『そして父になる』受賞なるか? ゴールデン・グローブ賞2014 外国語映画賞 エントリー作品リスト!

 第71回ゴールデン・グローブ賞 外国語映画賞のエントリー作品58作品のリストが発表されました。(11月11日)

 ゴールデン・グローブ賞 外国語映画賞のエントリー作品が明らかになるのは、2009年度以来でしょうか。

 *ゴールデン・グローブ賞2010 外国語映画賞のエントリー作品69作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_16.html

 ただ、このリストというのは、公式に発表されたものではなく、米国アカデミー賞2014長編ドキュメンタリー賞エントリー作品のリストと同様に、「The Wrap」という情報サイトが独自に入手したものであるようです。

 *The Wrap:http://www.thewrap.com/golden-globes-foreign-language-film-list-eligible-entries-movies-oscars-exclusive

 このリストは、最初に48作品が発表されていたのが、のちに58作品に更新されていて、「The Wrap」の情報を紹介/貼り付け/リンクしたアメリカの他の情報サイトには、48作品のものと58作品のものという2通りのものが存在しています。

 米国アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の外国語映画賞は、ともにエントリー作品からのノミネーションになりますが、以下のような違いがあります。

 ・米国アカデミー賞が、米国アカデミーが指定した各国の団体にセレクションを委託して、各国1作品にエントリー作品を限定しているのに対し、ゴールデン・グローブ賞はエントリーが各作品の映画会社に任されているので、1カ国から複数の作品がエントリーでき、ノミネーションでも同じ国の作品が複数選ばれることがある。

 ・米国アカデミー賞が、「外国」で製作された「非英語作品」にエントリー作品を限定しているのに対し、ゴールデン・グローブ賞のエントリー作品は、単に「非英語作品」であればよく、アメリカが製作した「非英語作品」もエントリー可となる。(したがって、『硫黄島からの手紙』や『アポカリプト』『君のためなら千回でも』『最愛の大地』などもノミネートされた。)
 ただし、1985年度までは、ゴールデン・グローブ賞は「外国映画賞」であり、「非英語作品」ではなく、「アメリカ国外で製作された作品」であることが基本のルールになっていて、その結果、イギリス製作の多くの英語作品がエントリーされ、ノミネート&受賞した。

 ・対象作品は、米国アカデミー賞が、2012年10月1日から2013年9月30日までに本国で1週間以上連続して上映されたことが条件となっているのに対し、ゴールデン・グローブ賞は、2012年11月から2013年12月までに本国で上映(release)されたことが条件となっている。

 ・米国アカデミー賞は、マイナーな国(さほど映画製作が盛んではない国、または、製作作品が国外にはあまり紹介されていない国)からもエントリーされることが多いが、ゴールデン・グローブ賞は、マイナーな国からエントリーされることはあまり多くはない。

 ・米国アカデミー賞は、独特の選考を行なっていて、当然ノミネートされてしかるべき作品がノミネートもされないといった事態が起こることが多いのに対し、ゴールデン・グローブ賞は、人気の作品や有名な監督の作品がノミネートされることが多い。結果的に、ゴールデン・グローブ賞のノミネーションは、ヨーロッパの映画大国の作品を中心としたものになることが多い。

 ・米国アカデミー賞には、日本からは若手の監督を中心とした作品が積極的にエントリーされ、これまで10人の監督による12作品がノミネートまで進んでいる。一方、ゴールデン・グローブ賞では、1965年度以降で、『赤ひげ』『影武者』『乱』『夢』と黒澤明作品しかノミネートされていない。

 本年度の、ゴールデン・グローブ賞 外国語映画賞 エントリー作品のリストは、以下の通りです。

画像

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 ・アルゼンチン:『ワコルダ』“El médico alemán - Wakolda(The German Doctor)”(アルゼンチン・西・仏・ノルウェー) 監督:ルシア・プエンソ(Lucía Puenzo) AA

 ・イスラエル:“Bethlehem”(イスラエル) 監督:Yuval Adler AA

 ・イタリア:“The Great Beauty(La Grande Bellezza)”(伊・仏) 監督:パオロ・ソレンティーノ AA

 ・イタリア:“The Mother(La Madre)”(伊) 監督:Angelo Maresca

 ・イラン:“The Past (Le Passé)”(仏・伊) 監督:アスガー・ファルハディ AA

 ・インド:“The Lunchbox”(インド) 監督:Ritesh Batra

 ・オーストラリア:“The Rocket”(オーストラリア) 監督:Kim Mordaunt AA

 ・オランダ:“The Broken Circle Breakdown”(ベルギー・オランダ) 監督:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン(Felix van Groeningen) AA(ベルギー代表)

