詳細! 米国アカデミー賞2013 受賞結果!

 第85回米国アカデミー賞の各賞が発表されました。

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 ◆作品賞
 ・『愛、アムール』 マルガレット・メネゴス、シュテファン・アルント、ファイト・ハイドゥシュカ、ミヒャエル・カッツ
 ◎『アルゴ』 グラント・ヘスロヴ、ベン・アフレック、ジョージ・クルーニー
 ・『ハッシュパピー~バスタブ島の少女~』 Dan Janvey、ジョシュ・ペン、Michael Gottwald
 ・『ジャンゴ 繋がれざる者』 ステイシー・シェア、レジナルド・ハドリン、ピラー・サヴォーン
 ・『レ・ミゼラブル』 ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、デブラ・ヘイワード、キャメロン・マッキントッシュ
 ・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 ギル・ネッター、アン・リー、デイヴィッド・ウォマーク
 ・『リンカーン』 スティーヴン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディー
 ・『世界にひとつのプレイブック』 ドナ・ジグリオッティ、ブルース・コーエン、ジョナサン・ゴードン
 ・『ゼロ・ダーク・サーティ』 マーク・ボール、キャスリン・ビグロー、ミーガン・エリソン

 本命!
 グラント・ヘスロヴは初受賞。これまで4回目のノミネート。前回『スーパーチューズ・デー~正義を売った日~』で脚色賞にノミネート。『グッドナイト&グッドラック』で作品賞とオリジナル脚本賞にノミネート。
 ベン・アフレックは、『グッド・ウィル・ハンティング』でオリジナル脚本賞を受賞して以来15年ぶりのノミネートで、2回目の受賞。
 ジョージ・クルーニーは、8回目のノミネート。監督賞1回、オリジナル脚本賞1回、脚色賞1回、主演男優賞2回、助演男優賞1回ノミネートされて、『シリアナ』で助演男優賞を受賞。以来、2回目の受賞。
 キャスリーン・ケネディーは8回目のノミネートで、今回も受賞なりませんでした。
 監督賞にノミネートされずに、作品賞を受賞したのは、『つばさ』(1927)、『グランド・ホテル』(1932)、『ドライビング Miss デイジー』(1989)に続いて、23年ぶり、4本目。

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 ◆監督賞
 ・ミヒャエル・ハネケ 『愛、アムール』
 ・ベン・ザイトリン 『ハッシュパピー~バスタブ島の少女~』
 ◎アン・リー 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
 ・スティーヴン・スピルバーグ 『リンカーン』
 ・デイヴィッド・O・ラッセル 『世界にひとつのプレイブック』

 前哨戦の流れから見れば意外な結果ですが、MCNの最終予想はアン・リーだったので、風はアン・リーに吹いていたようです。
 アン・リーは4-5回目のノミネートで、『ブロークバック・マウンテン』以来2回目の監督賞受賞。

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 ◆主演男優賞
 ・ブラッドリー・クーパー 『世界にひとつのプレイブック』
 ◎ダニエル・デイ=ルイス 『リンカーン』
 ・ヒュー・ジャックマン 『レ・ミゼラブル』
 ・ホアキン・フェニックス 『ザ・マスター』
 ・デンゼル・ワシントン 『フライト』

 本命!
 ダニエル・デイ=ルイスは、5回目のノミネートで、『マイ・レフト・フット』と『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』以来、3回目の受賞。3回の主演男優賞受賞は史上初。
 実在の大統領役でのアカデミー賞受賞は、史上初。

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 ◆主演女優賞
 ・ジェシカ・チャステイン 『ゼロ・ダーク・サーティ』
 ◎ジェニファー・ローレンス 『世界にひとつのプレイブック』
 ・エマニュエル・リヴァ 『愛、アムール』
 ・クヮヴェンジャネ・ウォリス 『ハッシュパピー~バスタブ島の少女~』
 ・ナオミ・ワッツ 『インポッシブル』

