「リトル・シープ・オブ・ホラーズ」 『ひつじのショーン』第12話

 『サイコ』のあのシーンのパロディーもあります!



 【物語】
 牧場主が夜に独りでピザを食べながら、ホラーのビデオを観ている。
 それを窓の外からショーンたちもこっそり覗き込んでいる。
 しかし、牧場主は、ビデオに飽きたのか、電源を切って、部屋を出ていってしまう。
 ショーンたちはがっかりして小屋に戻るが、ティミーだけはこっそり牧場主の家に入り込んで、ビデオ&ピザを楽しもうとする。
 ティミーは、ピザを食べ、ビデオを観始めるが、すぐにうとうとし始めてしまう。
 一方、ティミーがいないことに気づいたショーンたちは、ティミーの捜索に出かける。
 牧場主は、テレビがつけっぱなしであることに気づくが、ティミーがいることには気づかずに、テレビを消して部屋を出て行く。
 ショーンたちは、ティミーが牧場主の家に入り込んでいるのを発見。
 ショーンたちの心配をよそに、ティミーは目を覚まして、再びビデオをつけるが、また眠ってしまう。
 ショーンたちは、煙突から牧場主の家に入ろうとするが、屋根から落ちそうになったり、物音で牧場主に気づかれそうになったりする。
 牧羊犬のビッツァーは、ショーンたちが煙突から牧場主の家に忍び込もうとしているのを見て、何かトラブルを起こすのではないかと思い、自分も後を追う。
 牧場主が、寝室を出た次の瞬間にショーンたちは寝室の暖炉から飛び出す。
 牧場主は、またもやテレビがつけっぱなしになっていることに気づくが、今度は元から電源を落としていく。
 湯たんぽにお湯を入れた牧場主は、歯磨きをするために浴室に行き、ショーンたちと鉢合わせしそうになる。
 寝室に戻った牧場主は、ドアを閉めようとして、そこに隠れていた煤だらけのビッツァーを見て、絶叫する。
 逃げてきたビッツァーとショーンたちが鉢合わせして、互いに悲鳴を上げる。その悲鳴を聞いて、ティミーも目を覚ます。顔を出したティミーが血まみれのように見えてまた悲鳴を上げるが、赤いのがピザのケチャップのせいだとわかり、ホッとする。
 騒ぎを聞きつけて、牧場主がブラシを手に居間にやってくるが、窓が開いているだけで、居間には誰もいない。
 5匹の羊とビッツァーは無事窓の外に逃げ果せている。ビッツァーが羊たちを叱り付けるのかと思いきや、彼は拝借してきたビデオを見せて、ニッコリ。
 ビッツァーは、小屋でビデオの上映会を開く。

画像

 ◆コメント
 タイトルは、もちろん『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』のもじりですが、『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』のパロディーでも何でもなく、作品自体もホラー風味であってもホラーではなくて、牧場主に気づかれないようにティミーを連れ戻すというミッションの一部始終を描いたサスペンス色の強い作品になっています。

 牧場主の知らないところでトラブルが発生し、彼が気づかないうちにそれを解決に導くというのは、「ひつじのショーン」の基本パターンの1つですが、それがホラー映画のパターン(主人公のそばに脅威が迫っているが、主人公はなかなかそれに気づかず、恐怖を感じないままに(少なくとも最初のうちは)それをやり過ごし、観客だけがスリルを味わっている)にソックリであることに気づいて、こうした作品を作ってしまう、というのはなかなか面白い発想だと思います。
 一見、ホラー風なのですが、全然怖くないのは、そういう風にして物語が組み立てられているからだろうと思われます。

 “脅威”が主人公のすぐ後ろにいたり、鏡に映っていたりするのに主人公が気づかないというのは、アジアン・ホラーではよく見かける手ですが、欧米では、ホラー映画にではなく、サスペンス映画でよく使われる手法です(欧米のホラーは、神出鬼没の“脅威”に主人公がただ追いまくられるといったタイプのものが多いように思います)。

 ◆作品データ
 2007年/英/6分01秒
 台詞なし/字幕なし
 クレイ・アニメーション

 脚本:Lee Pressman

 *この作品は、2007年にNHK教育テレビで放映されました(2008年1月1日~3日にもNHK教育テレビにて特別放映)。

 *この作品は、DVD『ひつじのショーン DVD-BOX1』に収録されています。

 *この作品は、2007年12月に渋谷シネ・ラ・セットにて劇場公開されました(全40作品を4プログラムに分けて)。

 *この作品を他の誰かにも教えてあげたいと思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。
 ↓ ↓ ↓ ↓
 

 ※「tantano 短編映画を楽しむ」を楽しむ
 ・「tantano 短編映画をたのしむ」INDEX
 ・「tantano 短編映画をたのしむ」 人気動画 トップ39!

