案外、イタリア人てこういうイメージかも? ブルーノ・ボツェット『YES&NO』

 道路交通法または運転マナーに照らして正しいのはどっち?




 【物語】
 YES:できるだけスピードを出す。
 NO:のろのろ走って後ろから追突されてしまう。

 YES:前の車とは車間を取らない。
 NO:前の車との車間を取って、どんどん割り込まれてしまう。

 YES:駐車スペースなど気にしないで車を止める。
 NO:駐車スペースにきちんと車を入れたら、出口をふさぐ形で他の車に止められてしまう。

 YES:Uターン禁止など気にしない。
 NO:車線を守って車を走らせていて大渋滞に巻き込まれてしまう。

 YES:車からのポイ捨てOK。
 NO:ゴミを捨てるのに車を止めてゴミ箱を探しに行ったら、駐車違反を取られてしまう。

 YES:目の前を自転車の列が走り去るのを待っていては仕方がないので、間に割って入ってさっさと行ってよろしい。
 NO:目の前を自転車の列が走り去るのを待っていて、次から次から来る自転車のために走り出せなくなてしまう。

 YES:水たまりなど気にしないで走る。
 NO:歩行者に水たまりの水をはねあげないようによけて走って、対抗車線から来た車にぶつかってしまう。

 YES:左折禁止の標識など気にしない。
 NO:左折禁止の標識を守って、のろのろ運転の車(葬列)の後ろについてしまう。

 YES:緊急駐車を知らせる赤い三角を、止めている車のすぐそばに出す。
 NO:緊急駐車を知らせる赤い三角を、止めている車の少し手前に出しに行って、その間に車を盗まれてしまう。

 YES:道路が空いていれば、車両境界線の上を走り続けてもよい。
 NO:車線を守って走って、散歩中の犬を轢いてしまう。

 YES:身障者用のスペースが空いていたら利用する。
 NO:身障者スペースを避けて駐車したら、そこに止めようとした身障者の車にぶつけられて車をボコボコにされてしまう。

 YES:制限速度などいちいち気にしない。
 NO:制限速度を守ってゆっくり車を走らせていたら、追い抜こうとした自転車が対向車線から来た車に轢かれてしまう。

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 道路交通法や運転マナーを真面目に守った方がひどい目に遭ってしまう。そういうことを笑いにしていて、それが、ブルーノ・ボツェット流のブラック・ジョークなのでしょうが、その描かれ方を見ると、道路交通法や運転マナーを守ることが本当にバカバカしくなるようにも思えてきて、ちょっと笑えないんですよね。
 実際、イタリア人はこうしたマナーにルーズなところがあるというイメージがありますから、半分本気でマナー違反を唆しているようにも思えてきます。

 普通だったら(例えばテックス・エイヴリーだったら)、マナーを守っている人が損をしているように見せかけて、それを嘲笑ってる違反者がさらにひどい目に遭う、というようなオチをつけると思うんですが、ブルーノ・ボツェットはそうしないんですね~。

 これを、“YES”と“NO”という風にしないで、例えば、“YES”をイタリア人、“NO”を日本人とか、“YES”をB型の人、“NO”をA型の人というようにしたら、もっと笑えたかと思うのですが、どうでしょうか。

画像

 ◆作品データ
 2001年/伊/3分13秒
 台詞なし/字幕なし
 アニメーション

 *この作品は、日本未公開で、DVD未収録であり、DVD『ネオ・ファンタジア&ブルーノ・ボツェット作品集』にも収録されていません。

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 ◆監督について
 ブルーノ・ボツェット(ボゼット)
 1938年 ミラノ生まれ。イタリアを代表するアニメーション作家。

 10代の頃から映画を撮り始め、1958年、彼が20歳の時に発表したアニメーション作品“TAPUM! LA STORIA DELLE ARMI(TAPUM! THE HISTORY OF WEAPONS)”が批評家にも一般客にも好評で、新しいアニメーション作家として一躍注目されるようになる。

