カストロ語録採録!?  映画『コマンダンテ』

 オリバー・ストーンが、2002年にフィデル・カストロに対して行なった30時間以上に及ぶインタビューを1本の映画にまとめた『コマンダンテ』。

 ドキュメンタリーの手法としては、あまりにも単純で、インタビューの合間にカストロの日常を垣間見せたり、コメントに出てくる内容に合った映像を探し出してきてインタビューにかぶせたりはしているものの、基本的にはQ&Aがメインで、長期にわたる撮影や過酷な取材を通して作りこまれたドキュメンタリー作品などとは比べくもないものですが、インタビューの相手が、激動の歴史の中を長らくその中心で生き抜いてきたカリスマだけあって、とても面白かったですね。

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 最初は、インタビューに、質問や回答と同じくらいのボリュームで同時通訳が入ることにイライラし、こんなドキュメンタリー映画やインタビュー映像ってないよなあと思ったりしたものですが、観ているうちに慣れてきましたし、それが通訳による誤魔化しをなくすための1つの手法だと思えば納得もできるものでした。
 加えて、同時通訳をしているJuanita Veraが、長年カストロの通訳も務め、カストロの私的なパートナーでもあるらしい(?)ということを知ると、彼女にも興味が沸いてきたのでした。
 彼女は、西側社会に対するカストロの声であり、通訳の仕方いかんによっては、大きな政治問題すら引き起こしかねないという重要な立場にもあり(難局を彼女の通訳で切り抜けたということもあるのでしょう)、また、長年カストロと過ごした経験から、カストロが言うはずの言葉を本人はしゃべるのとほとんど同時に通訳し切ってしまったりもしているようです。カストロが全く英語を解さないというわけもないので、彼女の通訳の精度も知っていて、それで彼女の通訳を信頼し切っているということなのでしょう。
 家族がテーブルを囲んでいるシーンだけ、通訳が別の男性に替わりますが、何か隠された意味があるのかなあとも思ったりもしましたが(笑)。

 ま、それはともかく、オリバー・ストーンとカストロのやりとりをもう一度反芻して吟味してみたいなあと思ったら、劇場パンフには、シナリオの採録がなかったんですね。あんなに薄くて600円もするのでは買う気が起こりません。1000円でもシナリオが採録されていたら買ったのになあ。リピーターを来させるためにわざとシナリオ採録をしなかったのでしょうか。

 仕方がないので、ネット上で、2人のやりとりがどこかに載っていないかと思ったら、少しだけ見つけることができました。それと私が覚えているものを含めて、以下に書き出してみたいと思います。もちろんDVDが出れば、正確なものを映像つきで繰り返し観ることはできるんですが。

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 フィデル・カストロ:独裁者とは何だ? 誰か本当に知ってる者はいるのか? そして独裁者であることは悪いことなのか? なぜなら私はアメリカ政府が最大の独裁者たちと友好を結んでいたことを知っているからだ。カール・マルクスは、プロレタリアートの独裁者については語っている。個人的な独裁政権についてではない。
私は、説得を通じて、基本的な問題を解決したいと思っている。倫理的な権威を通してではない。過去43年間に警官が人々を弾圧しているという証拠写真すら見つけられないはずだ。
私が独裁者であることは認めよう。私自身に対しての独裁者だ。私は人々に対しては隷属している。それが私だ。

 FIDEL CASTRO: What is a dictator? Does anyone really know? And is it bad to be a dictator? Because I have seen the U.S. government being friendly with the biggest dictators. Karl Marx spoke of dictatorship of the proletariat. Not of personal dictatorship.
 I have always tried to solve fundamental problems through persuasion and not moral authority. You will not find a picture from the last 43 years of the police oppressing the people.
 I do admit that I am a dictator. A dictator to myself. I am a slave to the people, that is what I am.