--------------------------------

 ◆シリーズについて

 『ウォレスとグルミット』のサブ・キャラクター ひつじのショーンを主人公とするシリーズで、2007年3月と9月に各20話ずつがBBC One(およびCBBC)で放送された。
 各エピソードは7分。
 日本ではNHK教育テレビで2007年4月8日から3話ずつ放送された。
 ショーンらひつじは台詞は発せず、登場する人間は話しても解読不可能な“音”としてのみ聞こえる。
 ひつじのショーンの初登場は、『ウォレスとグルミット、危機一髪』 Wallace & Gromit in A Close Shave (1995年)。
 ショーンはひつじたちのリーダー的存在で、頭に帽子のような白い毛があるのが特徴。他の登場キャラクターとして、大きく太ったひつじのシャーリー、牧羊犬ビッツァーらがいる。
 ひつじたちは、運動することが好きで、組体操のように上下に組むのが得意。
 『ウォレスとグルミット』同様、映画からの引用も多い。“Little Sheep of Horrors”などタイトルからして映画のパロディーだったりすることもしばしば。

 第1話「ショーンとサッカー」 Off the Baa!
 第2話「みんなでバスタイム」 Bathtime
 第3話「シャーリーのダイエット」 Shape Up With Shaun
 第4話「ティミーのぬいぐるみ」 Timmy In A Tizzy
 第5話「りんごを手に入れろ!」 Scrumping
 第6話「ひつじの芸術家」 Still Life
 第7話「くいしんぼうなヤギ」 Mower Mouth
 第8話「ピザが食べたい!」 Take Away
 第9話「ショーンの闘牛」 The Bull
 第10話「サタデー・ナイト・ショーン」 Saturday Night Shaun
 第11話「ショーンと凧」 The Kite
 第12話「リトル・シープ・オブ・ホラーズ」 Little Sheep of Horrors
 第13話「ママはショーン?」 Who's the Mummy?
 第14話「カットはおしゃれに」 Fleeced
 第15話「ハイ! チーズ!」 Shaun Shoots the Sheep
 第16話「ティミーのサーカス」 Big Top Timmy
 第17話「ビッツァーの恋」 Fetching
 第18話「ショーンのモグラたたき」 Mountains Out of Molehills
 第19話「みつばちパニック!」 Buzz Off Bees
 第20話「ショーンのこわい夜」 Things That Go Bump In the Night
 第21話「おるすばん大作戦」 Sheeps on the Loose
 第22話「セメントぬりは、さあ大変!」 Bitzer Puts His Foot In It (Marks on Concrete)
 第23話「シャーリーのしゃっくり」 Hiccups
 第24話「せんたくびより」 Washday
 第25話「トラブルトラクター」 Troublesome Tractor
 第26話「ここほれ! メェーメェー」 Heavey metal Shaun(The Treasure Hunters)
 第27話「ビッツァーのムシ歯」 Tooth Fairy
 第28話「キャンプでドタバタ」 Camping Chaos
 第29話「おもいでの木」 Save The Tree
 第30話「ショーンは大いそがし」 Shaun the Farmer
 第31話「ショーンの夢ぼうけん」 Sheepwalking
 第32話「いたずらっこがやってきた」 The Farmer's Niece
 第33話「のりのり大さわぎ」 Stick with Me
 第34話「水あそびはなかよく!」 If You Can't Stand the Heat
 第35話「みんなで大そうじ?」 Tidy Up
 第36話「なぞの訪問者」 The Visitor
 第37話「ドタバタ ロボット犬」 Helping Hound
 第38話「シャーリーの大いびき」 Snore Worn Shaun
 第39話「まほうのステッキ」 Abracadabra
 第40話「なぞの訪問者・・・(2)」 Shaun Encounters

 ※エピソードの順番は(あるいはタイトルも)、データにより異なっていたりします(第13話と第19話が入れ替わっていたり、第21話~第26話の順番が違っていたりします)が、ここでは日本版DVDを参考にしています。

 *「おもいでの木」「ショーンの夢ぼうけん」「のりのり大さわぎ」が第7回飛騨国際メルヘンアニメ映像祭(2007年)で、子どもメルヘン大賞と中日新聞社賞を受賞しています。

