河瀬直美も受賞! サンセバスチャン国際映画祭2010 各賞発表!

 第58回サンセバスチャン国際映画祭の各賞が発表になりました。(9月25日)

 オフィシャル・セレクションは、ベテランと、日本ではまだ知名度がないけれど、俊英と見なされている監督の作品が入り乱れていましたが、実績のある監督の作品がほぼ順当に賞を受賞するという形になりました。

 日本からの唯一のエントリー作品、河瀬直美の『玄牝』も見事、国際批評家連盟賞を受賞しました。
 せっかく海外の映画祭のコンペティション部門に出品したのですから、なんらかの賞がもらえるというのは、作品にとって注目度も増すことにもなるし、いいことだと思うのですが、惜しむらくは、サンセバスチャン国際映画祭の受賞結果を報じているネットの記事で『玄牝』の受賞結果にまで触れてあるものが少ないんですね~。

 今年のサンセバスチャン国際映画祭の特集は、ドキュメンタリー映画でしたから、コンペティション部門に唯一エントリーされたドキュメンタリー作品『玄牝』は、特集にリンクする作品として重要であり、そういう意味で、今年のサンセバスチャン国際映画祭の“顔”(最新のドキュメンタリー映画を代表するものとして)でもあったのですが……。

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 【オフィシャル・セレクション】

 ◆グランプリ/ゴールデン・シェル賞(Golden Shell award)
 ◎“Neds”(英・仏・伊) 監督:ピーター・ミュラン

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 ◆特別審査員賞
 ◎“Elisa K”(西) 監督:Judith Colell、Jordi Cadena

 ◆監督賞/シルバー・シェル賞(Silver Shell award)
 ◎ラウル・ルイス “Misterios de Lisboa (Mysteries of Lisbon)”(ポルトガル)

 ◆男優賞
 ◎Connor McCarron “Neds”(英・仏・伊)

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 ◆女優賞
 ◎Nora Navas “Pa Negro(Black Bread)”(監督:アウグスティ・ヴィラロンガ)

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 ◆脚本賞
 ◎“Hjem til jul(Home for Christmas)” 監督:ベント・ハーメル

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 ◆撮影賞
 ◎Jimmy Gimferrer “Aita”(西)(監督:José María de Orbe)

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 ◆スペシャル・メンション
 ◎“A Jamaâ (The Mosque)”(モロッコ・仏) 監督:Daoud Aoulad-Syad

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 ◆国際批評家連盟賞
 ◎『玄牝』(日) 監督:河瀬直美

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 ◆SIGNIS賞
 ◎“老那(Addicted to Love)”(中) 監督:Liu Hao

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 【Zabaltegi-New Directors(新人監督部門)】

 ◆Kutxa-New Directors Award
 ◎“Los Colores de la Montaña (Colors of the Mountain)”(コロンビア・パナマ) 監督:Carlos César Arbeláez

 ◆スペシャル・メンション
 ◎“La Vida Util (A Useful Life)”(ウルグアイ・西) 監督:Federico Veiroj
 ◎“Smukke Mennesker (Nothing's All Bad)”(デンマーク) 監督:Mikkel Munch-Fals

 【Horizontes Latinos(ラテンアメリカ映画コンペティション部門)】

 ◆最優秀作品賞
 ◎『アベルの小さな世界』“Abel”(メキシコ) 監督:ディエゴ・ルナ

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 ◆スペシャル・メンション
 ◎“A Tiro de Piedra (A Stone Throw Away)”(メキシコ) 監督:Sebastián Hiriart

 【Films in Progress】

 ◆Industry Award
 ◎“Entre la Noche y El Dia”(メキシコ) 監督:Bernardo Arellano

 ◆Casa de America Award
 ◎“Asalto al Cine”(メキシコ) 監督:Iria Gomez Concheiro

 【Cinema in Motion】

 ◆Cinema in Motion Award
 ◎“Sur La Planche”(モロッコ・仏) 監督:Leila Kilani

 【International Film Students Meeting (国際映画学校ミーティング)部門】

 ◆Panavision Award
 ◎“Los Minutos, Las Horas”(キューバ) 監督:Janaina Marques(Escuela Internacional de Cine y TV)

 ◆第2位(Second Prize)
 ◎“Mitten marjoja Poimitaan”(フィンランド) 監督:Elina Talvensaari(Aalto University)

 ◆第3位(Third Prize)
 ◎“Ambiente Familiar”(チリ) 監督:Carlos Leiva(Pontificia Universidad Catolica)

