クリティクス・チョイス・アワード2016 ノミネーション発表!
米・放送映画批評家協会が選ぶ、第21回クリティクス・チョイス・アワードのノミネーションが発表されました。(12月14日)
【放送映画批評家協会】
放送映画批評家協会(BFCA:The Broadcast Film Critics Association)
設立年:1995 会員数(映画部のみ):308 本拠地:ロサンゼルス
公式サイト:http://www.bfca.org/about.php
クリティクス・チョイス・アワード公式サイト:http://www.criticschoice.com/
Wikipedia(英語):http://en.wikipedia.org/wiki/Broadcast_Film_Critics_Association
「放送映画批評家協会」はBroadcast Film Critics Associationの翻訳で、日本では「ブロードキャスト映画批評家協会」と表記されることもあります。
放送映画批評家協会は、全米およびカナダで、テレビやラジオ、インターネットで活躍している映画批評家で構成されている協会で、会員数では映画批評家協会の中でも最大となる300名以上のメンバーを抱えています。
設立は1995年。
公式サイトでは、毎月、10段階評価で、新作のレビューを発表しています。
この放送映画批評家協会が、発表している年度ごとの映画賞が、クリティクス・チョイス・アワード(Critics’Choice Award)です(単にCritics Choiceと記されることもあります)。
クリティクス・チョイス・アワードは、数多い映画批評家協会賞の中で、ほとんどトリとなる映画賞で、編集賞、美術賞、衣裳賞、メイキャップ賞など、最多の部門を有しています。(2013年から録音賞がなくなっています。)
受賞結果自体は、さほど個性的ではありませんが、映画賞レースの中盤以降に発表される映画賞として、アカデミー賞の結果を占う重要な映画賞の1つにもなっています。
[賞の特徴]
・撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞などのほかに、衣裳デザイン賞、ヘア&メイキャップ賞、視覚効果賞、歌曲賞など、他の映画賞にはほとんど設けられていない部門を有している。
・アクション部門の男優賞と女優賞、コメディー部門の男優賞と女優賞、ヤング俳優賞、アクション映画賞、コメディー映画賞、SF/ホラー映画賞といった、独自の部門を設けている。
・映画批評家協会の中では、1、2を争うメンバー数の多さで、発表の時期が映画賞レースの中盤以降であることもあり、全米のムードをとらえて、受賞結果が米国アカデミー賞と重なることが多い。
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◆作品賞
・『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
・『ブリッジ・オブ・スパイ』
・“Brooklyn”(アイルランド・英・カナダ) 監督:ジョン・クローリー
・『キャロル』
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・『オデッセイ』
・『レヴェナント:蘇えりし者』
・“Room”(アイルランド・カナダ) 監督:レニー・アブラハムソン
・『ボーダーライン』
・“Spotlight”(米) 監督:トム・マッカーシー
◆監督賞
・トッド・ヘインズ 『キャロル』
・アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 『レヴェナント:蘇えりし者』
・トム・マッカーシー “Spotlight”
・ジョージ・ミラー 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・リドリー・スコット 『オデッセイ』
・スティーヴン・スピルバーグ 『ブリッジ・オブ・スパイ』
◆主演男優賞
・ブライアン・クランストン “Trumbo”(米)(監督:ジェイ・ローチ)
・マット・デイモン 『オデッセイ』
・ジョニー・デップ 『ブラック・スキャンダル』
・レオナルド・ディカプリオ 『レヴェナント:蘇えりし者』
・マイケル・ファスベンダー 『スティーブ・ジョブズ』
・エディー・レッドメイン 『リリーのすべて』
◆主演女優賞
・ケイト・ブランシェット 『キャロル』
・ブリー・ラーソン “Room”
・ジェニファー・ローレンス “Joy”(米)(監督:デイヴィッド・O・ラッセル)
・シャーロット・ランプリング “45 Years”(英)(監督:アンドリュー・ヘイ)
・シアーシャ・ローナン “Brooklyn”
・シャーリーズ・セロン 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
◆助演男優賞
・ポール・ダノ 『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』
・トム・ハーディー 『レヴェナント:蘇えりし者』
・マーク・ラファロ “Spotlight”
・マーク・ライランス 『ブリッジ・オブ・スパイ』
・マイケル・シャノン 『ドリームホーム 99%を操る男たち』
・シルヴェスター・スタローン 『クリード チャンプを継ぐ男』
◆助演女優賞
・ジェニファー・ジェイソン・リー 『ヘイトフル・エイト』
・ルーニー・マーラ 『キャロル』
・レイチェル・マクアダムス “Spotlight”
・ヘレン・ミレン “Trumbo”
・アリシア・ヴィキャンデル 『リリーのすべて』