 順当。ゴールデン・グローブ賞、米・俳優組合賞(SAG)、インディペンデント・スピリット・アワードと同じ結果です。
 ジェニファー・ローレンスは、『ウィンターズ・ボーン』以来2回目のノミネートで、初受賞。
 ジェニファー・ローレンスは、現在22歳で、史上2番目の若さで主演女優賞受賞(最も若い記録はマーリー・マトリンの21歳)。主演女優賞と助演女優賞の2つにノミネートされた女優としては、アカデミー史上で最も若い記録を作った。

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 ◆助演男優賞
 ・アラン・アーキン 『アルゴ』
 ・ロバート・デニーロ 『世界にひとつのプレイブック』
 ・フィリップ・シーモア・ホフマン 『ザ・マスター』
 ・トミー・リー・ジョーンズ 『リンカーン』
 ◎クリストフ・ヴァルツ 『ジャンゴ 繋がれざる者』

 米・俳優組合賞(SAG)ではノミネートもされなかったクリストフ・ヴァルツが受賞。
 クリストフ・ヴァルツは、『イングロリアス・バスターズ』で助演男優賞を受賞して以来、2回目のノミネートで、2回目の受賞。
 ゴールデン・グローブ賞と英国アカデミー賞を踏襲する結果になりました。

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 ◆助演女優賞
 ・エイミー・アダムス 『ザ・マスター』
 ・サリー・フィールド 『リンカーン』
 ◎アン・ハサウェイ 『レ・ミゼラブル』
 ・ヘレン・ハント “The Sessions”
 ・ジャッキー・ウィーバー 『世界にひとつのプレイブック』

 本命!
 アン・ハサウェイは、『レイチェルの結婚』以来2回目のノミネートで初受賞。

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 ◆オリジナル脚本賞
 ・『愛、アムール』 ミヒャエル・ハネケ
 ◎『ジャンゴ 繋がれざる者』 クエンティン・タランティーノ
 ・『フライト』 ジョン・ゲイティンス
 ・『ムーンライズ・キングダム』 ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ
 ・『ゼロ・ダーク・サーティ』 マーク・ボール

 放送映画批評家協会賞、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞からの流れを見れば、順当な結果。米・脚本家組合賞(WGA)とは異なる結果になりました。
 クエンティン・タランティーノは、5回目のノミネートで、これまで監督賞2回、オリジナル脚本賞2回ノミネート。『パルプ・フィクション』でオリジナル脚本賞受賞。今回で2回目の受賞。

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 ◆脚色賞
 ◎『アルゴ』 クリス・テリオ
 ・『ハッシュパピー~バスタブ島の少女~』 ルーシー・アリバー、ベン・ザイトリン
 ・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 デイヴィッド・マギー
 ・『リンカーン』 トニー・クシュナー
 ・『世界にひとつのプレイブック』 デイヴィッド・O・ラッセル

 全米映画批評家協会賞、USCスクリプター、米・脚本家組合賞(WGA)の流れから見れば、順当な結果。
 クリス・テリオは初ノミネート初受賞。

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 ◆撮影賞
 ・『アンナ・カレーニナ』 シーマス・マッガーヴェイ
 ・『ジャンゴ 繋がれざる者』 ロバート・リチャードソン
 ◎『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 クラウディオ・ミランダ
 ・『リンカーン』 ヤヌス・カミンスキー
 ・『007 スカイフォール』 ロジャー・ディーキンス

 本命!
 クラウディオ・ミランダは、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』以来のノミネートで、初受賞。
 ロジャー・ディーキンスは、10回目のノミネートで、今回も受賞ならず!

