トロント国際映画祭2012 その7 SP. PRESENTATIONS、WAVELENGTHS

 【GALA PRESENTATIONS部門】

 ・“Song for Marion”(英) 監督:Paul Andrew Williams
 出演:テレンス・スタンプ、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ジェマ・アータートン
 物語:年金受給者で気難し屋のアーサーは、妻のマリオンが、なぜ地元の合唱団でばかげた歌を歌うのに一喜一憂しているのか、理解できない。合唱団の監督のエリザベスは、そんなアーサーに何かを感じて、彼を、家から外の世界へと連れ出そうとする。やがてアーサーも自分の誤りを改めるのに遅すぎることはないと気づく。
 クロージング・ナイト作品。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Emperor”(日・米) 監督:ピーター・ウェーバー
 出演:マシュー・フォックス、トミー・リー・ジョーンズ
 物語:第二次世界大戦での日本の敗戦と米軍の進駐を受けて、ダグラス・マッカーサー付きスタッフの日本の専門家は、今、自分が歴史的に重要な局面に立ち会っていることを悟る。
 トミー・リー・ジョーンズがマッカーサー役を演じる。
 『真珠の耳飾りの少女』『ハンニバル・ライジング』のピーター・ウェーバー監督最新作。
 [ワールド・プレミア]


 ・“What Maisie Knew”(米) 監督:Scott McGehee、David Siegel
 出演:ジョアンナ・ヴァンダーハム(Joanna Vanderham)、Onata Aprile、アレクサンダー・スカルスガルド、ジュリアン・ムーア、スティーヴ・クーガン
 物語:7歳のメイジーは、父親とロックスターの母親との間で親権争いに巻き込まれる。
 ハンリー・ジェームズの『メイジーの知ったこと』の映画化。本作では、混沌とした大人の世界を、原作同様、一貫して、子どもの視点から描く。
 [ワールド・プレミア]


 【SPECIAL PRESENTATIONS】

 ・“Linhas de Wellington(Lines of Wellington)”(ポルトガル・仏) 監督:Valeria Sarmiento
 出演:Nuno Lopes、ソライヤ・シャーヴェス(Soraia Chaves)、ジョン・マルコヴィッチ、マリサ・パレデス、メルヴィル・プポー、マチュー・アマルリック
 物語:19世紀初頭の、スペイン、ポルトガル、イギリスによる連合軍対フランス帝国軍による戦い、いわゆるスペイン独立戦争を描いた作品。
 1810年9月27日、ウェリントン将軍の率いる連合軍は、ブサコ山地で、マーシャル・マッセナ率いるフランス軍を破る。連合軍は、勝利したのにも拘わらず、数において圧倒的な敵から逃れるために、要塞を築いたトーレス・ヴェドラスまで撤退する。戦場からトーレス・ヴェドラスまで撤退する間、連合軍は、フランス軍が物資の供給を行なえなくするように、火を放って、焼け野原にする。さまざまな経路をたどって、人々はトーレス・ヴェドラスに結集し、そこで運命の戦いが始まる。
 ラウル・ルイスの監督で製作される予定だった作品。
 ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 [北米プレミア]


 ・“Do Not Disturb”(仏) 監督:イヴァン・アタル
 出演:フランソワ・クリュゼ、シャルロット・ゲンズブール、イヴァン・アタル、アーシア・アルジェント、レティシア・カスタ
 物語:ジェフが、午前2時にベンの家の玄関先に姿を現わす。ジェフとベンは学生時代からのつきあいだが、彼らが歩んだ道はまるで違ったものだった。ジェフの生き方はワイルドで、アーティスト肌で、次々と恋人を替え、ひとつの場所に落ち着かず、世界を放浪してまわっている。一方、ベンは、郊外の小さくても素敵な家で、チャーミングで落ち着いた女性アンナと暮らし、そろそろ赤ん坊が欲しいなと考えていた。そんな2人が再会し、パーティーにでかけるが、明け方に帰ってきたベンは、これまでの穏やかな生活をひっくり返すような大胆な決断を発表する。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Thérèse Desqueyroux”(仏) 監督:クロード・ミレール
 出演:オドレイ・トトゥ、ジル・ルルーシュ、Anaïs Demoustier、Catherine Arditi、イザベル・サドヤン(Isabelle Sadoyan)、スタンリー・ウェバー(Stanley Weber)、Francis Perrin
 物語:フランスのランド地方では、家と家を結びつけ、土地をまとめるために、政略結婚が行われていた。テレーズ・ラロックは、こうしてデスケルー夫人となるが、前衛的な考えを持つ彼女に、この地方の慣習はわずらわしいだけだった……。
 フランソワ・モーリアックの『テレーズ・デスケルー』の映画化。4月4日に亡くなったクロード・ミレールの遺作。
 カンヌ国際映画祭2012 アウト・オブ・コンペティション部門出品。
 [インターナショナル・プレミア]