 ・カナダ:“Another House(L'autre maison)”(カナダ) 監督:Mathieu Roy

 ・カナダ:“Gabrielle”(カナダ) 監督:Louise Archambault AA

 ・韓国:『未熟な犯罪者』“범죄소년(Beom-joe-so-nyeon/Juvenile Offender)”(韓) 監督:カン・イグァン AA

 ・ギリシャ:“Boy Eating The Bird's Food(Το αγόρι τρώει το φαγητό του πουλιού/To Agori Troei to Fagito tou Pouliou)”(ギリシャ) 監督:Ektoras Lygtizos AA

 ・ギリシャ:“What If(An...)”(ギリシャ) 監督:Christoforos Papakaliatis

 ・サウジアラビア:『少女は自転車にのって』“Wadjda”(サウジアラビア・独・UAE) 監督:ハイファ・アル=マンスール(Haifaa Al Mansour) AA

 ・シンガポール:“Ilo Ilo(爸妈不在家)”(シンガポール) 監督:アンソニー・チェン(Anthony Chen) AA

 ・スイス:“More Than Honey”(独・オーストリア・スイス) 監督:Markus Imhoof AA

 ・スペイン:『アイム・ソー・エキサイテッド!』(西) 監督:ペドロ・アルモドバル

 ・スペイン:“15 Years + 1 Day(15 años y un día)”(西) 監督:グラシア・ケヘレタ(Gracia Querejeta) AA

 ・セネガル・フランス:“Tey(Today/Aujourd'hui)”(仏・セネガル) 監督:Alain Gomis

 ・セルビア:“Circles (Krugovi/Кругови Krugovi)”(セルビア・独・仏・クロアチア・スロヴェニア) 監督:Srdan Golubović AA

 ・チェコ:“Burning Bush(Horící ker)”(チェコ) 監督:アニエスカ・ホランド

 ・中国:“一九四二(Back To 1942/温故1942)”(中) 監督:フォン・シャオガン AA

 ・中国・米:“Man of Tai Chi(太极侠)”(米・中・香港) 監督:キアヌ・リーヴス

 ・中国:“Fall of Ming(大明劫)”(中) 監督:王竞(Wang Jing)

 ・中国:『罪の手ざわり』“A Touch of Sin(天注定)”(中・日) 監督:ジャ・ジャンクー

 ・チリ:『グロリアの青春』“Gloria”(チリ・西)  監督:セバスティアン・レリオ(Sebastián Lelio) AA

 ・チリ:“The Vineyard(Tierra De Sangre)”(チリ) 監督:James Katz

 ・デンマーク:『偽りなき者』(デンマーク) 監督:トマス・ヴィンターベア AA

 ・ドイツ:『二つの人生』“Two Lives(Zwei Leben)”(独・ノルウェー) 監督:ユーディット・カウフマン(Judith Kaufmann)、Georg Maas AA

 ・トルコ:“The Butterfly's Dream(Kelebeğin Rüyası)”(トルコ) 監督:Yılmaz Erdoğan AA

 ・日本:『そして父になる』(日) 監督:是枝裕和

 ・日本:『風立ちぬ』(日) 監督:宮崎駿

 ・ノルウェー:“I Am Yours(Jeg Er Din)”(ノルウェー) 監督:Iram Haq AA

 ・パレスチナ:“Omar”(パレスチナ) 監督:ハニ・アブ= アサド AA

 ・ハンガリー:“Aglaya(Aglaja)”(ハンガリー・ルーマニア・ポーランド) 監督:Krisztina Deák

 ・ハンガリー:“The Notebook (A nagy füzet/ Le grand cahier)”(ハンガリー・独・オーストリア・仏) 監督:János Szász AA

 ・フィリピン:“Thy Womb(Sinapupunan)”(フィリピン) 監督:ブリランテ・メンドーサ

 ・フィリピン:『トランジット』“Transit”(フィリピン) 監督:ハンナ・エスピア(Hannah Espia) AA

 ・フィンランド:“Above Dark Waters(Tumman veden päällä)”(フィンランド) 監督:ペーテル・フランツェーン(Peter Franzén)

 ・フィンランド:『灯台守の少年』“Disciple(Lärjungen)”(フィンランド) 監督:ウルリーカ・ベングドゥス(Ulrika Bengts) AA

 ・フィンランド:“8-ball”(フィンランド) 監督:アク・ロウヒミエス

 ・フランス:“Augustine”(仏) 監督:Alice Winocour

 ・フランス:『アデル、ブルーは熱い色』(仏) 監督:アブデラティフ・ケシシュ

 ・フランス:『アーネストとセレスティーヌ』“Ernest and Celestine”(仏・ベルギー・ルクセンブルク) 監督:バンジャマン・レネール、ヴァンサン・パタール、ステファン・オビエ

