トロント国際映画祭2013 ラインナップ その5 カナダ作品

 【CONTEMPORARY WORLD CINEMA】

 ・“A Journey (Une Jeune Fille)”(カナダ) 監督:Catherine Martin [ワールド・プレミア]
 物語:シャンタルは、病気の母と失業中の父と一緒に暮らしている。母が死んだ時、彼女は、母が戻りたがっていたビーチの写真を持って、家を飛び出す。しかし、目的の場所は見つからない。数日が過ぎて、お金もなくなってくる。彼女は、寡黙な農夫セルジュと出会う。セルジュは、彼女を雇い、2人の間には強い絆が芽生えていく。

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 ・“The Animal Project”(カナダ) 監督:イングリッド・ヴェニンガー(Ingrid Veninger) [ワールド・プレミア]
 物語:レオは、非正統派の演劇の教師で、若い役者たちをしごいて、いまの居心地のいい場所から次のステップへと押し出そうとしている。一方で、彼は、10代の息子との暮らしを、真に充実したものにするために奮闘している。

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 ・“Cinemanovels”(カナダ) 監督:Terry Miles [ワールド・プレミア]
 出演:ローレン・リー・スミス(Lauren Lee Smith)、ジェニファー・ビールス、ベン・コットン
 物語:グレースが、疎遠だった父を回顧する記念の映画の準備をしている。彼女は、父の仕事を調べていくうち、それが奇妙な形で、彼女の生活に影響を与え始めていることに気づく。

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 ・“Le Démantèlement(The Dismantlement)”(カナダ) 監督:Sébastien Pilote [北米プレミア]
 出演:ガブリエル・アルカン(Gabriel Arcand)、Gilles Renaud、リュシー・ロリエ(Lucie Laurier)、Sophie Desmarais、ジョアンヌ=マリー・トランブレー(Johanne-Marie Tremblay)、Gabriel Tremblay
 物語:ギャビーは、ガニオン&サンという牧場で子羊を飼っている。しかし、彼には、息子はおらず、娘が2人いる。その娘も大きくなって、今は都会で暮らしている。長女が訪ねてきて、家を失いそうだから、助けてくれないかと父に頼む。父は、娘を助けるため、牧場を売る決心をする。
 カンヌ国際映画祭2013 批評家週間出品。SACD賞受賞。

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 ・“The Dick Knost Show”(カナダ) 監督:Bruce Sweeney [ワールド・プレミア]
 物語:ディック・ノストは、辛らつで、棘があり、決してマンネリに陥らないスポーツ・トーク・ショーの司会者で、彼のキャラクターを生かした番組「ディック・ノスト・ショー」で、人気があった。しかし、警告を無視して、ホッケーをやって、脳震盪を起こし、仕事と友人とアイデンティティーを失ってしまいそうになる。

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 ・“Empire of Dirt”(カナダ) 監督:Peter Stebbings [ワールド・プレミア]
 物語:レナは、多くのインディアンの家族と同じように、果てしない虐待の中で育った。彼女の父は、寄宿学校(residential school)の生き残りで、アル中に苦しみ、彼女が10歳の時に自殺した。彼女の母親は、彼女よりわずか14歳年上だった。レナも15歳までに妊娠したが、生ませないように、彼女の母親によって蹴られた。いま、彼女は、自制心を失って、麻薬の過剰摂取によって、病院に運ばれている。彼女は、ついに、人生をやり直すために、家に帰り、母親と、彼女自身の過去と向き合う決心をする。

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 ・“Siddharth”(インド・カナダ) 監督:Richie Mehta [北米プレミア]
 物語:マヘンドラは、ストリートの隅で、ファスナーの修理屋をしている。妻は、家にいて、2人の子供の面倒を見ている。家計の負担を軽くするために、長男のSiddharthをニューデリーの親戚に預けることにする。そこでは、寝床もあれば、仕事ももらえる。ところが、Siddharthがいなくなってしまう。さらわれたのか、あるいは、どこかで死んでいるのか。マヘンドラは、思いもかけない現実に打ちのめされるが、頑固に、息子捜しをやめることができない。
 ベネチア国際映画祭2013 ベネチア・デイズ出品。