 ・“The Suicide Shop(Le Magasin des suicides)”(仏・カナダ・ベルギー) 監督:パトリス・ルコント
 物語:自殺用品専門店には、死にたくなった人が自殺するための道具が何でも売られている。青酸カリやかみそりの刃はもちろん、ロープはすぐに首を吊れるように、あらかじめ輪を作ったものが売られている。そんなお店に赤ん坊が生まれ、陰鬱だった一家に変化が訪れる。
 2006年に発表されたJean Teuléの同名の小説の映画化。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2012にて上映。
 [インターナショナル・プレミア]


 ・“Passion”(仏・独) 監督:ブライアン・デ・パルマ
 出演:レイチェル・マクアダムス、ノオミ・ラパス、ポール・アンダーソン、カロリーネ・ヘルフルト(Karoline Herfurth)
 物語:クリスティンは、生まれ持ったエレガンスさを持ち、お金と力に対する嗅覚に優れ、それらを持った相手に自然に近づいていくことができた。一方、イザベラは、クリスティンの自慢の部下で、愛らしくて、無垢で、騙されやすいが、優れたアイディアをたくさん持っていた。そんな彼女のアイディアをクリスティンが良心の呵責なしに盗んでしまう。しかし、イザベラはすぐにはクリスティンに文句を言うことができない。ところが、イザベラが、クリスティンの愛人のひとりと寝たことから、2人の確執が一気に表面化する。
 ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 [北米プレミア]


 ・“E Stato il Figlio(The Son Did It)”(伊・仏) 監督:ダニエーレ・チプリ(Daniele Cipri)
 出演:トニ・セルヴィッロ、ジゼルダ・ヴォローディ(Giselda Volodi)、Alfredo Castro、Fabrizio Falco
 物語:Ciraulo一家は、パレルモの北部開発地区(Zen)という非常に悲惨な地区に住んでいる。彼らは、およそ似つかわしくない高級な黒のボルボを所有していたが、これは、ギャングの抗争の犠牲になって子供を失った家族に送られる補償金のおかげで手に入れたものだ。ある日、息子のタンクレディがガール・フレンドと一緒にドライブにでかけ、車のドアにキズをつけて帰ってくる。大したキズではなかったが、父親は激怒し、息子に暴力を振るう。ところが、タックレディは、自分自身を守ろうとして、逆に、父親を死なせてしまう……。
 [北米プレミア]


 ・“Love Is All You Need (Den skaldede frisor)”(デンマーク・スウェーデン) 監督:スザンネ・ビア
 出演:ピアース・ブロスナン、トリーネ・ディアホルム(Trine Dyrholm)、Sebastian Jessen、 Molly Blixt Egelind
 物語:全く異なる2つの家族が、結婚式で、イタリアの古い別荘に集まってくる。計画は綿密に練られたはずだったが、何一つうまくいかない。しかし、そうでありながら、最後にはすべて収まるところにちゃんと収まっていく……。
 ベネチア国際映画祭2012 アウト・オブ・コンペティション部門出品。
 [北米プレミア]


