トロント国際映画祭2012 ラインナップ その6 CONTEMPORARY WORLD CINEMA

 【CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門】

 全62作品。

 ・“Peripeteia”(英・オランダ) 監督:John Akomfrah
 物語:もしアルブレヒト・デュラーが描いたような16世紀のヨーロッパに黒人の男女が生活していたら……。
 [ワールド・プレミア]

 ・“Jump”(アイルランド・英) 監督:Kieron J. Walsh
 物語:事故、陰謀、結ばれない愛。大晦日の夜に4人の20代の人生が交錯する。現代版『逢びき』。
 [インターナショナル・プレミア]


 ・“What Richard Did”(アイルランド) 監督:Lenny Abrahamson
 物語:無意識にやってしまった暴力的な行為がショッキングな悲劇を巻き起こしてしまい、高校のラグビーのスター選手の運命が永遠に変わってしまう。
 [ワールド・プレミア]

 ・“Fin (The End)”(西) 監督:Jorge Torregrossa
 物語:旧友たちが山小屋に集まる。年月が経ったが、お互い変わりはないように見える。しかし、彼らには過去に後ろ暗いエピソードがあって、それが彼らを脅かしている。やがて思いもかけぬ事故が起こり、彼らは外の世界から遮断され、グループも崩壊していく。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Ghost Graduation(Promoción fantasma)”(西) 監督:Javier Ruiz Caldera
 物語:モデストは、学校の教師だが、幽霊が見え、話もできるということで、これまでいくつもの学校をクビになり、精神科にかかることで経済的負担も強いられていた。ところが、モンフォルテの学校に移ったことで運命が変わる。そこでは、5人の不良生徒の亡霊が学校をホラーハウスに変えていた。モデストは、5人のカウンセリングに乗り出すが、そのことで問題は解決しない。なんとかして彼らに「卒業」してもらわなければならないのだ。
 ウィル・スミス プロデュースによってリメイクが決定している。
 [インターナショナル・プレミア]


 ・“Trois Mondes(Three Worlds)”(仏) 監督:カトリーヌ・コルシニ(Catherine Corsini)
 出演:ラファエル・ペルソナーズ(Raphaël Personnaz)、クロティルド・エスム(Clotilde Hesme)、アルタ・ドブロシ(Arta Dobroshi)
 物語:アルは、育ちこそ貧しかったが、雇い主の娘との結婚が決まり、義父の後を継いで自動車販売代理店の次期社長になることが決まっていた。ある夜、独身最後のパーティーからの帰り道、彼は見知らぬ男と接触し転倒させてしまう。彼は、友人2人に促されたこともあって、そのままにしてその場所を立ち去るが、相手のことが気になってならず、翌日、彼は相手を探そうと決める。一方、すべてをバルコニーから目撃していた若い娘ジュリエットは、ケガした男性を助け、不法滞在中のモルドバ人妻ヴェラの力になろうとする。ジュリエットは、病院で、アルを見かけるが、彼女には彼を加害者として告発することはできないのだった。
 カンヌ国際映画祭2012 ある視点部門出品。
 [北米プレミア]


 ・“Comrade Kim Goes Flying”(ベルギー・北朝鮮・英) 監督:Anja Daelemans、Nicholas Bonner、Gwang Hun Kim
 物語:同志キム・ヨンミは北朝鮮の炭鉱労働者だ。彼には空中ブランコをやりたいという夢があったが、横柄な空中ブランコのスター、パク・チョンフィルが現れて彼の夢は打ち砕かれる。パク・チョンフィルは、炭鉱労働者なら地中にいればいい、空中に出ることなんて夢見るんじゃないと言い放ったのだ。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Kinshasa Kids”(ベルギー・仏) 監督:Marc-Henri Wajnberg
 物語:コンゴのキンシャサには、家族から「魔術師」と非難されて、路上生活をしている子供たちが3万人いる。ジョゼと彼の友だちもそうした子供たちの1人で、彼らは悪運を遠ざけるためにバンドを組み、クレイジーな興行主ベブソンとともに、音楽活動を始める。
 ベネチア国際映画祭2012 ベネチア・デイズ部門出品。
 [北米プレミア]