 ・“Stay”(カナダ・アイルランド) 監督:Wiebke von Carolsfeld [ワールド・プレミア]
 出演:テイラー・シリング、エイダン・クイン、マイケル・アイアンサイド
 物語:アビーは、26歳のカナダ人女性。彼女の父親が水難事故に遭い、遺体も揚がらないという不幸に見舞われ、母親は家を出て行ってしまう。アビーは、そうした状況から逃げ出して、アイルランドに旅をし、ゴールウェイの小さな村で、元中世文学の教授だった50代のダーモットと出会う。彼は、学生のひとりを妊娠させて、職を追われ、ここにやってきていたが、アビーは、ダーモットに恋をし、彼のコテージに泊まるようになる。一方、村では、ダーモットの友人の考古学者が、発掘を進めていて、ある発見をする。やがて、アビーが妊娠していることがわかるが、ダーモットは、自分が父親であることを認めず、彼女は、自分の心の中を掘り下げることになる……。
 Aislinn Hunterの同名の処女小説の映画化。

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 【DISCOVERY】

 ・“All the Wrong Reasons”(カナダ) 監督:Gia Milani [ワールド・プレミア]
 出演:コリー・モンティス(Cory Monteith)、カリーヌ・ヴァナッス(Karine Vanasse)、ケヴィン・ゼガーズ、エミリー・ハンプシャー(Emily Hampshire)
 物語:ケイトは家族の悲劇を体験して、自分の殻に閉じこもるようになる。夫のジェームズは、デパートの野心的なマネージャーで、何とかして妻を元通りにさせようとするが、なかなかうまくいかない。彼は、その代わりに、会計係のニコルに接近していく。彼女は、シングルマザーとして奮闘しつつ、懸命に若さにしがみつこうとしている。臨時雇用としてサイモンが職場に加わる。彼の頑張りと夢へと突き進む姿が、ケイトを刺激し、彼女が再起するのに影響を与え始める。

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 ・“Rhymes for Young Ghouls”(カナダ) 監督:Jeff Barnaby [ワールド・プレミア]
 物語:1976年、レッド・クロウ居留地のインディアンにも、18歳未満であれば、学校に通うように法令で定められる。学校は、寄宿制で、インディアンにとって監獄のようなものであり、学校を運営する「ポッパー」が、サディスティックに、自分の意のままにしていた。15歳のアイラは、レッド・クロウにおける雑草の中のプリンスで、叔父のバーナーとともに麻薬を商って、そのお金でポッパーに「不登校税」を払い、登校を免れていた。しかし、売上金が盗まれ、父も刑務所から出所することになって、いままで通りというわけにはいかなくなる。逃げるか、闘うか。彼女は、闘う覚悟を決める。

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 ・“Sarah Prefers To Run (Sarah préfère la course)”(カナダ) 監督:Chloé Robichaud [トロント・プレミア]
 物語:サラは、中距離の若いランナーである。彼女の家は、ケベック・シティーの近くにあるが、そこから遠く離れたモントリオールの大学のクラブから来ないかと誘いを受ける。家を離れるとなれば、お金がかかるが、母からの援助は受けたくない。それなら、政府の奨学金か、ローンの方がいい。自分の選んだ道で誰にも迷惑はかけたくないのだ。彼女には、アンソニーという恋人がいるが、結婚には消極的だ。これまで20年生きてきて、いま結婚することがベストとは思えない。とにかくサラはレースが好きだ。
 初監督長編。
 カンヌ国際映画祭2013 ある視点部門出品。


 【MASTERS】

 ・“Triptych (Triptyque)”(カナダ) 監督:ロベール・ルパージュ(Robert Lepage)、Pedro Pires [ワールド・プレミア]
 物語:統合失調症を抱えるケベックの本屋ミシェル、手の震えが抑えられなくなったドイツ人脳外科医のトマス、父の声を思い出そうとしているジャズシンガーのマリー。彼ら3人の心の軌跡を追う。
 ロベール・ルパージュの舞台の映画化。