 ・“Rhino Season”(イラク・クルディスタン・トルコ) 監督:バフマン・ゴバディ
 出演:Behrouz Vossoughi、モニカ・ベルッチ、Yilmaz Erdoğan
 物語:クルド系イラン人の詩人サヘルは、30年の刑務所暮らしを経て、釈放される。彼の頭にあるのは、妻のミナを捜すことだけで、彼女は夫が死んだと思い込んで、トルコに去ってしまったと聞かされる。サヘルは、イスタンブール中を、妻を捜してまわる。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Arthur Newman”(米) 監督:Dante Ariola
 出演:エミリー・ブラント、コリン・ファース、アン・ヘッシュ
 物語:ウォレスは、かつてアマチュア・ゴルフの選手権で輝かしい成績を残したが、プロに転向してからは、神経の集中ができず、失敗に失敗を重ねて、ランキングを落とし、ツアーからも外れていく。もうこんな負け犬人生は嫌だと考えた彼は、自分を死んだことにして、アーサー・ニューマンという新しい名前を買い、人生を再スタートさせる。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Bad 25”(米) 監督:スパイク・リー
 マイケル・ジャクソンのアルバム『Bad』の25周年記念作品。未公開映像と、マイケルに影響を受けたミュージシャン、ソングライター、技術者、エンジニア、レーベル関係者などへのインタビュー。マライヤ・キャリー、L・A・リード、Badツアーでバック・コーラスを務めたシェリル・クロウらも出演。
 ベネチア国際映画祭2012 アウト・オブ・コンペティション部門出品。
 [北米プレミア]

 ・“Disconnect”(米) 監督:Henry-Alex Rubin
 出演:アレクサンダー・スカルスガルド(Alexander Skarsgård)、ミカエル・ニクヴィスト(Michael Nyqvist)、ジェイソン・ベイトマン、アンドレア・ライズブロー
 物語:この今日の奇妙な世界で、人とのつながりを求める人々の物語。
 ベネチア国際映画祭2012 アウト・オブ・コンペティション部門出品。
 [北米プレミア]

 ・“Greetings from Tim Buckley”(米) 監督:ダン・アルグラント(Dan Algrant)
 出演:イモージェン・プーツ(Imogen Poots)、ペン・バッジリー(Penn Badgley)
 物語:1991年に開かれたティム・バックリィ(1947-1975)のトリビュート・コンサートにいたるまでの、息子ジェフ・バックリィ(1966-1997)の数日の出来事が描かれる。ジェフは、歌手だった父に棄てられ、その後、彼が死ぬまで会うこともなく、父に対しては、渇望と怒りと愛と許しといった複雑な感情が渦巻いていた。ジェフ自身、歌手を目指したが、うまくいかず、夢をあきらめかけていたが、そんな彼が父のトリビュート・コンサートに出演するというのも、運命のいたずらとしか思えなかった。しかし、このコンサートで、彼は、「ティム・バックリィの息子」としてでなく、一歌手として観客に認められ、そのキャリアを大きく前に進めることになる。
 [ワールド・プレミア]


 ・“The Master”(米) 監督:ポール・トーマス・アンダーソン
 出演:エイミー・アダムス、ホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマン、ローラ・ダーン
 物語:1950年代。「マスター」と呼ばれるカリスマ的な男性と彼の片腕となる若き風来坊の作った組織がアメリカで人気を博していく。
 元々はサイエントロジーの創始者L・ロン・ハバートの物語として企画されたが、その後、全く異なる物語になったと伝えられている。
 ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 [北米プレミア]


 ・“The Paperboy”(米) 監督:リー・ダニエルズ
 出演:マシュー・マコノヒー、ザック・エフロン、デイヴィッド・オイェウォ、マイシー・グレイ、ジョン・キューザック、ニコール・キッドマン
 物語:1969年。ヒラリー・ヴァン・ウェッターが、悪辣な保安官サーモンド・コールを殺した罪で死刑判決を受け、死刑執行を待つばかりになっている。コールが以前ウェッターのいとこを手錠をかけたまま蹴り殺したことが、殺人の動機と考えられたが、事件そのものにはいまだに解明されていない謎が多かった。シャーロット・ブレスは、ウェッターと会ったことはなかったが、獄中の彼と文通して、恋に落ち、彼を自由の身にできたら、彼と結婚したいとまで考えていた。彼女は、マイアミ・タイムズの記者2人に事件の調査を仰ぐ。記者2人のモチベーションは違った。ヤードリー・エイクマンが野心から事件に興味を持ったのに対し、新聞社の跡継ぎであるワード・ジャンセンは、素朴な理想主義から関わったに過ぎなかった。しかし、調べていくうちに、これが冤罪であり、それを証明して、ウェッターを自由の身にすることができたら、一流ジャーナリストの証として、ピュリッツァー賞をものにすることができるのではないかという下心が見え隠れするようになる。そのうち、調査の細部はスルーされ、事実は捻じ曲げられ、矛盾点は無視され、ジャーナリスト特有の取引が持ち出される……。
 ピート・デクスターの同名小説の映画化。
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 [北米プレミア]