・ケイト・ウィンスレット 『スティーブ・ジョブズ』
◆オリジナル脚本賞
・マット・シャルマン、イーサン・コーエン ジョエル・コーエン 『ブリッジ・オブ・スパイ』
・アレックス・ガーランド “Ex Machina”
・クエンティン・タランティーノ 『ヘイトフル・エイト』
・ピート・ドクター、メグ・レフォーヴ、ジョシュ・クーリー 『インサイド・ヘッド』
・ジョシュ・シンガー、トム・マッカーシー “Spotlight”
◆脚色賞
・チャールズ・ランドルフ、アダム・マッケイ 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
・ニック・ホーンビー “Brooklyn”
・ドリュー・ゴダード 『オデッセイ』
・Emma Donoghue “Room”
・アーロン・ソーキン 『スティーブ・ジョブズ』
◆撮影賞
・『キャロル』 エド・ラックマン
・『ヘイトフル・エイト』 ロバート・リチャードソン
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 ジョン・シール
・『オデッセイ』 ダリウス・ウォルスキー
・『レヴェナント:蘇えりし者』 エマニュエル・ルベツキ
・『ボーダーライン』 ロジャー・ディーキンス
◆編集賞
・『マネー・ショート 華麗なる大逆転』 ハンク・コーウィン
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 マーガレット・シクセル
・『オデッセイ』 ピエトロ・スカリア
・『レヴェナント:蘇えりし者』 スティーヴン・ミリオン
・“Spotlight” トム・マカードル
◆美術賞(Best Production Design)
・『ブリッジ・オブ・スパイ』 アダム・ストックハウゼン、Rena DeAngelo
・“Brooklyn” フランソワ・セグワン、Jennifer Oman、Louise Tremblay
・『キャロル』 ジュディー・ベッカー、Heather Loeffler
・『リリーのすべて』 イヴ・スチュワート、Michael Standish
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 コリン・ギブソン
・『オデッセイ』 アーサー・マックス、Celia Bobak
◆衣裳デザイン賞
・“Brooklyn” オディール・ディックス=ミロー
・『キャロル』 サンディー・パウエル
・『シンデレラ』 サンディー・パウエル
・『リリーのすべて』 パコ・デルガド
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 ジェニー・ビーヴァン
◆ヘア&メイキャップ賞
・『ブラック・スキャンダル』
・『キャロル』
・『リリーのすべて』
・『ヘイトフル・エイト』
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・『レヴェナント:蘇えりし者』
◆視覚効果賞
・“Ex Machina”
・『ジュラシック・ワールド』
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・『オデッセイ』
・『レヴェナント:蘇えりし者』
・『ザ・ウォーク』
◆作曲賞(Best Score)
・『キャロル』 カーター・バーウェル
・『ヘイトフル・エイト』 エンニオ・モリコーネ
・『レヴェナント:蘇えりし者』 坂本龍一、アルヴァ・ノト
・『ボーダーライン』 ヨハン・ヨハンソン
・“Spotlight” ハワード・ショア
◆歌曲賞(Best Song)
・『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』-‘Love Me Like You Do’
・『ワイルド・スピード SKY MISSION』-‘See You Again’
・“The Hunting Ground”-‘Til It Happens To You’
・『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』-‘One Kind of Love’
・『007 スペクター』-‘Writing’s on the Wall’
・“Youth”-‘Simple Song #3’
◆ヤング俳優賞(Best Young Actor/Actress)
・エイブラハム・アッター 『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
・RJ Cyler “Me and Earl and the Dying Girl”
・シャメイク・ムーア(Shameik Moore) “Dope”(監督:リック・ファムイーワ)
・マイロ・パーカー(Milo Parker) 『ミスター・ホームズ』
・ジェイコブ・トレンブレイ “Room”
◆アンサンブル賞(Best Acting Ensemble)
・『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
・『ヘイトフル・エイト』
・“Spotlight”
・『ストレイト・アウタ・コンプトン』
・“Trumbo”
◆ドキュメンタリー賞
・“Amy”(英) 監督:アシフ・カパディア(Asif Kapadia)
・“Cartel Land”(米) 監督:Matthew Heineman
・『ゴーイング・クリア:サイエントロジーと信仰という監禁』“Going Clear: Scientology and the Prison of Belief”(米) 監督:アレックス・ギブニー
