第34回セザール賞ノミネーション発表!

 第34回セザール賞のノミネーションが発表されました(1月23日)。

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 ◆作品賞
 ・ローラン・カンテ “Entre les murs(The Class)”
 ・フィリップ・クローデル “Il y a Longtemps que je t'aime(I've Loved You So Long)”
 ・ジャン=フランソワ・リシェ 『パブリック・エナミー・ナンバー1』
 ・セドリック・クラピッシュ 『PARIS』
 ・レミ・ブザンソン “Le Premier Jour du reste de ta vie (The First Day of the Rest of Your Life)”
 ・マルタン・プロヴォスト “Séraphine”
 ・アルノー・デプレシャン 『クリスマス・ストーリー』

 ノミネーション段階で、ルイ・デリュック賞と同じになったのは“Entre les murs(The Class)”と“Séraphine”と『クリスマス・ストーリー』のみ。ルイ・デリュック賞を受賞したレイモン・ドパルドン作品は作品賞にはノミネートされず、ドキュメンタリー部門にノミネートされました。

 リュミエール賞とは、ルイ・デリュック賞の3作品に『パブリック・エナミー・ナンバー1』を加えた4作品が同じになりました。リュミエール賞受賞作は“Entre les murs(The Class)”。

 ◆監督賞
 ・レミ・ブザンソン “Le Premier Jour du reste de ta vie (The First Day of the Rest of Your Life)”
 ・ローラン・カンテ “Entre les murs(The Class)”
 ・アルノー・デプレシャン 『クリスマス・ストーリー』
 ・マルタン・プロヴォスト “Séraphine”
 ・ジャン=フランソワ・リシェ 『パブリック・エナミー・ナンバー1』

 レミ・ブザンソンは、これが第二長編で、セザール賞初ノミネート。
 ローラン・カンテは、『ヒューマンリソース』(1999)でセザール賞脚本賞にノミネート&第一回作品賞を受賞。
 アルノー・デプレシャンは、『魂を救え!』(1992)でセザール賞第一回作品賞&脚本賞にノミネート、『キングス&クイーン』(2004)で作品賞・監督賞・脚本賞にノミネートされていますが、いまだ無冠。
 マルタン・プロヴォストは、テレビ俳優としてのキャリアの方が長くて、これが監督作品としては第三長編で、セザール賞初ノミネート。
 ジャン=フランソワ・リシェは、“État des lieux”(1995)でセザール賞第一回作品賞にノミネートされています。

 というわけで、この5人の監督のうち、初ノミネートが2人で、過去にセザール賞を受賞したことがあるのは、ローラン・カンテだけです。

 日本人的な感覚で言うと、アルノー・デプレシャンのみが中堅監督で、あとは新しく出てきた若い監督なのかとも思ったりもしますが、みんなそれぞれにキャリアがあって、実は、レミ・ブザンソン以外はほぼ同世代の監督です(フィリップ・クローデルと、“Faubourg 36”のクリストフ・バラティエを含めて)。(マルタン・プロヴォストの生年は不詳)
 アルノー・デプレシャン:1960年生まれ
 ローラン・カンテ:1961年生まれ
 フィリップ・クローデル:1962年生まれ
 クリストフ・バラティエ:1963年生まれ
 ジャン=フランソワ・リシェ:1966年生まれ
 レミ・ブザンソン:1971年生まれ

 アメリカの監督で言うと、ジョージ・クルーニー(1961年生まれ)、クエンティン・タランティーノ(1963年生まれ)、ゴア・ヴァービンスキー(1964年生まれ)、ウォシャウスキー兄弟(兄:1965年生まれ、弟:1967年生まれ)、ブライアン・シンガー(1965年生まれ)、J・J・エイブラムス(1966年生まれ)らと同じ世代ということになります。

 昨年度は、クロード・ミレールやアンドレ・テシネらベテラン監督がノミネートされていましたが、今年はこういう「中堅世代」の作品ばかりが評価されたことになります。

 作品賞・監督賞にはノミネートされなかったクリストフ・バラティエは、今回“Faubourg 36”で5部門にノミネートされています。彼は、『ミクロコスモス』や『キャラバン』などプロデューサーとしてのキャリアが先にあって、『コーラス』(2004)でセザール賞作品賞・監督賞・第一回作品賞にノミネート。監督長編はこれが第2作となります。

