ショーン・エリス ミーツ All Saints “Never Ever”

 “Never Ever”は、『キャッシュバック』『フローズン・タイム』のショーン・エリス監督が手がけたAll Saintsのミュージック・ビデオで、1998年 Brit Awardの最優秀ビデオ作品にも選ばれていて、ファッション・フォトグラファーだった彼が映像作品に進むきっかけともなった作品です。



 歌詞の訳は、下記に書き出してみましたが、「恋人に捨てられた女性がなぜ捨てられたのかわからず、そのわけを知りたいと去った恋人に訴えかける」という内容になっています。

 ミュージック・ビデオの方は、女が寝ている間に、男が荷物を詰めて出て行き、その後、女の方が2人で撮った8ミリビデオを観て、2人が幸せだった頃に思いを馳せる――というのがメイン部分ですが、最後の方は、雰囲気がガラっと変わって、爆発する部屋から彼女が颯爽と出てくるという終わり方になっています。
 「爆発する部屋から出てくる」というイメージは、おそらく彼女が過去を振り切って、未来に向かって新たな旅立ちをするという決意を表わしているのでしょうが、元々の歌詞にはないイメージだし、アクション映画めいていて、こんなのアリかなあという気もしてしまいます。

 歌詞が表わしている語り手はもちろん1人ですが、ミュージック・ビデオの方は、4人が入れ替わり立ち替わり「彼女」の役を務めています。

 私がこの曲から受けるイメージでは、主人公の彼女の、恋人との出会いから、最高に幸せだった頃、それから少しずつ気持ちのすれ違いが始まり、そして別れへ、という流れを、ドラマで見せればよかったのではないかと思うのですが、どうでしょうか。あるいは、4人4様の愛の始まりと終わりをドラマチックに見せる、というのでもよかったかもしれません。

 このミュージック・ビデオがなぜ賞を獲るようなものなのかは、今観るとよくわからないのですが、当時の彼女たちに勢いがあり、それが結果的にビデオの方も高評価へと後押しした、ということなのかもしれません(ちなみに、“Never Ever”は、UK1位を獲得し、シングル部門とビデオ部門の2部門でBrit Awardを受賞しています)。
 ひょっとすると、このビデオ(=監督ショーン・エリス)が彼女たちの魅力をうまく切り取っていた、ということもあるのかもしれません。

画像

 ◆作品データ
 //4分52秒
 英語歌詞あり/日本語字幕なし
 ミュージック・ビデオ

 *この作品は、1998年 Brit Award 最優秀ビデオ作品賞を受賞しています。

 
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 “Never Ever”

 訊きたいことがあるの
 どうしてあなたはそんなに私を傷つけることができるの
 私がどんな悪いことをしたというの
 それはずっと続いていたの?
 私が気づかなかっただけ?
 それとも私の愛情が足りなかった?
 答えがわかれば私だってまともになると思うし
 間違いを繰り返さないと思うわ
 直接会って言ってくれてもいいし
 電話でもいい
 手紙だってかまわない
 どっちにしても私は知りたいの
 私はあなたとうまくつきあってこなかったかしら
 私はいつもケンカばかり始めていた?
 どっちにしても私は心を入れ替えるつもり
 私の疑問の答えが知りたいの

 頭がクラクラするわ
 ホントに、ボーっとしてしまっているの
 寂しいわ
 誰ともつきあいたくない
 シャワーを浴びて
 体をゴシゴシ洗ってしまいたい
 歩きまわるのよ
 私の心を探して
 幸せだった心を
 以前はそうだったように、ああ

 いろんな言葉があふれ出てくる
 アルファベットがAからZまで
 話したいし、ためらいもある
 私が知りたいことを教えて
 私の頭がヘンになったわけじゃない
 私が間違ったことをしたわけじゃない、そうよ
 私は待っている
 だっていつまでもこんな気持ちじゃいられないから

 [コーラス]
 こんなに落ち込んだことはない
 いつあなたが私をブラックホールから連れ出してくれるの?
 こんなに悲しかったことはない
 この気持ち、そう、あなたがこんなにも私を苦しめるなんて
 こんなに知りたいと思ったことはない
 私の心のかけらを探したい
 責めたくなる気持ちをこんなにも抑えたことはないわ
 この気持ち、そう、こんなのまともじゃないもの

 [コーラス繰り返し]

 私はずっと探し続けるわ
 私の心の奥底を
 すべての答えを探して
 もうこれ以上傷つきたくないの
 落ち着きがほしい
 穏やかな気持ちになりたいの
 この痛みから解放されたい
 狂ってしまいそう
 心が痛い、ああ

 いろんな言葉があふれ出てくる
 アルファベットがAからZまで
 話したいし、ためらいもある
 私が知りたいことを教えて
 私の頭がヘンになったわけじゃない
 私が間違ったことをしたわけじゃない、そうよ
 私は待っている
 だっていつまでもこんな気持ちじゃいられないから


 [コーラス繰り返し 4回]

 [サビ]:
 直接会って言ってくれてもいいし
 電話でもいい
 手紙だってかまわない
 だって本当に知りたいのだから

 [サビ繰り返し](アルバム・バージョン)