・『わたしはマララ』
・『ルック・オブ・サイレンス』
・“Where to Invade Next”(米) 監督:マイケル・ムーア
◆アニメーション賞
・“Anomalisa”(米) 監督:デューク・ジョンソン(Duke Johnson)、チャーリー・カウフマン
・『アーロと少年』“The Good Dinosaur”(米) 監督:ピーター・ソーン
・『インサイド・ヘッド』
・『I LOVE スヌーピーTHE PEANUTS MOVIE』
・『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』
◆外国語映画賞
・『黒衣の刺客』
・『グッドナイト・マミー』Goodnight Mommy(Ich Seh Ich She)”(オーストリア) 監督:ヴェロニカ・フランツ(Veronika Franz)、セヴェリン・フィアラ(Severin Fiala)
・“Mustang”(仏・独・トルコ) 監督:Deniz Gamze Ergüven
・“The Second Mother(Que Horas Ela Volta?)”(ブラジル) 監督:Anna Muylaert
・『サウルの息子』Saul Fia (Son of Saul)”(ハンガリー) 監督:ネメシュ・ラースロー(László Nemes)
◆最優秀アクション映画賞(Best Action Movie)
・『ワイルド・スピード SKY MISSION』
・『ジュラシック・ワールド』
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
・『ボーダーライン』
◆男優賞 アクション映画部門(Best Actor in An Action Movie)
・ダニエル・クレイグ 『007 スペクター』
・トム・クルーズ 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
・トム・ハーディー 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・クリス・プラット 『ジュラシック・ワールド』
・ポール・ラッド 『アントマン』
◆女優賞 アクション映画部門(Best Actress in An Action Movie)
・エミリー・ブラント 『ボーダーライン』
・レベッカ・フェルグソン 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
・ブライス・ダラス・ハワード 『ジュラシック・ワールド』
・ジェニファー・ローレンス 『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』
・シャーリーズ・セロン 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
◆最優秀コメディー賞(Best Comedy)
・『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
・『インサイド・ヘッド』
・“Joy”(米) 監督:デイヴィッド・O・ラッセル
・“Sisters”(米) 監督:ジェイソン・ムーア
・“Spy”(米) 監督:ポール・フェイグ
・“Trainwreck”(米) 監督:ジャド・アパトゥ
◆男優賞 コメディー映画部門(Best Actor in A Comedy)
・クリスチャン・ベール 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
・スティーヴ・カレル 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
・ロバート・デニーロ 『マイ・インターン』
・ビル・ヘイダー “Trainwreck”
・ジェイソン・ステイザム “Spy”
◆女優賞 コメディー映画部門(Best Actress in A Comedy)
・ティナ・フェイ “Sisters”
・ジェニファー・ローレンス “Joy”
・メリッサ・マッカーシー “Spy”
・エイミー・シューマー “Trainwreck”
・リリー・トムリン “Grandma”(米)(監督:ポール・ワイツ)
◆最優秀SF/ホラー映画賞(Best Sci-Fi/Horror Movie)
・“Ex Machina”
・『IT FOLLOWS イット・フォローズ』
・『ジュラシック・ワールド』
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・『オデッセイ』
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主な作品のノミネート状況は以下の通りです。
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(13):作品・監督・主演女優・撮影・編集・美術・衣裳・ヘア・視覚効果・アクション・アクション男優・アクション女優・SF
・『キャロル』(9):作品・監督・主演女優・助演女優・撮影・美術・衣裳・ヘア・作曲
・『オデッセイ』(9):作品・監督・主演男優・脚色・撮影・編集・美術・視覚効果・SF
・『レヴェナント:蘇えりし者』(9):作品・監督・主演男優・助演男優・撮影・編集・ヘア・視覚効果・作曲
・“Spotlight”(8):作品・監督・助演男優・助演女優・脚本・編集・作曲・アンサンブル
・『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(7):作品・脚色・編集・アンサンブル・コメディー・コメディー男優・コメディー男優
