「ロンドン・タイムズ」紙 2007年映画 ベスト100!

 『ロンドン・タイムズ』(TIMES) の2007年映画ベスト100が発表されました。

 これは、『ロンドン・タイムズ』の映画欄でこの1年間に紹介された、★★★以上の作品をリスト化したもので、★★★★★が4作品、★★★★が84作品、★★★が12作品あります(ひょっとすると単に週に2作品ずつ紹介して、その結果として集まった年間100本の紹介作品ということなのかもしれません)。
 紙面では、リバイバル作品も新作に混じって紹介されているので、このリストでもそれが反映されています。

 『ロンドン・タイムズ』は、イギリスの保守系高級紙で、社会的影響力もあるとされている新聞ですが、映画では、英米、およびヨーロッパの作品を中心に取り上げる傾向が多いようです。
 評価的には、内容に対する素直な驚きが評価されている、という感じでしょうか。“Time Out”あたりだとまたランクインする作品や評価も違ってくるのでしょうが、それでも、どんな作品が取り上げられ、どう評価されたかについてはちょっと興味深い結果が出ています。『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』が入って、『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』や『スパイダーマン3』『シュレック3』『トランスフォーマー』などが入らないのは、『ロンドン・タイムス』なりの見識なのでしょうか。

 ハリウッド・メジャー系の作品は案外少なくて、いわゆる“アート系”の作品が多く挙がっているのですが、アジアやラテン・アメリカ、アフリカなどの作品はほとんどありません。全く公開されていないということもないはずなのですが……。

 このリストの中には、日本で公開済み、もしくは公開中の作品、および2008年の公開予定の作品もありますが、もう日本での劇場公開はないだろうなという作品も多々あります。

 なお、下記リストのタイトルは、オリジナル版のリストに従い、英語題で示してあります。

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 ★★★★★

 ・『4ヶ月、3週と2日』“4 Months, 3 Weeks & 2 Days” (2007/ルーマニア) 監督:クリスティアン・ムンジウ
 *2008年3月 銀座テアトルシネマにて公開

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 ・『バベル』“Babel” (2006/米) 監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウ

 ・『ブレードランナー ファイナル・カット』“Blade Runner: The Final Cut” (1982・2007/米) 監督:リドリー・スコット

 ・『第七の封印』“The Seventh Seal” (1956/スウェーデン) 監督:イングマール・ベルイマン

 ★★★★

 ・『300』“300” (2007/米) 監督:ザック・スナイダー

 ・“3:10 to Yuma” (2007/米) 監督:ジェイムズ・マンゴールド
 デルマー・デイヴィス 監督の『決断の3時10分』(1957)のリメイク。出演:ラッセル・クロウ、クリスチャン・ベール

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 ・“12:08 East Of Bucharest” (2006/ルーマニア) 監督:コルネリウ・ポルンボユ

 ・“Alpha Dog” (2006/米) 監督:ニック・カサヴェテス
 出演:ブルース・ウィリス、マシュー・バリー

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 ・『アメリカン・ギャングスター』“American Gangster” (2007/米) 監督:リドリー・スコット
 2008年お正月第二弾 日劇1ほかにて公開。出演:デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ

 ・“And When Did You Last See Your Father? “ (2007/英・アイルランド) 監督:アーナンド・タッカー
 出演:ジム・ブロードベンド、コリン・ファース

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 ・『ジェシー・ジェームズの暗殺』“The Assassination of Jesse James” (2007/米) 監督:アンドリュー・ドミニク
 2008年1月12日より丸の内プラゼールほかにて公開。出演:ブラッド・ピット、ケイシー・アフレック、サム・シェパード

 ・『つぐない』“Atonement” (2007/英) 監督:ジョー・ライト
 2008年GW公開。出演:キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ

 ・『ベオウルフ 呪われし勇者』“Beowulf” (2007/米) 監督:ロバート・ゼメキス

 ・『ブラックブック』“Black Book” (2006/オランダ・独・英・ベルギー) 監督:ポール・バーホーベン

 ・『ぜんぶ、フィデルのせい』“Blame It on Fidel” (2006/伊・仏) 監督:ジュリー・ガヴラス
 2008年1月恵比寿ガーデンシネマにて公開。監督はコスタ・ガヴラスの娘。

