詳細! ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門!

 第69回ベネチア国際映画祭 コンペティション部門のラインナップが発表されました。(7月26日)

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 ・“Linhas de Wellington(Lines of Wellington)”(ポルトガル・仏) 監督:Valeria Sarmiento
 ・“Something In The Air (Apres Mai)”(仏) 監督:オリヴィエ・アサイヤス
 ・“Superstar”(仏・ベルギー 監督:グサヴィエ・ジャノリ
 ・“Passion”(仏・独) 監督:ブライアン・デ・パルマ
 ・“La Cinquieme Saison(The Fifth Season)”(ベルギー・オランダ・仏) 監督:Peter Brosens、Jessica Woodworth
 ・“Dormant Beauty (Bella Addormentata)”(伊・仏) 監督:マルコ・ベロッキオ
 ・“E Stato il Figlio”(伊・仏) 監督:ダニエーレ・チプリ(Daniele Cipri)
 ・“Un Giorno Speciale”(伊) 監督:フランチェスカ・コメンチーニ(Francesca Comencini)
 ・“Paradise: Faith (Paradies: Glaube)”(オーストリア・仏・独) 監督:ウルリッヒ・ザイドル
 ・“Betrayal (Izmena)”(ロシア) 監督:キリル・セレブレンニコフ(Kirill Serebrennikov)
 ・“Fill The Void (Lemale Et Ha’Chalal)”(イスラエル) 監督:Rama Burshtein
 ・“Thy Womb (Sinapupunan)”(フィリピン) 監督:ブリランテ・メンドーサ
 ・“Pieta”(韓) 監督:キム・ギドク
 ・『アウトレイジ ビヨンド』“Outrage Beyond”(日) 監督:北野武
 ・“At Any Price”(米・英) 監督:ラミン・バーラニ(Ramin Bahrani)
 ・“Spring Breakers”(米) 監督:ハーモニー・コリン
 ・“To The Wonder”(米) 監督:テレンス・マリック

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 【コンペティション部門】

 ・“Linhas de Wellington(Lines of Wellington)”(ポルトガル・仏) 監督:Valeria Sarmiento
 出演:Nuno Lopes、ソライヤ・シャーヴェス(Soraia Chaves)、ジョン・マルコヴィッチ、マリサ・パレデス、メルヴィル・プポー、マチュー・アマルリック
 物語:19世紀初頭の、スペイン、ポルトガル、イギリスによる連合軍対フランス帝国軍による戦い、いわゆるスペイン独立戦争を描いた作品。
 1810年9月27日、ウェリントン将軍の率いる連合軍は、ブサコ山地で、マーシャル・マッセナ率いるフランス軍を破る。連合軍は、勝利したのにも拘わらず、数において圧倒的な敵から逃れるために、要塞を築いたトーレス・ヴェドラスまで撤退する。戦場からトーレス・ヴェドラスまで撤退する間、連合軍は、フランス軍が物資の供給を行なえなくするように、火を放って、焼け野原にする。さまざまな経路をたどって、人々はトーレス・ヴェドラスに結集し、そこで運命の戦いが始まる。
 ラウル・ルイスの監督で製作される予定だった作品。
 [3大映画祭との関わり]
 “Amelia Lópes O'Neill”をベルリン国際映画祭1991に出品。

