ヨーロッパ映画賞2013 ディスカバリー賞ノミネーション発表!

 第26回ヨーロッパ映画賞のディカバリー賞(第1回作品賞)のノミネーションが発表されました。(10月14日)

 過去には、『君がくれた翼』(12年)、“Adem”(11年)、『レバノン』(10年)、“Katalin Verga”(09年)、『ハンガー』(08年)、『迷子の警察音楽隊』(07年)、『13ザメッティ』(06年)、“Anklaget”(05年)、“Certi Bambini”(04年)、『父、帰る』(03年)、『ハックル』(02年)、“El Bola”(01年)、『ヒューマン・リソース』(00年)、『素肌の涙』(99年)、『セレブレーション』&『天使が見た夢』(98年)、『ジーザスの日々』(97年)が受賞し、『時の重なる女』『俺の笛を聞け』『アジャミ』『トルパン』『コントロール』などがノミネートされています。

 受賞監督は、各国を代表するトップクラスの監督になることも多く、また、受賞作品は日本で劇場公開されることも多いようです。

 本年度のノミネート作品は以下の通り。

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 “La Plaga(The Plague)”(西) 監督:Neus Ballús
 物語:バルセロナ郊外で暮らす5人の人々の日々の暮らしが淡々と映し出される。ルーリーは、モルダヴィア移民のレスラーで、試合のためのトレーニングをしていない時は、ラウルの農場で、日雇い労働のようなことをしている。ラウルの農場は、白バエの群れが作物を荒らすので、その駆除作業が大変だ。彼らの近くの農場には、もうすぐ90歳になるマリアが住んでいる。彼女は、呼吸疾患を抱えていて、本当なら老人ホームに行った方がいいかもしれない。ローズマリーは、最近ここにやってきたフィリピン人で、歩いて、マリアのところに通い、彼女の世話をしている。マリベルは、中年の娼婦で、高速道路そばの未舗装の道に椅子を出して、人々の様子を眺めている。彼女は、自分と、仕事のない息子にために、稼ぐことに懸命だ。
 ドキュメンタリーとフィクションのハイブリッドのような作品で、非職業俳優の5人が演じる日々のルーティンが細かく観察される。それは、これまであまり紹介されてこなかったバルセロナの人々特有ものであり、なおかつ、きわめてヨーロッパ的なものだ。
 ベルリン国際映画祭2013 フォーラム部門出品。
 ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション。
 モトヴン映画祭2013 プロペラ賞(グランプリ)受賞。
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 ・“Miele”(伊・仏) 監督:ヴァレリア・ゴリーノ
 出演:ジャスミン・トリンカ、カルロ・チェッキ(Carlo Cecchi)、リベロ・デ・リエンゾ(Libero De Rienzo)、ヴィニーチョ・マルキオーニ(Vinicio Marchioni)、イアイア・フォルテ(Iaia Forte)、・ロベルト・デ・フランチェスコ(Roberto De Francesco)、Barbara Ronchi、Claudio Guain、Teresa Acerbis、ヴァレリア・ビレッロ(Valeria Bilello)、Massimiliano Iacolucci
 物語:イレーネは、他人と深く関わらない、孤独な人生を送っている。彼女の仕事は、重い病を抱える人が威厳を持って死ねるように、薬物を与えて死なせてあげることで、そうした自分の仕事について誰かと話すこともない。そんな彼女の元に、新しい「患者」グリマルディーが運ばれてくる。彼は、致死量の薬を飲んで、自殺しようとしたらしいが、死ぬ前に発見されて、いまイレーネの目の前にいる。彼女は、自殺志願者に手を貸すことはないと決めている。やがて彼女とグリマルディーの間には奇妙な関係性が芽生え、彼女の人生に転機が訪れる。
 Angela Del Fabbroの小説の映画化。
 初監督作品。
 カンヌ国際映画祭2013 ある視点部門出品。エキュメニカル審査員賞特別表彰。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 ホライズンズ部門出品。
 ブリュッセル映画祭2013 コンペティション部門出品。Studio L’Equipe Award受賞。
 イタリア・ゴールデングルーブ賞2013 女優賞(ジャスミン・トリンカ)、第1回作品賞受賞。
 ナストロ・ダルジェント賞2013 主演女優賞(ジャスミン・トリンカ)、録音賞、新人監督賞受賞。
 オデッサ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 ラックス賞2013 ノミネート。
 チューリヒ映画祭2013 インターナショナル長編コンペティション部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 DEBATE部門出品。
 シカゴ国際映画祭2013 ReelWomen部門出品。