・『ヘイトフル・エイト』(6):助演女優・脚本・撮影・ヘア・作曲・アンサンブル
・『ブリッジ・オブ・スパイ』(5):作品・監督・助演男優・脚本・美術
・“Brooklyn”(5):作品・主演女優・脚色・美術・衣裳
・『ボーダーライン』(5):作品・撮影・作曲・アクション・アクション女優
・『ジュラシック・ワールド』(5):視覚効果・アクション・アクション男優・アクション女優・SF
・“Room”(4):作品・主演女優・脚色・ヤング
・『リリーのすべて』(4):主演男優・助演女優・衣裳・ヘア
・“Trumbo”(3):主演男優・助演女優・アンサンブル
・『スティーブ・ジョブズ』(3):主演男優・助演女優・脚色
・“Joy”(3):主演女優・コメディー・コメディー女優
・“Ex Machina”(3):脚本・視覚効果・SF
・『インサイド・ヘッド』(3):脚本・アニメーション・コメディー
・『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(3):アクション・アクション男優・アクション女優
・“Trainwreck”(3):コメディー・コメディー男優・コメディー女優
・『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』(2):助演男優・歌曲
・『ブラック・スキャンダル』(2):主演男優・ヘア
・『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2):歌曲・アクション
・『007 スペクター』(2):歌曲・アクション男優
・“Sisters”(2):コメディー・コメディー女優
・“Spy”(2):コメディー・コメディー男優
この賞は、ゴールデン・グローブ賞やBAFTA英国アカデミー賞と並んで、米国アカデミー賞の行方を占う重要なものですが、そうした中で、本年度の全米映画賞レースで、クリティクス・チョイス・アワードが、初めて監督賞にスティーヴン・スピルバーグをノミネートしているのが注目されます。『ブリッジ・オブ・スパイ』自体、本年度の映画賞レースでは、かなり苦戦を強いられていて、スピルバーグを監督賞にノミネートする映画賞など、これまでなかったわけですから。
なので、米国アカデミー賞でもスティーヴン・スピルバーグが監督賞にノミネートされるかどうかで、本年度のクリティクス・チョイス・アワードと米国アカデミー賞の感覚が合っているか、ズレているか、が試されることになる(少なくとも1つの目安になる)、と言っていいかもしれません。
受賞結果の発表は、2015年1月17日です。
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*当ブログ記事
・クリティクス・チョイス・アワード2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_54.html
・クリティクス・チョイス・アワード2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201501/article_40.html
・クリティクス・チョイス・アワード2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_48.html
・クリティクス・チョイス・アワード2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_56.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_30.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2013 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_32.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_27.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2012 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_27.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_33.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_27.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2009 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_11.html
・全米の映画批評家協会系映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_2.html
・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html
・映画賞&映画祭カレンダー 2015年9月~2016年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201509/article_2.html
追記:
・クリティクス・チョイス・アワード2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_41.html