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 ◆編集賞
 ◎『アルゴ』 ウィリアム・ゴールデンバーグ
 ・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 ティム・スキアーズ
 ・『リンカーン』 マイケル・カーン
 ・『世界にひとつのプレイブック』 ジェイ・キャシディ、クリスピン・ストラザーズ
 ・『ゼロ・ダーク・サーティ』 ディラン・ティチェナー、ウィリアム・ゴールデンバーグ

 順当。映画編集者賞(ACE)ドラマ部門、英国アカデミー賞と同じ結果。
 ウィリアム・ゴールデンバーグは、今回ダブル・ノミネート。これまでに『インサイダー』と『シービスケット』でノミネート。初受賞。

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 ◆美術賞
 ・『アンナ・カレーニナ』 プロダクション・デザイン:サラ・グリーンウッド  装飾:Katie Spencer (Set Decoration)
 ・『ホビット 思いがけない冒険』 プロダクション・デザイン:Dan Hennah 装飾:Ra Vincent、Simon Bright
 ・『レ・ミゼラブル』 プロダクション・デザイン:イヴ・スチュアート 装飾:Anna Lynch-Robinson
 ・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 プロダクション・デザイン:デイヴィッド・グロップマン 装飾:Anna Pinnock
 ◎『リンカーン』 プロダクション・デザイン:リック・カーター 装飾:Jim Erickson

 意外。『リンカーン』がこの部門を受賞したのは、サテライト・アワードのみです。
 リック・カーターは2年連続4回目のノミネート、『アバター』以来2回目の受賞。Jim Ericksonは『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』以来2回目のノミネートで初受賞。
 3年連続で3D作品が受賞していましたが、その記録は途切れました。

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 ◆衣裳デザイン賞
 ◎『アンナ・カレーニナ』 ジャクリーヌ・デュラン
 ・『レ・ミゼラブル』 パコ・デルガド
 ・『リンカーン』 ジョアンナ・ジョンストン
 ・『白雪姫と鏡の女王』 石岡瑛子
 ・『スノーホワイト』 コリーン・アトウッド

 順当。英国アカデミー賞との一致は、過去11年で6回目。ここ5年は連続で同じになっています。
 衣裳デザイナー組合賞(CDG) 時代映画部門と同じ結果。
 ジャクリーヌ・デュランは、『プライドと偏見』『つぐない』以来3回目のノミネートで、初受賞。

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 ◆メイキャップ・ヘアスタイリング賞
 ・『ヒッチコック』 ハワード・バーガー、Peter Montagna、Martin Samuel
 ・『ホビット 思いがけない冒険』 ピーター・ソード・キング、リック・フィンドレーター、Tami Lane
 ◎『レ・ミゼラブル』 リサ・ウェストコット、Julie Dartnell

 英国アカデミー賞と同じ結果!
 リサ・ウェストコットは『恋におちたシェイクスピア』以来14年ぶり3回目のノミネートで初受賞。Julie Dartnellは初ノミネート初受賞。

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 ◆視覚効果賞
 ・『ホビット 思いがけない冒険』 ジョー・レッテリ、Eric Saindon、David Clayton、R. Christopher White
 ◎『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 ビル・ウェステンホファー、Guillaume Rocheron、Erik-Jan De Boer、Donald R. Elliott
 ・『アベンジャーズ』 ジャネク・シルス、Jeff White、Guy Williams、Dan Sudick
 ・『プロメテウス』 リチャード・スタマーズ、Trevor Wood、チャーリー・ヘンリー、Martin Hill
 ・『スノーホワイト』 Cedric Nicolas-Troyan、Philip Brennan、ニール・コブルト、Michael Dawson

 順当。視覚効果協会賞(VES)とも同じ結果。
 ビル・ウェステンホファーは『ライラの冒険 黄金の羅針盤』で受賞して以来3回目のノミネートで、2度目の受賞。Guillaume RocheronとErik-Jan De BoerとDonald R. Elliottは初ノミネート初受賞。

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 ◆録音賞
 ・『アルゴ』 John Reitz、Gregg Rudloff、Jose Antonio Garcia
 ◎『レ・ミゼラブル』 Andy Nelson、Mark Paterson、Simon Hayes
 ・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 Ron Bartlett、D.M. Hemphill、Drew Kunin
 ・『リンカーン』 Andy Nelson、ゲイリー・ライドストローム、Ronald Judkins
 ・『007 スカイフォール』 Scott Millan、Greg P. Russell、Stuart Wilson

