釜山国際映画祭2010 受賞結果発表!

 第15回釜山国際映画祭の各賞の発表が行なわれました。(10月15日)

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 ◆New Currents Award
 ◎“The Journals of Musan”(韓) 監督:Park Jung-Bum
 物語:チョン・スンチョルは、登録番号125の市民である。彼は、北朝鮮からの亡命者であって、前科者でも、難民でもないが、韓国では、いつまでも「北朝鮮からの亡命者」というレッテルがつきまとい、差別を受け、よい仕事に就くことができない。

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 ◎“Bleak Night”(韓) 監督:Yun Sung-hyun
 物語:3人の男子高校生の物語。ある日、1人の生徒が死ぬ。彼の父親は、なぜこんなことが起こったのか調査を始める。3人のうちの1人が犠牲者で、もう1人が加害者で、残る1人は、3人の友情がバラバラになってしまったことに歯軋りする。しかし、やがて、犠牲者だと思われた者が実は加害者だったことがわかる。どうしてこんなことになったのか……。

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 ◆Flash Forward Award
 ◎“Pure”(スウェーデン) 監督:Lisa Langseth
 物語:若者から女に変わろうとしている20歳のカタリーナの物語。彼女は、ある中の母親と2人暮らして、クラシック音楽を聴くのが唯一の楽しみだったが、モーツァルトの「レクイエム」を聴いたことで、大きな転機が訪れる……。

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 ◎スペシャル・メンション:“Erratum”(ポーランド) 監督:Marek Lechki
 物語:ミーシャには、理解ある妻と7歳の息子がいて、何不自由ない生活をしていたはずだった。ところが、息子の聖体拝領の日に、ボスに命じられて、急に故郷まで出かけることになり、それが彼の運命を変えることになる。彼は、できるだけ早く帰ろうとしていたが、車の事故により足どめを喰らい、旧友に再会したり、ずっと疎遠にしていた実父と会ったりして、自らの人生を見直すことになる……。

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 ◆ドキュメンタリー・コンペティション(PIFF Mecenat Award for Documentaries)
 ◎“Miracle on Jongno Street”(韓) 監督:Lee Hyuk-sang
 物語:4人のゲイが「ノーマルな生活」を目指して、奮闘する姿を追う。ビュンギョンは、ゲイの活動家で、ホモセクシャルが対等な権利を持てるように運動に参加している。ユンスは、10年前に田舎から出てきたシェフで、孤独な生活を送っていたが、ゲイの合唱団Gボイスに加入したことで生きる喜びを見出す。ヨルは、大手企業に勤めているが、パートナーと法的に認められた結婚をすることを夢見ている。この映画の監ヒュクサンは、撮影の半ばで自分の性に不安を感じ、病院に検査に向かう……。

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 ◎“New Castle”(中) 監督:Guo Hengqi
 物語:さびれゆく鉱山町。採掘はどんどん細っていき、給料も減る。事態が改善される見込みも全くない。工夫たちの生き残る道は、ここを去ることしか考えられず、実際に子供たちを残して、姿を消す者も現れる。そんな鉱山町に、北京オリンピックの波が押し寄せる。北京オリンピックの開催地区に指定されたおかげで、町自体は、北京オリンピックの狂想曲に巻き込まれるが、工夫たちにとっては何の意味もないのだった……。

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 ◆国際批評家連盟賞
 ◎“The Journals of Musan”(韓) 監督:Park Jung-Bum

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 ◆NETPAC賞
 ◎『豆満江』“Dooman River”(韓・仏) 監督:チャン・リュル(Lu Zhang)
 物語:土門江(豆満川)は、中国と北朝鮮の国境を流れる川で、この地帯は、気候が厳しく、長い期間、氷に覆われるので、いつも貧困と飢餓の危機にさらされている。多くの朝鮮人は、国外に逃れたいと思い、あるいは、単純に食べ物や薬を欲していた。土門江に張る氷はもろく、また、武装した国境警備隊がパトロールしているので、土門江を渡ることには、危険がつきまとっていた。国境を越えてやってくる朝鮮人を快く思わない中国人は多かったが、子供たちはそういうことは気にせず、一緒にサッカーをしたり、少ない食べ物を分け与えたりした。12歳の少年チャンホと口のきけない妹スンヒもそんな子供たちの1人で、拡声器が北朝鮮からやってくる人々と交流を持つと罰せられるぞとがなりたてている中、病気の妹の面倒をみるためにやってくる北朝鮮の少年チョンジンと仲良くなる。また、ある老女は、昔、この川に橋がかけられていて、中国人と朝鮮人が親しく行き来していたことを覚えていて、もう一度、昔のようにならないかと夢見ている……。
 ベルリン国際映画祭2010 ジェネレーション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 シンガポール国際映画祭2010 コンペティション部門出品。
 パリ映画祭2010 コンペティション部門出品。審査員グランプリ&学生審査員賞受賞。
 アジアフォーカス・福岡映画祭2010にて上映。