 ・“Spring Breakers”(米) 監督:ハーモニー・コリン
 出演:ジェームズ・フランコ、セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)、ヴァネッサ・ハジェンズ(Vanessa Hudgens)、アシュレイ・ベンソン(Ashley Benson)、ヘザー・モリス(Heather Morris)
 物語:4人の女子大生が春休みの資金を稼ごうとしてレストラン強盗を行なうが、つかまって、刑務所に入れられる。彼女たちを救い出したのは、ドラッグや武器を扱っている闇のディーラーで、彼は、彼女たちを「汚れた仕事」で働かせようとする。
 ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 [北米プレミア]


 ・“Yellow”(米) 監督:ニック・カサヴェテス
 出演:シエナ・ミラー、ジーナ・ローランズ、レイ・リオッタ、デイヴィッド・モース、ルーシー・パンチ、マックス・シエリオット(Max Theoriot)、ライリー・キーオ(Riley Keough)、デイヴィ・チェイス(Daveigh Chase)、ヘザー・ウォールクィスト(Heather Wahlquist)、メラニー・グリフィス
 物語:メアリー・ホームズは、ドラッグ中毒で、そのほかにもたくさんの問題を抱えている。1日にヴィコディンを12錠飲んでも何の助けにもならない。彼女の幻覚世界には、様々な人が登場する。バズビー・バークレーのダンサーたち、シルク・ド・ソレイユ、サーカスのフリークスたち……。まるで人間動物園の様相を呈しているが、そこでは見た目のままのものなど何もないのだ。
 [ワールド・プレミア]


 ・“On The Road”(米・仏・英) 監督:ウォルター・サレス
 出演:ギャレット・ヘドランド、サム・ライリー、クリステン・スチュワート、エイミー・アダムス、トム・スターリッジ、エリザベス・モス、キルステン・ダンスト、ヴィゴ・モーテンセン
 物語:作家志望のニューヨーカー、サル・パラダイスは、父の死の翌日、元囚人で廃退的な魅力を持つ若者、ディーン・モリアーティと出会う。2人は、すぐに意気投合し、狭苦しい人生に縛られたくないと、それまでの生活やしがらみをすべて捨て、ディーンの妻で奔放で魅力的なメリルーとともに旅に出る。自由に飢えた3人の若者は、世界、他人、そして自らとの出会いを求めてアメリカ中を旅していく。
 ジャック・ケルアックの『路上』(『オン・ザ・ロード』)の映画化。
 [北米プレミア]


 ・“Elefante Blanco (White Elephant)”(アルゼンチン・西) 監督:パブロ・トラペロ
 出演:Ricardo Darin、ジェレミー・レニエ、マルティナ・グスマン
 物語:フリアンとニコラスは聖職者で、ブエノスアイレスのスラム街Villa Virginで人々のために休みなく働いている。フリアンは、政治的なコネクションを使って、病院建設の道を切り開く。一方、ニコラスは、ジャングルで進めていたプロジェクトが民兵組織による虐殺で頓挫し、フリアンのプロジェクトを手伝うことになる。深く傷ついた彼は、無神論者の若きソーシャル・ワーカー、ルシアナに惹かれていく。ニコラスの信仰心が弱まるにつれ、スラム内での麻薬カルテル間の緊張が高まり、暴力沙汰がふえていく。閣僚の命令により病院の建設計画が停止に追い込まれた時、スラムの緊張はピークに達する……。
 カンヌ国際映画祭2012 ある視点部門出品。
 [北米プレミア]