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 【SHORT CUT CANADA】

 ※ 特記なしは、ワールド・プレミア作品。

 ・“A Grand Canal” 監督:Johnny Ma
 ・“A Time is a Terrible Thing to Waste” 監督:Leslie Supnet [トロント・プレミア]
 ・“An Extraordinary Person (Une Personne extraordinaire)” 監督:Monia Chokri [北米プレミア]
 ・“Anatomy of Assistance” 監督:Cory Bowles
 ・“Beasts in the Real World” 監督:Sol Friedman
 ・“Candy” 監督:Cassandra Cronenberg
 ・“The Chaperone 3D” 監督:Fraser Munden、Neil Rathbone
 ・“Cochemare Maciek” 監督:Szczerbowski & Chris Lavis [北米プレミア]
 ・“CRIME: Joe Loya – The Beirut Bandit” 監督:Alix Lambert、Sam Chou
 ・“Daybreak (Éclat du jour)” 監督:Ian Lagarde
 ・“Der Untermensch” 監督:Kays Mejri
 ・“Drop” 監督:Chris Goldade
 ・“The End of Pinky” 監督:Claire Blanchet
 ・“Firecrackers” 監督:Jasmin Mozaffari
 ・“Foreclosure” 監督:Wayne Robinson
 ・“Gloria Victoria” 監督:セオドア・ウシェフ [北米プレミア]
 ・“Impromptu” 監督:Bruce Alcock
 ・“In Guns We Trust” 監督:Nicolas Lévesque [北米プレミア]
 ・“Jimbo” 監督:Ryan Flowers
 ・“Lay Over” 監督:Jordan Hayes
 ・“Method” 監督:Gregory Smith
 ・“Noah” 監督:Walter Woodman & Patrick Cederberg
 ・“Nous Avions” 監督:Stéphane Moukarzel
 ・“Numbers & Friends” 監督:Alexander Carson
 ・“Out” 監督:Jeremy Lalonde
 ・“Paradise Falls” 監督:Fantavious Fritz
 ・“Paradiso” 監督:Devan Scott
 ・“Pilgrims” 監督:Marie Clements
 ・“Portrait as a Random Act of Violence” 監督:Randall Okita [トロント・プレミア]
 ・“Relax, I’m From the Future” 監督:Luke Higginson
 ・“Remember Me (Mémorable moi)” 監督:Jean-Francois Asselin [カナダ・プレミア]
 ・“Roland” 監督:Trevor Cornish
 ・“Sam’s Formalwear” 監督:Yael Staav
 ・“Seasick” 監督:Eva Cvijanovic
 ・“The Sparkling River” 監督:Felix Lajeunesse、Paul Raphaël
 ・“Subconscious Password” 監督:クリス・ランドレス [カナダ・プレミア]
 ・“We Wanted More” 監督:Stephen Dunn
 ・“Yellowhead” 監督: Kevan Funk
 ・“Young Wonder” 監督:James Wilkes

 【SPECIAL PRESENTATIONS】

 ・“Enemy”(カナダ・西) 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ [ワールド・プレミア]
 出演:ジェイク・ギレンホール、メラニー・ロラン、サラ・ガドン、イザベラ・ロッセリーニ
 物語:アダムは、映画の中に自分そっくりな人物をみつける。彼は、愛人の助けを借りて、その人物アンソニーに会うが、あらゆる点で2人は似ていることがわかる。
 ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの『複製された男』の映画化。

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 ・“The F Word”(カナダ・アイルランド) 監督:マイケル・ドース(Michael Dowse) [ワールド・プレミア]
 物語:ウォレスとチャンティーは、初めて会って、恋に落ちる。だが、シャンティーには、長らくつき合っているボーイフレンドがいた。ウォレスは、彼女に、できる限りの誠意を見せるが、恋愛において最悪の言葉「お友だち」をつきつけられてしまう。
 出演:ダニエル・ラドクリフ、ゾーイ・カザン、Adam Driver、Megan Park
 T・J・Daweの戯曲“Toothpaste and Cigars”の映画化。

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 ・“Gabrielle”(カナダ) 監督:Louise Archambault [北米プレミア]
 物語:ガブリエルは、ウィリアムス症候群を抱えているが、音楽の才能に優れ、生きる喜びに満ち溢れていた。彼女は、レクリエーションセンターの合唱団のメンバーであるマーティンのことが好きだが、あまりにも違いすぎていることから、その親密な関係が愛に変わることはなかった。重要な音楽祭が近づき、合唱団も準備を進める。ガブリエルは、自分の自律性と独立性を示そうと懸命になる。しかし、偏見にぶつかったり、マーティンとの関係を見つめ直したりしなければならなくなる。
 ロカルノ国際映画祭2013 ピアッツァ・グランデ部門出品。

