トシオ・ヒラノって誰だ?! 国際ドキュメンタリー協会賞(IDA)2010 発表!

 国際ドキュメンタリー協会(International Documentary Association /IDA)が贈る第26回IDAアワード2010受賞結果が発表になりました。(12月3日)

 今年の受賞作は以下の通りです。

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 ◆長編ドキュメンタリー部門(Distinguished Feature Documentary Nominees)

 ◎『ヴィック・ムーニーズ/ごみアートの奇跡』“Waste Land”(ブラジル・英) 監督:ルーシー・ウォーカー
 国際的なアーティストヴィック・ムーニーズ(Vik Muniz)が、リオ・デ・ジャネイロの埋立地でゴミ漁りをする人々とコラボレートして、人々の生活がいかに変わったかを検証する。
 ルーシー・ウォーカーは『ブラインドサイト 小さな登山者たち』の監督。
 サンダンス映画祭2010 観客賞受賞。
 ブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワード2010 ドキュメンタリー賞ノミネート。
 東京国際映画祭2010にて上映。

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 ◆短編ドキュメンタリー部門(Distinguished Short Documentary Nominees)

 ◎“Woman Rebel”(ネパール・米) 監督:Kiran Deol
 ネパールの女性活動家に関するドキュメンタリー。
 米国アカデミー賞2010 短編ドキュメンタリー賞候補ショートリスト エントリー。

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 ◆音楽ドキュメンタリー部門(IDA Music Documentary Award Nominees)

 ◎“For Once In My Life”(米) 監督:Mark Moormann、Jim Bigham
 精神的あるいは肉体的な障害を抱えた28人のミュージシャンおよびシンガーがSpirit of Goodwill Bandというバンドを組み、日常生活を送りながら、作曲と演奏を続けていく様子を追う。
 SXSW映画祭2010観客賞受賞。
 ワルシャワ国際映画祭2010 観客投票第2位。

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 ◆ドキュメンタリー・シリーズ賞 継続シリーズ部門(Continuing Series Award Nominees)

 ◎“30 For 30”(ESPN)
 エピソード:‘The Band That Wouldn't Die’ 監督:バリー・レヴィンソン
 エピソード:‘Muhammad And Larry’ 監督:Albert Maysles、Bradley Kaplan
 エピソード:‘Winning Time: Reggie Miller Vs. The New York Knicks’ 監督:Dan Klores
 エピソード:‘Run Ricky Run’ 監督:Sean Pamphilon、Royce Toni

 ◆ドキュメンタリー・シリーズ賞 限定シリーズ部門(Limited Series Award Nominees)
 ◎“Have You Heard From Johannesburg” 監督:Connie E Field

 ◆学生作品部門賞(IDA/David L. Wolper Student Documentary Award)
 ◎“Waiting For A Train: The Toshio Hirano Story” 監督:Oscar Bucher(OB3 Studios/ サンフランシスコ州立大学)
 カントリー・ミュージシャン、ジミー・ロジャースに影響を受け、現在は、アメリカで活躍している日本人トシオ・ヒラノを追って、東京、テキサス、サンフランシスコと旅をする。
 監督のサイト:http://ob3studios.com/Oscar_Bucher/Home.html



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 ◆学生作品部門 オナラブル・メンション(IDA/David L. Wolper Student Documentary Award)
 ◎“The Stinking Ship” 監督:Bagassi Koura(University Of California Berkeley)
 コートジボワールの港湾都市アビジャンの近郊で2006年に起こった、有毒廃棄物遺棄事件(過去10年間で最大の環境汚染と言われ、死者を含む多数の犠牲者を出し、政府を総辞職にまで追い込んだ)を探る。

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 ◆IDA Pare Lorentz Award
 1930~40年代に活躍したドキュメンタリー作家Pare Lorentz(1905~1992)にちなんだドキュメンタリー賞。