 順当。音響協会賞(CAS)、英国アカデミー賞と同じ結果。
 Andy Nelsonは2年連続17-18回目のノミネートで、『プライベート・ライアン』以来2度目の受賞。
 Mark PatersonとSimon Hayesは初ノミネート初受賞。
 Greg P. Russellは、16回目のノミネートでしたが、今回も受賞ならず。

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 ◆音響編集賞
 ・『アルゴ』 Erik Aadahl、Ethan Van der Ryn
 ・『ジャンゴ 繋がれざる者』 Wylie Stateman
 ・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 ユージーン・ギアティ、Philip Stockton
 ◎『007 スカイフォール』 Per Hallberg、Karen Baker Landers
 ◎『ゼロ・ダーク・サーティ』 Paul N.J. Ottosson

 やや意外。ゴールデン・リール賞(MPSE)は『007 スカイフォール』だったので、それを踏襲した受賞結果ではありますが。
 タイでの受賞は、アカデミー史上6回目。過去の5回は、第5回の主演男優賞、第22回の短編ドキュメンタリー賞、第41回の主演女優賞、第59回の長編ドキュメンタリー賞、第67回の短編映画賞。第5回の時に、得票数の差が3票以内ならタイでの受賞とすると宣言されたらしいのですが、現在では同数のみをタイとみなすことになっているようです。
 Per Hallbergは4回目のノミネートで、『ブレイブハート』と『ボーン・アルティメイタム』で受賞して以来3回目の受賞。Karen Baker Landersは『ボーン・アルティメイタム』以来、2回目のノミネートで2回目の受賞。
 Paul N.J. Ottossonは4回目のノミネートで、『ハート・ロッカー』で2部門で受賞。今回3回目の受賞。

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 ◆オリジナル作曲賞
 ・『アンナ・カレーニナ』 ダリオ・マリアネッリ
 ・『アルゴ』 アレクサンドル・デプラ
 ◎『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 マイケル・ダナ
 ・『リンカーン』 ジョン・ウィリアムズ
 ・『007 スカイフォール』 トーマス・ニューマン

 必ずしも順当かどうかはわかりませんが、流れは確かにマイケル・ダナに来ていました。
 ゴールデン・グローブ賞と国際映画音楽批評家協会賞と同じ結果。パームスプリングス国際映画祭でもマイケル・ダナが受賞。
 マイケル・ダナは初ノミネート初受賞。
 トーマス・ニューマンは作曲賞10回目(+歌曲賞1回)のノミネートで、今回も受賞ならず。存命中の作曲家の中で受賞を果たしていない最多ノミネートの作曲家ということになっています。

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 ◆オリジナル歌曲賞
 ・“Chasing Ice”-‘Before My Time’ 音楽・作詞:J. Ralph
 ・『テッド』-‘Everybody Needs A Best Friend’ 音楽:ウォルター・マーフィー 作詞:セス・マクファーレン
 ・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』-‘Pi's Lullaby’ 音楽:マイケル・ダナ 作詞:Bombay Jayashri
 ◎『007 スカイフォール』-‘Skyfall’ 音楽・作詞:アデル・アドキンス、ポール・エプワース
 ・『レ・ミゼラブル』-‘Suddenly’ 音楽:クロード=ミシェル・シェーンベルク 作詞:ハーバート・クレッツマー、アラン・ブーブリル

 本命!
 初ノミネート初受賞。

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 ◆短編映画賞
 ・“Asad”(南ア・米) 監督:Bryan Buckley プロデューサー:Mino Jarjoura
 ・“Buzkashi Boys”(アフガニスタン・米) 監督:Sam French プロデューサー:Ariel Nasr
 ◎『リッチーとの一日』“Curfew”(米) 監督:Shawn Christensen
 ・“Death of a Shadow (Dood van een Schaduw)”(ベルギー・仏) 監督:Tom Van Avermaet プロデューサー:Ellen De Waele
 ・“Henry”(カナダ) 監督:Yan England