 *参考サイト
 ・公式サイト(英語):http://www.shaunthesheep.com/
 Join the flock!(登録してログインするとBBSや最新情報のページへ)、Competition(賞品つきクイズ)、Shaun’s CD singles(CDの紹介)、Games(迷路、数独、ジグソーパズル、ビートボックスなど)、Make & Do(塗り絵、羊のマスク、メモパッドなど)、Downloads(スクリーンショット、壁紙、clipなど)、Shopなど。
 ・公式サイト(BBC/CBBC):http://www.bbc.co.uk/cbbc/cartoons/shaunthesheep/
 Meet the flock、Videoes(clip集)、Fun & Games、Make & Doなど(上の公式サイトからのセレクト)。
 ・公式サイト(NHKアニメワールド):http://www3.nhk.or.jp/anime/shaun/main.html
 簡単な紹介、スタッフ、放送予定
 ・公式サイト(ソニー・ミュージックエンタテインメント):http://www.sonymusic.co.jp/MoreInfo/Chekila/Shaun/
 キャラクター紹介、最新情報、壁紙、リンク集
 ・DVD公式サイト(ポニーキャニオン):http://www.ponycanyon.co.jp/shaun/
 各エピソードの紹介
 ・アードマン・アニメーションズ:http://www.aardman.com/html/home.asp
 ・ファン・サイト(英語):http://www.seanthesheep.com/
 ・ひつじのショーンに関するWikipedia(日本語):http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B2%E3%81%A4%E3%81%98%E3%81%AE%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%B3
 キャラクター、スタッフ、各エピソードのタイトル、リンク集
 ・ひつじのショーンに関するWikipedia(英語):http://en.wikipedia.org/wiki/Shaun_the_Sheep
 より詳しいキャラクター紹介、各国での放送局、リファレンス、リンク集
 ・ひつじのショーン 各エピソードに関するWikipedia(英語):http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Shaun_the_Sheep_episodes
 ・クラッパ!:http://clappa.jp/Product/21/
 キャラクター紹介

 ◆監督について
 リチャード・ゴルゾウスキー(ゴレソウスキー) Richard Goleszowski
 1959年 イギリス・サフォーク生まれ。
 愛称ゴリー。アードマン・スタジオを代表する監督の1人。

 CM業界でキャリアをスタート。アードマン社に招かれ、初の社員となる。
 いくつかのCM作品の後、アードマン社最初のミュージック・ビデオ作品『スレッジハンマー』(1986)に撮影とアニメーションを手がけ、続いて“barefootin'”(1987)では監督をも務めた。“barefootin'”は初期のリップシンク作品の1つ。
 反アニメーションという発想で「レックス・ザ・ラント」を生み出す。
 となかいのロビー、ひつじのショーンなど、愛嬌ある動物のキャラクターを生み、もしくは、育てるのが得意。

 【フィルモグラフィー】
 ・1986年 『スレッジハンマー』[撮影とアニメーション]
 ・1987年 “barefootin'”
 ・1989年 『アイデントの正体』“Ident”
 ・1991年 Rex the Runt: Dinosaurs
 ・1991年 『レックス・ザ・ラント(チビのレックス) 夢』Rex the Runt: Dreams
 ・1994年 『レックス・ザ・ラント(チビのレックス) 恐竜はなぜ絶滅したか?』Rex the Runt: How Dinosaurs Became Extinct
 ・1995年 Wallace & Gromit: The Aardman Collection
 ・1998年 『ハッピーワンコ劇場/レックス・ザ・ラント』"Rex the Runt Adventures on Telly 1 " (TV)
 ・1999年 『となかいのロビー 炎のランナー』“Hooves of Fire(Robbie the Reindeer in Hooves of Fire)” (TV)
 2000年 ライプチヒDOKフェスティバル観客賞受賞、オタワ国際アニメーションフェスティバルBest Television Special OIAF賞受賞、2001年ベルリン国際映画祭短編部門 Glass Bear&Deutsches Kinderhilfswerk - Special Award 受賞
 ・2003年 『快適な生活 ぼくらはみんないきている』"Creature Comforts" (13エピソード)
 「ザ・サーカス」“The Circus”
 「病院」“Pets at the Vets”
 「仕事」“Working Animals”
 「海」“The Sea”
 「庭」“The Garden”
 「食事」“Feeding Time”
 「海」“The Beach”
 「ペットショップ」“The Pet Shop”
 「大騒ぎ」“What's It All About?”
 「鳥」“Being a Bird”
 「宇宙人」“Is Anyone Out There?”
 「猫と犬」“Cats or Dogs?”
 「クリスマス」“Merry Christmas”
 2004年 BAFTA TV Award Comedy Programme or Series Award ノミネート、シカゴ国際チルドレンズ フィルム フェスティバルテレビ・アニメーション部門Adult's Jury Award & Children's Jury Award 受賞、フロリダ映画祭 最優秀国際短編賞観客賞受賞、オタワ国際アニメーションフェスティバルBest Television Series for Adults OIAF賞受賞、2006年 BAFTA TV Award Best Comedy Programme or Series ノミネート
 ・2007年 『ひつじのショーン』"Shaun the Sheep"
 第1シーズン全20話のうち、1~6話と8話はシリーズ監修のみ担当の作品。他の13話は監督も手がけています。シリーズが軌道に乗るまで(BBCでは毎日連続で放送された)は、ゴルゾウスキーは、シリーズ監修に専念していた、ということでしょうか。第2シーズンの監督については未確認です(おそらくゴルゾウスキーがすべての作品のシリーズ監修と、多くの作品の監督を引き受けていると思われます)。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック