園子温がまたも受賞! トロント国際映画祭2015 受賞結果:!

 第40回トロント国際映画祭(9月10日-20日)の受賞結果です。

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 ◆ピープルズ・チョイス賞(People's Choice Award)
 ◎“Room”(アイルランド・カナダ) 監督:レニー・アブラハムソン
 出演:ジェイコブ・トレンブレイ、ブリー・ラーソン、ジョアン・アレン、ウィリアム・H・メイシー
 物語: 5歳のジャックは、「ルーム」にMaとともに暮らしている。Maは、よい母らしく、ジャックに食事や衣服を与え、決して危ない目に遭うことがないよう、大事に育て、そしてもちろん彼を心から愛している。「ルーム」は彼らのすべての世界で、彼らはそこから出ることはない。すべては完璧で満たされた生活のはずだった。ジャックの好奇心に芽生え、外の世界に関心を向けるまでは……。
 2010年のブッカー賞候補にもなったアマンダ・ドナヒューの同名の小説の映画化。実際に起きた監禁事件がモデルになっているとされる。
 日本では前作『FRANK -フランク-』が劇場公開されたレニー・アブラハムソンの第6長編。

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 ◆ピープルズ・チョイス賞 次点(People's Choice Award First Runner Up)
 ◎“Angry Indian Goddesses”(インド・独) 監督:パン・ナリン(Pan Nalin)
 出演: Sandhya Mridul、Tannishtha Chatterjee、Sarah-Jane Dias、Anushka Manchanda、Amrit Maghera、Rajshri Deshpande、Pavleen Gujral、Adil Hussain
 物語:フリーダは、女性の友人たちをゴアにある自分の家に招き、結婚することになったと宣言する。それは、様々なリアクションを引き起こし、これまで隠されていた秘密をもあぶりだしていく……。
 女性どうしの友情を描いた「インド初の女性バディフィルム」。
 日本には『性の曼陀羅』(2001)や『花の谷-時空のエロス-』が紹介されているパン・ナリンの最新作。

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 ◆ピープルズ・チョイス賞 次点2位People's Choice Award Second Runner Up)
 ◎“Spotlight”(米) 監督:トム・マッカーシー
 出演:レイチェル・マクアダムス、リーヴ・シュレイバー、マーク・ラファロ、マイケル・キートン、スタンリー・トゥッチ、ビリー・クラダップ
 物語:ウォルター・“ロビー”・ロビンソンは、仲間のマイケルやサーシャやマットとともに、調査チームを組み、マサチューセッツ州のカトリック教会で噂のあった神父による児童虐待を調査する。繰り返しも申し立てを行なうが、教会は疑惑の神父の教区を次々と変えていくだけで、正義を正そうとしない。何か月にもわたって追求するが、チームの面々にも精神的な限界が近づいてくる……。
 ボストングローブ紙の記者たち、「スポットライト」チームが、カトリック教会での児童虐待を追った記事(ピューリッツァー賞を受賞)をベースにした実話の映画化。
 『扉をたたく人』『靴職人と魔法のミシン』などで知られるトム・マッカーシーの監督第5作。

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 ◆ピープルズ・チョイス賞 ドキュメンタリー部門(People's Choice Award, Documentary Winner)
 ◎“Winter on Fire: Ukraine's Fight for Freedom”(英・ウクライナ・米) 監督:エフゲニー・アフィネフスキー(Evgeny Afineevsky)
 2013年から2014年にかけて。欧州統合を支持する学生たちのデモが、ウクライナ大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチの辞任を求める激しい革命へと発展する。
 日本では、『大変!息子がゲイなんて!』が2010年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映されているエフゲニー・アフィネフスキーの最新作。

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 ◆ピープルズ・チョイス賞 ドキュメンタリー部門 次点(People's Choice Award, Documentary First Runner Up)
 ◎“This Changes Everything”(米・カナダ) 監督:Avi Lewis
 モンタナのNo.42 亜瀝青(PRB)、アルバータのタール・サンド、南インドの海岸、北京など、4年にわたって5大陸9か国をまわり、地球の気象変動をとらえたドキュメンタリー。撮影チームは、こうした「危機」を引き起こした経済的な失敗を、単にネガティヴにとらえるのではなく、「よりよい何か」へと変換すべく、発想の転換を促す。
 Avi Lewisの監督第2作。