 ・『ボビー』“Bobby” (2006/米) 監督:エミリオ・エステヴェス

 ・『ボーン・アルティメイタム』“The Bourne Ultimatum” (2007/米) 監督:ポール・グルーングラス

 ・“Blue Blood” (2006/英) 監督:Stevan Riley
 ドキュメンタリー

 ・『ブレイブ ワン』“The Brave One” (2007/米・豪) 監督:ニール・ジョーダン

 ・『テラビシアにかける橋』“Bridge to Terabithia” (2007/米) 監督:ガボア・クスポ
 2008年1月26日、渋谷東急ほかにて公開。出演:ジョシュ・ハッチャーソン、アナソフィア・ロブ

 ・『うつろいの季節(とき)』“Climates” (2007/トルコ・フランス) 監督:ヌリ・ベルゲ・ジェイラン
 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2007にて上映、シネフィルイマジカにて放映

 ・“Control” (2007/英・米・豪・日) 監督:アントン・コーバイン
 2008年 春、シネマライズにて公開 出演:サム・ライリー、サマンサ・モートン

 ・『ヒトラーの贋札』“The Counterfeiters” (2007/独・オーストリア) 監督:ステファン・ルボツキー
 2008年1月19日よりシャンテ シネにて公開。

 ・『王妃の紋章』(仮)“Curse of the Golden Flower” (2006/香港・中) 監督:チャン・イーモウ
 2008年5月3日公開。出演:チョウ・ユンファ、コン・リー

 ・『ダージリン急行』“The Darjeeling Limited” (2007/米) 監督:ウェス・アンダーソン
 2008年3月 シャンテ シネにて公開。出演:オーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ

 ・“Days of Glory” (2006/アルジェリア・フランス・ベルギー・モロッコ) 監督:ラシッド・ブシャール

 ・『潜水服は蝶の夢を見る』“The Diving Bell and the Butterfly” (2007/仏・米) 監督: ジュリアン・シュナーベル
 2008年 春、シネマライズにて公開。出演:マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ

 ・『吸血鬼ドラキュラ』“Dracula” (1957/英) 監督:テレンス・フィッシャー

 ・『アース』“Earth” (2007/独・英) 監督:アラステア・フォザーギル、マーク・リンフィールド
 2008年1月日比谷スカラ座ほかにて公開。ドキュメンタリー。

 ・“Eastern Promises” (2007/英・カナダ・米) 監督:デイヴィッド・クローネンバーグ
 出演:ヴィゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ

 ・“Far North” (2007/英) 監督:Asif Kapadia
 出演:ミシェル・ヨー、ミシェル・クルージ

 ・『フランドル』“Flanders” (2005/仏) 監督:ブルーノ・デュモン

 ・“For Your Consideration” (2006/米) 監督:クリストファー・ゲスト
 出演:ボブ・バラバン、キャサリン・オハラ、

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 ・“Funny Ha Ha” (2002/米) 監督:Andrew Bujalski

 ・『毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレート』“Fur: An Imaginary Portrait of Diane Arbus” (2006/米) 監督:スティーヴン・シャインバーグ

 ・『ライラの冒険 黄金の羅針盤』“The Golden Compass” (2007/米・英) 監督:クリス・ワイツ
 2008年3月1日丸の内ピカデリー1ほかにて公開。出演:ダコタ・ブルー・リチャーズ、ニコール・キッドマン

 ・『新世界』“The Golden Door” (2007/伊・独・仏) 監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ
 イタリア映画祭2007にて上映。

 ・『ヘアスプレー』“Hairspray” (2007/米) 監督:アダム・シャンクマン

 ・“Half Nelson” (2006/米) 監督:ライアン・フレック
 出演:ライアン・ゴスリング、シャリーカ・エップス

 ・“Hallam Foe” (2007/英) 監督:デイヴィッド・マッケンジー
 出演:ジェイミー・ベル、ソフィア・マイルズ

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 ・『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』“Harry Potter and the Order of the Phoenix” (2007/英・米) 監督:デイヴィッド・イェーツ

 ・『ヒッチャー』“The Hitcher” (2007/米) 監督:デイヴ・マイヤーズ

 ・“The Hoax” (2006/米) 監督:ラッセ・ハルストレム
 出演:リチャード・ギア、アルフレッド・モリーナ

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 ・“Hot Fuzz” (2007/英・仏) 監督:エドガー・ナイト
 出演:サイモン・ペグ、マーティン・フリーマン

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 ・『黒い眼のオペラ』“I Don’t Want to Sleep Alone” (2006/マレーシア・中・台湾・仏・オーストリア) 監督:ツァイ・ミンリャン