【放送映画批評家協会】
放送映画批評家協会(BFCA:The Broadcast Film Critics Association)
設立年:1995 会員数(映画部のみ):308 本拠地:ロサンゼルス
公式サイト:http://www.bfca.org/about.php
クリティクス・チョイス・アワード公式サイト:http://www.criticschoice.com/
Wikipedia(英語):http://en.wikipedia.org/wiki/Broadcast_Film_Critics_Association
「放送映画批評家協会」はBroadcast Film Critics Associationの翻訳で、日本では「ブロードキャスト映画批評家協会」と表記されることもあります。
放送映画批評家協会は、全米およびカナダで、テレビやラジオ、インターネットで活躍している映画批評家で構成されている協会で、会員数では映画批評家協会の中でも最大となる300名以上のメンバーを抱えています。
設立は1995年。
公式サイトでは、毎月、10段階評価で、新作のレビューを発表しています。
この放送映画批評家協会が、発表している年度ごとの映画賞が、クリティクス・チョイス・アワード(Critics’Choice Award)です(単にCritics Choiceと記されることもあります)。
クリティクス・チョイス・アワードは、数多い映画批評家協会賞の中で、ほとんどトリとなる映画賞で、編集賞、美術賞、衣裳賞、メイキャップ賞など、最多の部門を有しています。(2013年から録音賞がなくなっています。)
受賞結果自体は、さほど個性的ではありませんが、映画賞レースの中盤以降に発表される映画賞として、アカデミー賞の結果を占う重要な映画賞の1つにもなっています。
[賞の特徴]
・撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞などのほかに、衣裳デザイン賞、ヘア&メイキャップ賞、視覚効果賞、歌曲賞など、他の映画賞にはほとんど設けられていない部門を有している。
・アクション部門の男優賞と女優賞、コメディー部門の男優賞と女優賞、ヤング俳優賞、アクション映画賞、コメディー映画賞、SF/ホラー映画賞といった、独自の部門を設けている。
・映画批評家協会の中では、1、2を争うメンバー数の多さで、発表の時期が映画賞レースの中盤以降であることもあり、全米のムードをとらえて、受賞結果が米国アカデミー賞と重なることが多い。
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◆作品賞
・『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
・『ブリッジ・オブ・スパイ』
・“Brooklyn”(アイルランド・英・カナダ) 監督:ジョン・クローリー
・『キャロル』
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・『オデッセイ』
・『レヴェナント:蘇えりし者』
・“Room”(アイルランド・カナダ) 監督:レニー・アブラハムソン
・『ボーダーライン』
・“Spotlight”(米) 監督:トム・マッカーシー
◆監督賞
・トッド・ヘインズ 『キャロル』
・アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 『レヴェナント:蘇えりし者』
・トム・マッカーシー “Spotlight”
・ジョージ・ミラー 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・リドリー・スコット 『オデッセイ』
・スティーヴン・スピルバーグ 『ブリッジ・オブ・スパイ』
◆主演男優賞
・ブライアン・クランストン “Trumbo”(米)(監督:ジェイ・ローチ)
・マット・デイモン 『オデッセイ』
・ジョニー・デップ 『ブラック・スキャンダル』
・レオナルド・ディカプリオ 『レヴェナント:蘇えりし者』
・マイケル・ファスベンダー 『スティーブ・ジョブズ』
・エディー・レッドメイン 『リリーのすべて』
◆主演女優賞
・ケイト・ブランシェット 『キャロル』
・ブリー・ラーソン “Room”
・ジェニファー・ローレンス “Joy”(米)(監督:デイヴィッド・O・ラッセル)
・シャーロット・ランプリング “45 Years”(英)(監督:アンドリュー・ヘイ)
・シアーシャ・ローナン “Brooklyn”
・シャーリーズ・セロン 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
◆助演男優賞
・ポール・ダノ 『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』
・トム・ハーディー 『レヴェナント:蘇えりし者』
・マーク・ラファロ “Spotlight”
・マーク・ライランス 『ブリッジ・オブ・スパイ』
・マイケル・シャノン 『ドリームホーム 99%を操る男たち』
・シルヴェスター・スタローン 『クリード チャンプを継ぐ男』
◆助演女優賞
・ジェニファー・ジェイソン・リー 『ヘイトフル・エイト』
・ルーニー・マーラ 『キャロル』
・レイチェル・マクアダムス “Spotlight”
・ヘレン・ミレン “Trumbo”
・アリシア・ヴィキャンデル 『リリーのすべて』
・ケイト・ウィンスレット 『スティーブ・ジョブズ』
◆オリジナル脚本賞
・マット・シャルマン、イーサン・コーエン ジョエル・コーエン 『ブリッジ・オブ・スパイ』