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 ◆KNN Movie Award (観客賞)

 ◎“My Spectacular Theatre”(中) 監督:Lu Yang
 物語:チェン・ユーは、海賊版のDVDを売っていて、警察から逃げるために飛び込んだ映画館で運命的な出会いをする。そこは、目の不自由な人のための映画館で、オーナーであるガオは、目の不自由なカメラマンだった、今はなき妻チャンのためにこの映画館を開いたのだった。この映画館には、リウ・メイやシャオ・オウら、ガオの人柄に惹かれる人々が集まってくる……。
 この作品の英語題は、ラインナップが発表された時点では“The Spectacular Theatre”だったはずですが、“My”に変えられたようです。

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 ワールド・プレミア作品も多く、それゆえ作品に関する事前情報も少なくて、受賞結果を知っても、知らない監督ばかりだし、へえ~、そうなんだと思うだけですが、その中では、受賞歴を重ねてきていた『豆満江』がここでも受賞を果たして、興味をそそらせます。

 この作品は、アジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映されたきりで、ひょっとすると東京国際映画祭でも上映してくれるかなあと思っていたんですが、東京国際映画祭のラインナップに入ることもなく、次の上映機会が待たれます。

 あと、気になる作品は、2賞の“The Journals of Musan”、というより、観客賞受賞の“My Spectacular Theatre”でしょうか。映画祭公式サイトの作品紹介は簡略なものなので、詳しいことはわかりませんが、目が不自由な人(blind)のための映画館というのはどういうものなのか、気になりますね。

 日本でも目の不自由な人のための映画の上映会や演劇が時々行なわれていて、私もほんのちょっとだけ関わったことがあるのですが、ああいうことを恒常的に行なっている常設の映画館の物語ということなのでしょうか。ちょっと観てみたいですね。『ミルコのひかり』を思い出させたりするような作品なのかなあ~。

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 なお、2009年は、釜山国際映画祭開催期間中に、釜山映画評論家協会賞と韓国映画評論家協会賞が発表されたのですが、今年、釜山映画評論家協会賞は、中止になったのか、延期されたのかはわかりませんが、発表がなく、韓国映画評論家協会賞は、12月発表に変更されたようです。

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 *当ブログ記事
 ・『カメリア』 in 釜山国際映画祭2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_23.html
 ・『悪人』 in 釜山国際映画祭2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_20.html
 ・ジャパン・ナイト VS 台湾ナイト in 釜山国際映画祭2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_19.html
 ・『おかんの嫁入り』 in 釜山国際映画祭2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_16.html
 ・『行きずりの街』 in 釜山国際映画祭2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_12.html
 ・『雷桜』 in 釜山国際映画祭2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_10.html

 ・釜山国際映画祭2010 ラインナップ その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_24.html
 ・釜山国際映画祭2010 ラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_25.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

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 ◆Photo Gallery

 ・New Currents部門 審査員
 左から、釜山国際映画祭実行委員長キム・ドンホ(今回で退任)、審査員のヤン・クイメイ、ワダエミ(審査員長)、ムラリ・ナイール、キム・ユンジン、Christoph Terhechte(ベルリン国際映画祭パノラマ部門ディレクター)

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 ・New Currents部門 審査員長 ワダエミ

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 ・Flash Forward部門 審査員
 順不同で、Lee Kwangmo(韓国のプロデューサー)、ヤスミラ・ジュバニッチ、John Cooper(サンダンス映画祭ディレクター/審査員長)、Alexei Popogrebskiy(ロシアの監督)、Thomas Elsaesser(ドイツの映画研究者)
 
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 ・貢献賞を受賞したTHRの記者のマギー・リー

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 ・レトロスペクティヴが行なわれたキム・ジミ

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