 【WAVELENGTHS】

 「大胆なヴィジョンとオリジナリティーを持ち、われわれの映画に対する概念を広げてくれるような作品」を紹介するプログラム。昨年まであったVISIONS部門を統合して、新しいWAVELENGHTHS部門として生まれ変わっています。
 これまでのWAVELENGHTHS部門は、主に実験映画的な短編を紹介するプログラムでしたが、題材、スタイル、方法論などさまざまな観点でから見て、実験的、意欲的なことに挑んでいる(と思われる)長編作品をも併せてこの部門で紹介していくことにしたようです。

 [長編作品]

 ・“The Last Time I Saw Macao (A Última Vez Que Vi Macau)”(ポルトガル・仏) 監督:João Pedro Rodrigues、João Rul Guerra da Mata
 物語:私は、30年ぶりに子ども時代を過ごしたマカオを訪れた。というのも、ずっと音信のなかった友人キャンディーから、悪い男たちにからまれて困っている、助けに来てくれというメールをもらったからだ。そこでは奇妙で恐ろしいできごとが次々に起こった。闘いに疲れた私はマカオの水中翼船に乗った。それは、私を、人生で最も幸せだった時間に運んでいってくれた。
 [北米プレミア]

 ・“Tabu”(ポルトガル・独・仏・ブラジル) 監督:ミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)
 出演:テレサ・マドゥルガ、Laura Soveral、Ana Moreira、Carloto Cotta
 物語:ピラーは、カポベルデ人で、年輩のポルトガル人女性オーロラの隣に住んで、彼女の家政婦をしていた。オーロラは、なけなしの蓄えをエストリルのカジノですることで余生を過ごしていて、ピラーに感謝の言葉1つかけることもなかったが、ピラーにとってはよいことをすることが人生の目的なのだった。老女が死んだ時、ピラーは、昔の恋人の足跡をたどることにする。
 日本ではポルトガル映画祭2010で『私たちの好きな八月』(2008)が上映されています。本作は、『私たちの好きな八月』に続く第3監督長編。
 ベルリン国際映画祭2012コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞、アルフレッド・バウアー賞受賞。
 パリ映画祭2012審査員のハートを射止めたで賞(Coup de coeur du jury)受賞。
 [北米プレミア]


 ・“differently, Molussia (autrement, la Molussie)”(仏) 監督: Nicolas Rey
 物語:ユダヤ人哲学者・ジャーナリストGünthers Andersの反ファシスト小説“The Molussian Catacomb”の映画化。アンダースが生み出した暗黒郷を代表するような国Molussian(架空の全体主義国家)についてのドキュメンタリーという体裁で制作された作品。9本ある8ミリフィルムは上映ごとにランダムな順番で上映される。
 [カナダ・プレミア]

 ・“Leviathan”(仏・英・米 監督:Lucien Castaing-Taylor、Véréna Paravel
 美しさと残酷さ。生と死。旧石器時代から行なわれてきた人類の最も古い仕事の1つ、漁業と漁師に焦点に当てたドキュメンタリー。ロケーションを行なわれたのは、『白鯨』の舞台ともなったマサチューセッツ州のニューベッドフォード。11台のカメラによって、自然と人間と機械が渾然一体となって行なわれる産業としての現代漁業がとらえられていく。
 羊飼いを題材にしたドキュメンタリー“Sweetgrass”(2009)で高い評価を受けたLucien Castaing-Taylorの最新作。
 [北米プレミア]

 ・“La Cinquieme Saison(The Fifth Season)”(ベルギー・オランダ・仏) 監督:Peter Brosens、Jessica Woodworth
 出演:Aurélia Poirier、Django Schrevens、Sam Louwyck、Gill Vancompernolle
 物語:アルデンヌの奥深い村に謎の気象異常が起こる。自然のサイクルが破綻し、いっこうに春が訪れようとしないのだ。アリスとトマスとオクターヴの3人は、今何が起ころうとしているのか、必死に理解しようとする。
 ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 [北米プレミア]