 1960年には、自らのプロダクション、ブルーノ・ボツェット・フィルムを設立。

 ボツェットの作品の中で、特に有名なのが<ミスター・ロッシ>のシリーズで、数々の短編と3つの長編がある。

 短編アニメーションのみならず、長編アニメーション、短編実写作品、長編実写作品も手がけ、映画、TV、webと発表の媒体を問わず、半世紀にわたり数多くの作品を発表している。
 長編アニメーションとしては、西部劇である“WEST AND SODA”(1965)、スーパーマンものである“VIP, MIO FRATELLO SUPERUOMO(VIP MY BROTHER SUPERMAN )”(1968)、ディズニーの『ファンタジア』にインスピレーションを得て制作された『ネオ・ファンタジア』(1976)などがある。

 1987年の『タイム・スプラッシュ・ガール/楽園から来た裸足の天使』は、クラウディオ・ポトッソ、アマンダ・サンドレッリ、クラウディア・ローレンスら出演の長編実写作品。

 1982年から始まったテレビの “QUARK”は 科学コラム番組で、ボツェットは、アニメーションを使って科学的な概念を一般の人にもわかりやすく伝えている。

 1999年の“EUROPA&ITALIA (EUROPE & ITALY)”からはCGによる2-D作品を手がけ始め、ごく最近ではCGの3-D作品にも挑戦している。

 1990年 『ミスター・タオ』でベルリン国際映画祭短編映画部門金熊賞受賞、1991年 『バッタ』で米国アカデミー賞短編アニメーション賞にもノミネートされるなど、受賞&ノミネート歴多数。

 1982年 アニー賞ウィンザー・マッケイ賞受賞
 1998年 ザグレブ国際アニメーションフェスティバルから生涯貢献賞を贈られる。
 2006年 Guglielmo Marconi FoundationからCalamaio賞が贈られる。
 2007年 ベルガモ大学から名誉博士号を贈られる。

 2004年の年末には、東京都写真美術館ホールでイタリア・アニメーション映画祭(http://event.yomiuri.co.jp/2004/italia_af/frontpage.htm)が開催され、その中で、『ネオ・ファンタジア』と短編27作品が上映されました。

 2005年には、DVD『ネオ・ファンタジア』と『ネオ・ファンタジア&ブルーノ・ボツェット作品集』が発売されました(作品集には上記の映画祭で上映された27の短編+『ストリップ』(下記☆印)を収録)。