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 ・“Something In The Air (Apres Mai)”(仏) 監督:オリヴィエ・アサイヤス
 出演:Clément Métayer、Lola Créton、Félix Armand、Léa Rougeron、Hugo Conzelmann, Mathias Renou、Nathan Rodrigue
 物語:1970年代のパリ。若い学生のジルは、政治的な熱狂の中にいる。しかし、映画を作りたいとか、絵を描きたいとか、はっきり何がやりたいかわかっているわけではない。騒々しい時代の中で、芸術に目覚め、恋に落ち、ジルは、自分のいるべき場所を求めて、しかるべき選択をしようとしている。
 [3大映画祭との関わり]
 1989年 『冬の子供』 ベルリン(フォーラム部門)
 1994年 『冷たい水』 カンヌ(ある視点部門)
 2000年 『感傷的な運命』 カンヌ
 2002年 『DEMONLOVER デーモンラヴァー』 カンヌ
 2004年 『クリーン』 カンヌ~女優賞(マギー・チャン)、最優秀技術賞(撮影:エリック・ゴーティエ)
 2007年 『レディ アサシン』 カンヌ(ある視点部門)
 2010年 『カルロス』 カンヌ(特別上映作品)
 そのほか、『パリ、ジュテーム』をカンヌ国際映画祭2006 ある視点部門、『それぞれのシネマ』をカンヌ国際映画祭2007 アウト・オブ・コンペティション部門に出品。

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 ・“Superstar”(仏・ベルギー 監督:グサヴィエ・ジャノリ
 出演:カド・メラッド(Kad Merad)、セシル・ドゥ・フランス、ルイ=ド・ドゥ・ランクザン(Louis-Do de Lencquesaing)、Cédric Ben Abdallah
 物語:ある男性が、突然自分がテレビのスポットライトを浴びるようになっていることに気づく。
 もともとは“Talk Show”というタイトルで告知されていた作品。
 [3大映画祭との関わり]
 1998年 “L'Interview” カンヌ(短編部門)~パルムドール
 2006年 “Quand j'étais chanteur” カンヌ
 2009年 “À l'origine (In the Beginning)” カンヌ

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 ・“Passion”(仏・独) 監督:ブライアン・デ・パルマ
 出演:レイチェル・マクアダムス、ノオミ・ラパス、ポール・アンダーソン、カロリーネ・ヘルフルト(Karoline Herfurth)
 物語:若い女子社員が、自分のアイディアをボスと上司に奪われて、残忍な復讐を計画する。
 [3大映画祭との関わり]
 1969年 “Greetings” ベルリン~銀熊賞
 1970年 “Dionysus” ベルリン
 2006年 『ブラック・ダリア』 ベネチア
 2007年 『リダクテッド 真実の価値』 ベネチア~銀獅子賞(監督賞)

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 ・“La Cinquieme Saison(The Fifth Season)”(ベルギー・オランダ・仏) 監督:Peter Brosens、Jessica Woodworth
 出演:Aurélia Poirier、Django Schrevens、Sam Louwyck、Gill Vancompernolle
 物語:アルデンヌの奥深い村に謎の気象異常が起こる。自然のサイクルが破綻し、いっこうに春が訪れようとしないのだ。アリスとトマスとオクターヴの3人は、今何が起ころうとしているのか、必死に理解しようとする。
 [3大映画祭との関わり]
 コンペティション部門は初めて。
 “Khadak”をベネチア国際映画祭2006 ベネチア・デイズ部門に出品し、ルイジ・ディ・ラウエンティス賞を受賞。