 ・“Three Kids”(ベルギー) 監督:Jonas d’Adesky
 物語:VitalemeとPierreとMikensonは、いずれもハイチのポルトープランスに住む12歳の少年たちで、親友どうしだ。Vitalemeは、子供の奴隷として使われたことがあり、自由への思いは強い。そしてハイチを大地震が襲う。彼らは通りに放り出されて途方に暮れるが、なんとかしてこの危機を乗り越えていかなければならない。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Jackie”(オランダ) 監督:Antoinette Beumer
 物語:ソフィーとダンは双子で、33歳。2人の父親に育てられたが、ある日、これまで知らなかった、アメリカに住んでいる実の母親(ホリー・ハンター)という女性ジャッキーから電話をもらう。彼女たちは病み上がりだというジャッキーに会いにでかけていく。彼女たちは、真実だと信じていたことを修正せざるを得なくなり、人生の転機を迎える。
 [インターナショナル・プレミア]


 ・“Barbara”(独) 監督:クリスティアン・ペツォルト(Christian Petzold)
 出演:ニーナ・ホス、ロナルト・ツェアフェルト、ライナー・ボック、Christiana Hecke
 物語:1980年夏の東ドイツ。バーバラは、小児科医で、西側に移住の申請をしていたが、彼女に下されたのは、首都から小村への左遷だった。彼女には西側に恋人であるイェルクがいて、彼の手引きで黒海から逃走する計画を立てた。新しい任地は彼女には何の魅力もなかった。彼女は、幼い患者たちには誠意を尽くしたが、同僚には距離を置いた。しかし。彼女の新しい上司アンドレが彼女を混乱させる。彼は、彼女の才能に全幅の信頼を置いてすべてを任せ、笑みさえ見せてくれるのだ。彼女が若い逃亡者を助けた時、アンドレは彼女をかばう。アンドレは、バーバラを監視しているのか。それとも彼女のことを愛しているのか。彼女の決心が揺らぐ。計画を実行するはずの日はどんどん近づいてくる……。
 ベルリン国際映画祭2012 コンペティション部門出品。銀熊賞(監督賞)、ベルリナー・モルゲンポスト読者賞受賞
 ドイツ映画賞2012 作品賞銀賞受賞。
 [北米プレミア]


 ・“Shores of Hope”(独) 監督:Toke Constantin Hebbeln
 物語:1980年代の東ドイツ。親友の港湾労働者がいて、この抑圧的な国から逃げ出したいと考えていた。ある日、2人は、州警察から組合のリーダーと仲間の名前を教えたら、安全に国外に出られるようにしてやるという提案を示され、忠誠心を試されることになる。
 [インターナショナル・プレミア]


 ・“Museum Hours”(オーストリア・米) 監督:Jem Cohen
 物語:ウィーン美術史美術館のガードマンが、手術のためにオーストリアにやってきた外国人と友だちになる。美術館は、彼らの人生と、街と、世界を反映し、世界を形作る芸術というもののあり方に対し、奇妙な岐路に立たされる。
 [北米プレミア]


 ・“Paradise : Love(Paradies : Liebe)”(独・仏・オーストリア) 監督:ウルリッヒ・ザイドル
 出演:Margarethe Tiesel、Peter Kazungu、Inge Maux
 物語:ケニアのビーチに「シュガーママス」と呼ばれているヨーロッパ出身の女性たちがいる。彼らは、少々のお金と引き換えに、若いアフリカ人男性のささやかな愛が得られるならとヨーロッパからケニアにきて、ここで楽園を築いたのだ。そして、この楽園に、50歳代のオーストリア人旅行客テレサがやってくる。
 この作品は、三人の女性、三つのバカンス、三つの幸せへの憧憬物語を描く三部作の第一部なのだそうです。
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 [北米プレミア]