 *ボツェットの公式サイト:http://www.bozzetto.com/homepage2.htm

 *参考書籍:『アートアニメーションの素晴らしき世界』(エスクァイア マガジン ジャパン) p120

 ・1953 年 “DONALD DUCK CARTOON”
 ・1954年 “I LADRI CHE MASCALZONI”[実写]
 ・1954年 “FANTASIA INDIANA (INDIAN FANTASY)”
 ・1954年 “IL CERCHIO SI STRINGE” [実写]
 ・1955年 “PICCOLO MONDO AMICO (LITTLE FRIEND WORLD)” [実写]
 ・1957年 “A FILO D'ERBA (BLADE OF GRASS)” [実写]
 ・1957年 “I GATTI CHE FURBACCHIONI (CATS, WHAT SLY ONES)” [実写]
 ・1958年 “TICO TICO”
 ・1958年 “PARTITA A DAMA (DRAUGHTS GAME)”
 ・1958年“TAPUM! LA STORIA DELLE ARMI(TAPUM! THE HISTORY OF WEAPONS)”
 ・1959年 “DUE RAGNI NEL PIATTO (TWO SPIDERS IN A PLATE)” [実写]
 ・1959年 “IL SOLITO DOCUMENTARIO(THE USUAL DOCUMENTARY)”[実写]
 ・1959年 “LA STORIA DELLE INVENZIONI(THE HISTORY OF INVENTIONS)”
 ・1960年 『ミスター・ロッシの受賞』 ”UN OSCAR PER IL SIGNOR ROSSI(AN AWARD FOR MR. ROSSI?)” ☆
 ・1961年 『アルファ・オメガ』 “ALFA OMEGA” ☆
 ・1961年 “COME SI REALIZZA UN CARTONE ANIMATO (HOW TO MAKE AN ANIMATED CARTOON)”[実写+アニメ]
 ・1962年 『二つの城』 “I DUE CASTELLI(TWO CASTLES)” ☆
 ・1963年 『ミスター・ロッシ、スキーへ行く』 “IL SIGNOR ROSSI VA A SCIARE(MR. ROSSI GOES SKIING)” ☆
 ・1964年 『海辺のミスター・ロッシ』 “IL SIGNOR ROSSI AL MARE(MR. ROSSI AT THE SEASIDE)” ☆
 ・1965年 “WEST AND SODA”[長編]
 ・1966年 『ミスター・ロッシの自動車』 “IL SIGNOR ROSSI COMPRAL' AUTOMOBIL (MR. ROSSI BUYS A CAR)” ☆
 ・1967年 『缶入りの人生』 “UNA VITA IN SCATOLA(LIFE IN A TIN)” ☆
 ・1967年 『人と世界』 “L UOMO E IL SUO MONDO(MAN AND HIS WORLD)” ☆
 ・1968年 “VIP, MIO FRATELLO SUPERUOMO(VIP MY BROTHER SUPERMAN )”[長編]
 ・1969年 『エゴ』 “EGO” ☆
 ・1970年 『ミスター・ロッシ、キャンプへ行く』 “IL SIGNOR ROSSI AL CAMPING(MR. ROSSI AT CAMPING)” ☆
 ・1971年 『ピクルス』 “I SOTTACETI(PICKLES)” ☆
 ・1971年 “CAMPAGNA CONTRO IL FUMO(CAMPAIGN AGAINST SMOKING)”[実写]
 ・1972年 “OPPIO PER OPPIO (THE HOUSEHOLD DRUG)” [実写]
 ・1972年 『サファリのミスター・ロッシ』 “IL SIGNOR ROSSI AL SAFARI FOTOGRAFICO(MR. ROSSI AT THE PHOTOSAFARI)” ☆
 ・1972年 “GULP”(TVシリーズ全6作品)
 ・1973年 『オペラ』 “OPERA” ☆
 ・1973年“LA CABINA(THE CABIN)” [実写] *シッチェス・カタロニア国際映画祭Medalla Sitges en Plata de Ley受賞
 ・1974年 『セルフ・サービス』 “SELF SERVICE” *クラクフ映画祭特別賞受賞 ☆
 ・1974年 『ベネチアのミスター・ロッシ』 “IL SIGNOR ROSSI A VENEZIA (MR. ROSSI IN VENICE)” ☆
 ・1975年 “GLI SPORT DEL SIGNOR ROSSI(MR. ROSSI'S SPORTING FEATS)” (TV シリーズ全11作品)
 ・1976年 『プール』 “I SOGNI DEL SIGNOR ROSSI (THE SWIMMINGPOOL)” ☆
 ・1976年 “IL SIGNOR ROSSI CERCA LA FELICIT?(MR. ROSSI LOOKS FOR HAPPINESS)”
 ・1976年 『ネオ・ファンタジア』“ALLEGRO NON TROPPO”[長編] *ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞特別賞受賞
 ・1976年 “I SOGNI DEL SIGNOR ROSSI(MR. ROSSI's DREAMS)”
 ・1976年 “LE VACANZE DEL SIGNOR ROSSI(MR. ROSSI'S HOLIDAYS)”
 ・1977年 『ストリップ』“STRIPTEASE” ☆
 ・1978年 『赤ちゃんの話』 “BABY STORY” ☆
 ・1979 年 “HAPPY BIRTHDAY”
 ・1980 年 “GIALLO AUTOMATICO” [実写]
 ・1980年 “MA COME FANNO A FARLI COSI' BELLI? ” [実写]
