フレームライン/サンフランシスコ国際LGBT映画祭2014 結果発表!

 第38回フレームライン映画祭/サンフランシスコ国際LGBT映画祭(Frameline, San Francisco International LGBT Film Festival)(6月19日-29日)の各賞が発表されました。

 【フレームライン映画祭/サンフランシスコ国際LGBT映画祭】

 フレームライン映画祭/サンフランシスコ国際LGBT映画祭は、1977年に始まった映画祭で、LGBTの映画祭としては、世界で最も長く続いている映画祭であり、毎回6万~8万人の観客を動員するという世界最大規模のLGBT映画祭でもあります。

 映画祭の呼び方は何通りかあって、運営組織Framelineの名前を冠して、「フレームライン・サンフランシスコ国際LGBT映画祭」(Frameline, San Francisco International LGBT Film Festival)と呼ばれることもあれば、単に「フレームライン」(Frameline)とか、「フレームライン映画祭」(Frameline Film Festival)と呼ばれたり、大会の回数をつけて「フレームライン38」(Frameline38)というように呼ばれたりもしています。

 過去の受賞作には、『パトリックは1.5歳』(2009年観客賞)、『双子のデュオ~アンタッチャブル・ガールズ』(2010年観客賞(ドキュメンタリー部門))、『波に流されて』(2010年第1回作品賞)、『トムボーイ』(2011年観客賞)、『ウィークエンド』(2011年Volunteer of the Year)、『ウガンダで、生きる』“Call Me Kuchu”(2012年観客賞(ドキュメンタリー部門))、“My Brother the Devil”(2012年第1回作品賞スペシャル・メンション)などがあり、2012年には、宮崎光代監督の“TSUYAKO”が観客賞(短編部門)を受賞しています。

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 ◆第1回作品賞(Wells Fargo First Feature Award)
 ◎“Something Must Break(Nånting måste gå sönder)”(スウェーデン) 監督:Ester Martin Bergsmark
 物語:夏のストックホルム。しかし、本作の舞台となるのは観光客が訪れるようなところではない。寂れた工場や薄汚れたクラブ、ほとんど手入れがなされていない公園などがある、そんな地区だ。セバスチャンは、ゲイで、女装が趣味で、見知らぬ人と性的な冒険を楽しんでいる。そんな彼が、公衆便所でくたびれたジャケットを着たアンドレアスと出会う。アンドレアスは、ゲイではなかったが、2人は強く惹きつけられていく。
 2012年に“She Male Snails”で注目されたEster Martin Bergsmark監督の最新作。
 ヨーテボリ国際映画祭2014 ノルディック・コンペティション部門出品。
 ロッテルダム国際映画祭2014 タイガーアワード受賞。
 CPH:PIX2014出品。
 トランシルヴァニア国際映画祭2014 No Limit部門出品。
 ブリュッセル映画祭2014 オフィシャル・コンペティション部門出品。

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 ◆第1回作品賞 オナラブル・メンション(Wells Fargo First Feature Award, Honorable Mention)
 ◎“Lilting”(英) 監督:Hong Khaou
 出演:ベン・ウィショー、チェン・ペイペイ(Pei-Pei Cheng)、Andrew Leung、ピーター・ボウルズ(Peter Bowles)、Naomi Christie、モーヴェン・クリスティー(Morven Christie)
 物語:ボーイフレンドのカイが死んで、リチャードは深い悲しみに包まれる。カイには、介護施設に母親がいたはずで、彼は、彼女に会いにでかけて行く。カイの母親は、中国系カンボジア人で、英語もほとんど話せない。リチャードに抵抗を示すのは明らかだった。それでも彼は、通訳を介して彼女とコミュニケーションを取ろうとする。やがてカイとの思い出を通して、2人の間の距離が縮まっていく……。
 初監督長編。
 サンダンス映画祭2014出品。撮影賞受賞。

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 ◆ドキュメンタリー賞(Jury Award for Achievement in Documentary)
 ◎“Kumu Hina”(米) 監督:Dean Hamer、Joe Wilson
 Hinaleimoana Wong Kaluは、mahu(トランスジェンダー)であり、ホノルルにある公立のチャーター・スクールのkumu(教師)で、ハワイの伝統文化の指導者である。彼女は、年度末のフラのダンスと歌のために、男子高校生を指導するが、彼らはだらしなく、やる気が感じられない。Kû(男性的なエネルギー)が感じられるのは、6学年のお転婆娘Ho’onaniの方だ。Hinaは、自分と同様に「中性」的なHo’onaniをフラの男子グループに参加させることにする。また、オアフでは鉄道の敷設によって、ハワイの伝統的な埋葬が失われつつあって、Hinaは上からの指示でその調査をすることになる。一方、プライベートでは、彼女は、フィジーからやってきた若いトンガ人男性と結婚するが、夫はキャバ酒が好きで、嫉妬深く、バスの仕事を失うハメになって、2人の愛が試されることになる。