 ・『OH BOY』“Oh Boy!”(独) 監督:ヤン・オーレ・ゲルスター(Jan Ole Gerster)
 出演:トム・シリング(Tom Schilling)、マルク・ホーゼマン(Marc Hosemann)、Friederike Kempter、ユストゥス・フォン・ドーナニー(Justus von Dohnányi)、ミヒャエル・グヴィスデク(Michael Gwisdek)、ウルリッヒ・ノエテン(Ulrich Noethen)
 物語:ニコは、ベルリンで法律を学ぶ学生で、ある日、自分のまわりで起こっていることに違和感を感じ始める。それともおかしいのはまわりではなくて、自分の方なのか。ニコは、積極的に何かをしようという気力を失い、ひとりで、あるいは友人のマッツェとともに、ベルリンをうろついて、人々を眺めているようになる。そうした行動の結果、彼は、恋人に逃げられ、父親からは仕送りを止められる。そして、元クラスメイトのユリカが、過去からの亡霊のように彼の前に現われる……。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2012 フォーラム・オブ・インディペンデント部門出品。
 チューリヒ映画祭2012 ドイツ語映画コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 バイエルン映画賞2013 男優賞、脚本賞受賞。
 ドイツ映画批評家賞2013 音楽賞、新人監督賞受賞。
 ドイツ映画賞2013作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞・脚本賞・音楽賞受賞。
 ソフィア国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。グランプリ受賞。
 シドニー映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション。
 ヨーロッパ映画賞2013 オフィシャル・セレクション。
 ドイツ映画特集2013にて上映。


 ・“Eat Sleep Die (Äta sova dö)”(スウェーデン) 監督:Gabriela Pichler
 物語:Rašaは、バルカン半島出身のスウェーデン人だ。彼女は、高校も卒業しておらず、イスラム教徒ということも手伝って、なかなかよい仕事は見つけられない。彼女は、レタスのパック詰めをしている工場をクビになり、新しい仕事を探さなければならなくなる。その一方で、父の面倒もみなければならない。厳しい状況の中、彼女はなぜ政府はすべての人に就職機会の均等を保証してくれないのかと考える。
 ベネチア国際映画祭2012 批評家週間出品。観客賞受賞。
 トロント国際映画祭2012 DISCOVERY部門。
 釜山国際映画祭2012 ワールド・シネマ部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2012 ディスカバリーズ部門出品。
 チューリヒ映画祭2012 インターナショナル長編コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 レイキャビク国際映画祭2012 New Visionコンペティション部門出品。
 AFIフェスト2012 審査員グランプリ受賞。
 セビリヤ・ヨーロッパ映画祭2012 グランプリ受賞。
 ストックホルム国際映画祭2012 ライジング・スター賞受賞(Nermina Lukač)。
 スウェーデン・アカデミー賞2013 作品賞・監督賞・主演女優賞(Nermina Lukač)受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013〈「ヴァラエティー」誌による、観るべきヨーロッパの10人の監督たち〉出品。
 ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 スウェーデン代表。
 ヨーロッパ映画賞2013 オフィシャル・セレクション。