 ・『アイム・ノット・ゼア』“I'm Not There” (2007/米) 監督:トッド・ヘインズ
 2008年 春、シネマライズにて公開。出演:クリスチャン・ベール、ケイト・ブランシェット

 ・“In The Shadow of the Moon” (2007/英・米) 監督:David Sington
 ドキュメンタリー。

 ・“Infamous” (2006/米) 監督:ダグラス・マクグラス
 出演:トビー・ジョーンズ、グウィネス・パルトロウ

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 ・“Into The Wild” (2007/米) 監督:ショーン・ペン
 2008年9月、シャンテ シネ、テアトルタイムズスクエアほかにて公開。出演:エミール・ハーシュ、キャサリン・キーナー

 ・“Jindabyne” (2006/豪) 監督:レイ・ローレンス
 出演:ローラ・リニー、ガブリエル・バーン

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 ・“Knocked Up” (2007/米) 監督:ジャド・アパトウ
 出演:セス・ローガン、キャサリン・ヘイグル

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 ・『ラストキング・オブ・スコットランド』“The Last King of Scotland” (2007/英) 監督:ケヴィン・マクドナルド

 ・『ラストタンゴ・イン・パリ』“Last Tango in Paris” (1972/仏・伊) 監督:ベルナルド・ベルトルッチ

 ・『硫黄島からの手紙』“Letters from Iwo Jima” (2006/米) 監督:クリント・イーストウッド

 ・『善き人のためのソナタ』“The Lives of Others” (2006/独) 監督: フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

 ・“Michael Clayton” (2007/米) 監督:トニー・ギルロイ
 2008年公開予定。出演:ジョージ・クルーニー、トム・ウィルキンソン

 ・『マイティ・ハート 愛と絆』“A Mighty Heart” (2007/米) 監督:マイケル・ウィンターボトム

 ・『ミス・ポター』“Miss Potter” (2006/英・米) 監督:クリス・ヌーナン

 ・“Mr Brooks” (2007/米) 監督:ブルース・E・エヴァンス
 出演:ケヴィン・コスナー、デミ・ムーア

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 ・“Mutual Appreciation” (2005/米) 監督:Andrew Bujalski

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 ・『オーシャンズ13』“Ocean’s 13” (2007/米) 監督:スティーヴン・ソダーバーグ

 ・『ONCEダブリンの街角で』“Once” (2006/アイルランド) 監督:ジョン・カーニー

 ・『レイジング・ブル』“Raging Bull” (1980/米) 監督:マーティン・スコセッシ

 ・『レミーのおいしいレストラン』“Ratatouille” (2007/米) 監督:ブラッド・バード、ヤン・ピンカヴァ

 ・“Reprise” (2006/ノルウェー) 監督:Joachim Trier

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 ・“Rescue Dawn” (2006/米) 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
 出演:クリスチャン・ベール、ザック・グルニエ

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 ・“The Savages” (2007/米) 監督:タマラ・ジェンキンス
 出演:ローラ・リニー、フィリップ・シーモア・ホフマン

 ・“Sherrybaby” (2006/米) 監督:Laurie Collyer
 出演:マギー・ギレンホール、ミシェル・ハースト

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 ・『シッコ』“Sicko” (2007/米) 監督:マイケル・ムーア

 ・『ザ・シンプソンズ MOVIE』“The Simpsons Movie” (2007/米) 監督:デイヴィッド・シルヴァーマン

 ・“Sleeping Dogs” (2006/米) 監督:ボブ・ゴールドスウェイト
 出演:メリンダ・ペイジ・ハミルトン、ブライス・ジョンソン

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 ・“Sparkle” (2007/英) 監督:トム・ハンシンガー、ニール・ハンガー
 出演:ストッカード・チャニング、ボブ・ホスキンス

 ・『スターダスト』“Stardust” (2007/英・米) 監督:マシュー・ヴォーン

 ・『サンシャイン2057』“Sunshine”(2007/米) 監督;ダニー・ボイル

 ・“Superbad” (2007/米) 監督:Greg Mottola

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 ・“Taking Liberties” (2007/英) 監督:クリス・アトキンス
 ドキュメンタリー。

 ・“Tell No One” (2006/仏) 監督:ギヨーム・カネ
 出演:フランソワ・クルゼ、マリー・ジョゼ・クルーズ

 ・『十艘のカヌー』“Ten Canoes” (2006/豪) 監督:ロルフ・デ・ヒーア、ピーター・ジギル
 オーストラリア映画祭(2006)で上映。

 ・“This Is England” (2006/英) 監督:シェーン・メドウス

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 ・『すべての革命はのるかそるかである』“A Throw of the Dice” (1977/仏) 監督:ジャン=マリー・ストローブ&ダニエル・ユイレ