 リュミエール賞とは、4作品が同じで、レミ・ブザンソンとフランソワ・デュペイロンが入れ替わっています。リュミエール賞はフランソワ・デュペイロンが受賞しています。

 ◆主演男優賞
 ・ヴァンサン・カッセル 『パブリック・エナミー・ナンバー1』
 ・フランソワ=グサヴィエ・ドゥメゾン "Coluche, l'histoire d'un mec"(監督:アントワーヌ・ドゥ・コーヌ)
 ・ギョーム・ドパルデュー 『べルサイユの子』(監督:ピエール・ショレール)
 ・アルベール・デュポンテル "Deux jours a tuer"(監督:ジャン・ベッケル)
 ・ジャック・ガンブラン “Le Premier Jour du reste de ta vie (The First Day of the Rest of Your Life)”

 米国アカデミー賞のノミネーションにヒース・レジャーが入っていて、フランスのセザール賞にギョーム・ドパルデューが入っているのは、偶然のいたずらでしょうか。

 ヴァンサン・カッセルは『憎しみ』で主演男優賞と有望若手男優賞にノミネート、『リード・マイ・リップス』で男優賞にノミネート。無冠。
 フランソワ=グサヴィエ・ドゥメゾンは初ノミネート。
 ギョーム・ドパルデューはこれが4度目のノミネーションで過去に3度(!)有望若手男優賞にノミネートされて1度受賞。
 アルデール・デュポンテルは、主演男優賞と助演男優賞と第一回作品賞を1度ずつノミネートされたことがあり、今回が4度目のノミネート。無冠。
 ジャック・ガンブランは『パダル・ドゥース』で助演男優賞にノミネートされたことがあり、無冠。

 リュミエール賞とは、ヴァンサン・カッセルとアルベール・デュポンテルのみ重なりました。リュミエール賞はヴァンサン・カッセルが受賞。

 ◆主演女優賞
 ・カトリーヌ・フロ "Le crime est notre affaire"(監督:パスカル・トマ)
 ・ヨランド・モロー “Séraphine”
 ・クリスティン・スコット・トーマス "Il y a Longtemps que je t'aime(I've Loved You So Long)"
 ・ティルダ・スウィントン "Julia"(監督:エリック・ゾンカ)
 ・シルヴィー・テステュー "Sagan"(監督:ディアーヌ・キュリス)

 カトリーヌ・フロは3回連続8度目のノミネートで、『家族の気分』で助演女優賞を受賞したことがあります。
 ヨランド・モローは、監督作品“Quand la mer monte...”(2004)で第一回作品賞と女優賞を受賞しています。
 クリスティン・スコット・トーマスとティルダ・スウィントンはもちろん初ノミネート。
 シルヴィー・テステューは、『エディット・ピアフ 愛の讃歌』に続いて連続ノミネートで、これが5回目のノミネート、過去に2回受賞しています(“Les Blessures assassines”で有望若手女優賞、アラン・コルノーの『畏れ慄いて』で主演女優賞)。

 カトリーヌ・フロの"Le crime est notre affaire"は『アガサ・クリスティの奥様は名探偵』に続くクリスティもので、原作は『パディントン発4時50分』。

 リュミエール賞とは4人が同じで、ティルダ・スウィントンとフェリシテ・ウワシーが入れ替わっています。リュミエール賞ではヨロンド・モローが受賞。

 ◆助演男優賞
 ・バンジャマン・ビオレ "Stella" (監督:Vanina Vignal)
 ・クロード・リッシュ『がんばればいいこともある』(監督:フランソワ・デュペイロン)
 ・ジャン=ポール・ルシヨン 『クリスマス・ストーリー』
 ・ピエール・ヴァネック "Deux jours a tuer"
 ・ロシュディ・ゼム "La Fille de Monaco" (監督:アンヌ・フォンテーヌ)

 バンジャマン・ビオレとピエール・ヴァネックは初ノミネート。
 クロード・リッシュは、これが4度目のノミネートで、過去に1度主演男優賞を受賞したことがある。
 ジャン=ポール・ルシヨンは、50年以上のキャリアのあるベテランながら、1度助演男優賞にノミネートされたことがあるのみ。
 ロシュディ・ゼムは、これが4度目のノミネートで無冠。