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 カストロ:革命前には、全く読み書きできない者が30%いて、準非識字者(ある程度の教育はあるが、日常で必要とされる読み書きができない人)が60%いた。誇張だと思うかもしれないが、教育を受けた者は10%しかいなかったんだ。
 革命が成功した時、大卒は3万人から4万人いた。今日ではそれが70万人になっている。
それは、革命がもたらした偉大な成果の1つだと思うし、大卒の娼婦だっているくらいだ。

 FIDEL CASTRO: We found a country that had 30% illiteracy, 60% functional illiteracy. And I don't think it's an exaggeration if I say that we had 10% well educated people.
 At that time of the victory of the revolution there were somewhere between 30,000 and 40,000 university graduates. Today there are over 700,000. I'd say it's one of the greatest advantages of the revolution, that even our prostitutes are university graduates.

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 オリバー・ストーン:パレードの時、ケネディーがオープンカーで、窓を全開にして、しかもゆっくりと車を走らせたことを知った時、ショックを受けなかった?

 カストロ:ずっと疑問に思ってることがあるんだが、ライフルの照準で狙いをつけて撃つ時、距離が離れていたら、2発目を撃つことは難しい。銃を撃った時の反動があるから、もう一度狙いをつけ直さなければならないんだ。だから、(犯人が独りなら)何発も続けて撃つことはできなかったはずだ。
 独りで撃つなら一発で仕留めなくてはいけない。(ケネディーの暗殺は)陰謀の可能性が高いと思うな。ハーヴェイ・オズワルドが射殺されてしまったこともおかしい。どう考えても説明できないことだ。

 OLIVER STONE: Were you shocked or not when you found out the details - that Kennedy had an open car and the windows were open all the whole parade route...he was driving very slow. Were you surprised by that?

 FIDEL CASTRO: I always had doubts because when you shoot using a telescopic site, it's difficult to aim a second time at such a distance because when you shoot the gun moves and you have to re-aim you can't shoot multiple times.
 The theory of the lone gunman with one shot is all he could have pulled off. The possibility for conspiracy is great. The strange thing is that the assumed assassin is killed, it's difficult to explain that.

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 ストーン:ベトナムではキューバ人が(ベトナム側を)指導していたと聞いた。

 カストロ:経験を伝えるのに、ベトナム人に教えていたキューバ人がいたのは事実だ。20人以上はいなかったと思う。それはとても小さなグループだったはずだ。あとで、警備顧問がいて、囚人の拷問に加わったとも聞いたがウソだと思う。

 ストーン:20人くらいの捕虜がハノイで証言したものを読んだことがあるんだが、彼らは、キューバ人は最初は傍観してるだけだったが、あとで鞭打ちに加わった、とても残忍だったと言っている。

 カストロ:もしそれが本当なら、我々は彼らを裁判に立たせただろう。信じても信じなくてもかまわないが、革命後の43年間に拷問をしたことはない。あったとすれば、バチスタ政権の頃だ。我々はそうしたやり方はしない。ベトナム人も外国人を必要としていなかった。中国人やロシア人の助けも必要としていなかったんだ。

 ストーン:本当に?

 カストロ:そうだ。彼らはとても熱狂的で、とても民族主義的だ。ベトナム人たちは犯罪者ではない。彼らは囚人の処刑はしていない。

 ストーン:かなり残酷だった。

 カストロ:それは私より君が知ってるだろう。

 OLIVER STONE: In Vietnam there were always stories of Cuban advisors...

 FIDEL CASTRO: There were Cubans who were studying Vietnamese to collect experience. I don't think there were ever more than 20. I can assure you but I am certain that it was a very small group. Later, it's been said that we had some security advisors there and that they had participated in the torture of prisoners. I can tell you that is a total lie.

 OLIVER STONE: I read the POW accounts in Hanoi, about two dozen men who claimed there was a Cuban...who at first watched but then participated in the beatings and was very brutal.

 FIDEL CASTRO: If that were true, you can be sure that we would have tried these people in court. Believe us or not, I can assure you that in 43 years of revolution we have never practised torture. That was the practice of Batista and we would never resort to those methods. The Vietnamese did not want any foreigners. They did not ask the Chinese for assistance nor the Russians.

 OLIVER STONE: Are you sure?

