ヨーロッパ映画賞2013 ドキュメンタリー賞ノミネーション発表!

 第26回ヨーロッパ映画賞 ドキュメンタリー賞のノミネーションが発表になりました。(11月4日)

 ・『殺人という行為』“Act of Killing”(デンマーク・ノルウェー・英) 監督:ジョシュア・オッペンハイマー
 1965年9月30日、スハルトのクーデター軍がスカルノ政権を倒した時、北スマトラのメダンのAnwar CongoとAdi Zulkadryは、映画チケットのブラックマーケットを預かるならず者から悪名高き殺人部隊のリーダーに昇格する。彼らは、1965年から66年にかけて、「アカ狩り」と称して無実の人々を100万人以上殺害、Anwar自身も約1000人を絞殺した。殺された者の中には華僑もいて、脅しても、金を差し出さない者は容赦なく殺した。彼らは、自分たちの犯した残虐な行為に対して、今日まで一切罪に問われることなく、それどころか、腐敗した政治家たちの支援を得て、力を増し、Anwar自身は、殺人組織を脱した右派の民兵組織Pemuda Pancasilaの設立者として尊敬すらされている。彼らは、「共産主義者たちとの闘い」における、効率的な殺し方を思い出しては、自慢したりするのだ。
 監督のジョシュア・オッペンハイマーは、本作のために、Anwarにアプローチし、彼とその友人たちに、ドラマとして、過去の「殺人」を再現させ、当時の記憶や感情を思い出させようとする。それらのシーンは、彼らの好きなギャング映画や西部劇やミュージカルのスタイルで撮影される。勝利者にとって、これは栄光の出来事を映画的に美しく再現することであり、決して「虐殺」などではないのだ。
 Anwarの友人の何人かは、「殺人」を悪かったことだと認めているが、Pemuda Pancasilaの若きメンバーたちは、今日のパワーの基礎を築いたのは、彼らの恐るべき力なのだから、大虐殺も大いに誇ればいいと語る。
 エロール・モリスとヴェルナー・ヘルツォークがエグゼクティヴ・プロデューサーを務める。
 テルライド映画祭2012出品。
 トロント国際映画祭2012 TIFF DOCS部門出品。
 CPH DOX2012 グランプリ受賞。
 ベルリン国際映画祭2013 パノラマ部門 エキュメニカル審査員賞、観客賞受賞。
 イスタンブール・インディペンデント映画祭2013 批評家賞受賞。
 デンマーク・アカデミー賞2013 最優秀ドキュメンタリー賞受賞。
 SXSW映画祭2013 フェスティバル・フェイバリット
 デンマーク映画批評家協会賞2013特別Bodil賞(Årets Sær-Bodil)受賞。
 香港国際映画祭2013 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。
 ヴァランシエンヌ映画祭2013 ドキュメンタリー部門グランプリ受賞。
 ドキュメンタ・マドリッド2013 審査員グランプリ、観客賞受賞。
 Beldocs ベオグラード国際ドキュメンタリー映画祭2013 グランプリ受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 No Limit部門出品。
 シドニー映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭2013 審査員特別賞、観客賞受賞。
 プチョン国際ファンタスティック映画祭2013 ヴィジョン・エクスプレス部門出品。
 サラエボ映画祭2013 キノスコープ部門出品。
 ヘルシンキ国際映画祭2013 最優秀ノルディック・ドキュメンタリー賞受賞。
 山形国際ドキュメンタリー映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。優秀賞受賞。
 IDAアワード2013 長編部門ノミネート。
 ゴッサム・アワード2013 ドキュメンタリー賞ノミネート。

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 ・“L'escale (Stop-Over)”(スイス・仏) 監督:Kaveh Bakhtiari
 アテネに滞在する不法移民のイラン人たちについてのドキュメンタリー。彼らの多くは、よりよい生活を求めて、危険なトルコとの国境を越え、船を使って、ギリシャに渡ってくる。モフセンは、本作の監督Kaveh Bakhtiariのいとこだが、彼もそんな移民のひとりで、本作は、彼がアテネに着くところから始まる。モフセンは、斡旋業者にだまされた後、不法移民の収容所から逃げ出してきたアミールと合流し、仮の住まいを見つける。そこは、不法移民たちの寄り合い所のようなところになり、彼らは、そこで今後も旅を続けていくための計画を練る。
 初監督作品。
 カンヌ国際映画祭2013 監督週間出品。
 サラエボ映画祭2013 人権デー部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 DEBATE部門出品。
 シカゴ国際映画祭2013 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。

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 ・“The Missing Picture (L’image manquante)”(カンボジア・仏) 監督:リティー・パニュ
 “L'image Manquante(失われたイメージ)”とは、クメール・ルージュ時代に撮られた写真のこと。リティー・パニュは、クメール・ルージュ時代の1975年から1979年に撮られた写真を求めて、カンボジアの田舎をまわってアーカイブや古い文書を探した。それが見つかったからといって、クメール・ルージュの大虐殺の証拠とはならないかもしれない。しかし、それを見て、考え、瞑想し、歴史について記述することはできるはずだ。だが、試みはことごとく徒労に終わった。本作は、その探求の過程を撮影したドキュメンタリーである。こうした過程を見せることは、1枚の写真そのものより意義があるかもしれない。そう考えた。それがこの映画の使命であり、映画だからこそできることだ。
 『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』などで知られるリティー・パニュ監督の最新作。
 カンヌ国際映画祭2013 ある視点部門出品。ある視点賞受賞。
 エルサレム国際映画祭2013 スピリット・オブ・フリーダム部門出品。The Ostrovsky Family Foundation Award受賞。
 トロント国際映画祭2013 WAVELENGTHS部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 パールズ部門出品。
 釜山国際映画祭2013 ワイド・アングル部門出品。
 レイキャビク国際映画祭2013 Open Seas部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。
 シカゴ国際映画祭2013 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 カンボジア代表。
 東京フィルメックス2013 特別招待作品。


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 『殺人という行為』と“The Missing Picture (L’image manquante)”のノミネートは順当すぎるほど順当で、あとは“L'escale (Stop-Over)”が、“More Than Honey”か、クロード・ランズマンの“The Last of The Unjust (Le Dernier Des Injustes)”(仏・オーストリア)と入れ替わるくらいだったでしょうか。

 いずれにしても『殺人という行為』の強さは圧倒的で、ヨーロッパ各国で賞を受賞しているので、よほどの番狂わせがない限り、受賞はほぼ間違いないところだろうと思われます。

 この後は、11月9日にセビリヤ・ヨーロッパ映画祭で全ノミネーションが発表され、12月7日にベルリンで授賞式が行われる予定になっています。

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 *当ブログ記事

 ・米国アカデミー賞2014 長編ドキュメンタリー賞候補 151作品一覧:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_1.html

 ・IDAアワード2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_40.html

 ・英国グリアソン・アワード2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_52.html

 ・ヨーロッパ映画賞2013 技術部門6部門 受賞者発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_37.html

 ・ヨーロッパ映画賞2013 ディスカバリー賞 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_22.html

 ・ヨーロッパ映画賞2013 アニメーション賞 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_1.html

 ・ヨーロッパ映画賞2013 短編映画賞 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_40.html

 ・ヨーロッパ映画賞2013 オフィシャル・セレクション その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_19.html
 ・ヨーロッパ映画賞2013 オフィシャル・セレクション その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_20.html

 ・ヨーロッパ映画賞2013 ピープルズ・チョイス賞 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_4.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

 追記:
 ・ヨーロッパ映画賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_14.html

 ・ヨーロッパ映画賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_16.html

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