いろんなものが気持ちよく回転する速度 『78回転』 ジョルジュ・シュヴィツゲベル

 タイトルの78回転とはもちろんSPレコードの回転数のことですが、子どもの遊具から始まって、カメラが引いたり、映像がメタモルフォーズしたりしつつ、いろんなものが回転していきます。



 子どもの遊具
 その隣にはアコーディオン奏者(からカメラが引くと)
 そのまわりの人々(からカメラが引くと)
 それは女性のドレスの柄で(カメラが引くと)
 その女性は子どもの遊具のまわりの人々の中にいる(からカメラが引くと)
 部屋の中にいる男性
 丸テーブルがまわり出し→
 レコード盤にタイトル
 タイトルの文字がスクランブル
 様々なものが回転しながらメタモルフォーズして
 子どもの遊具→
 コーヒーカップ→
 螺旋階段→
 コーヒーカップ→
 螺旋階段→
 観覧車から始まって、遊園地の様々な乗り物→
 ゾーイトロープ→
 灯台→
 回り灯篭→
 散らばる紙
 をばら撒いている人
 そのまわりの人々
 コーヒーカップ→
 ダンスする男女→
 腕時計→
 男の部屋
 男が部屋を出るとそこには螺旋階段がある

 映像が次々とメタモルフォーズすること、いろんなものがゆったりと回転していること、そしてバックに流れるアコーディオンの音楽……。観ていて気持ちがいいのは、こうしたものが渾然一体となって、まるで遊園地にいるような気分にさせてくれるからでしょうか。

 次にどうなるかわかっているのに、何度も驚いて、何度も観たくなります。

 社会学者ロジェ・カイヨワは、遊びの原理を、めまい、模擬、偶然、競争の4つと考えましたが、映像による「めまい」に似た感覚が楽しめますね。

画像

 ◆作品について
 1985年/スイス/3分45秒
 台詞なし/字幕なし
 アニメーション

 *「アニメーションの一世紀ベスト100」の72位

  *『世界と日本のアニメーションベスト150』(ふゅーじょんぷろだくと)で245位。

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 ◆監督について
 ジョルジュ・シュヴィツゲベル
 スイスを代表するアニメーション作家&グラフィック・デザイナー。キャリアは30年以上ですが、この10年間で特に評価が高まっているようです。
 1944年 スイスのベルン生まれ。1951年にジュネーブに移る。
 1961年 ジュネーブのArt School and College of Decorative Artsに入学(~1965年)
 1966年 ジュネーブの広告代理店に入社(~1970年)
 1970年 独立して、Claude Luyet 、Daniel Suter とともにGDS Studio を設立し、テレビ番組のタイトルやポスター、広告イラスト、短編アニメーション等を手がける。
 1983-1984年 中国語を学ぶために1年間、上海の復旦大学で学ぶ。
 1986年 スイスのビュルにあるGruyerien美術館で GDS Studioの展覧会開催。
 1987年 Nürenbergで回顧展開催。
 1992年 ジュネーブで舞台“Children's King”のためのセットを手がける。
 ジュネーブの Building-House のためにフレスコ画を手がける。
 1994年 シュツットガルトで展覧会&回顧展開催。
 1995年 東京と大阪とパリで回顧展開催。
 ジュネーブのギャラリーPapiers Grasで展覧会開催。
 1996年 ジュネーブのJardin BotaniqueとギャラリーPapiers Grasで展覧会開催。

 ・1971年“Patchwork ” *カンヌ国際映画祭 短編部門ノミネート
 ・1974年 『イカロスの飛翔』 “Le Vol d'lcare”
 ・1975年 『遠近法』 “Perspectives”
 ・1977年 『オフサイド』 “Hors-jeu”
 ・1982年 『フランケンシュタインの恍惚』 “Le Ravissement de Frank N. Stein” *ベルリン国際映画祭C.I.D.A.L.C. Award名誉賞受賞
 ・1985年 『78回転』 “78 Tours”
 ・1986年 『ナクーニン』 “Nakounine”
 ・1987年“Academy Leader Variations” *カンヌ国際映画祭審査員賞受賞
 ・1989年 『絵画の主題』 “Le Sujet du tableau”
 ・1992年 『破滅への歩み』(『深遠への旅』) “La Course à l'abîme” *広島国際アニメーションフェスティバル 5分以内の作品部門2位
 ・1995年 『鹿の一年』 L' Année du daim(The Year of the Deer)” *ザグレブ国際アニメーションフェスティバルCategory A - 30 Sec. to 5 Min First Prize受賞
 ・1996年 『ジグザグ』 “Zig Zag”
 ・1998年 『フーガ』 “Fugue” *オタワ国際アニメーションフェスティバルBest Use of Colour Craft Prizes受賞、スイス映画賞最優秀短編賞ノミネート、ザグレブ国際アニメーションフェスティバルSpecial Recognition受賞
 ・2001年 『少女と雲』 “La Jeune fille et les nuages(The Young Girl and the Clouds)” *スイス映画賞最優秀短編賞受賞、ザグレブ国際アニメーションフェスティバルSpecial Recognition受賞、広島国際アニメーションフェスティバル優秀賞受賞
 ・2004年 『影のない男』 “L' Homme sans ombre(The Man with No Shadow)” *カンヌ国際映画祭 短編部門Prix Regards Jeune受賞、ジニー賞短編アニメーション部門ノミネート、スイス映画賞短編アニメーション部門ノミネート、ザグレブ国際アニメーションフェスティバル審査員特別賞&Jury Award of the Partner Festival Krok 受賞、広島国際アニメーションフェスティバル国際審査員特別賞受賞
 ・2006年 『技』 “Jeu” *スイス映画賞最優秀短編アニメーション賞ノミネート、広島国際アニメーションフェスティバル国際審査員特別賞受賞

 *1995年にイメージフォーラムの<Magical View!>というプログラムで、イギリスの映像作家トニー・ヒルの6作品とともに、8作品(『イカロスの飛翔』『遠近法』『オフサイド』『フランケンシュタインの恍惚』『78回転』『絵画の主題』『破滅への歩み』『鹿の一年』)が劇場公開されました。

 *第7回ラピュタアニメーションフェスティバル2006で『イカロスの飛翔』『遠近法』『オフサイド』『フランケンシュタインの恍惚』『78回転』『ナクーニン』『絵画の主題』『破滅への歩み』『鹿の一年』『ジグザグ』『フーガ』『少女と雲』『影のない男』『技』という主だった14作品が<ジョルジュ・シュヴィツゲベル作品集>として上映されました。
 これに先立って、『技』以外の13作品が『ジョルジュ・シュヴィツゲベル作品集』として2005年に日本でもDVDリリースされています。

 *参考サイト:THE GALLARY:http://www.awn.com/gallery/schwizgebel/index.html

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