 順当。
 初ノミネート初受賞。

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 ◆長編ドキュメンタリー賞
 ・『壊された5つのカメラ』“5 Broken Cameras”(パレスチナ・イスラエル・仏) 監督:イマード・ブルナート、ガイ・ダヴィディ
 ・“The Gatekeepers”(イスラエル・仏・独・ベルギー) Dror Moreh、Philippa Kowarsky 、Estelle Fialon
 ・“How to Survive a Plague”(米) David France、ハワード・ガートラー
 ・“The Invisible War”(米) カービー・ディック、エイミー・ジーリング
 ◎『シュガーマン 奇跡に愛された男』(スウェーデン・英) マリク・ベンジェルール、サイモン・チン

 本命!
 マリク・ベンジェルールは初受賞。サイモン・チンは、『マン・オン・ワイヤー』で受賞して以来、2度目のノミネートで2度目の受賞。

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 ◆短編ドキュメンタリー賞
 ◎“Inocente”(米) 監督:ショーン・ファイン(Sean Fine)、アンドレア・ニックス(Andrea Nix)
 ・“Kings Point”(米) 監督:Sari Gilman プロデューサー:ジェッド・ウィダー
 ・“Mondays at Racine”(米) 監督:Cynthia Wade プロデューサー:Robin Honan
 ・“Open Heart”(米) 監督:Kief Davidson プロデューサー:Cori Shepherd Stern
 ・“Redemption”(米) 監督:Jon Alpert、Matthew O'Neill

 MCNの予想的中!
 ショーン・ファインとアンドレア・ニックスは、『ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動』(2007)で、米国アカデミー賞2008 長編ドキュメンタリー賞ノミネートで、今回初受賞。

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 ◆長編アニメーション賞
 ◎『メリダとおそろしの森』 監督:アンドリュース、ブレンダ・チャップマン
 ・『フランケンウィニー』 監督:ティム・バートン
 ・『パラノーマン ブライス・ ホローの謎』 監督:クリス・バトラー、サム・フェル
 ・“The Pirates! Band of Misfits”(英・米) 監督:ピーター・ロード
 ・『シュガー・ラッシュ』 監督:リッチ・ムーア

 順当!
 2006年に新設された英国アカデミー賞長編アニメーション賞とすべて同じ結果になっています。ゴールデン・グローブ賞とも同じ結果。ピクサーの雪辱戦であることと、ある程度の興行成績を上げていることを考えれば、実は『メリダとおそろしの森』以外にあり得ませんでした。
 アニー賞とは、異なる結果になりました。
 マーク・アンドリュースは、2006年に『ワン・マン・バンド』で短編アニメーション賞にノミネート。ブレンダ・チャップマンは初ノミネート初受賞。

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 ◆短編アニメーション賞
 ・“Adam and Dog”(2011/米) 監督:Minkyu Lee
 ・“Fresh Guacamole”(2012/米) 監督:PES
 ・『ヘッド オーバー ヒールズ』“Head over Heels”(2012/英) 監督:ティモシー・レカート(Timothy Reckart) プロデューサー:Fodhla Cronin O'Reilly
 ・“Maggie Simpson in‘The Longest Daycare’”(2012/米) 監督:デイヴィッド・シルヴァーマン(David Silverman)
 ◎『紙ひこうき』“Paperman”(2012/米) 監督:ジョン・カーズ(John Kahrs)

 順当! ディズニーが強力にプッシュしていたし。
 初ノミネート初受賞。
 アニー賞受賞作品。
 (ピクサー作品を除く)ディズニー作品の短編アニメーション賞受賞はかなり久しぶりのはずで、ざっと調べたところでは、1970年の『トリはタフなり』以来。
 併映作品の受賞として、2003年の『チャブチャブズ』以来10年ぶり。
 (完全な黒白作品ではありませんが)黒白作品の短編アニメーション賞受賞は、おそらく50年以上前まで遡るはず。

