米国アカデミー賞 名誉賞(Governorsアワード)2014 授賞式!

 米国アカデミー賞の第6回Governorsアワードの授賞式が行なわれました。(11月8日)

 米国アカデミー賞を発表している映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は、俳優部会や監督部会など17の部会で構成されていますが(それぞれの部会はそれぞれの会員と各賞に対応)、各部会の代表が集まって理事会(Board of Governors)を作り、役員とともに映画芸術科学アカデミーを運営しています。

 2014-2015年の役員は7人で、理事会のメンバーは51人ですが、2014-2015年の映画芸術科学アカデミーの理事会の実質的活動は、このGovernorsアワードの授賞式からスタートすることになっていて、Governorsアワードが、理事、および、アカデミー会員、さらには、本年度のアカデミー賞候補の顔見せの場になっています。

 映画芸術科学アカデミーの理事会といっても、どっかの知らないおじさんやおばさんではなく、アメリカの現役の映画人たちで、具体的には公式サイトを見てもらいたいと思いますが、たとえば、監督部会からはキャスリン・ビグローとマイケル・マンとエドワード・ズウィック、プロデューサー部会からはキャスリーン・ケネディーとアルバート・バーガーとマーク・ジョンソン、俳優部会からはアネット・ベニングとトム・ハンクスとエド・ベグリー・ジュニア、脚本部会からはフィル・ロビンソンとロビン・スウィコードとビル・コンドン、撮影部会からはジョン・ベイリーとダンテ・スピノッティとキャレブ・デシャネル、ドキュメンタリー部会からはロブ・エプスタインとアレックス・ギブニーとケイト・アマンド、短編&長編アニメーション部会からはビル・クロイヤーらがそれぞれ選ばれて出席しています。このうち、ジョン・ベイリーとビル・クロイヤー、および、会長のシェリル・ブーン・アイザックスは、役員も兼任しています。
 理事は、前々回まではメイキャップ・アーティスト&ヘア・スタイリスト部門のみ1名の選出だったのが前回より3名になり、また、今回より新たに創設されたキャスティング・ディレクターズ部会を含め、全17部門すべて3名ずつ選出されることになって、今回から理事は48名から51名に増えています。アルバート・バーガーやケイト・アマンドは初選出です。

 Governorsアワードと言っても聞きなじみがないかもしれませんが、1948年から始まるアカデミー名誉賞もこの中に含まれています。

 今年の受賞者は以下の通りです。

 ちなみに、明文化(公表)はされていませんが、理事は理事である期間、米国アカデミー賞のノミネーションを辞退するというのがならわしになっているようで(例外はあります)、前々回、キャスリン・ビグローが『ゼロ・ダーク・サーティ』で監督賞にノミネートされなかったのも、前回、トム・ハンクスが『キャプテン・フィリップス』でも『ウォルト・ディズニーの約束』でもノミネートされなかったのも、彼らが理事を務めていたから、と考えられます。(『ゼロ・ダーク・サーティ』は作品賞にノミネートされているので、キャスリン・ビグローはプロデューサーとしてはノミネートされています。)

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 【第6回Governorsアワード】(受賞者の発表は8月26日)

 ◎アカデミー賞名誉賞:ジャン=クロード・カリエール
 1963年にピエール・エテックスと共同で監督した“Heureux Anniversaire (Happy Anniversary)”で短編映画賞受賞。『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』でオリジナル脚本賞に、『欲望のあいまいな対象』と『存在の耐えられない軽さ』で脚色賞にノミネートされている。
 写真↓左は、フィリップ・カウフマン。

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 ◎アカデミー賞名誉賞:宮崎駿
 2003年に『千と千尋の神隠し』で長編アニメーション賞受賞。『ハウルの動く城』と『風立ちぬ』でも同賞ノミネート。
 写真↓左は、ジョン・ラセター。