 【その他の賞】

 ◆Another Look Award
 ◎“Cerro Bayo (Mount Bayo)”(アルゼンチン) 監督:Victoria Galardi [オフィシャル・セレクション]

 ◆Another Look Award スペシャル・メンション
 ◎“Blog”(西) 監督:Elena Trape [New Directors部門]

 ◆Solidarity Award
 ◎“老那(Addicted to Love)”(中) 監督:Liu Hao [オフィシャル・セレクション]

 ◆Solidarity Award スペシャル・メンション
 ◎“Bicicleta, Cullera, Poma (Bicycle, Spoon, Apple)”(西) 監督:Carles Bosch [オフィシャル・セレクション アウト・オブ・コンペティション部門]

 ◆Sebastiane 2010 Award
 ◎“80 Egunean”(西) 監督:Jon Garaño、Jose Mari Goenaga [Zinemira-Basque Film Showcase(バスク映画ショーケース)]

 ◆Euskaltel Youth Award
 ◎『アベルの小さな世界』“Abel”(メキシコ) 監督:ディエゴ・ルナ [Horizontes Latinos部門]

 ◆観客賞 最優秀作品
 ◎“Barney’s Version”(カナダ・伊) 監督:Richard J. Lewis [Pearls部門]

 ◆観客賞 最優秀ヨーロッパ作品
 ◎“How Much Does Your Building Weigh, Mr. Foster”(英・西) 監督:Norberto López Amado、Carlos Carcas [Pearls部門]

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 ジュリア・ロバーツのDonostia Awardは、別の記事で写真をアップしていますが、今回の映画祭では、ベネチアで賞を獲ったばかりの、アレックス・デ・ラ・イグレシア監督も
Cinematography Award 2010という特別賞を受賞しています。(9月18日)

 Cinematography Awardがどういうものなのか、説明がないので、よくわからないのですが(たぶん功労賞や名誉賞のようなものだと思います)、以下が、その授賞式の写真となります。

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 へえ~、と思ったのが、隣に写っている女性で、この方は、アンヘレス・ゴンザレス・シンデ(Angeles Gonzalez Sinde)というスペインの文化大臣で、大臣になる前は、若くして、スペイン映画科学アカデミーの会長もしていた映画人だということです。

 アンヘレス・ゴンザレス・シンデは、日本でも映画祭で上映された佳品『エストレーリャ 星のまわりで』“La buena estrella”(1997)(監督:リカルド・フランコ)の脚本を手がけ、ゴヤ賞脚本賞を受賞し、2003年には“Sleeping Luck”で監督デビューし、この作品でゴヤ賞新人監督賞を受賞しています。
 昨年のラテンビート映画祭で上映された『セックスとパーティと嘘』“Mentiras y gordas”(監督:アルフォンソ・アルバセテ、ダビ・メンケス)にも脚本に参加していたと伝えられています。(この作品はスペインで大ヒットしたということでしたが、どうと言うこともない現代スペインの若者の風俗が描かれていただけで、残念ながら取り立てて見るべきものはありませんでした。)
 アンヘレス・ゴンザレス・シンデは、1965年生まれで、スペイン映画科学アカデミーの会長に就任したのは2006年と言いますから、40歳か41歳の時で、彼女の父親ホセ・マリーア・ゴンサレス=シンデ(1941-92/プロデューサー・脚本家・映画監督)が同アカデミーの初代会長なのだそうです。映画一家なんですね。父と同じ名前を持つ弟も、映画人で、姉の監督デビュー作“Sleeping Luck”やカルロス・サウラの『ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い』などでアシスタント・ディレクターを務めています。
 2009年4月にサパテーロ改造内閣の文化大臣に就任。(映画監督が文化大臣になったのはスペインではピラール・ミロ以来2人目のようです。)
 昨年、日本にも来日予定があったらしいのですが、これは中止になったようです。

 映画界出身の文化大臣だからと言って、映画のことばかりやってはいられないのでしょうが、上の写真なんかを見ると、同じ映画人としての同志(または先輩と後輩)に対する親愛の情が見て取れるような気がします。ま、そう思って見るからかもしれませんが。

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 *当ブログ記事
 ・サンセバスチャン国際映画祭2010 ラインナップ その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_20.html
 ・サンセバスチャン国際映画祭2010 ラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_22.html
 ・ジュリア・ロバーツ in サンセバスチャン国際映画祭2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_37.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.htm

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