・アレックス・ガーランド “Ex Machina”
・クエンティン・タランティーノ 『ヘイトフル・エイト』
・ピート・ドクター、メグ・レフォーヴ、ジョシュ・クーリー 『インサイド・ヘッド』
・ジョシュ・シンガー、トム・マッカーシー “Spotlight”
◆脚色賞
・チャールズ・ランドルフ、アダム・マッケイ 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
・ニック・ホーンビー “Brooklyn”
・ドリュー・ゴダード 『オデッセイ』
・Emma Donoghue “Room”
・アーロン・ソーキン 『スティーブ・ジョブズ』
◆撮影賞
・『キャロル』 エド・ラックマン
・『ヘイトフル・エイト』 ロバート・リチャードソン
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 ジョン・シール
・『オデッセイ』 ダリウス・ウォルスキー
・『レヴェナント:蘇えりし者』 エマニュエル・ルベツキ
・『ボーダーライン』 ロジャー・ディーキンス
◆編集賞
・『マネー・ショート 華麗なる大逆転』 ハンク・コーウィン
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 マーガレット・シクセル
・『オデッセイ』 ピエトロ・スカリア
・『レヴェナント:蘇えりし者』 スティーヴン・ミリオン
・“Spotlight” トム・マカードル
◆美術賞(Best Production Design)
・『ブリッジ・オブ・スパイ』 アダム・ストックハウゼン、Rena DeAngelo
・“Brooklyn” フランソワ・セグワン、Jennifer Oman、Louise Tremblay
・『キャロル』 ジュディー・ベッカー、Heather Loeffler
・『リリーのすべて』 イヴ・スチュワート、Michael Standish
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 コリン・ギブソン
・『オデッセイ』 アーサー・マックス、Celia Bobak
◆衣裳デザイン賞
・“Brooklyn” オディール・ディックス=ミロー
・『キャロル』 サンディー・パウエル
・『シンデレラ』 サンディー・パウエル
・『リリーのすべて』 パコ・デルガド
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 ジェニー・ビーヴァン
◆ヘア&メイキャップ賞
・『ブラック・スキャンダル』
・『キャロル』
・『リリーのすべて』
・『ヘイトフル・エイト』
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・『レヴェナント:蘇えりし者』
◆視覚効果賞
・“Ex Machina”
・『ジュラシック・ワールド』
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・『オデッセイ』
・『レヴェナント:蘇えりし者』
・『ザ・ウォーク』
◆作曲賞(Best Score)
・『キャロル』 カーター・バーウェル
・『ヘイトフル・エイト』 エンニオ・モリコーネ
・『レヴェナント:蘇えりし者』 坂本龍一、アルヴァ・ノト
・『ボーダーライン』 ヨハン・ヨハンソン
・“Spotlight” ハワード・ショア
◆歌曲賞(Best Song)
・『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』-‘Love Me Like You Do’
・『ワイルド・スピード SKY MISSION』-‘See You Again’
・“The Hunting Ground”-‘Til It Happens To You’
・『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』-‘One Kind of Love’
・『007 スペクター』-‘Writing’s on the Wall’
・“Youth”-‘Simple Song #3’
◆ヤング俳優賞(Best Young Actor/Actress)
・エイブラハム・アッター 『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
・RJ Cyler “Me and Earl and the Dying Girl”
・シャメイク・ムーア(Shameik Moore) “Dope”(監督:リック・ファムイーワ)
・マイロ・パーカー(Milo Parker) 『ミスター・ホームズ』
・ジェイコブ・トレンブレイ “Room”
◆アンサンブル賞(Best Acting Ensemble)
・『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
・『ヘイトフル・エイト』
・“Spotlight”
・『ストレイト・アウタ・コンプトン』
・“Trumbo”
◆ドキュメンタリー賞
・“Amy”(英) 監督:アシフ・カパディア(Asif Kapadia)
・“Cartel Land”(米) 監督:Matthew Heineman
・『ゴーイング・クリア:サイエントロジーと信仰という監禁』“Going Clear: Scientology and the Prison of Belief”(米) 監督:アレックス・ギブニー
・『わたしはマララ』
・『ルック・オブ・サイレンス』
・“Where to Invade Next”(米) 監督:マイケル・ムーア