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 ・“Dormant Beauty (Bella Addormentata)”(伊・仏) 監督:マルコ・ベロッキオ
 出演:イザベル・ユペール、トニ・セルヴィッロ、アルバ・ロルヴァケル、Michele Riondino、マヤ・サンサ、ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ(Pier Giorgio Bellocchio)、Brenno Placido、Fabrizio Falco、Gian Marco Tognazzi、ロベルト・ヘンリッカ(Roberto Herlitzka)
 物語:交通事故で17年も昏睡状態が続き、死ぬ権利について議論されていたイタリア人女性エルアナ・エングラロが、まだ病院で眠っていた頃の物語。ある上院議員は、自分が反対している法律に関して、自分の良心と、党のリーダーへの忠誠心との間で、葛藤している。その娘マリアは、妊娠中絶反対派の活動家で、エルアナの入院している病院の前で抗議活動を行なう。ロベルトとその弟は、その反対で、強い世俗的な価値のためにそこで運動している。そんなロベルトに、敵であるはずのマリアが恋をしてしまう……。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 [3大映画祭との関わり]
 1967年 “La Cina è vicina” ベネチア~審査員特別賞&国際批評家連盟賞
 1969年 “Amore e rabbia” ベルリン
 1975年 “Matti da slegare” ベルリン~国際批評家連盟賞&OCIC Award
 1979年 “La macchina cinema” ベルリン(フォーラム部門)~国際批評家連盟賞
 1980年 “Salto nel vuoto” カンヌ
 1984年 “Enrico IV” カンヌ
 1991年 “La condanna” ベルリン~銀熊賞(審査員特別賞)
 1997年 “Il principe di Homburg” カンヌ
 1999年 “La balia” カンヌ
 2002年 “L'ora di religione (Il sorriso di mia madre)” カンヌ~エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション
 2003年 『夜よ、こんにちは』 ベネチア~金のオゼッラ賞(脚本賞)、Little Golden Lion、'CinemAvvenire' Award
 2006年 ベネチア~ピエトロ・ビアンキ賞
 2009年 『愛の勝利を』 カンヌ
 2011年 ベネチア~生涯金獅子賞

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 ・“E Stato il Figlio”(伊・仏) 監督:ダニエーレ・チプリ(Daniele Cipri)
 出演:トニ・セルヴィッロ、ジゼルダ・ヴォローディ(Giselda Volodi)、Alfredo Castro、Fabrizio Falco
 物語:Ciraulo一家は、パレルモの北部開発地区(Zen)という非常に悲惨な地区に住んでいる。彼らは、およそ似つかわしくない高級な黒のボルボを所有していたが、これは、ギャングの抗争の犠牲になって子供を失った家族に送られる補償金のおかげで手に入れたものだ。ある日、息子のタンクレディがガール・フレンドと一緒にドライブにでかけ、車のドアにキズをつけて帰ってくる。大したキズではなかったが、父親は激怒し、息子に暴力を振るう。ところが、タックレディは、自分自身を守ろうとして、逆に、父親を死なせてしまう……。
 [3大映画祭との関わり]
 コンペティション部門は初めて。
 “Enzo, domani a Palermo!”でベネチア国際映画祭1999 FEDIC賞スペシャル・メンション、“Come inguaiammo il cinema italiano - La vera storia di Franco e Ciccio”でベネチア国際映画祭2004 Pasinetti Awardスペシャル・メンション受賞。
 ダニエーレ・チプリは、これまでTV/ドキュメンタリーを中心に活躍していますが、これまで日本に紹介された監督作品はありません。撮影監督としては、ベロッキオの『愛の勝利を』を手がけています。

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 ・“Un Giorno Speciale”(伊) 監督:フランチェスカ・コメンチーニ(Francesca Comencini)
 出演:フィリッポ・シッタキーノ(Filippo Scicchitano)、Giulia Valentini
 物語:ジーナとマルコは、ともにローマの郊外に住んでいる。ジーナは、女優志望で、マルコは、ハイヤー会社の運転手として初日を迎えていた。マルコの初仕事は、ジーナを約束の現場に連れて行くことで、遅れ気味になっていたが、郊外から市内に向かう間に、初めて出会った2人は、お互いのことをよく知るようになる。彼らは、自分たちの未来のことを考え始めるが、それはもう始まっていた……。
 [3大映画祭との関わり]
 『ママは負けない』がベルリン国際映画祭2004パノラマ部門に出品されて、エキュメニカル審査員賞を受賞。『まっさらな光のもとで』がベネチア国際映画祭2009コンペティション部門でFrancesco Pasinetti Award (SNGCI)最優秀作品賞&最優秀女優賞(マルゲリータ・ブイ)、FEDIC賞、他 受賞。
 いずれも映画祭上映のみで、日本で劇場公開された作品はありません。