 ・1980年 “LILLIPUT‐PUT”(TVシリーズ全13作品)
 ・1980年 “SAM NERO DETECTIVE” [実写]
 ・1980年 “SANDWICH”[実写]
 ・1981 年 “HOMO TECHNOLOGICUS”
 ・1982 年 “TENNIS CLUB”
 ・1982-1988年 “QUARK”(シリーズ全38作品)
 ・1982年 “SPORTING” [実写]
 ・1982年 『テニス・クラブ』☆
 ・1983 年 “LA PILLOLA (THE PILL)”
 ・1983年 “MILANO ZERO” [実写]
 ・1983年 『ジグムント』“SIGMUND” ☆
 ・1983年 “NEL CENTRO DEL MIRINO” [実写]
 ・1984年 『モア・モア』 “MOA MOA” ☆
 ・1984年 “SANDWICH”(TVシリーズ全12作品)
 ・1984年 “IL CORSARO NERO film pilota, primo episodio(THE BLACK PIRATE, pilot, first episode)”
 ・1985年 『エルドラド』 “ELDORADO” ☆
 ・1986 年 “SPIDER” [実写]
 ・1986年 “QUARK ECONOMIA (QUARK ECONOMY)”(シリーズ全13作品)
 ・1987年 『虫』 “BAEUS” ☆
 ・1987年 『タイム・スプラッシュ・ガール/楽園から来た裸足の天使』 “SOTTO IL RISTORANTE CINESE(UNDER THE CHINESE RESTAURANT)” [実写] [長編]
 ・1988年 『ミスター・タオ』“MISTER TAO” *ベルリン国際映画祭短編部門金熊賞受賞 ☆
 ・1988年 “MINI QUARK”(シリーズ全29作品)
 ・1990年 『バッタ』“CAVALLETTE(GRASSHOPPERS)” *米国アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート、オタワ国際アニメーションフェスティバル審査員特別賞受賞 ☆
 ・1990年 『ビッグ・バン』 “BIG BANG” *ベルリン国際映画祭短編部門ノミネート☆
 ・1991年 『ダンシング』 “DANCING” ☆
 ・1991年 “SKI LOVE” [実写]
 ・1992‐1996 年 “WWF”(シリーズ全17作品)
 ・1992年 “TULILEM”
 ・1993 年 “MALEDUCAZIONE IN MONTAGNA” [実写]
 ・1993年 “BENVENUTI A CINEMA 5. VI ASPETTAVAMO”
 ・1993年 『落下』 “DROP” *ベルリン国際映画祭短編部門ノミネート ☆
 ・1995年 “HELP?”
 ・1996年 “LA FAMIGLIA SPAGHETTI, film pilota, primo episodio (SPAGHETTI FAMILY, pilot, first episode)”
 ・1998 年 “POINT OF VIEW”
 ・1999年 『ヨーロッパ人とイタリア人』 “EUROPA&ITALIA (EUROPE & ITALY)” *ザグレブ国際アニメーションフェスティバルSpecial Recognition受賞
 ・1999年 “TONY E MARIA (TONY & MARIA)”
 ・2000年 “THEATRE”
 ・2000年 “TO BIT OR NOT TO BIT”
 ・2000年 “I COSI (THINGS)”
 ・2001年 “MONSTERS ”
 ・2001年 “WAR”
 ・2001年 『ホラー』“HORROR”
 ・2001年 “FAR WEST”
 ・2001年 “YES & NO”
 ・2001年 “STORIA DEL MONDO PER CHI HA FRETTA (HISTORY OF THE WORLD FOR THOSE WHO ARE IN A HURRY)”
 ・2002年 “LA BICICLETTA IN EUROPA E IN ITALIA (THE BYCICLE IN EUROPE AND ITALY)”
 ・2002年 “MAMMUK”
 ・2002年 『アダム』 “ADAM”
 ・2002年 “SPORT O SPORK (SPORT OR SPORK)”
 ・2002年 “10 SPOT NATALIZI PER LA7 (10 CHRISTMAS SPOTS FOR LA7)”
 ・2003年 『オリンピック』 “OLYMPICS”
 ・2003年 “BABY SCANNER”
 ・2003年 “FAMIGLIA SPAGHETTI (SPAGHETTI FAMILY)”(TVシリーズ全26話)
 ・ 2004年 『ノイローゼ』 “NEURO”
 ・2004年 『ルー』 “LOOO” *イタリア映画祭2006にて上映
 ・2004年 “FEMMINILE E MASCHILE(FEMMINILE AND MASCHILE)”
 ・2005年 『フリーダム』“LA LIBERTA(FREEDOM)”
 ・2005年 “LA LEGGE SONO IO (I AM THE LAW)”
 ・2006年 “I COSI(THINGS)” (TVシリーズ全26話)
 ・2006年 “IL BELLO DELLA DIFFERENZA(THE BEAUTY OF DIFFERENCE)”
 ・2006年 “VIAGGIATORI E VIAGGIATORI(TRAVELLERS AND TRAVELLERS)”
 ・2007年 Untitled Bruno Bozzetto Animated Film

 *タイトルや公開年など資料によってデータが異なる場合がありますが、基本的には公式HPに従っています。
 *特記のないものはアニメーション作品。

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