 ・“Call Girl”(スウェーデン・アイルランド・フィンランド・ノルウェー) 監督:Mikael Marcimain
 出演:ペルニラ・アウグスト、Sofia Karemyr、Simon J Berger、Sven Nordin、デイヴィッド・デンシック(David Dencik)、Ruth Vega Fernandez、ヨセフィン・アスプルンド(Josefin Asplund)、マグヌス・クレッペル(Magnus Krepper)、クリストッフェル・ヨーネル(Kristoffer Joner)
 物語:1970年代末のストックホルム。政府のビルや少年院から石を投げれば届く範囲に、セックス・クラブやディスコや民家がある歓楽街が広がっている。コールガールは、どうやって社会の底辺からイリスをスカウトして、力があれば何でも手に入る過酷な世界に飛び込ませたのかを話し始める。
 トロント国際映画祭2012 ディスカバリー部門出品。
 セビリヤ・ヨーロッパ映画祭2012 コンペティション部門出品。
 ストックホルム国際映画祭2012 観客賞受賞。
 スウェーデン・アカデミー賞2013 撮影賞・美術賞・衣裳賞・音響賞受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 コンペティション部門出品。
 台北電影節2013 インターナショナル・ニュー・タレント・コンペティション部門出品。観客賞受賞。

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 ノミネーションは専門の委員によって行なわれていますが、2012-2013年を代表するヨーロッパの新人監督作品が選ばれているようです。

 どの作品が受賞してもおかしくはありませんが、メイン・セクションにも選ばれている『OH BOY』と“Eat Sleep Die”がやや強く、それに“Miele”が続く、といったところでしょうか。

 本年度に他にどんな新人監督の作品があったか、ベースとなるリストがどんなものだったのかはわかりませんが、調べてみると、ざっと以下のような候補作品が考えられます。(規定や対象期間次第では、本年度の有資格作品ではなく、来年度のこの部門にノミネートされる可能性のある作品もあります。)

 ・“Last Day On Mars”(英・アイルランド) 監督:ルアイリ・ロビンソン
 ・“The Apaches(Les Apaches)”(仏) 監督:ティエリー・ド・ペレッティ
 ・“La Fille Du 14 Juillet(The Rendez-Vous of Déjà-Vu)”(仏) 監督:Antonin Peretjako
 ・“Les Garçons Et Guillaume, A Table!( Me Myself and Mum)”(仏) 監督:ギョーム・ガリエンヌ
 ・『ミッドナイト・アングル』“Angle Mort(Doudege Wénkel /Blind Spot)”(ルクセンブルク・ベルギー) 監督:クリストフ・ヴァグナー(Christophe Wagner)
 ・『日常のはざま』“L’intervallo”(伊) 監督:レオナルド・ディ・コンスタンツォ(Leonardo Di Constanzo)
 ・“Razzabastarda”(伊) 監督:アレッサンドロ・ガスマン(Alessandro Gassman)
 ・“L’Escale”(仏・スイス) 監督:Kaveh Bakhtiari
 ・“Apres La Nuit(Até ver a luz)”(スイス) 監督:Basil Da Cunha
 ・“Die Wand(The Wall)”(オーストリア・独) 監督:Julian Roman Pölsler
 ・“The Color of the Chameleon(Tsvetat Na Hameleona)”(ブルガリア) 監督:Emil Christov
 ・“Boy Eating The Bird's Food(To Agori Troei to Fagito tou Pouliou)”(ギリシャ) 監督:Ektoras Lygtizos
 ・“I Am Yours(Jeg Er Din)”(ノルウェー) 監督:Iram Haq
 ・“Bethlehem”(イスラエル) 監督:Yuval Adler

 受賞結果の発表は、他の部門と同じく、12月7日にベルリンで行なわれます。

 なお、今後のスケジュールとしては、今月下旬にドキュメンタリー賞のノミネーションが発表され、11月9日に全ノミネーションが発表される予定になっています。

 
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 *当ブログ記事

 ・ヨーロッパ映画賞2013 アニメーション賞 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_1.html

 ・ヨーロッパ映画賞2013 短編映画賞 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_40.html

 ・ヨーロッパ映画賞2013 オフィシャル・セレクション その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_19.html
 ・ヨーロッパ映画賞2013 オフィシャル・セレクション その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_20.html

 ・ヨーロッパ映画賞2013 ピープルズ・チョイス賞 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_4.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

 追記:
 ・ヨーロッパ映画賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_14.html
 ・ヨーロッパ映画賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_16.html

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