 FIDEL CASTRO: Yes, they were very zealous. Very nationalistic. The Vietnamese were not criminals. They did not practise execution of prisoners.

 OLIVER STONE: There was quite a bit of brutality.

 FIDEL CASTRO: You would know better than me.

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 カストロ:この頃、永遠には生きられないということを考えるようになった。時間は限られている。

 ストーン:バイアグラが役に立つという人もいるよ。

 カストロ:私に使えと言うのか? 医者たちはバイアグラが血をサラサラにするとは言うがな。

 ストーン:私はCIAのエージェントかもしれない(笑)。

 カストロ:そうだな。新聞の見出しにはこう出るだろうな。オリバー・ストーンがバイアグラを使ってカストロを殺した、と。
 多くのアメリカ人は、君が敵を心臓発作で殺したと信じるだろう。ベトナム時代についてと同様、きっとあることないこと言われることになるだろう。

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 FIDEL CASTRO: My mind is used to the idea that I'm not going to live forever. There is a limited amount of time.

 OLIVER STONE: They tell me Viagara will help.

 FIDEL CASTRO: Will it help me to think? Doctors say that it accelerates blood flow.

 OLIVER STONE: I could be a CIA agent.

 FIDEL CASTRO: That's right. The headlines will read: Oliver Stone smuggles Viagara to Castro.
 Many Americans will believe you helped kill the enemy with a heart attack. You'll get the decorations you didn't get in Vietnam. (note: Oliver Stone was decorated for his time in Vietnam)

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 カストロ:政治的なことを言えば、革命に関して家族と政治を混同するようなことは避けている。本当のことを言えば、最初の妻たちは信じられないようなことを考えていたものだ。私は、時間がある限り子どもたちとは過ごしている。十分ではないがな。
子どもたちと過ごした時間数がよい父親であることの証明であるなら、私はよい父親ではないということになるだろう。だが、しかし、私が彼らと毎日をともに過ごさなかったと言っても、私は彼らを感じることができるし、実際に感じているんだ。

 FIDEL CASTRO: Politically speaking as a revolutionary I refuse to mix my family with politics. In truth the idea of first ladies seems to be ridiculous. As far as the time I have devoted to my children ... it has not been much.
 If you measure my being a good father by my time spent with them then perhaps I have not been a good father. But, yes, I am capable of feeling and I do feel for them even though I do not spend everyday with them. When I am with them I try to make the most of the time we have together.

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 ストーン:人生の終わりに見たいのはどちらか? バージョン1:おじいさんになって、たくさんの子どもがいて、やさしい家父で、人々に愛されてベッドで死ぬ。これも素晴らしい人生だ。もう1つは、体制が変わって、刑務所につながれ、たくさんの人々が見つめる中で、どこかで聞いたような人権と威厳について語っているというものだ。
さあ、どちらだ?

 カストロ:どちらでもないな。私は物事を考えるのに常に合理的でありたいと思っている。私が考えているのは栄光というものは相対的なもので、ルック・ホセ・マルティだって「世界のすべての栄光は、とうもろこしの一粒の中に収まる」と言っているではないか。
私は栄光について考えたことはないし、記憶に残りたいとも思わない。歴史とは相対的なものだ。人類はやがて滅亡するだろう。太陽も消滅してしまうだろう。そうなら名誉や名声にどんな価値があるというんだ。来るべき日には誰もいなくなってしまうというのに。

 OLIVER STONE: Which version of your life would you like to see for the closing chapter? Version 1: You're a grandfather, many children, you're a benevolent patriarch, well loved by the people, you die in bed - it's a great life. Or the new world order happens, they throw Fidel in chains with billions of people watching you give the most eloquent defence of human rights and dignity ever heard.
 What would you do, version 1 or version 2?

 FIDEL CASTRO: Neither of the two. I always try to be rational in my thinking. I have an idea how relative glory can by. Look (José Marti) said in a phrase "All the glory of the world fits in a kernel of corn."
 I have never thought about glory, I have never thought about how I want to be remembered. History is relative. The human species could become extinct, the sun could die out. So what is fame and celebrity worth? One day none of that will exist.