 ◆助演女優賞
 ・ジャンヌ・バリバール "Sagan"
 ・アンヌ・コンシニ 『クリスマス・ストーリー』
 ・エディット・スコブ 『夏時間の庭』(監督:オリヴィエ・アサヤス)
 ・カリン・ヴィアール 『PARIS』
 ・エルザ・ジルベスタイン "Il y a Longtemps que je t'aime(I've Loved You So Long)"

 ジャンヌ・バリバールは、有望若手女優賞に2度、助演女優賞に1度ノミネートされたことがあり、今回が4度目のノミネート。無冠。
 アンヌ・コンシニはこれが2度目のノミネート。
 エディット・スコブは初ノミネート。
 カリン・ヴィアールはこれが6度目のノミネートで、過去に主演女優賞と助演女優賞を1度ずつ受賞。
 エルザ・ジルベスタインが過去に有望若手女優賞に3回(!)ノミネート、無冠。

 ◆オリジナル脚本賞
 ・マルク・アブデルヌー、マルタン・プロヴォスト “Séraphine”
 ・レミ・ブザンソン “Le Premier Jour du reste de ta vie (The First Day of the Rest of Your Life)”
 ・ダニー・ブーン、フランク・マグニエ、アレクサンドル・シャルロット “Bienvenue chez les Ch'tis(Welcome to the Sticks)”(監督:ダニー・ブーン)
 ・フィリップ・クローデル “Il y a Longtemps que je t'aime(I've Loved You So Long)”
 ・アルノー・デプレシャン、エマニュエル・ブルデュー 『クリスマス・ストーリー』

 ◆脚色賞
 ・エリック・アスー、Francois d'Epenoux、ジャン・ベッケル "Deux jours a tuer"
 ・クレメンス・ドゥ・ビエヴィーユ、フランソワ・カヴィリオーリ、ナタリー・ラフォリ “Le Crime est notre affaire”
 ・ローラン・カンテ、フランソワ・ベゴドー、ロバン・カンピヨ “Entre les murs(The Class)” "
 ・アブデル・ラウフ・ダフリ、ジャン=フランソワ・リシェ 『パブリック・エナミー・ナンバー1』
 ・クリストフ・オノレ、ジル・トーラン "La Belle personne"(監督:クリストフ・オノレ)

 ◆撮影賞
 ・ローラン・ブルネ “Séraphine”
 ・ロベール・ガンツ 『パブリック・エナミー・ナンバー1』
 ・エリック・ゴーティエ 『クリスマス・ストーリー』
 ・アニエス・ゴダール 『ホーム 我が家』(監督:ウルスラ・メイヤー)
 ・トム・スターン “Faubourg 36”(監督:クリストフ・バラティエ)

 ローラン・ブルネとロベール・ガンツは初ノミネート。
 エリック・ゴーティエは、アルノー・デプレシャンの諸作品のほか、『ポーラX』、『ティコ・ムーン』『イルマ・ヴェップ』『モーターサイクル・ダイアリーズ』『イントゥ・ザ・ワイルド』などを手がける撮影監督で、これが6度目のセザール賞ノミネート。『愛する者よ、列車に乗れ』で受賞。
 アニエス・ゴダールは、『フランスの友だち』『ジャック・ドゥミの少年期』『ネネットとボニ』『天使が見た夢』『ガーゴイル』『逢いたくて』『かげろう』などの撮影監督で、これが4度目のセザール賞ノミネートで、過去に1度受賞。
 トム・スターンは、クリント・イーストウッド作品で知られる撮影監督で、今回米国カデミー賞に『チェンジリング』でノミネートされています。フランス映画を手がけるのはこれが初めてでもちろん初ノミネート。

 ◆編集賞
 ・ロランス・ブリオー 『クリスマス・ストーリー』
 ・ロバン・カンピヨ、ステファン・レジェ “Entre les murs(The Class)”
 ・Sophie Reine “Le Premier Jour du reste de ta vie (The First Day of the Rest of Your Life)”
 ・フランシーヌ・サンベール 『PARIS』
 ・ハーヴ・シュナイド、ビル・パンコウ 『パブリック・エナミー・ナンバー1』