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 ◆ピープルズ・チョイス賞 ドキュメンタリー部門 次点2位(People's Choice Award, Documentary Second Runner Up)
 ◎“Al Purdy Was Here”(カナダ・米) 監督:Brian D. Johnson
 高校をドロップアウトして後、マットレス工場で働きながら、国中を巡り、カナダには詩の文化は育たないとみなされていた時代から、詩作を続け、不遇の時代を経て、カナダで、最高にして最後の詩人とまで呼ばれるようになったアル・パーディ(1918-2000)に関するドキュメンタリー。
 マーガレット・アトウッド、レナード・コーエン、マイケル・オンダーチェ、ゴードン・ピンセットら出演。

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 ◆ピープルズ・チョイス賞 MIDNIGHT MADNESS部門(People's Choice Award, Midnight Madness Winner)
 ◎“Hardcore”(ロシア・米) 監督:Ilya Naishuller
 出演:ヘイリー・ベネット、シャールト・コプリー、Danila Kozlovsky
 物語:ヘンリーは、妻によって、サイボーグとして蘇える。彼は、念動力を持つ暴君AKANと彼の軍隊から妻を守らなければならない。

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 ◆ピープルズ・チョイス賞 MIDNIGHT MADNESS部門 次点(People's Choice Award, Midnight Madness First Runner Up)
 ◎『ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ』“The Final Girls”(米) 監督:トッド・ストラウス=シュルソン(Todd Strauss-Schulson)
 出演:タイッサ・ファーミガ、マリン・アッカーマン、アダム・ディヴァイン
 物語:マックスの母親は、80年代に人気だったスラッシャー・ムービーのスクリーム・クィーンだった。そんな母も今はなく、彼女は喪失感を味わっていた。ある日、母の出演した映画"Camp Bloodbath"の上映会に参加していた時、火災が起き、彼女は、意識を失う。目覚めた時、彼女は、母の出演している映画の中に入り込んでしまっていて、主人公を演じている母と一緒に鉈を振り回すマスクマンと闘うのだった。
 日本では劇場未公開のまま、DVD化が決定している。

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 ◆ピープルズ・チョイス賞 MIDNIGHT MADNESS部門 次点2位(People's Choice Award, Midnight Madness Second Runner Up)
 ◎“Green Room”(米) 監督:ジェレミー・ソルニエ
 出演:アントン・イェルチン、イモジェン・プーツ、パトリック・スチュワート、アリア・ショウカット(Alia Shawkat)、Joe Cole、カラム・ターナー(Callum Turner)
 物語:パンクロック・バンドが人里離れた会場になってきて、暴力的な事件に遭遇する。相手は、スキンヘッドの白人ギャングで、目撃者は容赦なく抹殺しようとする。バンドマンたちは、命をかけて、ギャングと戦う。
 『ブルー・リベンジ』のジェレミー・ソルニエの第3監督長編。
 カンヌ国際映画祭2015 監督週間出品。

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 ◆最優秀カナダ長編映画賞(Best Canadian Feature Film)
 ◎“Closet Monster”(カナダ) 監督:Stephen Dunn
 物語:オスカーは高校生で、故郷を出て、特殊メイクのメイクアップ・アーティストになるのが夢だった。ところが、彼は、自分のセクシュアリティーに悩み、男性至上主義の父親を恐れて、メイクアップ・アーティストになりたいと言えずにいた。

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 ◆最優秀カナダ第1回作品賞(Best Canadian First Feature Film)
 ◎“Sleeping Giant”(カナダ) 監督:Andrew Cividino
 物語:アダムはティーンエージャーで、夏休みに両親と一緒に、スペリオル湖岸の岩地にやってきた。彼は、そこで、イカしているいとこのライリーやネイトと友だちになり、自由に遊びまわったり、崖から無謀なジャンプをしたりして、退屈とは無縁の時間を過ごすようになった。ところが、ある秘密が明らかになって、思いもかけないことが立て続けに起こり、彼らの友情は試されることになる。
 2014年に発表した同名の短編の長編バージョン。
 初監督長編。
 カンヌ国際映画祭2015 批評家週間出品。

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 ◆カナダ長編映画賞 特別表彰(Special Citation, Canadian Feature Film)
 ◎“My Internship in Canada(Guibord s'en va-t-en guerre)”(カナダ) 監督:フィリップ・ファラルドー
 出演:パトリック・ハアード、スザンヌ・クレマン、Irdens Exantus
 物語:カナダの国会で、カナダが戦争に参加するかどうかで激しい議論が交わされる。票数は、賛成と反対が同数で、決定は、元ホッケー選手で、独立系議員のスティーヴに委ねられることになる。突然、スティーヴが国中の注目を浴びる。野心家の妻は、賛成に投じろというが、彼はなかなか判断ができない。そんな彼を助けてくれたのは、彼よりもカナダの議会制度に詳しいハイチ人研修生のSouverainだった。