 手紙を書いて、ベイビー
 手紙を書いて、ベイビー

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 A few questions that I need to know
 How you could ever hurt me so
 I need to know what I've done wrong
 And how long it's been going on
 Was it that I never paid enough attention
 Or did I not give enough affection
 Not only will your answers keep me sane
 But I'll know never to make the same mistake again
 You can tell me to my face
 Or even on the phone
 You can write it in a letter
 Either way I've have to know
 Did I never treat you right
 Did I always start the fight
 Either way I'm going out of my mind
 All the answers to my questions I have to find

 My head's spinning
 Boy, I'm in a daze
 I feel isolated
 Don't wanna communicate
 I take a shower
 I will scour
 I will roam
 Find peace of mind
 The happy mind
 I once owned, yeah

 Flexing vocabulary runs right through me
 The alphabet runs right from A to Zee
 Conversations, hesitations in my mind
 You got my conscience asking questions that I can't find
 I'm not crazy
 I'm sure I ain't done nothin' wrong, no
 I'm just waiting
 Cos I heard that this feeling won't last that long

 CHORUS:
 Never ever have I ever felt so low
 When you gonna take me out of this black hole
 Never ever have I ever felt so sad
 The way I'm feeling, yeah, you got me feeling really bad
 Never ever have I had to find
 I've had to dig a way to find my own piece of mind
 I've never ever had my conscience to fight
 The way I'm feeling, yeah, it just don't feel right

 REPEAT CHORUS

 I'll keep searching
 Deep within my soul
 For all the answers
 Don't wanna hurt no more
 I need peace
 Got to feel at ease
 Need to be free from pain
 Go insane
 My heart aches, yeah

 Sometimes vocabulary runs through my head
 The alphabet runs right from A to Zed
 Conversations, hesitations in my mind
 You got my concience asking questions that I can't find
 I'm not crazy
 I'm sure I ain't done nothing wrong
 Now I'm just waiting
 Cos I heard that this feeling won't last that long

 REPEAT CHORUS 4x

 BRIDGE:
 You can tell me to my face
 You can tell me on the phone
 Ooh, you can write it in a letter, babe
 Cos I really need to know

 [REPEAT BRIDGE] ALBUM VERSION

 You can write it in a letter, babe
 You can write in in a letter, babe

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 ◆監督について
 ショーン・エリス Sean Ellis
 1970年 イギリス・サセックス州ブライトン生まれ。
 11歳から写真を撮り始め、スティール・カメラマンとしてキャリアをスタートさせる。
 1994年にロンドンに移り、スティール・カメラマンの経験を生かして、ファッション写真へと転身し、“The Independent”紙・日曜版では、イギリスのフォトグラファー トップ10の1人に数えられるまでになる。

 ファッション・フォトグラファーとしての主な活動媒体は、“i-D”、“The Face”、“Arena”、“Arena Homme Plus”、“Visionaire”、“Dazed and Confused”、“Numero”、“Vogue”(フランス版、イギリス版、日本版、アメリカ版)、“Harper’s Bazaar”、“Big Magazine”など。

 過去に手がけた人物写真は、エルトン・ジョン、北野武、トレント・レズナー、カイリー・ミノーグ、エリック・バナ、ステラ・マッカートニー、Air、Kosheen、リチャード・アシュクロフトなど。
 “Harper’s Bazaar”誌では、ファッション・イメージのシリーズでデイヴィッド・リンチとコラボレーションしたりもしている。

 1年間毎日写真を撮るというアイデアで1999年に撮りためた写真を写真集“365-A Year in Fashion”としてまとめる(第一写真集)。

 元々写真にストーリー性を持ち込むことを得意としていたが、それがミュージック・ビデオやCMへの移行を容易にした。
 1997年に手がけたAll Saintsのビデオ“Never Ever”は、1998年 Brit Awardのビデオ部門を受賞している。
 CM作品としては、ジャン・ポール・ゴルティエ、ランド・ローヴァー、リンメル、O2など。

 リドリー・スコットのプロダクションRSAのプロデュースで、2001年に最初の短編“Left Turn”(サイコ・ホラー)を発表。続いて2004年に“Cashback”を発表した。
 “Cashback”は、米国アカデミー賞短編部門にノミネートされたほか、シカゴ国際映画祭の短編部門でゴールド・ヒューゴー賞(グランプリ)を受賞するなど、高評価を受け、2006年に長編版“Cashback”(邦題『フローズン・タイム』)を制作した。

 ◆フィルモグラフィー
 ・1997年 “Never Ever”[ミュージック・ビデオ]
 ・2001年 “Left Turn”[短編]
 ・2001年 “Gabriel”[ミュージック・ビデオ]
 ・2004年 “Cashback”[短編]
 ・2006年 『フローズン・タイム』“Cashback”
 ・2006年 “Lila”[短編]
 ・2008年 “The Brøken”

 *参考サイト
 ・ショーン・エリス公式サイト:http://www.sean-ellis.com/contents.html
 ・SEAN ELLIS PHOTOGRAPHER:http://www.seanellis.co.uk/index.asp
 ・“Cashback”(長編版)公式サイト(英語):http://www.cashbackthemovie.com/
 ・『フローズン・タイム』公式サイト:http://www.frozen-time.jp/
 ・ショーン・エリスに関するWikipedia(フランス語):http://fr.wikipedia.org/wiki/Sean_Ellis
 ・デザイナー 岡沢高宏さんのブログ honeyee.com(ハニカム):http://blog.honeyee.com/tokazawa/archives/2007/12/sean_ellis.html

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