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 ◆ドキュメンタリー賞 オナラブル・メンション(Documentary Jury Award, Honorable Mention)
 ◎“Regarding Susan Sontag”(米) 監督:Nancy Kates
 スーザン・ソンタグに関する文献、友人や家族、仲間、恋人たちからの証言、そしてもちろん彼女自身の言葉を通して、彼女が残したものや、彼女の人生の転機―書物に耽った初期の時代、初めてのゲイバー体験、最初の結婚、最後の恋人―をたどる。彼女の文化批評や、写真や戦争、テロリズムに関する仕事は、現在も深く鳴り響いている。
 トライベッカ映画祭2014 ワールド・ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。審査員スペシャル・メンション受賞。
 シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭2013 審査員特別賞部門出品。

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 ◆観客賞 長編作品部門
 ◎“The Way He Looks(Hoje Eu Quero Voltar Sozinho)”(ブラジル) 監督:Daniel Ribeiro
 物語:Leonardoは、15歳で、目が不自由だ。彼とGiovanaは親友で、午後はいつも一緒にプールで過ごしている。しかし、Leonardoは、独立心が強く、他人には容易に入り込ませないようなところがあり、過保護な両親から離れて、外国に留学しようかとも考えていた。彼らのクラスに、Gabrielという転校生がやってきて、Leonardoの日常が変わる。彼は、Giovanaを嫉妬させるほどにGabrielと親しくなり、留学の計画を見直そうかとまで考える。
 ベルリン国際映画祭2014 パノラマ部門出品。国際批評家連盟賞、テディー賞受賞。観客賞第2席。
 グアダラハラ国際映画祭2014 イベロアメリカ長編フィクション・コンペティション部門出品。観客賞受賞。
 コネチカットLGBT映画祭2014 観客賞次点。


 ◆観客賞 ドキュメンタリー部門
 ◎“Compared To What: The Improbable Journey Of Barney Frank”(米) 監督:Sheila Canavan、Michael Chandler
 アメリカで最も有名なゲイの政治家で、32年間下院議員を務め、人権のために活動している民主党議員Barney Frankに関するドキュメンタリー。痛みを伴うクローゼット・ライフ、カミングアウトからの解放、スキャンダルで彼の政治生命を終わらせようとする者からの攻撃……。アーカイブ映像やインタビューを通じて、彼の政治家として、ゲイとしてこれまでの人生が明らかにされる。

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 ◆観客賞 短編部門
 ◎“Black Is Blue”(米) 監督:シェリル・デュニエ(Cheryl Dunye)
 物語:ブラックは、オークランドの団地で、ガードマンをしているアフロ・アメリカンである。少ない台詞から、彼の過去が明らかになる。彼は、元クィアの女性ブルーで、女性から男性へと性転換した。彼の世界は壊れやすく、性転換者であることを暴露されたりすることも避けられず、恐怖や恥辱からは解放されることはない。

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 ◆ボランティア・オブ・ザ・イヤー賞(Frameline38 Volunteer of the Year Award)
 ◎『アニタのラスト・チャチャ』“Anita's Last Cha-Cha”(フィリピン) 監督:シーグリッド・アーンドレア P・ベルナード(Sigrid Bernardo)
 物語:「軍人のアニタには、甘酸っぱく、ほろ苦い少女の頃の記憶があった。口うるさい母、デキ婚をした従兄と共に田舎町で暮らす12歳のアニタはおてんば盛り。ある日、10年前に村を出ていったピラルが絶世の美女となって戻ってくる。アニタは「あの人と結婚する!」と、ひと目惚れ。しかし、ピラルの恋の相手は……。大人の女性と少女の恋というユニークな物語をコメディタッチで描く。少女役テリ・マルヴァーの演技が光る。」
 シネフィリピノ映画祭2014 作品賞・主演女優賞・助演女優賞・アンサンブル賞受賞。
 大阪アジアン映画祭2014出品。スペシャル・メンション受賞。
 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭2014にて上映。

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 *当ブログ記事

 ・フレームライン映画祭2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_3.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2014年3月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201403/article_4.html

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