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 ・“Paradise: Faith (Paradies: Glaube)”(オーストリア・仏・独) 監督:ウルリッヒ・ザイドル
 出演:マリア・ホーフステッター(Maria Hofstätter)、Nabil Saleh
 物語:レントゲン技師のアナ・マリアにとって、ケニアに楽園はなかった。楽園は、彼女がすべてを捧げているイエスとともにあると考えていて、彼女は、休暇でも、いつも40cmもある聖母像を持ち歩いていた。ある日、エジプト人でムスリムだけれども何年もエジプトに帰っていない夫が戻ってきて、それから宗教と結婚に関する亀裂が明らかになってくる。
 Love、Faith、Hopeと続く、Paradise 3部作の第2部。
 [3大映画祭との関わり]
 2001年に『ドッグ・デイズ』をベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品し、審査員特別賞を受賞。2007年に“Import/Export”をカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品。2012年に“Paradise : Love(Paradies : Liebe)”をカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品。

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 ・“Betrayal (Izmena)”(ロシア) 監督:キリル・セレブレンニコフ(Kirill Serebrennikov)
 出演:Franziska Petri、Dejan Lilic、Albina Dzhanabaeva、Arturs Skrastins
 物語:2人の友人が、互いの配偶者どうしが浮気をしていたことを知る。
 [3大映画祭との関わり]
 初めて。
 キリル・セレブレンニコフは、第1長編“Ragin”がカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2005でイースト・オブ・ウエスト賞、第2長編“Playing the Victim”がローマ映画祭2006グランプリ、2008年の第4長編“Yuri’s day(Yurev den)”がロカルノ国際映画祭2008でドン・キホーテ賞&ヤング審査員賞他受賞。
 ロシアの前衛的な舞台演出家として知られ、2008年には国際交流基金の招きで、来日しています。

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 ・“Fill The Void (Lemale Et Ha’Chalal)”(イスラエル) 監督:Rama Burshtein
 出演:Hadas Yaron、Yiftach Klein、Irit Sheleg、Chaim Sharir
 物語:テルアビブからやってきたユダヤ教敬虔主義の家族の物語。シーラは、18歳で、メンデルマン一家の末っ子である。彼女は、同じ年で同じ育ちの男性と結婚したいと願い、それが叶って、結婚の準備を進めていた。しかし、長女のエステルが、初めての子供モルデカイを生んで、死んでしまい、状況はがらっと変わってしまう。シーラの結婚も延期される。エステルの夫だったヨカイに、ベルギーからやってきた未亡人との再婚話が持ち上がる。ヨカイは、再婚するには早すぎると思ったが、いずれは再婚しなければならない。シーラの母は、それを聞き、ヨカイと未亡人が再婚すれば、モルデカイを連れて、3人でベルギーに去るのだと考えて、ヨカイとシーラを結婚させようと考える。シーラは自分の気持ちと家族の思いの間で悩むことになる。
 [3大映画祭との関わり]
 初めて。これが初監督作品。

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 ・“Thy Womb (Sinapupunan)”(フィリピン) 監督:ブリランテ・メンドーサ
 出演:Nora Aunor、ベンボル・ロッコ(Bembol Rocco)
 物語:主人公は、バジャオの助産婦で、彼女は、満足に生活できないTawi-Tawiのジプシー・コミュニティーの中で、自らの劣等感を皮肉たっぷりに交えつつ、日々の仕事をしている。そうして、邪悪な情熱と島国の伝統の間で、島の物語は積み重ねられていく。
 [3大映画祭との関わり]
 2007年 『どん底』 ベルリン~カリガリ賞
 2008年 “Serbis(Service)” カンヌ(フィリピン映画として初めて)
 2009年 『キナタイ-マニラ・アンダーグラウンド』 カンヌ~監督賞
 2009年 『ばあさん』“Lola” ベネチア
 2012年 “Captive (Captured)” ベルリン

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 ・“Pieta”(韓) 監督:キム・ギドク
 出演:チョ・ミンス、イ・ジョンジン
 物語:カンドは、孤独に育ち、今は、サラ金の依頼を受けて取立てを行なう冷酷な取り立て屋となっている。そんな彼の前に、母親だと名乗る女性が現れる。サンドは、彼女にも冷酷な態度を取るが、やがて残酷な秘密が明らかになってくる……。
 「お金中心の資本主義社会で、不信と憎悪が人々を破滅に向かわせている。この映画は、そんな残酷な私たちの自画像ともいうべき警告の映画だ」とキム・ギドク。
 [3大映画祭との関わり]
 1999年 『青い門』 ベルリン(パノラマ部門)
 2000年 『魚と寝る女』 ベネチア~NETPAC賞スペシャル・メンション
 2002年 『悪い男』 ベルリン
 2001年 『受取人不明』 ベネチア
 2004年 『サマリア』 ベルリン~銀熊賞(監督賞)
 2004年 『うつせみ』 ベネチア~監督賞、国際批評家連盟賞、Little Golden Lion、SIGNIS賞オナラブル・メンション
 2005年 『弓』 カンヌ(ある視点部門)
 2006年 『絶対の愛』 カンヌ(ある視点部門)
 2007年 『ブレス』 カンヌ
 2011年 『アリラン』 カンヌ(ある視点部門)~ある視点賞

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 ・『アウトレイジ ビヨンド』“Outrage Beyond”(日) 監督:北野武
 出演:ビートたけし、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、小日向文世、西田敏行、塩見三省、高橋克典、桐谷健太、新井浩文
 物語:「関東最大の暴力団組織・山王会の抗争から5年。関東の頂点を極め、政治の世界に進出するなど過剰に勢力拡大を進める山王会に対し、組織の壊滅を図る警察が動き始める。関西の雄ともいえる花菱会に目をつけた警察は、表向きは友好関係を保っている東西の巨大暴力団組織を対立させようと陰謀を企てる。そんななか、以前の抗争中に獄中死したはずのヤクザ・大友が生きていたという事実が持ち出され、突然出所を告げられる。」
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 [3大映画祭との関わり]
 1993年 『ソネチネ』 カンヌ(ある視点部門)
 1997年 『HANA-BI』 ベネチア~金獅子賞
 1999年 『菊次郎の夏』 カンヌ
 2002年 『ドールズ』 ベネチア
 2003年 『座頭市』 ベネチア~監督賞、観客賞
 2005年 『Takeshi’s』 ベネチア
 2007年 『監督・ばんざい!』 ベネチア(アウト・オブ・コンペティション部門)
 2008年 『アキレスと亀』 ベネチア
 2010年 『アウトレイジ』 カンヌ
 そのほか、『それぞれのシネマ』をカンヌ国際映画祭2007 アウト・オブ・コンペティション部門を出品。

 ・“At Any Price”(米・英) 監督:ラミン・バーラニ(Ramin Bahrani)
 出演:デニス・クエイド、ザック・エフロン
 物語:ヘンリーは、農業で成功したいと考えていた。彼は、息子ディーンにも彼の帝国を手伝わせたいと思っていたが、ディーンは、プロのレース・ドライバーになりたいと思っていた。ヘンリーが事業拡大のために調査を行なうが、その結果、ヘンリーとディーンは、思いも寄らない状況に追い込まれることになる。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 [3大映画祭との関わり]
 コンペティション部門は初めて。
 2008年に『グッバイ ソロ』“Goodbye Solo”をベネチア国際映画祭批評家週間に出品。国際批評家連盟賞受賞。

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 ・“Spring Breakers”(米) 監督:ハーモニー・コリン
 出演:ジェームズ・フランコ、セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)、ヴァネッサ・ハジェンズ(Vanessa Hudgens)、アシュレイ・ベンソン(Ashley Benson)、ヘザー・モリス(Heather Morris)
 物語:4人の女子大生が春休みの資金を稼ごうとしてレストラン強盗を行なうが、つかまって、刑務所に入れられる。彼女たちを救い出したのは、ドラッグや武器を扱っている闇のディーラーで、彼は、彼女たちを「汚れた仕事」で働かせようとする。
 [3大映画祭との関わり]
 コンペティション部門は初めて。
 『ガンモ』でベネチア国際映画祭1997 (非コンペ) 国際批評家連盟賞スペシャル・メンション受賞。

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 ・“To The Wonder”(米) 監督:テレンス・マリック
 出演:レイチェル・マクアダムス、ベン・アフレック、ハヴィエル・バルデム、オルガ・キュリレンコ
 物語:マリーナ(オルガ・キュリレンコ)とニール(ベン・アフレック)は、モン・サン・ミシェルを訪れて、互いの愛はピークに達し、オクラホマで新居を構える。しかし、そこで、マリーナは、自分の職業に疑問を感じている司祭(ハヴィエル・バルデム)と知り合いになって、関係を深め、一方、ニールは、幼なじみのジェーン(レイチェル・マクアダムス)との絆を復活させる。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 [3大映画祭との関わり]
 1979年 『天国の日々』 カンヌ~監督賞
 1999年 『シン・レッド・ライン』 ベルリン~金熊賞
 2011年 『ツリー・オブ・ライフ』 カンヌ~パルムドール

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 今年のベネチア国際映画祭の注目は、なんと言っても、10年間、ディレクターを務めていたマルコ・ミュラーに代わって、アルベルト・バルベラ(10年ぶり2度目(前回は1999-2001))がディレクターになって、作品のチョイスがどのようになるか、ということでした。

 結果は、あからさまなくらいにマルコ・ミュラー色を廃したラインナップになりました。マルコ・ミュラー色を廃すのはいいけれど、それに代わる工夫が全然見当たられなくて、まるで10年前に逆戻りしてしまったみたいなのは、残念ですね。

 こんなことでは、ますますトロントに話題性も注目度もビジネス・チャンスも持っていってしまわれて、残すは伝統と過去の名声だけってことになるかもしれません。

 まあ、それはともかく――

 今回のコンペティション部門17作品の内訳を見てみると―

 今のところ発表された作品は、17本しかないので、今後、何本か追加されるかもしれませんが、

 国別では、イギリス、スペイン、ドイツ、北欧、ギリシャ、バルカン諸国、西アジア、南アジア、中国、台湾、オセアニア、カナダ、メキシコ、南米、アフリカからは1本も選ばれませんでした。

 おなじみの国の作品ばかりで、映画の新しいムーブメントを感じさせるような国からのエントリーもありませんでした。

 アメリカ映画は、前回は5本入っていましたが、今回は、共同製作を含めても3本、ブライアン・デ・パルマ作品まで含めても、やっと4本です。

 監督のキャリアで見ると、3大映画祭のコンペティション部門初参加監督が5人、そのうち初監督が1人います。

 3大映画祭で、監督賞以上の賞を受賞したことがあるのは、ブライアン・デ・パルマ、ブリランテ・メンドーサ、キム・ギドク、北野武、テレンス・マリックの5人、そのうち最高賞を受賞したことがあるのが、北野武とテレンス・マリックのみで、金獅子賞を受賞したことがあるのは、北野武のみです。

 テレンス・マリックは、今回、クルーゾー、アントニオーニ、アルトマンに続いて、3大映画祭の最高賞すべてを狙える立場にあります。

 内容的には、歴史劇もギャング映画もありますが、多くは、一個人のごく身近な悩みとかトラブルとかを描いた小さな作品で、特に、心のうつろいをテーマにしたような作品が多いと感じました。

 ブリランテ・メンドーサは、今年ベルリンのコンペティション部門に出品したばかりで、ウルリッヒ・ザイドルは、カンヌのコンペティション部門からの連戦です。ウルリッヒ・ザイドルは、ひょっとすると、3部作の第3部を来年のベルリンに持ってくるのかもしれません。

 ジャノリ、ベロッキオ、メンドーサの3人は、2009年のカンヌと同じ組み合わせです。(その時受賞したのはメンドーサのみ)

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 まだ審査員は、審査員長のマイケル・マン以外は発表されていないようで、審査員の顔ぶれ次第で受賞結果は変わってきますが、恒例により、各賞の、現時点での予想を出しておきます。

 金獅子賞:“Something In The Air (Apres Mai)”、“Dormant Beauty (Bella Addormentatar)”、“Pieta”

 監督賞:オリヴィエ・アサイヤス、マルコ・ベロッキオ、Rama Burshtein、ブリランテ・メンドーサ、キム・ギドク、テレンス・マリック

 脚本賞:“Something In The Air (Apres Mai)”、“Dormant Beauty (Bella Addormentatar)”、“Fill The Void (Lemale Et Ha’Chalal)”、“Pieta”、“To The Wonder”

 男優賞:カド・メラッド(“Superstar”)、トニ・セルヴィッロ(“E Stato il Figlio”)、イ・ジョンジン(“Pieta”)

 女優賞:マリア・ホーフステッター(“Paradise: Faith (Paradies: Glaube)”)、Hadas YaronまたはIrit Sheleg(“Fill The Void (Lemale Et Ha’Chalal)”)、チェ・ミンス(“Pieta”)

 正直なところ、金獅子賞に似合いそうな作品は見当たりません。最も力のありそうな作品は、キム・ギドク作品ですが、嫌う人もいそうですし、金獅子賞という感じでもないかもしれません。次点として、オリヴィエ・アサイヤス作品とマルコ・ベロッキオ作品を挙げておきました。

 有力視されるのは、テレンス・マリック作品ですが、シノプシスを読む限りでは、単なる恋愛映画以上のものとも思えず、キャストのアンサンブルもこれはどうなんだろうという気がしたので、金獅子賞候補からは外してあります。

 追記:
 審査員は7月13日に発表されていました。

 審査員:マイケル・マン(審査員長)、マリーナ・アブラモヴィッチ(Marina Abramovic/セルビアのアーティスト)、レティシア・カスタ、ピーター・チャン、アリ・フォルマン、マッテオ・ガローネ、ウルスラ・メイヤー、サマンサ・モートン、パブロ・トラペロ

 マイケル・マンがどういう好みを持ち、審査員長としてどういう動きをするのかが読めませんが(アメリカ寄りの審査をする?)、この顔ぶれだと、星取表上位というような判断基準ではなく、作家性が強くて、一般受けしないような作品、興行が難しそうな作品をあえて選ぶ可能性もあります。とすれば、キム・ギドクが上位の賞を受賞する可能性も、案外、高いかもしれません。ベロッキオも何らかの賞を獲りそうで、イスラエル映画入賞の可能性も高そうです。

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 *当ブログ記事

 ・ベネチア国際映画祭2012 ラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_28.html

 ・ベネチア国際映画祭2012 ラインナップ その3:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_29.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月~2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

 追記:
 ・ベネチア国際映画祭2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201209/article_11.html

この記事へのコメント

タラコフスキー
2012年07月28日 14:54
今日オリンピックの開会式を見ていたら、まだまだ未知の国があることが実感され、そういう国から優秀な監督が映画祭で発表されたらと、僕も同様に思いました。(これは他の映画祭にも言えることではありますが)

ところで、審査員は既に発表されており、アリ・フォルマンやマッテオ・ガローネ、ウルスラ・メイヤー、サマンサ・モートン、パブロ・トラペロらが選ばれております。
umikarahajimaru
2012年07月28日 16:01
タラコフスキーさま
コメントありがとうございました。
そういえば、ニュースが発表になったとき、ああ、こんな面子なんだと思ったような気もしますが、すっかり失念していました。
追記させていただきます。

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