 ・“Csak a szél (Just the Wind)”(ハンガリー・独・仏) 監督:Bence Fliegauf
 出演:Lajos Sárkány、Katalin Toldi、Gyöngyi Lendvai、György Toldi
 物語:ハンガリーの村でロマ人一家が殺される。犯人は逃げて、もう誰の仕業かはわからない。近くにもう1つのロマ人一家が暮らしているが、彼らにとっては、注意深く抑えてきた恐怖が現実のものになっただけだった。家長は遠くカナダにいて、彼は、ニュースを聞いて、妻や子供たちや父を自分のもとへできるだけ早く集めようとする。人種差別主義者たちのテロに怯えながら暮らし、沈黙を決め込んだ多数派に囲まれて、感情を露わにすることもなく、彼らは、じっと襲撃されるまで、日々が過ぎていくのを耐える。夜の帳が落ち、彼らはいつもよりもベッドを引き寄せて眠る。恐怖から逃げ出したいという願いは叶えられそうにない。
 ハンガリーで実際に起こった一連の殺人事件を元に映画化。
 Bence Fliegauf監督は、数多くの短編やドキュメンタリーを発表していて、既に10年以上のキャリアを持つ。
 ベルリン国際映画祭2012 コンペティション部門出品。銀熊賞(審査員グランプリ)、平和映画賞、アムネスティ・インターナショナル賞受賞。
 パリ映画祭2012 審査員グランプリ受賞。
 [北米プレミア]


 ・“Baby Blues”(ポーランド) 監督:Kasia Rosłaniec
 物語:ナタリアは、17歳で、母親と息子とともに暮らしている。この年で子どもを生んだのはそうすることがクールだし、だれかを愛したいし、愛されたいと思ったからだ。しかし、母親が家を出て行くと宣言して、すべてが変わる。それはナタリアが「普通の生活」を送るためのチャンスかもしれない。
 [ワールド・プレミア]

 ・“The Holy Quaternity”(チェコ) 監督:ヤン・フジュベイク
 物語:マリーとヴィテク、ディータとオンドラは、見かけは普通に見える2組の中年夫婦だ。彼らは、小さな町にある、シェア・ハウスで共同で暮らしている。ヴィテクとオンドラは、職場仲間でもあり、同じ年の子どもがいて、どちらも自分の妻を深く愛している。しかし、それとは裏腹に、どちらも相手の妻へ恋心を抱いていた。思わぬ財産が転がり込んできて、4人はカリブのほとんど人が住んでいない島に行くことになるが、そこで彼らはこれまで抑えつけてきた感情を解放することになる。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Djeca (Children of Sarajevo)”(ボスニア ヘルツェゴビナ・独・仏・トルコ) 監督:Aida Begic
 物語:ラヒマは24歳、弟のネディムは14歳。2人は、ボスニア戦争の孤児で、いまはサラエボに住んでいる。サラエボでは、モラルが失われていて、戦争孤児の面倒を見る余裕など全くなかった。犯罪に走りがちな数年を経て、ラヒマはイスラムの教えに慰めを見出し、弟にもそれを求める。ネディムが有力者の息子とケンカして、高価な携帯電話を壊すという事件があり、それ以降、2人の生活はさらに厳しくなる。ひき続いて起こった出来事から、ラヒマは、弟が二重生活を送っていることを知る。
 カンヌ国際映画祭2012 ある視点部門出品。審査員スペシャル・メンション受賞。
 [北米プレミア]


 ・“God Loves Caviar”(ギリシャ・ロシア) 監督:Iannis Smaragdis
 物語:18世紀のギリシャで、貧しい出自ながら、その後、ヨーロッパ最大の商業帝国を築き上げたIoannis Varvakisの物語。
 [ワールド・プレミア]

 ・“A Hijacking (Kapringen)”(デンマーク) 監督:トビアス・リンホルム(Tobias Lindholm)
 物語:インド洋で、貨物船MV Rosen号が海賊に乗っ取られる。船員は人質にされ、海賊は船舶会社に身代金数百万ドルを要求する。そこから、海賊と船舶会社の経営者との生と死を賭けた心理戦が始まる。
 ベネチア国際映画祭2012 Orizzonti部門出品。
 [北米プレミア]


 ・“Road North”(フィンランド) 監督:ミカ・カウリスマキ
 物語:ティモは有名なコンサート・ピアニストだが、その私生活はあまり知られていなかった。ある日、みすぼらしい姿の老人が彼の家のドアをたたく。それは、彼が3歳の時に別れてから一度も連絡を取っていない実の父親レオだった。レオは、ペテン師で、一連の汚いもめごとのせいで、国を追われたが、息子にかなり大きな財産を渡すために戻ってきたという。過去にまつわるいくつかの質問をした後、2人で北に向う旅をすることになる。
 [インターナショナル・プレミア]


 ・“All That Matters is Past”(ノルウェー) 監督:Sara Johnsen
 物語:40代の兄弟が森の中で死んでいるのが発見される。その近くには女性が倒れているが、彼女も弱っている。兄弟の一方は、ウィリアムで、女性の方はジェーン。彼らは、子ども時代に恋人どうしで、何年か離れてしたが、再会し、相手に対する昔の思いを甦らせる。ジェーンは、ウィリアムと森の中の小屋で暮らすために、家を出る。しかし、彼らには、過去に暗い秘密があり、嫉妬深いウィリアムとの間にも問題を抱えていた。
 [ワールド・プレミア]

 ・“In The Fog(V tumane)”(ロシア・独・オランダ・ベラルーシ・ラトヴィア) 監督:セルゲイ・ロズニタ(Sergei Loznitsa)
 出演:Vladimir Svirski、Vlad Abashin、Sergeï Kolesov、Vlad Ivanov、Julia Peresild、Nikita Peretomovs、Nadezhda Markina
 物語:1942年のソ連。西側最前線は、ドイツの占領下にあり、地元のパルチザンは、激しいレジスタンス活動を行なっていた。村からそう遠くない地点で列車が脱線させられる。Souchéniaは、罪のない鉄道員だったが、パルチザンとともに、ドイツ軍に逮捕される。しかし、ドイツ人将校は、彼を処刑せず、釈放するという判断を下す。パルチザンたちの間にSushenyaが裏切ったという噂が広がり、彼を始末せよという檄が飛ぶ。Souchénia は、森の中で待ち伏せされ、傷ついた敵と1対1で対峙することになる。深い太古の森の中では、敵も見方もなく、裏切りもヒロイズムもない。非道徳的な状況下で、彼は、道徳的な選択を下そうとするが……。
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞受賞。
 [北米プレミア]


 ・“Eagles”(イスラエル) 監督:Dror Sabo
 もう社会には自分たちの居場所がないと考えた2人の年輩の元兵士が、テルアビブのストリートで素行の悪い者を取り締まる自警団の運動を始めることにする。
 [ワールド・プレミア]

 ・“When I Saw You”(パレスチナ・ヨルダン・ギリシャ) 監督:Annemarie Jacir
 物語:1967年のヨルダン。西岸の村が占領されて、11歳の少年とその母親が難民キャンプに逃れてくる。彼らは、自分たちの夢として、現状からの解放を掲げる。
 [ワールド・プレミア]

 ・“Watchtower”(トルコ・独・仏) 監督:Pelin Esmer
 物語:男は、家族の死に対する罪の意識から、人里離れた荒野に立つ塔の火災監視員になる。彼の目は、暗く恐ろしい秘密を持った若い女性に注がれる。
 [ワールド・プレミア]


 ・“The Patience Stone”(アフガニスタン・仏) 監督:Atiq Rahimi
 物語:激しい戦禍を蒙った国。老朽化した部屋で、ひとりの女性が夫を見守っている。夫は首に被弾して、植物人間になってしまったのだ。彼女は、もの言わぬ夫に向って、子ども時代のことや自分のフラストレーション、孤独、願いについて語り始める。
 [ワールド・プレミア]


 ・“The Tortoise, An Incarnation”(インド) 監督:Girish Kasaravalli
 物語:下層階級の出身者が、有名なTVシリーズでカンジーの生涯を演じることになる。彼は、自分と伝説的な指導者の間に通じ合うものを感じ、互いの欠点を正そうとする。
 [インターナショナル・プレミア]

 ・“Him, Here, After”(スリランカ) 監督:Asoka Handagama
 物語:スリランカの内戦で敗北した、元タミールの反逆者が、帰ってきて、敵意と疑惑と激しい非難にさらされる。
 [北米プレミア]

 ・“In the Name of Love”(ベトナム) 監督:Luu Huynh
 物語:ベトナムの小さな漁村。献身的な妻がいて、夫婦ともに子どもを望んでいたが、夫にはその能力がないことがわかる。彼女は、子どもを得るためだけに別の男性に接近するが、その男性の嫉妬に苦しめられることになる。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Bwakaw”(フィリピン) 監督:Jun Robles Lana
 物語:年老いて、隠居生活をしている男性がいる。彼は、晩年になって自分のホモセクシュアリティーと折り合いをつけることにし、独りで余生を過ごすことに決める。彼の家族は、彼に忠実な犬だけだ。しかし、ある日、人生最後の幸福な出会いをする。
 [インターナショナル・プレミア]

 ・“Thy Womb (Sinapupunan)”(フィリピン) 監督:ブリランテ・メンドーサ
 出演:Nora Aunor、ベンボル・ロッコ(Bembol Rocco)
 物語:主人公は、バジャオの助産婦で、彼女は、満足に生活できないTawi-Tawiのジプシー・コミュニティーの中で、自らの劣等感を皮肉たっぷりに交えつつ、日々の仕事をしている。そうして、邪悪な情熱と島国の伝統の間で、島の物語は積み重ねられていく。
 ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 [北米プレミア]


 ・“The Cremator”(中) 監督:Peng Tao
 物語:孤独な火葬作業員カオは、肺がんにかかっていることを宣告されて、独りで死にたくないと考える。死んだ女性でもいいから結婚したいと考えているところに、行方不明になった姉を捜して、若い娘が火葬場にやってくる。
 [ワールド・プレミア]

 ・“Fly With The Crane (Gaosu tame, wo cheng baihe qu le)”(中) 監督:Li Ruijun
 物語:ラオ・マとラオ・カオは、73歳で、棺おけ作りを手がける大工だったが、今はもう以前ほど体が動かなくなって、引退していた。ラオ・カオは、もし自分が死んだら、ラオ・マに棺おけを作ってくれるように頼む。中秋の季節に、ラオ・マの娘が訪ねてきて、一緒に休日を過ごそうと誘い出す。彼が、村に戻ってきた時、ラオ・カオの姿がないことに気づく。ある者がこっそりラオ・カオは死んだのだと告げる。それ以来、ラオ・マは、湖のほとりに行って、白鶴を待つようになる。村人に笑いものにされても気にしない。孫がラオ・マにどうしてそんなことをするのかと聞く。ラオ・マは言う。「一所懸命子供たちを育てたが、見返りは何もなかった。今は、白鶴がやってきて、天国に連れて行ってくれるのを待つだけだ」と。孫は、祖父の願いをかなえてあげようとする。
 ベネチア国際映画祭2012 Orizzonti部門出品。
 [北米プレミア]

 ・“A Werewolf Boy”(韓) 監督:Jo Sung-hee
 物語:年輩の女性が思いもかけない電話をもらって、彼女が若い頃に過ごしたコテージへと向う。そのコテージは、静かな村にあり、彼女は、そこで出会った狼少年のことを思い出す。彼女は、隠れていた彼を見つけ、服を着ることや読み書き、人間らしい振舞いを教えた。しかし、彼は、脅かされると、野性の本能を呼び覚まし、村人を怖がらせた。彼女は、彼女のそばにいることで危険にさらされる少年を守るために、「きっと帰ってくるから私を待っていて」と言い残して、彼の元を去ったのだ……。
 [ワールド・プレミア]


 ・“Juvenile Offender”(韓) 監督:Yikwan Kang
 物語:ジグは、15歳で犯罪を犯してつかまったが、執行猶予で、今は祖父と一緒に暮らしている。その祖父が死んだ時、死んだと思っていた実の母親が現われる。失われた時間を埋め合わせるべく、2人の新たな生活が始まる。
 [ワールド・プレミア]

 ・“The Thieves”(韓) 監督:チェ・ドンフン(Choi Dong-hoon)
 物語:弾丸が飛び交い、とげのある会話がやりとりされ、クラシックのBGMが流れる。韓国人の天才犯罪者が手下とともにマカオを訪れ、昔のパートナーの仲間に加わって2000万ドルの宝石強盗を行なう。
 [北米プレミア]


 ・『ふがいない僕は空を見た』“The Cowards Who Looked to the Sky”(日) 監督:タナダユキ
 [ワールド・プレミア]

 ・『鍵泥棒のメソッド』“Key of Life”(日) 監督:内田けんじ
 [北米プレミア]

 ・『希望の国』“The Land of Hope”(日) 監督:園子温
 [ワールド・プレミア]

 ・『贖罪』“Penance”(日) 監督:黒沢清
 [北米プレミア]

 ・“Dead Europe”(オーストラリア) 監督:Tony Krawitz
 物語:写真家のアイザックは、父の遺灰を持って、オーストラリアからギリシャへ向う。彼は、家族の過去に何かいまわしいことがあったらしいことに気づくが、しばらくはドラッグやセックスで紛らわせて関わらないようにする。しかし、やがて自らその解明に立ち向かう。
 『ヘッド・オン!』の原作者クリストス・ツィオルカス(Christos Tsiolkas)の同名小説の映画化。
 『アニマル・キングダム』や『ハンター』を手がけるプロデューサー、リズ・ワッツの最新プロデュース作品。
 [インターナショナル・プレミア]


 ・“Underground”(オーストラリア) 監督:ロバート・コノリー(Robert Connolly)
 出演:アンソニー・ラパグリア、レイチェル・グリフィス、カラン・マッコーリフ
 物語:内部告発および情報漏洩の情報を伝えるウェブサイトウィキリークスの広報人、編集長として知られるジュリアン・アサンジ(Julian Assange)が、仲間とともに「International Subversives」(国際破壊分子)と名乗って、ハッカーをしていた10代の頃の物語。彼は、世界最大規模のコンピュータ・システムに侵入し、当局の捜索を受け、仲間どうしでもめることになる。
 [ワールド・プレミア]

 ・“The Fitzgerald Family Christmas”(米) 監督:エドワード・バーンズ
 物語:アイリッシュ・アメリカンで労働階級の7人兄弟が、疎遠になった父の願いでクリスマスに集まることになる。その結果、複雑な家族事情が露わになり、古傷が暴かれるが、やがて許しがもたらされ、希望が見出されていく。
 [ワールド・プレミア]

 ・“Middle of Nowhere”(米) 監督:Ava DuVernay
 出演:Emayatzy Corinealdi、デイヴィッド・オイェロウォ(David Oyelowo)、オマリ・ハードウィック(Omari Hardwick)、Lorraine Touissant、Edwina Findley
 物語:医者を目指していた医学生のルビーは、夫が投獄されて、試練を味わい、これまで通り夢を追いかけ続けるわけにはいかなくなる。
 サンダンス映画祭2012 監督賞受賞。
 [インターナショナル・プレミア]


 ・“Smashed”(米) 監督:James Ponsoldt
 出演:メアリー・エリザベス・ウィンステッド(Mary Elizabeth Winstead)、アーロン・ポール(Aaron Paul)、オクタヴィア・スペンサー(Octavia Spencer)、ニック・オファーマン(Nick Offerman)、ミーガン・ムラリー(Megan Mullally)
 物語:ケイトとチャーリーは若い夫婦で、彼らの愛は、音楽の趣味と、笑いのセンスと、酒で結びついていた。ケイトが断酒しようとした時、新しいライフスタイルから2人の間にトラブルが起こる。そして、彼女は考える。いったい自分とチャーリーとの関係は何だったのかと。
 サンダンス映画祭2012審査員特別賞/インディペンデント賞受賞。
 [インターナショナル・プレミア]

 ・“Dust”(グァテマラ・西・チリ・独) 監督:Julio Hernández Cordón
 物語:グァテマラでは、内戦で多くのものが失われた。ひとりの青年は、殺された父親のことと、父親を通報した人物について頭を悩ませていた。
 [北米プレミア]

 ・“Once Upon a Time Was I, Verônica”(ブラジル・仏) 監督:Marcelo Gomes
 物語:医学部を卒業したヴェロニカは、職業の選択や自分の身近な人間関係、そして都会的な現代のブラジルでどう生きていくかということについて考える。
 [ワールド・プレミア]

 ・“Infancia Clandestina (Clandestine Childhood)”(アルゼンチン・西・ブラジル) 監督:Benjamin Avila
 出演:ナタリア・オレイロ(Natalia Oreiro)、Ernesto Alterio、César Troncoso、Cristina Banegas、Mayana Neiva
 物語:1979年のアルゼンチン。12歳のフアンは、家族とともに、偽の身分証を使って、数年ぶりにアルゼンチンに帰ってくる。彼の両親も叔父のベトも過激武装組織モントネーロスの一員で、国を支配している軍政に対して闘っていた。彼らがどんなに逃げても隠れても敵は執拗に追いかけてくる。フアンは、友達にも、彼が好きな少女マリアにもエルネストと名乗っていて、家族が生き抜くにはそれを忘れないようにしなくてはならなかった。
 監督の体験に基づく物語。初監督長編。
 カンヌ国際映画祭2012 監督週間出品。
 [北米プレミア]


