審査員の1人はレオス・カラックスだったんですけどね 上海国際映画祭2010 結果発表!

 第13回上海国際映画祭の受賞結果は発表になりました。(6月20日)

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 【金爵奨(Jin Jue Award/ Golden Goblet Award)コンペティション部門】

 ◆作品賞
 ◎“Kiss Me Again(Baciami Ancora)”(伊) 監督:ガブリエーレ・ムッチーノ
 出演:ステファノ・アルコシ、ヴィットリア・プッチーニ、ピエル・フランチェスコ・ファヴィーノ、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
 ローマを舞台にした、カルロとジュリア、および、彼らの友人たちの10年にわたる愛の物語で、彼らの成功と失敗と希望と失望が描かれる。

 ◆審査員グランプリ
 ◎“Deep In The Clouds(碧罗雪山)”(中) 監督:Liu Jie(刘杰)
 物語:リス族の村の物語。ディアルは、ムパの妹ジニのことが好きだったが。リス族の伝統により自分から彼女に求愛することは禁じられていた。一方、ムパは、国が保護している木を伐採した罪で逮捕され、働き手を失った彼の父は、ジニをアダと結婚させようとする。結婚式の当日、ジニは、伝統の花嫁衣裳を着たまま、霧深い山の中に姿を消す。3ヵ月後、リス族の人々は、先祖代々住んできた山間の村を去ることに決める……。

 ◆監督賞
 ◎Liu Jie(刘杰) “Deep In The Clouds(碧罗雪山)”(中)

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 ◆男優賞
 ◎Christian Ulmen “Wedding Fever In Campobello(Maria, He Doesn't Like It)”(独・伊) 監督:Neele Leana Vollmar

 ◆女優賞
 ◎ヴィットリア・プッチーニ “Kiss Me Again(Baciami Ancora)”(伊)

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 ◆脚本賞
 ◎ガブリエーレ・ムッチーノ “Kiss Me Again(Baciami Ancora)”(伊)

 ◆撮影賞
 ◎クリストファー・ドイル “Ondine”(アイルランド) 監督:ニール・ジョーダン

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 ◆音楽賞
 ◎リン・チャン “Deep In The Clouds(碧罗雪山)”(中)

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 【亜州新人奨(Asian New Talent Award)コンペティション】

 ◆作品賞
 ◎“Crossing The Mountain”(中) 監督:Yang Rui
 物語:中国南西部、ミャンマー国境に近いワ族の村。軍隊がジャングルの中を進んでいるが、彼らは地面に横たわっている青年には気づかない。彼は、目隠しして運命の女性にたどりつこうとするが、それはなかなか達せられない。村でロシア製の手榴弾が発見される。それは、村のどこかに地雷が埋まっている徴のようにも思われ、村人は警察に調査を依頼する。老女は、自分の恋人が劇的な死を遂げたのを思い出す。地元の豚は食肉にするために飼われている……。
 ベルリン国際映画祭2010 フォーラム部門出品。

 ◆新人監督賞(亚洲新人奖最佳导演)
 ◎チョン・ギフン(Jeong Gi-Hun) 『Goodbye Mom』“Goodbye Mom”(韓)
 出演:チェ・ガンヒ、キム・ヨンエ
 物語:小説家を目指して、ソウルに出たエジャは、29歳になった今も泣かず飛ばずの生活を続けている。そんなエジャは、母親ヨンヒとはずっと仲違いしたままであったが、ある日、母が倒れたという報せを受け取る……。
 『Ae-ja/エジャ』というタイトルで、日本にも情報が伝えられていた作品。
 韓流シネマ・フェスティバル2010にて上映予定。

 ◆審査員グランプリ(亚洲新人奖评委会特别奖)
 ◎『執行者』“The Executioner”(韓) 監督:チェ・ジンホ(チェ・ジホ/Jin-Ho Choi)
 出演:チェ・ジェヒョン、ユン・ゲサン
 物語:チェギョンは、刑務所に配属され、刑務官としての仕事を学んでいく。ある日、法務大臣により、過去12年間一度も行なわれなかった死刑執行の命令が下される。その中には、連続殺人犯チャン・ヨンドゥのほか、もはや死刑執行はないのではないかと思われていた還暦の死刑囚ソンファンも含まれていた。死刑執行命令は、刑務官たちの間にも動揺を与えるが、抽選で決められた執行官の中にチェギョンも選ばれてしまう。彼は、恋人の妊娠を知ったばかりで、人の命を奪うということに思い悩んでしまう。
 韓国映画ショーケース2009で上映。