 ◆オリジナル作曲賞
 ・Jean-Louis Aubert “Il y a Longtemps que je t'aime(I've Loved You So Long)”
 ・マルコ・ベルトラミ、マーカス・トランプ 『パブリック・エナミー・ナンバー1』
 ・マイケル・ガラッソ “Séraphine”
 ・Sinclair “Le Premier Jour du reste de ta vie (The First Day of the Rest of Your Life)”
 ・ラインハルト・ワーグナー “Faubourg 36”

 Jean-Louis AubertとSinclairは初ノミネート。
 マルコ・ベルトラミは、『ターミナーター3』『アイ、ロボット』『ヘルボーイ』などを手がける作曲家で、昨年は“3:10 to Yuma”で米国アカデミー賞にノミネートされていた。セザール賞ノミネートは初めて。
 マイケル・ガラッソは、『花様年華』『雲 息子への手紙』を手がける作曲家で、セザール賞ノミネートは初めて。
 ラインハルト・ワーグナーは、『ロザリンとライオン』『青い夢の女』『アガサ・クリスティの奥様は名探偵』『ゼロ時間の謎』などを手がける作曲家。今回のノミネート作品では他に"Le crime est notre affaire"も手がけている。

 ◆美術賞
 ・ティエリー・フランソワ “Séraphine”
 ・エミール・ジゴ 『パブリック・エナミー・ナンバー1』
 ・イヴァン・ニクラス 『ホーム 我が家』
 ・ジャン・ラバス “Faubourg 36”
 ・オリヴィエ・ラウー “Les enfants de Timpelbach”(監督:Nicolas Bary)

 ティエリー・フランソワは『アンナ・オズ』『薬指の標本』の美術監督(ノミネート1回)。
 エミール・ジゴは『サンドイッチの年』『ワルシャワの悲劇/神父暗殺』『愛の地獄』『ひとりぼっちの狩人たち』などの美術監督(『レセ・パセ 自由への通行許可証』でノミネート)。
 イヴァン・ニクラスは『フォーエバー・モーツァルト』『感傷的な運命』などの美術監督(初ノミネート)。
 ジャン・ラバスは『ヴィドック』『ドリーマーズ』などの美術監督(ノミネートは4度目、『ロスト・チルドレン』『宮廷料理人ヴァテール』で受賞)。
 オリヴィエ・ラウーは『クリムゾン・リバー2』『エディット・ピアフ 愛の讃歌』の美術監督(『エディット・ピアフ 愛の讃歌』で受賞)。

 ◆衣裳デザイン賞
 ・マデリーン・フォンテーヌ “Séraphine”
 ・ピエール=ジャン・ラローク “Les femmes de l’ombre”(監督:ジャン=ポール・サロメ)
 ・Virgine Montel 『パブリック・エナミー・ナンバー1』
 ・Nathalie du Roscoät “Sagan”
 ・カリーヌ・サルファティ “Faubourg 36”

 マデリーン・フォンテーヌは『アメリ』『ロング・エンゲージメント』でノミネート、後者で受賞。
 ピエール=ジャン・ラロークは『冬物語』『グレースと公爵』『三重スパイ』『ルパン』『我が至上の愛~アストレとセラドン~』を手がけていて、セザール賞ノミネートは6度目、『葡萄酒色の人生 ロートレック』で受賞。
 Virgine Montelは、『憎しみ』『アサシンズ』『キッドナッパー』『リード・マイ・リップス』『スパイ・バウンド』などを手がけている(初ノミネート)。
 Nathalie du Roscoätは、『ビーナス・ビューティ』『ヴァンドーム広場』を手がけていて、後者でノミネート。
 カリーヌ・サルファティは『つめたく冷えた月』『恋の掟』『ヴィドック』を手がけている(ノミネートは2度目)。

 ◆音響賞
 ・ジャン=ピエール・ラフォルス、Nicolas Cantin、Sylvain Malbrant 『クリスマス・ストーリー』
 ・オリヴィエ・モーヴザン、Agnès Ravez、ジャン=ピエール・ラフォルス “Entre les murs(The Class)”
 ・ジャン・ミノンド、ジェラール・アルディー、アレクサンドル・ヴィドメル、Loïc Prian、フランソワ・グルート、Hervé Buirette 『パブリック・エナミー・ナンバー1』
 ・ダニエル・ソブリノ、ロマン・ディムニ、Vincent Goujon、“Faubourg 36”
 ・フィリップ・ファンデンドリエシェ、エマヌュエル・クロセ、イングリット・ラレット “Séraphine”