 ・“3”(ウルグアイ・独・アルゼンチン・チリ) 監督:パブロ・ストール(Pablo Stoll Ward)
 物語:進歩的な考えを持つ10代のアナは、人生の変わり目に直面している。彼女の母親のグラシエラもまた人生の節目にいる。グラシエラの夫で、アナの実の父親にあたるロドルフォは、再婚しているが、新しい妻との関係は冷え切っていて、家にも居場所がなかった。アナたちとルドルフォは10年間離れて暮らしていたが、運命に導かれるように、それぞれが人生の転機を迎え、歩みより始める。
 『ウィスキー』の監督で、『アクネ ACNE』のプロデューサーでもあるパブロ・ストールの最新作。
 カンヌ国際映画祭2012 監督週間出品。
 [北米プレミア]


 ・“Gone Fishing”(アルゼンチン) 監督:カルロス・ソリン
 物語:マルコは、旅まわりのセールスマンだが、アル中になっていて、そんな自分を変えるために、デトックスを試みる。医者からは、趣味を持った方がいいと言われて、釣りでもしてみようかという気になり、疎遠になっている娘を連れて、シャーク・フィッシング・シーズンのプエルトデセアドに向う。
 [ワールド・プレミア]

 ・“After The Battle(Après la bataille)”(エジプト・仏) 監督:ユスリー・ナスラッラー(Yousry Nasrallah)
 出演:Mena Shalaby、バスジーム・サムラ(Bassem Samra)、Nahed El Sebaï、Salah Abdallah
 物語:2011年2月2日、ムバラク政権に対する大規模な抗議デモが起こり、マフムードはデモの鎮圧に駆り出される。しかし、その結果、彼は、仲間から白い目で見られ、罵倒され、殴られ、あげくに仕事もなくし、住む家も失う。ピラミッドに隣接する地区に移り住んだ彼は、そこで、モダンで無宗教で、広告業で働いているバツイチのエジプト人女性レームと出会う。彼女は、カイロ近隣の裕福な地域に住む熱心な軍事革命家で、2人の出会いは、それぞれの運命を変えていく……。
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 [北米プレミア]


 ・“Zabana!”(アルジェリア) 監督: Saïd Ould-Khelifa
 物語:アルジェリアの独立のために戦い、最後はギロチンで処刑されて、短い人生を終えたAhmed Zabana(1926-56)の人生を描く。
 [ワールド・プレミア]

 ・“The Great Kilapy”(アンゴラ・ブラジル・ポルトガル) 監督: Zézé Gamboa
 物語:1970年代半ばのアンゴラ独立の前夜。政治的無関心の詐欺師が、ポルトガルの植民地支配に関わるペテンを行なおうとして、自由を求める国民のヒーローになる。
 [ワールド・プレミア]

 ・“Virgin Margarida”(モザンビーク) 監督:Licinio Azevedo
 物語:国と歴史と文化を貫く反骨魂で、モザンビークの再教育キャンプを生き抜いた実在の女性の物語。
 [ワールド・プレミア]

 ・“Sleeper’s Wake”(南ア) 監督:Barry Berk
 物語:ジョンは、40代半ば。交通事故で妻と娘を失い、自らも昏睡状態にあったが、病院で意識を取り戻す。彼は、療養のために田舎の海岸沿いの村に向い、そこで、美しく、予想もつかない行動を取る17歳の娘に惑わされることになる。
 [インターナショナル・プレミア]

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 トロント国際映画祭2012
 ・ラインナップ その1 GALA、SPECIAL PRSENTATIONS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_17.html
 ・ラインナップ その2 SPECIAL PRESENTAIONS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_18.html
 ・ラインナップ その3 CITY TO CITY、DOCS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_4.html
 ・ラインナップ その4 MIDNIGHT MADNESS、KIDS、VANGURD、CINEMATHEQUE :http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_5.html
 ・ラインナップ その5 カナダ作品 :http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_8.html
 ・ラインナップ その7 SPECIAL PRESENTATIONS、WAVELENGHS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_2.html
 ・ラインナップ その8 MASTERS、DISCOVERY :http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_3.html
 ・ラインナップ 補遺 :http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_6.html
 ・全上映作品 リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_7.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月~2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

 追記:
 ・トロント国際映画祭2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_23.html

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