◆アニメーション賞
・“Anomalisa”(米) 監督:デューク・ジョンソン(Duke Johnson)、チャーリー・カウフマン
・『アーロと少年』“The Good Dinosaur”(米) 監督:ピーター・ソーン
・『インサイド・ヘッド』
・『I LOVE スヌーピーTHE PEANUTS MOVIE』
・『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』
◆外国語映画賞
・『黒衣の刺客』
・『グッドナイト・マミー』Goodnight Mommy(Ich Seh Ich She)”(オーストリア) 監督:ヴェロニカ・フランツ(Veronika Franz)、セヴェリン・フィアラ(Severin Fiala)
・“Mustang”(仏・独・トルコ) 監督:Deniz Gamze Ergüven
・“The Second Mother(Que Horas Ela Volta?)”(ブラジル) 監督:Anna Muylaert
・『サウルの息子』Saul Fia (Son of Saul)”(ハンガリー) 監督:ネメシュ・ラースロー(László Nemes)
◆最優秀アクション映画賞(Best Action Movie)
・『ワイルド・スピード SKY MISSION』
・『ジュラシック・ワールド』
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
・『ボーダーライン』
◆男優賞 アクション映画部門(Best Actor in An Action Movie)
・ダニエル・クレイグ 『007 スペクター』
・トム・クルーズ 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
・トム・ハーディー 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・クリス・プラット 『ジュラシック・ワールド』
・ポール・ラッド 『アントマン』
◆女優賞 アクション映画部門(Best Actress in An Action Movie)
・エミリー・ブラント 『ボーダーライン』
・レベッカ・フェルグソン 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
・ブライス・ダラス・ハワード 『ジュラシック・ワールド』
・ジェニファー・ローレンス 『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』
・シャーリーズ・セロン 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
◆最優秀コメディー賞(Best Comedy)
・『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
・『インサイド・ヘッド』
・“Joy”(米) 監督:デイヴィッド・O・ラッセル
・“Sisters”(米) 監督:ジェイソン・ムーア
・“Spy”(米) 監督:ポール・フェイグ
・“Trainwreck”(米) 監督:ジャド・アパトゥ
◆男優賞 コメディー映画部門(Best Actor in A Comedy)
・クリスチャン・ベール 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
・スティーヴ・カレル 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
・ロバート・デニーロ 『マイ・インターン』
・ビル・ヘイダー “Trainwreck”
・ジェイソン・ステイザム “Spy”
◆女優賞 コメディー映画部門(Best Actress in A Comedy)
・ティナ・フェイ “Sisters”
・ジェニファー・ローレンス “Joy”
・メリッサ・マッカーシー “Spy”
・エイミー・シューマー “Trainwreck”
・リリー・トムリン “Grandma”(米)(監督:ポール・ワイツ)
◆最優秀SF/ホラー映画賞(Best Sci-Fi/Horror Movie)
・“Ex Machina”
・『IT FOLLOWS イット・フォローズ』
・『ジュラシック・ワールド』
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・『オデッセイ』
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主な作品のノミネート状況は以下の通りです。
・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(13):作品・監督・主演女優・撮影・編集・美術・衣裳・ヘア・視覚効果・アクション・アクション男優・アクション女優・SF
・『キャロル』(9):作品・監督・主演女優・助演女優・撮影・美術・衣裳・ヘア・作曲
・『オデッセイ』(9):作品・監督・主演男優・脚色・撮影・編集・美術・視覚効果・SF
・『レヴェナント:蘇えりし者』(9):作品・監督・主演男優・助演男優・撮影・編集・ヘア・視覚効果・作曲
・“Spotlight”(8):作品・監督・助演男優・助演女優・脚本・編集・作曲・アンサンブル
・『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(7):作品・脚色・編集・アンサンブル・コメディー・コメディー男優・コメディー男優
・『ヘイトフル・エイト』(6):助演女優・脚本・撮影・ヘア・作曲・アンサンブル