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 ・“The Husband”(カナダ) 監督:ブルース・マクドナルド [ワールド・プレミア]
 物語:ヘンリーは、広告業界で働き、結婚をし、息子も生まれた。問題なのは、妻で、14歳の少年と寝て、刑務所に入れられる。彼は、妻との生活を取り戻そうとするが、そこに、彼のライバルとも言える当の少年が現われ、彼を自滅への道に追い込む。
 出演:マックスウェル・マッケーブ=ロコス(Maxwell McCabe-Lokos)、アウグスト・ディール、サラ・アレン(Sarah Allen)、Jodi Balfour、スティーヴン・マクハティー(Stephen McHattie)

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 ・“Tom At The Farm (Tom à la ferme)”(カナダ・仏) 監督:グザヴィエ・ドラン [北米プレミア]
 出演:グザヴィエ・ドラン、ピエール=・イヴ・カーディナル(Pierre-Yves Cardinal)、Lise Roy、Evelyne Brochu
 物語:トムは、現代的で都会派の若い広告マンで、恋人フランシスが交通事故で死んで、葬式のために、彼の生家である農場に向かう。農場には、フランシスの実母が暮らしていて、トムも彼女に会うのは初めてだったが、そこで彼は、彼女がトムの名前もトムがなぜここにいるのかも、そして自分の息子がゲイだということも知らなかったということを知る。しかも、フランシスは、エレンという女性を愛していたらしいということもわかる。トムは、詐欺を働いているような気持ちになりながら、フランシスの家族をこれ以上刺激しないように努め、この家族の中でフレンシスがどういう気持ちを味わっていたかを考える。
 『百合の伝説/シモンとヴァリエ』で知られる劇作家ミシェル・マーク・ブシャルド(Michel Marc Bouchard)の同名戯曲の映画化。
 ベネチア国際映画祭2013 コンペティション部門出品。


 ・“Watermark”(カナダ) 監督:ジェニファー・バイチウォル(Jennifer Baichwal)、エドワード・バーティンスキー(Edward Burtynsky) [ワールド・プレミア]
 われわれはどのようにして水を得、どのように使い、そこから何を学び、結果としてどうなっているのか。水と人間の関係をグローバルに考察するドキュメンタリー。
 『いまここにある風景』の監督であるジェニファー・バイチウォルと出演者で写真家の、エドワード・バーティンスキーが再び組んだ1作。

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 【VANGUARD】

 ・“Asphalt Watches”(カナダ) 監督:Seth Scriver、Shayne Ehman [ワールド・プレミア]
 2人の監督が、2000年に実際に行なった、西から東へとカナダを横断するヒッチハイク旅行をアニメーション化した作品。監督の2人がそれぞれバンクーバーとトロントという離れた地で暮らしていたため、完成が遅れた。

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 ・“Gerontophilia”(カナダ) 監督:ブルース・ラブルース [北米プレミア]
 出演:Walter Borden、Pier-Gabriel Lajoie、ケイティー・ボーランド(Katie Boland)、Marie-Hélène Thibault
 物語:Lakeは、18歳で、プールの監視員と、老人ホームでの仕事をしている。老人ホームの仕事は、ナースをしている母から、夏のアルバイトとしてやってみないかと言われて、始めたものだが、この仕事を始めてみて、自分は老人が好きなのだと気づく。年を重ねることは美しく、この人たちもかつて自分と同じように、若く、活気があり、魅力的だったのかと物思いに耽ってみたりもする。彼には、同じ年のガールフレンドもいるが、時々、こうして老人たちに深入りするのは、異常で、不健康で、ひょっとすると性的な関心にも関係しているのかもしれないと考えてみたりもする。彼は、老人たちの中でも特にミスター・ピーボディーと意気投合する。ミスター・ピーボディーは、82歳で、もう一度、海が見たいという夢を持っている。老人たちは、注射と投薬を行なうナース・ストーンに監視されていたが、それを掻い潜って、Lakeは、ミスター・ピーボディーを外へと連れ出し、太平洋へとドライブする。しかし、予想外のことが起こり、事態は急変する。
 ブルース・ラブルースが、彼のライフワークである性的なタブーへの挑戦に関して、よりメインストリームの観客にも適応すべく、意識して制作した作品で、テレフィルム・カナダとSODECの資金的支援を得て、製作された。
 ベネチア国際映画祭2013 ベネチア・デイズ出品。


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 *当ブログ記事

 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その1.GALA、SPECIAL PRESENTATIONS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_21.html
 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その2.SPECIAL PRESENTATIONS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_22.html
 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その3.CITY TO CITY、MIDNIGHT MADNESS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_25.html
 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その4.TIFF DOCS、VANGUARD:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201308/article_1.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

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