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 以下は、記憶を頼りに再現。なので、多少の記憶違いや勝手な思い込みはあるかと思います。

 ストーン:革命が失敗してたら、今も木箱の上に立ってると思う?

 カストロ:いや、死んでいただろう。

 ストーン:運命は信じる。

 カストロ:いや、信じない。運命など信じたら、困難にぶつかってしまった時、それであきらめてしまうかもしれないからだ。

 ストーン:健康には気をつけてる?

 カストロ:ヒゲは剃らない。ヒゲ剃りに費やす15分を節約したら、数ヶ月にもなる。スポーツは、昔は娯楽のためにやったが、今は健康のためにやっている。

 ストーン:映画は観る?

 カストロ:この10年、映画は観てない。時間がないんだ。

 ストーン:『グラディエーター』は観た?

 カストロ:たぶんビデオで観たはずだ。

 ストーン:『タイタニック』は?

 カストロ:あれもビデオで観た。あれは大きなスクリーンで観るべき映画だ。スペクタクルとしては面白かった。

 ストーン:好きな女優はいる?

 カストロ:たくさんいたが、忘れてしまった。

 ストーン:リタ・ヘイワースとか?

 カストロ:ソフィア……

 ストーン:ソフィア・ローレン?

 カストロ:そう、ソフィア・ローレン。あと、ブリジット・バルドーも好きだった。
 チャップリンの作品はもう1回ずつ観たいな。
 ドパルデューとは親しくしているが、彼は宮廷料理人の役のために太ってから、体が戻らなくなってしまったな。

 ストーン:ヘミングウェイの自殺はどう思う?

 カストロ:彼なりの哲学があったんだろう。

 ストーン:神は信じる?

 カストロ:いや、信じない。

 (車の中で)ストーン:葉巻は?

 カストロ:今はもう吸ってないんだ。(箱の中は)キャンディーだよ。

 ストーン:銃は使える?

 カストロ:たぶん使えるはずだ。

 ストーン:同性愛者はどう思う?

 カストロ:昔は男尊女卑の傾向があったが、今は偏見も減ってきていると思う。

 ストーン:黒人は?

 カストロ:今は大分高い地位にもつけるようになっていると思う。

 ストーン:マンデラが核兵器を持っているというのは?

 カストロ;それについては少し知っている。だが、マンデラ自身は、核兵器がどこにあるのかも知らないはずだ。

 ストーン:ソ連の歴代指導者の中でつきあいやすかったのは?

 カストロ:気が合ったのはフルシチョフだ。エリツィンはひどい大酒呑みだった。

 ストーン:ゴルバチョフのことはどう思う? 彼の時代に両国の協力関係が切れた。

 カストロ:協力関係はずっと更新してきたんだが、彼の時に途切れてしまったんだ。

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 カストロ:形式にはこだわらないので、結婚しても籍は入れない。

 カストロ:革命は今も続いている。私が信じた後も続くと信じている。

 カストロ:私は1秒たりとも他人が私をどう思うかなんて考えたことがない。

 カストロ:私は生まれ変わっても同じ人生を歩むだろう。

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 そのほか、最近書いたものは?(演説用の原稿を書いた。今校閲中だ)、密告制度のこと(曖昧にぼかした)、選挙のこと(これもちゃんと答えなかったような気がする)、ニクソンのこと(複雑な人物だったというような発言だった?)、チェ・ゲバラのこと(アフリカ行きのことなど、けっこう話していたけれど……)、コロンビアのこと(きっと内乱が起こるだろう)、通訳の彼女のこと、後継者のこと、妻のこと、軍服のこと(ストーン:Tシャツ姿だったら、あなただと気づかれないかもしれない)、自分についてアメリカで書かれたものは読まないなど、話題は多岐にわたっていました。

 外国人留学生はタダ。

 カストロの頬にキスできたことがうれしくて、興奮して走っていった女性(ナース?)の姿も印象的でした。

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 “一時の安全のために自由を手放したら、両方を失ってしまうことになる”―ベンジャミン・フランクリン

 “They that can give up essential liberty to obtain a little safety deserve neither liberty nor safety.”