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 ◆外国語映画賞
 ◎『愛、アムール』(オーストリア) 監督:ミヒャエル・ハネケ
 ・“Kon-Tiki”(ノルウェー) 監督:ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ
 ・『NO』“No”(チリ) 監督:パブロ・ラライン
 ・『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(デンマーク) 監督:ニコライ・アーセル
 ・『魔女と呼ばれた少女』(カナダ) 監督:キム・グエン(Kim Nguyen)

 本命!
 ハネケは、『白いリボン』以来のノミネートで、初受賞。オーストリア映画としては、5年ぶり、2回目の受賞。

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 主な作品のノミネート&受賞状況は以下の通り。

 ・『リンカーン』(2/12):作品・監督・主演男優・助演男優・助演女優・脚色・撮影・編集・美術・衣裳・録音・作曲
 ・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(4/11):作品・監督・脚色・撮影・編集・美術・視覚効果・録音・音響編集・作曲・歌曲
 ・『レ・ミゼラブル』(3/8):作品・主演男優・助演女優・美術・衣裳・メイク・録音・歌曲
 ・『世界にひとつのプレイブック』(1/8):作品・監督・主演男優・主演女優・助演男優・助演女優・脚色・編集
 ・『アルゴ』(3/7):作品・助演男優・脚色・編集・録音・音響編集・作曲
 ・『愛、アムール』(1/5):作品・監督・主演女優・脚本・外国
 ・『ジャンゴ 繋がれざる者』(2/5):作品・助演男優・脚本・撮影・音響編集
 ・『ゼロ・ダーク・サーティ』(1/5):作品・主演女優・脚本・編集・音響編集
 ・『007 スカイフォール』(2/5):撮影・録音・音響編集・作曲・歌曲
 ・『ハッシュパピー~バスタブ島の少女~』(0/4):作品・監督・主演女優・脚色
 ・『アンナ・カレーニナ』(1/4):撮影・美術・衣裳・作曲
 ・『ザ・マスター』(0/3):主演男優・助演男優・助演女優
 ・『ホビット 思いがけない冒険』(0/3):美術・メイク・視覚効果
 ・『フライト』(0/2):主演男優・脚本
 ・『スノーホワイト』(0/2):衣裳・視覚効果
 ・『インポッシブル』(0/1):主演女優
 ・“The Sessions” (0/1):助演女優
 ・『ムーンライズ・キングダム』(0/1):脚本
 ・『白雪姫と鏡の女王』(0/1):衣裳
 ・『ヒッチコック』(0/1):メイク
 ・『アベンジャーズ』(0/1):視覚効果
 ・『プロメテウス』(0/1):視覚効果
 ・“Chasing Ice”(0/1):歌曲
 ・『テッド』(0/1):歌曲

 今回の米国アカデミー賞は、大筋では順当な結果で、監督賞は意外、助演男優賞と音響編集賞はやや意外、美術賞は意外な結果となりましたが、監督賞以外の3部門には強い本命がいたわけでもないので、さほどサプライズ感はありませんでした。

 上にも書きましたが、監督賞は、直前のMCNの予想では、アン・リーが首位だったので、流れはアン・リーに来ていたらしいということがわかります。

 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』は、撮影賞・編集賞・美術賞・視覚効果賞・録音賞・音響編集賞・作曲賞の7部門にノミネートされた4つ目の作品で、これに先立つ作品は―
 『タイタニック』(1997):すべて受賞
 『マスター・アンド・コマンダー』(2003):撮影賞・音響編集賞受賞
 『ヒューゴの不思議な発明』(2011):撮影賞・美術賞・視覚効果賞・録音賞・音響編集賞受賞
 『タイタニック』も『マスター・アンド・コマンダー』も『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』も海上を舞台にした映画であり、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』は今回のアカデミー賞で台風の目となるのではないかと予想されていました。

 前哨戦としては、「米国アカデミー賞を占うもの」としての英国アカデミー賞の重要度が増したようです。ま、英国アカデミー賞の方が米国アカデミー賞に擦り寄ってきた形ですが。