 ・“Two Days in Paris” (2007/仏・独) 監督:ジュリー・デルピー
 出演:ジュリー・デルピー、アダム・ゴールドバーグ

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 ・『ママが泣いた日』“The Upside of Anger” (2005/米) 監督: マイク・バインダー

 ・『ヴィーナス』“Venus” (2006/英) 監督:ロジャー・ミッチェル

 ・“The Walker” (2007/米・英) 監督:ポール・シュレーダー
 出演:ウディ・ハレルソン、クリスティン・スコット・トーマス

 ・『ジプシー・キャラバン』“When the Road Bends: Tales of a Gypsy Caravan” (2006/米) 監督:ジャスミン・デラル
 2008年1月12日渋谷シネ・アミューズにて公開。音楽ドキュメンタリー。出演:タラフ・ドゥ・ハイドゥークス、ファンファーラ・チョクルリーア

 ・『ウィズネルと僕』“Withnail & I” (1987/英) 監督:ブルース・ロビンソン

 ・『ウィッカーマン』“The Wicker Man” (2006/米) 監督:ニール・ラビュート

 ・『ゾディアック』“Zodiac” (2007/米) 監督:デイヴィッド・フィンチャー

 ★★★

 ・『28週後…』“28 Weeks Later” (2007/英・西) 監督:ファン・カルロス・フレスナディージョ
 2008年1月19日有楽町スバル座ほかにて公開。 出演:ロバート・カーライル、ローズ・バーン

 ・『エアギター エピソード・ゼロ』“Air Guitar Nation” (2006/米) 監督:アレクサンドラ・リプシッツ

 ・『俺たちフィギュアスケーター』“Blades of Glory” (2007/米) 監督:ジョス・ゴードン、ウィル・スペック

 ・『マイ・ブルーベリー・ナイツ』“My Blueberry Nights” (2007/仏・香港) 監督:ウォン・カーウァイ
 2008年日比谷スカラ座ほかにて公開。出演:ジュード・ロウ、ノラ・ジョーンズ

 ・『デス・プルーフ』“Death Proof” (2007/米) 監督:クエンティン・タランティーノ

 ・『ダイ・ハード4.0』“Die Hard 4.0” (2007/米) 監督:レン・ワイズマン

 ・『さらば、ベルリン』“The Good German” (2006/米) 監督:スティーヴン・ソダーバーグ

 ・『キングダム 見えざる敵』“The Kingdom” (2007/米) 監督:ピーター・バーグ

 ・『エディット・ピアフ 愛の讃歌』“La Vie En Rose” (2007/仏) 監督:オリヴィエ・ダアン

 ・『ロッキー・ザ・ファイナル』“Rocky Balboa” (2006/米) 監督:シルヴェスター・スタローン

 ・『恋愛睡眠のすすめ』“The Science of Sleep” (2006/仏・伊) 監督:ミシェル・ゴンドリー

 ・“Straightheads” (2007/英) 監督:ダン・リード
 出演:ジリアン・アンダーソン、ダニー・ダイア

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 日本でもアメリカ映画などは本国とほぼ同時公開が増えてきたとはいえ、イギリスと比べても公開が遅かったり、未公開のままだったりする作品がけっこうあります。
 100作品のうち、
 2007年末までに日本で劇場公開された作品:39本
 2008年以降劇場公開が決定している作品:19本
 映画祭などで上映された作品:3本
 リバイバル作品:6本
 未公開作品:33本

 国籍別に見ると
 アメリカ:53本
 イギリス:21本
 フランス:10本
 オーストラリア:2本
 ドイツ:2本
 香港:2本
 ルーマニア:2本
 アイルランド、イタリア、オランダ、カナダ、スウェーデン、台湾、トルコ、ノルウェー:各1本
 ※共同製作の作品は、監督の国籍なので大雑把に分けてあります。

 こういうリストを見ると、『ロンドン・タイムズ』が何を取り上げ、何を評価してるかもさることながら、日本の映画市場に何が受け入れられ、何が受け入れられていないのかがわかったりして、ちょっと興味深いですね。

 ちなみに、オリジナルのリストはこちら(http://entertainment.timesonline.co.uk/tol/arts_and_entertainment/film/article2953767.ece)
 単なる星取表だけではなく、ある程度の長さのある映画評も読めるようになっています。

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