 ◆有望若手男優賞
 ・ラルフ・アムス 『がんばればいいこともある』
 ・Laurent Capelluto 『クリスマス・ストーリー』
 ・Marc-André Grondin “Le Premier Jour du reste de ta vie (The First Day of the Rest of Your Life)”
 ・Grégoire Leprince-Ringuet “La Belle Personne”
 ・Pio Marmai “Le Premier Jour du reste de ta vie (The First Day of the Rest of Your Life)”

 リュミエール賞の新人男優賞部門とは誰一人重なっていません。

 ◆有望若手女優賞
 ・Marilou Berry “Vilaine”(監督:Jean-Patrick Benes、Allan Mauduit)
 ・Louise Bourgoin “La Fille de Monaco”
 ・Anaïs Demoustier “Les Grandes Personnes”(監督:Anne Novion)
 ・Déborah François “Le Premier Jour du reste de ta vie (The First Day of the Rest of Your Life)”
 ・Léa Seydoux “La Belle Personne”

 リュミエール賞と同じなのはLéa Seydouxのみです。

 ◆第一回作品賞
 ・ウルスラ・メイヤー 『ホーム 我が家』
 ・フィリップ・クローデル “Il y a Longtemps que je t'aime(I've Loved You So Long)”
 ・Lyes Salem "Mascarades"
 ・Fred Cavaye "Pour elle"
 ・ピエール・ショレール 『ベルサイユの子』

 ◆短編映画賞
 ・Pierre Pinaud “Les miettes”
 ・Hélier Cisterne “Les paradis perdus”
 ・Jérémy Clapin “Skhizein”
 ・Lola Frederich “Taxi Wala”
 ・Raphaël Chevènement “Une leçon particulière”

 ◆ドキュメンタリー賞
 ・サンドリーヌ・ボネール 『彼女の名はサビーヌ』
 ・Antoine de Maximy “J'irai dormir à hollywood”
 ・アニエス・ヴァルダ "The Beaches of Agnes"
 ・Pierre Marcel "Tabarly"
 ・レイモン・ドパルドン "La Vie moderne"

 ◆外国語映画賞
 ・ブーリ・ランネール "Eldorado" (ベルギー・仏)
 ・マッテオ・ガローネ 『ゴモラ』(伊)
 ・ショーン・ペン 『イントゥ・ザ・ワイルド』(米)
 ・ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ 『ロルナの祈り』(ベルギー・仏)
 ・ポール・トーマス・アンダーソン 『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(米)
 ・ジェームズ・グレイ "Two Lovers" (米)
 ・アリ・フォルマン 『戦場でワルツを』(イスラエル)

 "Eldorado"は、2008年度米国アカデミー賞外国語映画賞ベルギー代表、『ゴモラ』は同イタリア代表、『戦場でワルツを』は同イスラエル代表。
 『ゴモラ』と『ロルナの祈り』と"Two Lovers"と『戦場でワルツを』は2008年のカンヌ国際映画祭のコンペ部門を争った作品で、『ゴモラ』はグランプリ、『ロルナの祈り』は脚本賞受賞。
 『戦場でワルツを』は、アメリカとフランスのアカデミー賞でそれぞれ外国語映画賞にノミネートされたことになります。

 リュミエール賞とは『ロルナの祈り』(受賞)のみ重なっています。

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 全20部門104ノミネーションで、ノミネートされた作品数は44作品。

 最多ノミネートは―
 ジャン=フランソワ・リシェ 『パブリック・エナミー・ナンバー1』:10
 マルタン・プロヴォスト “Séraphine”:9
 アルノー・デプレシャン 『クリスマス・ストーリー』:9
 レミ・ブザンソン “Le Premier Jour du reste de ta vie (The First Day of the Rest of Your Life)”:9
 フィリップ・クローデル“Il y a Longtemps que je t'aime(I've Loved You So Long)”:6
 ローラン・カンテ “Entre les murs(The Class)”:5
 クリストフ・バラティエ “Faubourg 36”: 5

 上位7作品のうち、“Faubourg 36”を除く6作品が作品賞にノミネートされていて、その6作品のうち“Il y a Longtemps que je t'aime(I've Loved You So Long)”を除く5作品が監督賞にノミネートされ、“Il y a Longtemps que je t'aime(I've Loved You So Long)”は第1回作品賞にノミネートされています。

