ナショナル・ボード・オブ・レビュー2013 発表!

 第85回ナショナル・ボード・オブ・レビューが発表になりました。(12月4日)

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 ◆作品賞
 ◎“Her” 監督:スパイク・ジョーンズ

 ◇トップ10 (アルファベット順)
 ・“12 Years a Slave” 監督:スティーヴ・マックイーン
 ・“Fruitvale Station” 監督:Ryan Coogler
 ・『ゼロ・グラビティ』 監督:アルフォンソ・キュアロン
 ・“Inside Llewyn Davis” 監督:ジョエル&イーサン・コーエン
 ・『ローン・サバイバー』 監督:ピーター・バーグ
 ・『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』 監督:アレクサンダー・ペイン
 ・『プリズナーズ』 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
 ・『ウォルト・ディズニーの約束』 監督:ジョン・リー・ハンコック
 ・『LIFE!』 監督:ベン・スティラー
 ・『ウルフ・オブ・ウォールストリート』 監督:マーティン・スコセッシ

 ◆監督賞
 ◎スパイク・ジョーンズ “Her”

 ◆主演男優賞
 ◎ブルース・ダーン 『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』

 ◆主演女優賞
 ◎エマ・トンプソン 『ウォルト・ディズニーの約束』

 ◆助演男優賞
 ◎ウィル・フォーテ 『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』

 ◆助演女優賞
 ◎オクタヴィア・スペンサー “Fruitvale Station”

 ◆オリジナル脚本賞
 ◎ジョエル&イーサン・コーエン “Inside Llewyn Davis”

 ◆脚色賞
 ◎テレンス・ウィンター 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

 ◆ドキュメンタリー賞
 ◎『物語る私たち』(カナダ) 監督:サラ・ポーリー

 ◇ドキュメンタリー トップ5 (アルファベット順)
 ・『バックコーラスの歌姫たち』(米) 監督:モーガン・ネヴィル
 ・『殺人という行為』(デンマーク・ノルウェー・英) 監督:ジョシュア・オッペンハイマー
 ・“After Tiller”(米) 監督:Martha Shane、Lana Wilson
 ・“Casting By”(米) 監督:Tom Donahue
 ・“The Square”(エジプト・米) 監:督Jehane Noujaim

 ◆アニメーション賞
 ◎『風立ちぬ』(日) 監督:宮崎駿

 ◆外国語映画賞
 ◎“The Past”(仏) 監督:アスガー・ファルハディ

 ◇外国語映画トップ5 (英題アルファベット順)
 ・『汚れなき祈り』(ルーマニア・仏・ベルギー) 監督:クリスティアン・ムンジウ
 ・『グロリアの青春』(西・チリ) 監督:セバスティアン・レリオ
 ・『グランド・マスター』(香港) 監督:ウォン・カーウァイ
 ・『シージャック』(デンマーク) 監督:トビアス・リンホルム
 ・『偽りなき者』(デンマーク) 監督:トマス・ヴィンターベア

 ◆アンサンブル賞(Best Ensemble)
 ◎『プリズナーズ』

 ◆ブレイクスルー・パフォーマンス賞(Breakthrough Performance)
 ◎Michael B. Jordan “Fruitvale Station”
 ◎アデル・エグザルコプロス 『アデル、ブルーは熱い色』

 ◆新人監督賞(Best Directorial Debut)
 ◎Ryan Coogler “Fruitvale Station”

 ◆William K. Everson Film History Award
 ◎ジョージ・スティーヴンス・ジュニア(George Stevens, Jr.)
 ジョージ・スティーヴンス・ジュニアは、脚本家・監督・プロデューサー・AFI創設者で、2012年にアカデミー名誉賞受賞。

 ◆スポットライト賞(Spotlight Award)
 ◎マーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプリオのコラボレーションのキャリア(Career Collaboration)に対して

 ◆自由の表現賞(NBR Freedom Of Expression Award)
 ◎『少女は自転車にのって』(サウジアラビア) 監督:ハイファ・アリ=マンスール