 ◎『ヴィック・ムーニーズ/ごみアートの奇跡』“Waste Land”(ブラジル・英) 監督:ルーシー・ウォーカー

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 ◆IDA Pare Lorentz Award Honorable Mention

 ◎“Queen of the Sun: What Are the Bees Telling Us?”(米・ニュージーランド・仏・独・スイス・伊・英・オーストラリア) 監督:Taggart Siegel
 全世界的なミツバチの消失に関して、養蜂家、科学者、農家、哲学者などの視点で考えていき、この現象が投げかけている問題と、それに対する解決の糸口を探る。

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 ◆ ABCニュース・ビデオ・アワード( ABCnews Videosource Award)

 ◎“Bhutto”(米) 監督:Duane Baughman、Johnny O'Hara
 暗殺されたパキスタン元首相ベジナル・ブットの生涯を描く。
 サンダンス映画祭2010出品。
 バンクーバー国際映画祭2010 Nonfiction Features of 2010出品。

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 ◆ヒューマニタス・アワード ( IDA Humanitas Award)

 ◎“Presumed Guilty (Presunto Culpable)”(メキシコ) 監督:Roberto Hernández、Geoffrey Smith
 メキシコでは、被告の93%が判事に会うこともなく裁かれ、断罪の92%は物証がないまま行なわれる。José Antonio Zuñiga Rodríguezは、2005年の12月に、メキシコシティの通りで警官に止められ、全く身に覚えのない罪を被せられる。そして、会ったこともない男に対する殺人罪で懲役20年の刑を宣告される。彼のアリバイを証明する目撃者に事情聴取を行なわれることもなかったし、起訴では彼が銃を発砲したという証明も行なわれなかった。さらに悪いことに、彼の代理人は、偽造免許で裁判に臨み、彼を見たという唯一の目撃者は警察の最初の容疑者であった。
 メキシコ人の若い弁護士Roberto HernándezとGeoffrey Smithが、映画を通して、誤って有罪判決を下されたJosé Antonio Zuñiga Rodríguezの潔白を証明しようとする。
 トロント国際映画祭2009 REAL TO REEL部門出品。
 グアダラハラ国際映画祭2010 メキシコ映画ドキュメンタリー・コンペティション グランプリ受賞。
 ロサンゼルス映画祭2010 インターナショナル長編作品部門観客賞受賞。

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 ◎“The Oath”(米) 監督:Laura Poitras
 ゴッサム・アワード2010 ドキュメンタリー賞ノミネート。1996年に運命的な出会いをし、アフガニスタン、オサマ・ビン・ラディン、9.11、グアンタナモ、米最高裁へと導かれた2人の男性の物語。
 監督のLaura Poitrasは、“My Country, My Country”(2006)で、米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされています。
 サンダンス映画祭2010 撮影賞受賞。
 エジンバラ国際映画祭2010 長編ドキュメンタリー賞受賞。

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 【名誉賞】

 ◆生涯貢献賞(Career Achievement Award)
 ◎バーバラ・コップル
 バーバラ・コップルは、『ワイルド・マン・ブルース』(1998)や『MY GENERATION マイ・ジェネレーション』(2000)、『ディクシー・チックス シャラップ&シング』(2006)などで知られる映画監督。

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 ◆パイオニア賞(Pioneer Award)
 ◎Alan & Susan Raymond
 Alan & Susan Raymondは、TVドキュメンタリーの世界で活躍するコンビで、70年代から作品を発表し続けて、“Doing Time: Life Inside the Big House”(1991)で米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート、“I Am a Promise: The Children of Stanton Elementary School”(1993)で、同賞を受賞しています。

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 ◆プリザベーション&スカラシップ賞(Preservation And Scholarship Award)
 ◎マーク・ジョナサン・ハリス(Mark Jonathan Harris)
 マーク・ジョナサン・ハリスは、『INTO THE ARMS OF STRANGERS ホロコースト:救出された子供たち』(2000)、『ロング ウェイ ホーム 遥かなる故郷 イスラエル建国の道』 (1997)の監督で、“Darfur Now”(2007)などのプロデューサーです。