 ・“Perret in France and Algeria”(独) 監督:Heinz Emigholz
 パリのシャンゼリゼ劇場など具体的な作品を示しながら、「コンクリートの父」とも呼ばれたフランスの建築家オーギュスト・ペレ(Auguste Perret/1874-1954)の魅力に迫る。
 [北米プレミア]

 ・“Three Sisters (San Zi Mei)”(仏・香港・中) 監督:ワン・ビン
 物語:3人姉妹が雲南の山中の小さな村で暮らしている。親の姿は見えない。彼らは、日々、野に出ているか、村を歩き回って過ごしている。叔母は、彼らに食べ物をあげたくとも、それはかなわない。父親が帰ってきて、姉妹を都会に連れて行こうとする。しかし、祖父の意見で、長女だけ残していくことになる。
 ベネチア国際映画祭2012 Orizzonti部門出品。
 [北米プレミア]

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 ・“When Night Falls (Wo hai you hua yao shuo)”(韓・中) 監督:Ying Liang
 物語:2008年、若い青年が上海の警察官6人を殺害するという事件が起こる。本作では、犯人の母親に焦点を当て、息子がなぜそんなことをするに至ったか理解しようとし、また、法律で定められた以上の迫害を国から受ける彼女の姿をとらえる。
 これまで短編作品でロッテルダム国際映画祭タイガーアワードなどを受賞して、高い注目を浴びてきたYing Liang監督の最新作。
 ロカルノ国際映画祭2012 監督賞(銀豹賞)&女優賞(銀豹賞)受賞。
 [北米プレミア]

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 ・“Far From Afghanistan”(米) 監督:John Gianvito、Jon Jost、Minda Martin、Soon-Mi Yoo、Travis Wilkerson
 映画『ベトナムから遠く離れて』にオマージュを捧げる形で、アメリカの対アフガニスタン戦を題材にして作られた5人の監督によるオムニバス映画。
 [北米プレミア]

 ・“Post Tenebras Lux”(メキシコ・仏・オランダ) 監督:カルロス・レイガダス
 出演:Adolfo Jimenez Castro、Nathalia Acevedo、Willebaldo Torres、Rut Reygadas、Eleazar Reygadas
 物語:フアンは、家族と一緒に、メキシコシティーから辺境へと引っ越す。都会から隔絶された世界は楽しくもあり、厳しくもある。都会と辺境。これら2つの世界がそれぞれを補完しかう関係にあるのか、それとも、一方が他方を排除することになるのかは、誰にもわからない。
 原題の“Post Tenebras Lux”は、ラテン語ウルガタ訳聖書のヨブ記17:12にあるフレーズで、“Light After Darkness”(闇の後に光)の意。カルビン派のモットーとされる。
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。監督賞受賞。
 [北米プレミア]


 ・“The Lebanese Rocket Society”(カタール) 監督:Joana Hadjithomas、Khalil Joreige
 1960年から66年にかけてレバノンでは宇宙プロジェクトが進められ、いくつかのロケットが打ち上げられた。このプロジェクトに関わった科学者、大学の学生、軍の専門家のグループは、「The Lebanese Rocket Society」と呼ばれた。
 [ワールド・プレミア]

 [中編作品](Pairing/他の作品と組み合わせて上映される作品)

 ・“Birds (Ὄρνιθες)”(ポルトガル/17’) 監督:Gabriel Abrantes
 アリストファネスの『鳥』を現代のハイチを舞台に置き換えて制作した短編。

 ・“Big in Vietnam”(仏/27’) 監督:Mati Diop
 『危険な関係』の翻案。
 ロッテルダム国際映画祭2012 短編部門タイガーアワード受賞。

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 ・“The Capsule”(ギリシャ/37’) 監督:Athina Rachel Tsangari, Greece,
 物語:ゴージャスなゴシックの女神たちが、ギリシャの島ヒドラの女校長の注目を集めるために争う。

 ・“Mekong Hotel”(タイ/57’) 監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
 物語:メコン川の近くにあるホテル。そこでは、アピチャッポン・ウィーラセタクンが脚本を書いた“Ecstasy Garden”という作品のリハーサルが行なわれている。フィクションと現実のはざまの中で、強欲な母親と娘の物語が繰り広げられ、撮影中に起こったタイの大洪水までが作品の中に織り込まれる。
 カンヌ国際映画祭2012 特別招待作品。