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 ◎アカデミー賞名誉賞:モーリン・オハラ
 これまで米国アカデミー賞には縁がなく、「次にアカデミー名誉賞を獲るべき女たち」のひとりに挙げられていました。
 モーリン・オハラは、現在94歳! 女優としての仕事は、70年代前半でほぼ終えていて、その後はいくつかのTV映画などで仕事をしていますが、2000年以降は隠居生活を送っています。アリゾナとバージン諸島にも家を持っているものの、2005年に発作を起こしてからは、故郷であるアイルランドのグレンガリフで過ごしているそうです。
 写真↓で、車椅子を押しているのはクリント・イーストウッド、オスカー像を手渡そうとしているのはリーアム・ニーソン。

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 ◎ヒューマニタリアン賞/ジーン・ハーショルト博愛賞(The Jean Hersholt Humanitarian Award):ハリー・ベラフォンテ
 俳優、プロデューサー、歌手、活動家として、人種差別や人権の平等を描いたプロジェクトに参加。キング牧師とともに初期の公民権運動を支援する。1987年にユニセフの親善大使に任命され、現在は、The Advancement Project and the Institute for Policy Studiesの理事を務める。そのほか、彼の活動は、児童、教育、救荒、エイズ問題の認知活動、人権問題など多岐にわたる。
 これまで米国アカデミー賞には縁がなかった。

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 1993年にデボラ・カーがアカデミー賞名誉賞を受賞してから、2009年にローレン・バコールが同賞を受賞するまで、女性のアカデミー賞名誉賞受賞者はなく、アメリカの映画界では「次に女性にアカデミー賞名誉賞が贈られるのはいつになるのか」と囁かれていましたが、前回、アンジェラ・ランズベリーが受賞を果たし、今回、モーリン・オハラが受賞となりました。
 長らく女性の受賞者が出なかったのに、ここに来て連続で与えるのは、アカデミーの会長が3人目の女性であるシェリル・ブーン・アイザックスになったことと無関係ではないかもしれません。
 ちなみに、これで、「次にアカデミー名誉賞を贈るべき10人の女たち2013」から2年連続で受賞者が出たことになりました。

 また、アカデミー賞名誉賞といえば、「それまでアカデミー賞に縁のなかった人」に贈られるのが一般的ですが、「これまでアカデミー賞の正式な部門で過去に受賞したことがあって、その後、アカデミー賞名誉賞を贈られた個人」は19人いて、今回、ジャン=クロード・カリエールと宮崎駿で20人目と21人目になりました。
 アカデミー賞の正式な部門で過去に受賞したことがあって、その後、アカデミー賞名誉賞を贈られるケースは、20年以上のインターバルが置かれるのが一般的ですが、『千と千尋の神隠し』での受賞は2003年なので、オスカー受賞から11年での名誉賞受賞ということになります。これは、おそらく、宮崎駿の「引退宣言」と、本年度から理事を離れた盟友ジョン・ラセターの強力なプッシュがあったからなのだろうと考えられます。

 まあ、それはそれとして―
 宮崎駿は、『風立ちぬ』では米国アカデミー賞の授賞式にも出席しなかったし、「賞をもらうために映画を作っているわけではない」とか、「飛行機で旅をするのは苦手だ」という発言をしていたので、今回の名誉賞授賞式も欠席するのかと思っていたら、今回は出席していて、ちょっと意外に思いました。さすがにこれは名誉であり、出席しておくべきと判断したということでしょうか。

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 *当ブログ記事

 ・米国アカデミー賞 Governorsアワード(アカデミー名誉賞)2013 発表!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_12.html
 ・米国アカデミー Governorsアワード2013 授賞式:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_27.html
 ・米国アカデミー Governorsアワード2012 授賞式:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_7.html
 ・米国アカデミー Governorsアワード2011 授賞式:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_4.html
 ・米国アカデミー Governorsアワード2010 授賞式:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_22.html

 ・次にアカデミー名誉賞を贈るべき10人の女たち2013:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_7.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2014年10月~2015年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201410/article_1.html

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