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 ◆最優秀カナダ短編映画賞(Best Canadian Short Film)
 ◎“Overpass”(カナダ) 監督:Patrice Laliberté

 ◆最優秀インターナショナル短編映画賞(Best International Short Film)
 ◎“Maman(s)”(仏) 監督:Maïmouna Doucouré

 ◆Platform Prize ※PLATFORM部門は、トロント国際映画祭に新たに設けられたコンペティション部門で、世界で注目の「監督の映画」をセレクトする。
 ◎“Hurt”(カナダ) 監督:Alan Zweig
 ドキュメンタリー。Steve Fonyoは、犯罪と麻薬に溺れる生活を30年も送ってきた。ところが、80年代になって、ガンで片足を失った後、走ってカナダを縦断するという計画を立て、見事成功させる。

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 ◆DISCOVERY部門フィルムメーカー賞(Dropbox Discovery Program Filmmakers Award)
 ◎“Black”(ベルギー) 監督:Adil El Arbi、Bilall Fallah
 物語:ブリュッセルは、失業率も高く、若者の中には、ギャングの仲間になる者も増えてきていた。15歳の少女Mavelaもそんなひとりで、ギャング団ブラック・ブロンクスに属していた。彼女は、警察で、ライバルのモロッコ人ギャング団に所属するMarwanと出会う。彼らは、互いに相手に惹かれつつあることに気づきながらも、最初は自分の気持ちにウソをついていたが、しまいにはそれに抵抗できなくなる。
 ベルギーの2人組監督による第2監督長編。

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 ◆国際批評家連盟賞 DISCOVERY部門(FIPRESCI Discovery Prize)
 ◎“Eva Nová”(チェコ・スロヴァキア) 監督:Marko Skop
 物語:エヴァは、かつて有名な女優だったが、キャリアはピークを過ぎ、酒に溺れる生活を送っていた。彼女は、彼女を愛し、彼女に恩がある人々の手助けなしには生きていけなくなっていた。62歳になった彼女は、アル中を脱し、最愛の息子の愛を取り戻そうとする。
 スロヴァキアの監督Marko Skopの初めてのドラマ作品。

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 ◆国際批評家連盟賞 SPECIAL PRESENTATIONS部門(FIPRESCI Special Presentations)
 ◎“Desierto”(メキシコ・仏) 監督:ホナス・キュアロン(Jonás Cuarón)
 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ジェフリー・ディーン・モーガン、Alondra Hidalgo
 物語:メキシコ人グループが、メキシコから国境を越えてアメリカに密入国しようとする。アメリカ当局の監視は年々高まり、密入国への道は厳しくなっている。それでも何とかして国境を越えようとする彼らは、ショットガンを持った人種差別主義者の国境警備隊員に見つかってしまう。
 父アルフォンソ・キュアロンの『ゼロ・グラビティ』で脚本を手がけたホナス・キュアロンの第2監長編。

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 ◆NETPAC賞(Netpac Award for World or International Asian Film Premiere)
 ◎『ひそひそ星』“The Whispering Star”(日) 監督:園子温

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 園子温は、トロント国際映画祭で、2012年に『希望の国』でNETPAC賞を受賞し、2013年に『地獄でなぜ悪い』でピープルズ・チョイス賞 MIDNIGHT MADNESS部門を受賞、2014年は『TOKYO TRIBE』を出品したものの受賞はならず―という受賞結果で、過去4回で3回受賞という快挙を成し遂げています。新作ごとにトロント国際映画祭で上映される人気監督は少なからずいますが、全世界的に見てこれほどの受賞確率の監督はいないわけで、相性なのかなんなのか、狙いに行っているかどうかと言えばたぶん狙いに行っているんでしょうが、狙いに行って必ず獲れるということはないので、これは凄いことですね。

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 *当ブログ記事

 ・トロント国際映画祭2015 上映作品一覧:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_2.html

 ・トロント国際映画祭 ピープルズ・チョイス賞 → 米国アカデミー賞というデータ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_24.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2015年3月~9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201503/article_1.html

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