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 『コマンダンテ』のスクリプトをネット上に探している時(結局それは見つからなかった)に、この映画に関して、オリバー・ストーンに対して行なわれたインタビューのいくつかを見つけることができました。

 ・Slate:http://www.slate.com/id/2098860/
 *インタビュアーが、キューバやカストロについて調べたことを元に、細かく質問しています。

 ・TOTAL FILM:http://www.totalfilm.com/features/the_total_film_interview_-_oliver_stone
 *『コマンダンテ』に関する質問はあまり多くはなくて、あとはストーンのフィルモグラフィーに沿ってQ&A。

 ・bbc.co.uk:http://www.bbc.co.uk/films/2003/09/30/oliver_stone_comandante_interview.shtml
 *[一部を抄訳]Q:歴史上の人物ばかり取り上げてきたあなたが初めてドキュメンタリーに取り組んだのはなぜですか?
 A:1999年に『エニー・ギブン・サンデー』を撮ってから、どんどん製作予算が膨らむのに疲れてしまったんだ。その時にスペインのテレビ局からカストロについてインタビューしないかという話がきたんだ。
 Q:同じようにブッシュにインタビューする時間が30時間与えられても応じないと発言しているようですが?
 A:その通り。ある女性がブッシュにインタビューしているのを見たことがあったが、ブッシュは始終はぐらかしているばかりでひどいものだったな。彼はまともに面と向かわないし、相手の目も見ない。会話にはならないんだ。

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 ◆感想を少しだけ

 ・オリバー・ストーンは、『プラトーン』『JFK』『ニクソン』と、自分が映画化した題材(=かなり調べこんだと思われる題材)に引き寄せて、カストロに質問しているという面が強い。

 ・オリバー・ストーンが映画の題材に選ぶ人物は、毀誉褒貶が激しい人物、あるいはまわりから理解されづらい人物が多く、オリバー・ストーンはそういう人物を共感を込めて描く傾向がある。
 カストロへのインタビューはスペインのテレビ局から依頼だということだが、カストロも(日本人が日本で考えるより遥かに)アメリカでは拒否反応を示される人物の1人で、そういう意味で、彼が映画の題材とする人物の系譜に連なる。

 ・カストロは、オリバー・ストーンの質問をちょっとはぐらかしたり、曖昧にぼかしたりすることも多く、なぜ選挙を実施しないのかとか、なぜ密告制度をなくさないのかとか、後継者の育成はどうしているのかとか、はっきりと答えていない事柄も多い。
 であるのにもかかわらず、ユニークな考えや人生哲学、政治哲学をわかりやすく自分の言葉で語るので、思わず引き込まれ、聞き入ってしまう。(少なくともその場では)ウソも欺瞞も誤魔化しも恫喝もなく、率直で、ポジティブで、本音で答えているように感じられて、好感が持てる。激動の時代に、命がいくつあっても足りないような人生を生き抜いてきた割には、全然偉そうでもなく、地位や権力や自分の業績を誇示したりすることもなく、人を見下したような態度も取らない。それどころか、自信と思いやりに満ちていて、ポジティブで、人を魅了する能力に長けている。カリスマ性というのは、こういうものなのかもしれないと思わせてくれる。

 ・オリバー・ストーンは、ずっとコンスタントに映画を撮ってきているようでありながら、劇映画では、1999年の『エニー・ギブン・サンデー』から2004年の『アレキサンダー』まで5年もブランクがある。『コマンダンテ』はその間に作った初めてのドキュメンタリー作品。
 オリバー・ストーン自身は、1999年に大麻所持で逮捕されており、そんなこともあって映画が作れずにいたはずで、『コマンダンテ』は逆境にいた彼に差し伸べられた救いの手でもあった。これを発表すれば、アメリカでは相当のセンセーションを起こすだろうという計算もあったかもしれない。

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 *参考サイト
 CBC the passionate eye:http://www.cbc.ca/passionateeyesunday/comandante/interview.html

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