 今回もこれまでのデータやジンクツが検証されたわけですが―

 ・トロント国際映画祭ピープルズ・チョイス賞→米国アカデミー賞の神通力は相変わらず強い(『アルゴ』は次点でしたが)
 ・MCNのオスカー予想第1弾&第2弾が、結局は米国アカデミー賞作品賞を言い当てていた。
 ・MCNによる、オスカー2013最終予想は、全24部門中、なんと19部門も的中した。

 これらは来年以降も大いに参考になりますね。

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 *当ブログ記事

 ・全部門解説! 米国アカデミー賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_30.html

 ・米国アカデミー賞2013ノミネーション データ、トリビア、予想など:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_31.html

 ・MCNによる、オスカー2013の最終予想:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201302/article_42.html

 ・全米映画賞レース2012の結果をまとめてみました(前半戦):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_51.html
 ・全米映画賞レース2012の結果をまとめてみました(後半戦):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_40.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年12月~2013年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_50.html

この記事へのコメント

真紅
2013年02月25日 21:26
こんばんは。ご無沙汰しています。いつも拝見しております。
お元気そうで何よりです^^
ところでベン・アフレックは、『グッド・ウィル・ハンティング』でオリジナル脚本賞を受賞していると思うのですが・・・。
今回で2回目の受賞だと思います。
umikarahajimaru
2013年02月25日 21:48
真紅さま
訂正させていただきます。
コメントありがとうございました。
ぬまつ
2013年02月25日 23:36
助演男優賞であったり脚本賞であったり長編アニメ賞であったり、ゴールデン・グローブ賞と受賞が重なった部門が目立ったのが自分の中では意外でした。
結果を見ると、やっぱりベン・アフレックが監督賞にノミネートされなかったことへの疑問は晴らせませんが、作品賞を受賞できてとりあえず一安心です。
また一年間参考にさせて頂きたいのでこれからも宜しくお願いします。
umikarahajimaru
2013年02月26日 07:17
ぬまつさま
コメントありがとうございました。
正直なところ、今回の映画賞シーズンは自分は大分息切れしていたようにも思います。スケジュールがハードでしたから。
いつまでこんなことができているかわかりませんが、応援をよろしくお願いします。
さひぐー
2013年02月26日 17:01
いつも楽しみに読んでます。同時受賞(タイでの受賞)は史上3回目とされてますが、第22回の短編ドキュメンタリー賞、第59回の長編ドキュメンタリー賞、第67回の短編実写映画賞もそうではないでしょうか。ということは史上6回目?
kyj
2013年02月26日 18:28
タイでの受賞は、男優賞での受賞以後に同数のみに規定されています。
umikarahajimaru
2013年02月26日 19:16
さひぐーさま
恐れ入ります。
チェックが行き届いていませんでした、訂正させていただきます。
umikarahajimaru
2013年02月26日 19:52
kyjさま
コメントありがとうございました。
第5回の時に「3票以内ならタイ受賞とみなす」と宣言され、現在では同数のみをタイ受賞とみなすとなっているようですね。同数のみをタイ受賞とみなすということになったのが、いつなのかははっきりしませんでした。
いろいろ調べてみましたが、ABCニュースがそう伝えているので、確かな情報なのではないでしょうか。
アカデミー賞の公式サイトのどこかにそうした規定が載っているのかもしれないと思って、ざっと見てみたのですが、みつけられませんでした。
 ※ABCニュース:http://abcnews.go.com/blogs/entertainment/2013/02/tie-for-best-sound-editing-oscar-has-it-happened-before/
Shun
2013年02月26日 21:54
Adam and Dog残念でした。受賞作は横浜の劇場で特集上映する予定なので、youtube見ないでいたのに(笑)
一年間お疲れ様です。無礼にもコメントする事は少ないのですが、いつも楽しくチェックさせてもらってます。
umikarahajimaru
2013年02月26日 22:22
Shunさま
コメントありがとうございます。
できれば、映画祭・映画賞情報は、どこかの商業サイトがやってくれれば、私はもっと別なことに力が注げるのにと思ったりもしますけどね。
これからもよろしくお願いします。

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