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 ◆新進フィルムメーカー賞(Jacqueline Donnet Emerging Filmmaker Award)
 ◎Jeff Malmberg
 Jeff Malmbergは、10年以上のキャリアを持つ映画編集者で、2010年に長編ドキュメンタリー“Marwencol”の監督を手がけました。

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 日本人を題材にした外国人監督のドキュメンタリーって、このところ本当に多くて、びっくりしてしまうのですが、“Waiting For A Train: The Toshio Hirano Story”もそうした1本ということになりそうです。
 ただ、トレーラーを観る限りでは、主役のトシオ・ヒラノ氏は、外国人がイメージする戯画的な日本人そのもので、何だかちょっと恥ずかしいなと思ったりもするのですが……。
 面白いのかなあ~、これ(笑)。

 当ブログでは、これまで何度もこうした作品をご紹介していますが、そういう作品を集めて上映できたら、ちょっと面白いですよね。イメージフォーラム・フェスティバルあたりで企画したりしないでしょうか。あるいは、山形か。

 ・『ドクター中松の発明』(デンマーク):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_1.html
 ・“Turn It Loose”(英):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_46.html
 ・“Ito: Diary of an Urban Priest(Seitti - kilvoittelijan päiväkirja)”(フィンランド):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_46.html
 ・『日記をたどる』(ポルトガル):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_14.html

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 それは、ともかく、今回のIDA受賞作品は、2010年を彩ったドキュメンタリーの聖歌としては、まあ、悪くないラインナップになっています。

 いずれの作品も商業公開は難しそうで、必ずしもビジネスを考えて製作したものではなさそうですが、だからこそ、こうして賞を与えて、衆目を集めることにも意味がある、ということになるでしょうか。

 より注目を集めるには、アカデミー賞にでも受賞/ノミネートされればいいのでしょうが、残念ながら、上記受賞作品で、現在、米国アカデミー賞2011候補になっている作品は“Woman Rebel”のみです。
 だからこそ、これで、“Woman Rebel”は米国アカデミー賞2011短編ドキュメンタリー賞の最有力候補に踊り出た、ということになるかもしれません。

 *参考 米国アカデミー賞2011短編ドキュメンタリー賞候補ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_25.html

 全体的には、今回の受賞者には、女性が多いですね。それも、ちょっとコワそうなおねえさんばっかり(笑)! ルーシー・ウォーカーもバーバラ・コップルも……。
 もっとも、地味で、予算もなくて、忍耐力が必要とされる(と思われる)ドキュメンタリーの現場は、こうした強そうな女性でないと務まらないのかもしれませんが。(というようなことを、前にもどこかで書いたような気がしますが……)

 なお、ノミネーションの記事で「昨年まであったビデオ・アワードとPare Lorentz Awardは、なくなってしまったようです」と書いていましたが、どうやら、これらの賞は、「Special Awards」という扱いらしく、ノミネーションは発表されず、受賞結果のみの発表ということだったようです。

 下記は、今回の受賞式で司会を務めたモーガン・スパーロックとエディー・シュミットの痴態(?)ですが、どうやらこれは、長編ドキュメンタリー賞にノミネートされていたフィンランド映画“Steam Of Life”にからめた演出であるようです。

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 *当ブログ記事

 ・IDAアワード2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_27.html
 ・IDAアワード2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_24.html
 ・IDAアワード2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_10.html

 ・サンダンス映画祭2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_1.html
 ・SXSW映画祭2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_31.html
 ・シルバードックス映画祭2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_5.html
 ・グリアソン・アワード2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html
 ・米国アカデミー賞2010 短編ドキュメンタリー賞 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200910/article_8.html
 ・米国アカデミー賞2011 短編ドキュメンタリー賞 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_25.html
 ・米国アカデミー賞2011 長編ドキュメンタリー賞 ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_29.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:Http://Umikarahajimaru.At.Webry.Info/201005/Article_23.Html

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