 ◆学生チョイス賞(最受大学生欢迎影片)
 ◎“The Pawnshop(Sanglaan)”(フィリピン) 監督:Milo Sogueco
 物語:フィリピンでは、質屋はなくてはならないものになっていて、国内に16000もの質屋が存在する。オリヴィアの質屋は、オーナーや鑑定人、ガードマン、船員、借金の取立人など、様々な人が出入りしているが、そこは、困った人々の“駆け込み寺”であるとともに、彼らが夢や希望を語る場所にもなっているのだった……。

 【メディア賞(传媒大奖)】

 ・作品賞(最佳影片):“Ocean Heaven(海洋天堂)” 監督:Xue Xiaolu(薛晓路)
 ・監督賞(最佳导演):チャン・チアルイ(章家瑞) “迷城”
 ・脚本賞(最佳编剧):シェ・シャオドン(谢晓冬) “我是植物人”(監督:ワン・ジン(王竞)
 ・主演男優賞(最佳男主角):ウェン・ジャン(文章) “Ocean Heaven(海洋天堂)”
 ・主演女優賞(最佳女主角):リュイ・リーピン(吕丽萍) “玩酷青春”(監督:コン・リンチェン(孔令晨))
 ・助演男優賞(最佳男配角):イップ・チュン(叶准) “叶问前传(The Legend is Born - Ip Man)” 監督:ハーマン・ヤウ
 ・助演女優賞(最佳女配角):リー・ビン(李滨) “玩酷青春”
 ・新人監督賞(最佳新人导演):Xue Xiaolu(薛晓路)  “Ocean Heaven(海洋天堂)”
 ・新人男優賞(最佳新人男演员):郭晓然 “迷城”
 ・新人女優賞(最佳新人女演员):娜芝叶 “Deep In The Clouds(碧罗雪山)”(中) 監督:Liu Jie(刘杰)
 ・審査員賞(评委会奖):“大地”(監督:ハス・チョロー)、“可爱的中国”(監督:胡雪杨)、“黄河喜事”(監督:ガオ・フォン(高峰))
 ・ビデオ作品賞(媒体关注影片):“80’后(Heaven Eternal, Earth Everlasting)”(監督:リー・ファンファン(李芳芳))

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 エントリーの段階で、おっ!という感じでもなかったので、受賞結果を見ても、さほどときめくものはありませんでしたが、結果的に、金爵奨の方も、亜州新人奨の方も、中国の少数民族をモチーフとした作品が賞を受賞しました。

 最今の中国映画というと、急激な都市化を背景にしたトレンディードラマめいたラブロマンスか自意識の強い映像作家ぶった作品、あるいはその逆に、急激な都市化から取り残されていく人々を描いたミニマルな作品か、さもなくば、最新の映像技術を駆使したアクションものか、という感じで、心を揺さぶられたりすることも少なくなったのですが、そうしたことは、みんな薄々は感じているようで、中国映画の新しい、感動的な素材(の1つ)は、少数民族の物語の中に求められてきている、と言えそうです。
 まあ、そこに描かれる物語も、昔ながらの素朴な生活を続けていた少数民族も、近代化の波を受けて、変わっていかざるを得ない、といったものが多いようですが。

 日本からエントリーされていた3作品は、いずれも受賞なりませんでした。

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 金爵奨のグランプリは、次回のイタリア映画祭あたりで見せてもらえるでしょうか。

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 *当ブログ記事
 ・上海国際映画祭2010 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201006/article_12.html
 ・上海国際映画祭2009 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_14.html
 ・上海国際映画祭2009 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_20.html
 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

この記事へのコメント

2010年06月21日 21:55
上海、ってことだからなのでしょうか?アジアの方の受賞が多いですね
umikarahajimaru
2010年06月23日 22:24
みさきさま
コメントありがとうございます。
上海国際映画祭は、元々エントリー自体にアジア映画が多いので、アジア映画が賞を受賞する確率は高いのですが、メイン・コンペの審査員長がジョン・ウーだったりしたので、今年はなおさらですね。

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