 “Le Premier Jour du reste de ta vie (The First Day of the Rest of Your Life)”は、キャストのアンサンブルを楽しむ映画なのでしょう。4人もキャストがノミネートされています。
 "La Belle personne"も有望若手賞で2人ノミネートされていて、『愛のうた、パリ』のクリストフ・オノレ作品らしく、ヤング層を狙った作品で、若い俳優の演技を楽しむ作品であることがわかります。

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 今年の特徴は、非フランス人が何人もノミネートされていることで、主演女優賞のクリスティン・スコット・トーマスとティルダ・スウィントン、撮影賞部門のトム・スターン、作曲賞部門のマルコ・ベルトラミが、これに当たります。
 トム・スターンは、作品は違いますが、米国アカデミー賞とダブルでノミネートになりました。(作曲賞部門のマルコ・ベルトラミは1年前の米国アカデミー賞にノミネートされていました。)
 クリスティン・スコット・トーマスも、全米の映画賞レースに“Il y a Longtemps que je t'aime(I've Loved You So Long)”でからんでいて、米国アカデミー賞にノミネートされる可能性もあったのですが、これは果たされませんでした。

 その代わりと言ってはなんですが、外国語映画賞部門では米仏両国で『戦場でワルツを』がノミネートされています。

 外国語映画賞部門を含めて、『クリスマス・ストーリー』“Entre les murs(The Class)” 『ゴモラ』『ロルナの祈り』"Two Lovers"『戦場でワルツを』と6作品も2008年カンヌ国際映画祭のコンペティションを争った作品がノミネーションにタイトルをつらねています。

 また、“Il y a Longtemps que je t'aime(I've Loved You So Long)”と“Julia”と『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の3作品は、2008年のベルリン国際映画祭のコンペティションを争った作品です。

 先行するリュミエール賞とセザール賞は、アメリカのゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞のような関係にあり、後で発表になる方は先行している方を参考にしつつ、その逆を行くようなところがあって、セザール賞はリュミエール賞の受賞者のみを各部門のノミネートから外したり、リュミエール賞で評価されている部門は評価せずに、別の部門でノミネートさせたりしています。あんまり露骨なのでちょっと笑ってしまいます。
 まあ、アカデミー賞がゴールデン・グローブ賞に対して感じていること(「あれはしょせん部外者(外国人記者)が選ぶ賞だから関係ないし、同じになるはずがない。同じ結果になってはいけない」と思っている)と同じ感情を抱いているのでしょう(笑)。

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 日本での上映に関しては―

 ・東京国際映画祭で上映:『パブリック・エナミー・ナンバー1』『がんばればいいこともある』『ホーム 我が家』
 ・日仏学院で特別上映:『クリスマス・ストーリー』
 ・劇場公開が決まっている作品:『PARIS』 公開中
 『彼女の名はサビーヌ』 2月より渋谷UPLINKにて公開
 『ベルサイユの子』 春、シネスイッチ銀座にて公開
 『夏時間の庭』 5月、銀座テアトルシネマにて公開
 "The Beaches of Agnes(アニエスの浜辺)" 岩波ホールにて公開

 “Entre les murs(The Class)”の劇場公開が決まったという噂もありますが、まだ確かな情報は得られていません。

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 セザール賞の発表は、米国アカデミー賞の結果も発表されて、落ち着いた2月27日です。
 今年から米国アカデミー賞よりも遅くなりました(昨年みたいに受賞者が重なることも考えてか、意識して遅くしたんだと思われます)。

 日本では上のリストの半分も上映されない。上映されたとしても大半が映画祭どまりなんだよな~と思いつつも、頑張って書いてみましたが、いかがだったでしょうか。

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 *当ブログ記事
 ・リュミエール賞2008発表!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_25.html
 ・ルイ・デリュック賞2008発表!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_22.html
 ・2008年映画賞レース スケジュール表!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_10.html
 ・ローラン・カンテ監督について調べてみました:http://www.cocoda.co.jp/ccd7/ccdgshow.cgi?/rjdst/a113223+C2+Qn+m0
 ・第33回セザール賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200802/article_10.html

 追記:
 ・セザール賞発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200902/article_38.html

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