・『ブリッジ・オブ・スパイ』(5):作品・監督・助演男優・脚本・美術
・“Brooklyn”(5):作品・主演女優・脚色・美術・衣裳
・『ボーダーライン』(5):作品・撮影・作曲・アクション・アクション女優
・『ジュラシック・ワールド』(5):視覚効果・アクション・アクション男優・アクション女優・SF
・“Room”(4):作品・主演女優・脚色・ヤング
・『リリーのすべて』(4):主演男優・助演女優・衣裳・ヘア
・“Trumbo”(3):主演男優・助演女優・アンサンブル
・『スティーブ・ジョブズ』(3):主演男優・助演女優・脚色
・“Joy”(3):主演女優・コメディー・コメディー女優
・“Ex Machina”(3):脚本・視覚効果・SF
・『インサイド・ヘッド』(3):脚本・アニメーション・コメディー
・『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(3):アクション・アクション男優・アクション女優
・“Trainwreck”(3):コメディー・コメディー男優・コメディー女優
・『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』(2):助演男優・歌曲
・『ブラック・スキャンダル』(2):主演男優・ヘア
・『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2):歌曲・アクション
・『007 スペクター』(2):歌曲・アクション男優
・“Sisters”(2):コメディー・コメディー女優
・“Spy”(2):コメディー・コメディー男優
この賞は、ゴールデン・グローブ賞やBAFTA英国アカデミー賞と並んで、米国アカデミー賞の行方を占う重要なものですが、そうした中で、本年度の全米映画賞レースで、クリティクス・チョイス・アワードが、初めて監督賞にスティーヴン・スピルバーグをノミネートしているのが注目されます。『ブリッジ・オブ・スパイ』自体、本年度の映画賞レースでは、かなり苦戦を強いられていて、スピルバーグを監督賞にノミネートする映画賞など、これまでなかったわけですから。
なので、米国アカデミー賞でもスティーヴン・スピルバーグが監督賞にノミネートされるかどうかで、本年度のクリティクス・チョイス・アワードと米国アカデミー賞の感覚が合っているか、ズレているか、が試されることになる(少なくとも1つの目安になる)、と言っていいかもしれません。
受賞結果の発表は、2015年1月17日です。
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*当ブログ記事
・クリティクス・チョイス・アワード2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_54.html
・クリティクス・チョイス・アワード2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201501/article_40.html
・クリティクス・チョイス・アワード2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_48.html
・クリティクス・チョイス・アワード2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_56.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_30.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2013 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_32.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_27.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2012 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_27.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_33.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_27.html
・クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)2009 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_11.html
・全米の映画批評家協会系映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_2.html
・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html
・映画賞&映画祭カレンダー 2015年9月~2016年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201509/article_2.html
追記:
・クリティクス・チョイス・アワード2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_41.html
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