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 ・“Walker”(中・香港/26’) 監督:ツァイ・ミンリャン
 服喪。精神的な探求。スピードを落としてみること。赤い僧衣を着たリー・カンシャンが騒々しい香港のストリートを歩く。
 “sleepwalking”、“Diamond Sutra”とあわせて連作を構成する1本。

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 ・“Viola”(アルゼンチン/65’) 監督:Matías Piñeiro
 たくさんの登場人物が交錯し、戯れ、策謀し、やがて事実が明らかになっていく。シェイクスピアの『十二夜』の魅力に迫る一遍。

 [短編作品]

 短編作品を4つのプログラムで上映。

 Wavelengths 1: Under a Pacific Sun
 ・“Pacific Sun”(米) 監督:Thomas Demand
 ・“21 Chitrakoot”(インド) 監督:Shambhavi Kaul
 ・“Many a Swan”(カナダ) 監督:Blake Williams
 ・“Concrete Parlay”(米) 監督:Fern Silva
 ・“Departure”(米) 監督:Ernie Gehr
 ・“Auto-Collider XV”(米) 監督:Ernie Gehr

 Wavelengths 2: Documenta
 ・“Handmade 35mm Glass Slides”( ) 監督: Luther Price
 ・“Phantoms of a Libertine”(英) 監督:
 ・“A Minimal Difference”(カナダ) 監督:Jean-Paul Kelly
 ・“Shoot Don't Shoot”(米) 監督:William E. Jones
 ・“Sorry Horns”(米) 監督:Luther Price
 ・“Orpheus (Outtakes)”(米) 監督:Mary Helena Clark
 ・“Pipe Dreams”(レバノン・仏) 監督:Ali Cherri

 Wavelengths 3: I am micro
 ・“I am micro”(インド) 監督:Shumona Goel、Shai Heredia
 ・“Class Picture”(フィリピン) 監督:Tito & Tito
 ・“Francesca Woodman: Selected Video Works”(米) 監督:Francesca Woodman
 ・“Me too, too, me too(Ich auch, auch, ich auch)”(オーストリア) 監督:Friedl vom Gröller
 ・“Waiting Room”(米・カナダ) 監督:Vincent Grenier
 ・“Transit of Venus I”(英) 監督:Nicky Hamlyn
 ・“Transit of Venus II”(米) 監督:Nicky Hamlyn

 Wavelengths 4: From the Inside Out

 ・“Black TV”( ) 監督:Aldo Tambellini
 ・“Burning Star”(米) 監督:Josh Solondz
 ・“When Bodies Touch”(伊・仏) 監督:Quando I Corpi Si Toccano
Paolo Gioli
 ・“Ritournelle”(独) 監督:Christopher Becks、Peter Miller
 ・“Watch the Closing Doors”(米) 監督:Jim Jennings
 ・“View from the Acropolis”(オランダ) 監督:Lonnie van Brummelen、Siebren de Haan
 ・“The mutability of all things and the possibility of changing some(De la mutabilité de toute chose et de la possibilité d'en changer certaines)”(仏・伊) 監督:Anna Marziano
 ・“Reconnaissance”(米) 監督:Johann Lurf

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 第37回トロント国際映画祭
 ・ラインナップ その1 GALA、SPECIAL PRSENTATIONS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_17.html
 ・ラインナップ その2 SPECIAL PRESENTAIONS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_18.html
 ・ラインナップ その3 CITY TO CITY、DOCS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_4.html
 ・ラインナップ その4 MIDNIGHT MADNESS、KIDS、VANGURD、CINEMATHEQUE :http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_5.html
 ・ラインナップ その5 カナダ作品 :http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_8.html
 ・ラインナップ その6 CONTEMPORARY WORLD CINEMA :http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_1.html
 ・ラインナップ その8 MASTERS、DISCOVERY :http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_3.html
 ・ラインナップ 補遺 :http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_6.html
 ・全上映作品 リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_7.html

 追記:
 ・トロント国際映画祭2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_23.html

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