 ◆クリエイティヴ・イノヴェーション賞(Creative Innovation In Filmmaking Award)
 ◎『ゼロ・グラビティ』

 ◇インディペンデント作品 トップ10 (アルファベット順)
 ・“Ain’t Them Bodies Saints” 監督:David Lowery
 ・『ダラス・バイヤーズクラブ』 監督:ジャン=マルク・ヴァレ
 ・“In A World…” 監督:Lake Bell
 ・“Mother of George” 監督:Andrew Dosunmu
 ・“Much Ado About Nothing” 監督:ジョス・ウィードン
 ・『MUD マッド』 :ジェフ・ニコルズ
 ・『プレイス・ビヨンダ・ザ・パインズ/宿命』 監督:デレク・シアフランス
 ・“Short Term 12” 監督:Destin Cretton
 ・『サイトシアーズ~殺人者のための英国観光ガイド~』(英) 監督:ベン・ウィートリー
 ・“The Spectacular Now” 監督:James Ponsoldt

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 この時期の映画賞の受賞結果は、その後の全米映画賞レースの流れを占うものだとはいえ、米国アカデミー賞の受賞結果とはけっこう食い違うことも多く、そういう過去の実績を踏まえて見る必要がありますが、それでも、ニューヨーク映画批評家協会賞の受賞結果とのズレが多すぎて、ちょっと驚きました。

 ニューヨーク映画批評家協会賞と同じ結果になったのは、ドキュメンタリー賞とアニメーション賞のみです。どちらの部門にも本命と見なされる作品が他にありますが、このままの流れで行くと、ひょっとするとひょっとするかもしれません。

 作品賞と監督賞を受賞した“Her”は、現在、下馬評の10位くらいをうろうろしている作品なので、今後も作品賞候補の上位に上がってくることはまずないと思いますが、う~ん、どうなんでしょう。これまでも、マニアックな映画ファンが好む個性的な映画監督が、アメリカ映画のメインストリームにシフトしてくるということがありましたが、スパイク・ジョーンズもそうなるということなのかもしれません。

 主演男優賞から脚色賞までは、「対抗」の位置にある候補ばかりで、これらは、本命との入れ替えを賭けて、最後まで熾烈な戦いを繰り広げることになると思われます。

 それはともかく、日本人として気になるのは、やはり『風立ちぬ』の行方でしょうか。

 ニューヨーク映画批評家協会賞とナショナル・ボード・オブ・レビューの受賞も名誉なことであり、なかなか獲ろうと思って、獲れるものでもありませんが、それだけではなかなか米国アカデミー賞も当確というわけには行きません。 今のところ、『風立ちぬ』は、長編アニメーション賞候補の、二番手、三番手にとどまっていて、これは前哨戦で2勝しただけでは変わらないだろうと思われます。

 ポイントとなるのは、おそらく1月に開催されるニューヨーク映画批評家協会賞とナショナル・ボード・オブ・レビューの授賞式です。ここに宮崎駿が出席して、アピールしたなら(作品のプロモーションではなくて、アニメーションに対する考えや、これまでの人生を語るだけでもよい)、米国アカデミー賞長編アニメーション賞は、大きく『風立ちぬ』に傾くんじゃないでしょうか。出席しなくても、有力候補であることに変わりはありませんが、他に強い作品がない本年度において、これが大きな決め手となるのは間違いありません。(『アーティスト』なんかは、こういう機会をうまく生かしたいい例だと思います。)

 『風立ちぬ』関係者が本気でオスカーを獲りに行きたいなら、宮崎駿を授賞式に出席させるべきですが、本人はそういうことにはもうあまり関わりたくない、という雰囲気を漂わせていますよね。実際のところはわかりませんが。
 盟友であるジョン・ラセターが、会いたいとでも言って懇願してくれれば、でかけてくれるかもしれませんが、さて、どうでしょうか。

 なお、授賞式は2014年1月7日に行なわれる予定です。(ニューヨーク映画批評家協会賞の授賞式は前日の1月6日です。)

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 *当ブログ記事

 ・ナショナル・ボード・オブ・レビュー2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_11.html
 ・ナショナル・ボード・オブ・レビュー2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_1.html
 ・ナショナル・ボード・オブ・レビュー2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_5.html
 ・ナショナル・ボード・オブ・レビュー2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_6.html
 ・ナショナル・ボード・オブ・レビュー2008受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_10.html
 ・ナショナル・ボード・オブ・レビュー2007受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200712/article_11.html
 ・ナショナル・ボード・オブ・レビュー2006受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200612/article_5.html

 ・ゴッサム・アワード2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_4.html

 ・ニューヨーク映画批評家協会賞2013 発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_7.html

 ・インディペンデント・スピリット・アワード2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_40.html

 ・サテライト・アワード2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_5.html

 ・全米の映画批評家協会系映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_2.html

 ・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年12月~2014年4月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_1.html

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