ひねくれ者の映画好き? ロサンゼルス映画批評家協会賞2008 発表!

 ロサンゼルス映画批評家協会賞(Los Angeles Film Critics Association Awards)が発表になりました(12月9日)。

 ロサンゼルス映画批評家協会賞は、ハリウッドのお膝元でありながら、ハリウッド映画に全く背を向けた映画賞で、インディーズ寄りのセレクションになるならまだしも、外国映画をやたらと選んでしまうという、アメリカの映画賞らしからぬ“個性的な”映画賞になっています(いったいアメリカ映画についてどう思ってるんだって感じですが)。

 設立は1975年で、歴史もあり、1980年前後には『クレーマー、クレーマー』とか『E.T.』とか『アマデウス』とか、アカデミー賞と変わらないような作品を選んでいたんですが、どうも1985年に『未来世紀ブラジル』を選んだあたりから、「己の道を行く」ようになり、依然としてアカデミー賞の重要な前哨戦の1つと見なされながら、結果としてはアカデミー賞とはあまり重ならない映画賞として、現在に至っています(それでも『許されざる者』や『シンドラーのリスト』など、どうしても外せない年もあるようです)。

 2001年以降に作品賞を受賞した作品を見てもそれは歴然で、それぞれ『イン・ザ・ベッドルーム』『アバウト・シュミット』『アメリカン・スプレンダー』『サイドウェイ』『ブロークバック・マウンテン』『硫黄島からの手紙』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』をベスト作品に選んで、「他の映画賞とは違う」というところを見せています(『サイドウェイ』なんか5部門受賞で最多賞受賞作品になってしまったりしています)。

 2007年度のアカデミー賞には、フランス映画『エディット・ピアフ 愛の讃歌』や『ペルセポリス』がからんでいて、「なぜこれがここに?」と思わないでもありませんでしたが、ひょっとすると、こういうところに、逆に、ロサンゼルス映画批評家協会賞がアカデミー賞に与えている影響を見て取ることができる、ということもできるかもしれません。

 ちなみに、昨年のロサンゼルス映画批評家協会賞とアカデミー賞が重なった部門は、主演男優賞(本命)、主演女優賞(マリオン・コーティヤール)、長編アニメーション賞(ただしロサンゼルス映画批評家協会賞は『レミーのおいしいレストラン』と『ペルセポリス』という2作品に長編アニメーション賞を与えています)の3つでした。

画像


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 ◆作品賞
 ◎『ウォーリー』
 次点:『ダークナイト』

 ◆監督賞
 ◎ダニー・ボイル“Slumdog Millionaire”
 次点:クリストファー・ノーラン『ダークナイト』

 ◆主演男優賞
 ◎ショーン・ペン “Milk”
 次点:ミッキー・ローク “The Wrestler”

 ◆主演女優賞
 ◎サリー・ホーキンス 『ハッピー・ゴー・ラッキー』
 次点:メリッサ・レオ “Frozen River”

 ◆助演男優賞
 ◎ヒース・レジャー 『ダークナイト』
 次点:エディー・マーサン 『ハッピー・ゴー・ラッキー』

 ◆助演女優賞
 ◎ペネロペ・クルス “Vicky Cristina Barcelona"、『エレジー』
 次点:ヴィオラ・デイヴィス “Doubt”

 ◆脚本賞
 ◎マイク・リー 『ハッピー・ゴー・ラッキー』
 次点:チャーリー・カウフマン “Synecdoche, New York”

 ◆外国語映画賞
 ◎『長江哀歌』(監督:ジャ・ジャンクー)
 次点:“The Class”(監督:ローラン・カンテ)

 ◆ドキュメンタリー賞
 ◎“Man on Wire”
 次点:『バシールとワルツを』

 ◆長編アニメーション賞
 ◎『バシールとワルツを』

 ◆撮影賞
 ◎ユー・リクワイ 『長江哀歌』
 次点:アンソニー・ドッド・マントル “Slumdog Millionaire”

 ◆美術賞
 ◎マーク・フリードバーグ “Synecdoche, New York”
 次点:ネイサン・クロウリー 『ダークナイト』

 ◆作曲賞
 ◎A・R・ラフマーン “Slumdog Millionaire”
 次点:アレクサンドル・デプラ 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

 ◆ニュー・ジェネレーション賞
 ◎スティーブ・マックイーン 『ハンガー』

 ◆ダグラス・E・エドワーズ インディペンデント/実験映画/ビデオ賞
 ジェームズ・ベニング(James Benning)“RR and Casting a Glance”,

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 びっくりするほど外国映画ばかりセレクトしている中で、作品賞に、『ウォーリー』を選んでしまうあたりが、やはりロサンゼルス映画批評家協会賞の尋常ならざるところ、でしょうか。そのわりには長編アニメーション賞に『バシールとワルツを』を選んでしまっていますが(笑)。

 監督賞=ダニー・ボイル、助演男優賞=ヒース・レジャー、作曲賞=A・R・ラフマーン、ドキュメンタリー賞=“Man on Wire”は、強いですね。それぞれの部門で、今年の本命ということができるかもしれません。

 *当ブログ記事
 ・2008年 映画賞レース スケジュール:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_10.html
 ・2008年 映画賞有力候補作品公開スケジュール:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_8.html

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