に記憶を思い出す。省庁での会合で、昔好きだったが、突然姿を消した女性と再会する。Victor Ganzは、モロッコで調査を始め、現在と過去を結びつけるラビリンスに入り込んでしまう。

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 ・“Dead Horse Nebula”(トルコ) 監督:Tarik Aktas [ワールド・プレミア]
 物語:Hayは、7歳の時、野原で馬の死体を見つけた。父や他の大人は必至にそれを取り除こうとしていたが、このよくわからない記憶は、それでも彼の中に深く刻まれた。彼が、生贄の儀式で、自分を傷つけた時、すべてがフラッシュバックする。避けがたい精神的な通り道を下り、彼は、人間と自然の関係性、物事と生命の結束に直面する。
 初監督作品。

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 ・“Hatzlila (The Dive)”(イスラエル) 監督:Yona Rozenkier
 物語:火曜日、別の戦争がイスラエルの北部で起こった。3人兄弟が、父親を子ども時代を過ごしたキブツに埋葬するために集まった。2日後、末っ子が戦争に行くことになった。彼は、戦争に行ったことがある兄2人にアドバイスを求めた。まもなく、帰郷はコントロールを失って空回りし始める。

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 ・“Jiao qu de niao(Suburban Birds/郊区的鳥)”(中) 監督:Qiu Sheng(仇晟)
 物語:郊外で地盤沈下が起こり、ハオを含むエンジニアのチームが原因究明のために派遣される。答えを求め、重い道具を運んで、誰もいない郊外をさまよった後、ハオはある小学校に行きつく。ある少年と仲良しグループの別れを綴った日記を見つける。調査が続けられる間、ハオはこの日記に彼自身の人生についての予言が書かれていることに気がつく。

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 ・“Fausto(Faust)”(メキシコ・カナダ) 監督:Andrea Bussmann [ワールド・プレミア]
 物語:メキシコのオアハカ海岸では、前時代の不平不満は表面から遠くないところにある。変身、テレパシー、悪魔との契約の物語は、アメリカの植民地化、奴隷化の中に埋め込まれている。ファウスト伝説のキャラクターは、住人に混ぜられ、一方、決して完成しないような建物の計画を通して、植民地化は進められ、自然は支配される。文学、神話、地元のもめごとを通して、現実とフィクションの間の境目、見えるものと見えざるものは、もはや適用されない。

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 ・“Temporada (Long Way Home)”(ブラジル) 監督:André Novais Oliveira [ワールド・プレミア]
 物語:公共衛生部で労働者として新しい仕事を得るため、Julianaは、ブラジルのItaúnaにあるスラム街から、コンタジェンのメトロポリタン・タウンにやってくる。夫と合流するまでの間、彼女は、新しい生活に慣れ、人々と知り合い、新しい地平を見出し、過去に打ち勝とうとする。

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 ・“Familia Sumergida(Immersed Family)”(アルゼンチン・ブラジル・独・ノルウェー) 監督:Maria Alché [ワールド・プレミア]
 物語:Marcelaは、姉妹のRinaが死んだあと、世界が見知らぬ場所になったように感じた。自分の家も夫との関係も失われ、子どもたちは病気のように見える。ところが、友人の娘Nachoが思いがけず立ち寄ってくれた時、彼女は彼と話し、散歩もするようになる。次第に、彼女は、別の側面から親戚とも会話をするようになった。

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 ・“Siyabonga(We Are Thankful)”(南アフリカ・英) 監督:Joshua Magor [ワールド・プレミア]
 物語:南アフリカのクワズール・ナタール州のMphopomeniという町で、Siyabongaという若者が、舞台を立ち上げる。彼は、近くの町で映画の撮影が行なわれると聞いて、自分がその映画に参加することを使命のように感じる。映画プロデューサーにまじないをつかうようにと、eメールを書くために、白人(“umlungus”)からwifiを盗もうとして、メイドと共謀するところから始め、自分の生活を改善し、未来をコントロールするために、Siyabongaはできることはすべてした。そして信じられないほどの旅の果てに彼はついに映画監督と巡り会う。彼らの出会いからSiyabongaは生まれる。

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 今回のフィルムメイカーズ・オブ・ザ・プレゼント コンペティション部門は、16本中13本がワールド・プレミアで、12本だった昨年より1本多くなっています(プレミア・ステイタスの情報は公式サイトには載っていなくて、ここではScreen Dailyに拠っています)。
 ワールド・プレミアが多い方が、ラインナップとして価値があるとは限りませんが、アメリカ映画を1本も入れていないなどからしても、セレクション担当者の何らかの意図(昨年の反省?)を汲み取ってもいいのかもしれません。

 現時点では、まだIMDbにも作品情報が載っていない作品ばかりで、内容もよくわからなかったりしますが、昨年のラインナップからすると、“Sashishi Ded (Scary Mother)”や“3/4”、あとは“Dene Wos Guet Geit”や“Distant Constellation”クラスの作品があればいいでしょうか。

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 *当ブログ記事

 ・ロカルノ国際映画祭2018 インターナショナル・コンペティション部門 ラインナップ:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201807/article_11.html

 ・ロカルノ国際映画祭2017 インターナショナル・コンペティション部門 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201707/article_18.html
 ・ロカルノ国際映画祭2017 フィルムメイカーズ・オブ・ザ・プレゼント コンペティション部門 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201707/article_19.html
 ・ロカルノ国際映画祭2017 コンペティション部門以外のラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201707/article_21.html
 ・ロカルノ国際映画祭2017 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201708/article_17.html
 ・ロカルノ国際映画祭2016 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201607/article_25.html
 ・ロカルノ国際映画祭2016 ラインナップ コンペティション部門以外:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201607/article_26.html
 ・ロカルノ国際映画祭2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201608/article_18.html
 ・ロカルノ国際映画祭2014 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_18.html
 ・ロカルノ国際映画祭2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201408/article_14.html
 ・ロカルノ国際映画祭2013 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_19.html
 ・ロカルノ国際映画祭2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_2.html
 ・ロカルノ国際映画祭2010 ラインナップ その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_16.html
 ・ロカルノ国際映画祭2010 ラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_17.html
 ・ロカルノ国際映画祭2010 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201008/article_7.html
 ・ロカルノ国際映画祭2009 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200907/article_16.html
 ・ロカルノ国際映画祭2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200908/article_10.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2018年3月~9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201803/article_33.html

 追記:
 ・ロカルノ国際映画祭2018 コンペティション部門以外のラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_1.html
 ・ロカルノ国際映画祭2018 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_12.html

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