 ・フランス:『タイピスト!』(仏) 監督:レジス・ロワンサル

 ・フランス:『ルノワール 陽だまりの裸婦』“Renoir”(仏) 監督:ジル・ブルドス AA

 ・ペルー:“The Cleaner (El Limpiador)”(ペルー) 監督:Adrián Saba AA

 ・ポーランド:“Walesa. Man of Hope(Walesa. Czlowiek z nadziei.)”(ポーランド) 監督:アンジェイ・ワイダ AA

 ・香港:『グランド・マスター』(香港・中・仏) 監督:ウォン・カーウァイ AA

 ・メキシコ:“Instructions Are Not Included(No se Aceptan Devoluciones)”(メキシコ) 監督:Eugenio Derbez

 ・メキシコ:“The Last Call(Tercera Llamada)”(メキシコ) 監督:Francisco Franco

 ・メキシコ:“We Are Nobles(Nosotros los Nobles)”(メキシコ) 監督:Gary Alazraki

 ・モルドバ:“All Gods Children(Toti Copiii Domnului)”(ルーマニア・モルドバ) 監督:Adrian Popovici AA

 ・モロッコ:“God’s Horses(Les Chevaux de Dieu)”(モロッコ・仏・ベルギー) 監督:Nabil Ayouch AA

 ・ラトヴィア:“Mother, I Love You(Mammu, es Tevi mīlu)”(ラトヴィア) 監督:Janis Nords AA

 ・ルーマニア:“Child's Pose(Poziţia Copilului)”(ルーマニア) 監督:Călin Peter Netzer AA

 ・レバノン:“The Attack”(レバノン・仏・カタール・ベルギー) 監督:Ziad Doueiri

 ・ロシア:“Stalingrad”(ロシア) 監督:フョードル・ボンダルチュク AA

 ※ 「The Wrap」で発表されているのは、国籍とタイトルだけなので、監督名は、別途に調べて、付記しています。(作品を取り違えている可能性もなくはありません。)

 ※ 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表作品に選ばれている作品には「AA」と付記してあります。全部で33作品あります。

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 米国アカデミー賞2014外国語映画賞 各国代表に選ばれて、ゴールデン・グローブ賞2014 外国語映画賞にエントリーしていない作品は、43作品もあり、その中にはエントリーしていたら、ノミネートされたかもしれない作品もありますが、個人的には、それらではなくて、『鑑定士と顔のない依頼人』が米国アカデミー賞 外国語映画賞 イタリア代表作品にも選ばれず、ゴールデン・グローブ賞にもエントリーしていないことが気になります。
 『鑑定士と顔のない依頼人』は、そうした映画賞には辞退しているということなのかもしれません。

 それは、ともかく―
 ゴールデン・グローブ賞にノミネートが有望視される作品は、以下のようなところでしょうか。
 ・“The Great Beauty(La Grande Bellezza)”
 ・“The Past (Le Passé)”
 ・“The Lunchbox”
 ・『グロリアの青春』
 ・『偽りなき者』
 ・『そして父になる』
 ・『アデル、ブルーは熱い色』
 ・“Walesa. Man of Hope(Walesa. Czlowiek z nadziei.)”
 ・『グランド・マスター』

 注目すべきは、もちろん『そして父になる』で、ノミネートされれば、(『硫黄島からの手紙』を除けば)日本からのノミネートは、1991年の『夢』以来23年ぶり、受賞すれば、1958年の『黄色いからす』(監督:五所平之助)以来の56年ぶりとなります。

 『そして父になる』が、サンセバスチャン国際映画祭で観客賞を受賞した時点で、

 「これだったら、米国アカデミー賞2014 外国語映画賞でもいいところまで行けたんじゃないかと思ったりもしますが、まあ、いろんな事情もあるのでしょう。今となっては、仕方ありません。
 でも、ひょっとするとひょっとする可能性もあり、ゴールデン・グローブ賞をはじめとする全米映画賞のいくつかで外国語映画賞にノミネートされたり、受賞したりすることもあるかもしれません。」

 と予想していましたが、この予想が現実になる可能性が高まってきました。

 第71回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションの発表は、12月12日です。

 ちなみに、現在までの『そして父になる』の戦績は、以下の通りです。

 ・カンヌ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。審査員賞、エキュメニカル審査員賞 特別表彰受賞。
 ・サンセバスチャン国際映画祭2013 観客賞受賞。
 ・バンクーバー国際映画祭2013 ピープルズ・チョイス賞受賞。
 ・BFIロンドン映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 ・フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭(オスロ)2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 ・アブダビ国際映画祭2013 Children Protection Award 脚本賞受賞。
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2013 作品賞、監督賞ノミネート。

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 *当ブログ記事

 ・米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表リスト その1(~クロアチア):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_8.html
 ・米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表リスト その2(コロンビア~フィンランド):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_24.html
 ・米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表リスト その3(ブラジル~):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_42.html

 ・完全ガイド! 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_3.html

 ・米国アカデミー賞外国語映画賞 歴代各国代表 監督別データ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_32.html

 ・『舟を編む』、または、米国アカデミー賞 外国語映画賞 日本代表作品 データ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_10.html

 ・『そして父になる』 サンセバスチャン国際映画祭2014 観客賞受賞:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_48.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

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