ジェフ・ファウラー 『プレーリードッグは骨折り損』

 2004年に『RYAN ライアン』や『バースデー・ボーイ』『ガード・ドッグ』などとアカデミー賞短編アニメーション賞を争った作品“Gopher Broke”『プレーリードッグは骨折り損』。



 【物語】
 プレーリードッグは、未舗装の道を収穫した野菜を積んだトラックが通り過ぎていくのを見て、収穫の分け前に預かる妙案を思いつく。それは、道に穴を掘れば、トラックがその穴の上を通った瞬間に、傾いて、積荷を落として行ってしまうのではないか、というものだった。
 試してみると見事成功し、トラックがニンジンを1本落として行ってしまう。
 いざ、そのニンジンを食べようとすると、横から出てきたリスにさらわれてしまう。
 もう1台トラックが通り過ぎて、今度はトウモロコシが落とされる。すると、またまたニワトリに横取りされてしまう。プレーリードッグは、ニワトリから奪い返そうとするが、返り討ちに遭う。
 頭にきて、そばに立っていた看板を引っこ抜いて八つ当たりしていると、その上をトラックが通り過ぎて行く。プレーリードッグは穴に隠れて命拾いをする。
 ホッとした瞬間、空からたくさんの野菜が降ってくるのを目撃。プレーリードッグが幸福感に浸っていると、カラスの大群がやってきて、1つ残らず奪い去られてしまう。
 彼が、看板がメチャクチャになるまで当り散らしていると、またまたトラックが通りかかる。トラックは、プレーリードッグが破壊した看板に足をとられて、あわや横転という事態になる。荷台に積まれていたのは牛で、牛は宙に舞うと、プレーリードッグの上へ……。
 プレーリードッグは牛の尻に食い込んだまま、牛と一緒にトラックに乗せられて、運ばれていくのだった。

 わかりやすい三段オチのストーリーが楽しい。

 取り立てて斬新さや作家性が感じられる作品ではありませんが、毛の1本1本まで描きこまれたプレーリードッグの姿かたちや、暖かさの感じられる野中の一本道のリアルさが素晴らしいですね。それが、この作品が(作家性の強い外国作品を押しのけて)アカデミー賞にノミネートされた理由でしょうか。
 大手スタジオ以外でも、こうした精緻でポピュラリティーあふれる作品が作れるようになったというのは、恐るべきことで、それもこれもすべてCGのおかげでしょうか。

 蛇足ですが、この作品のBGMは♪銀座、原宿、六本木、というフレーズにぴったり合います。

 ◆作品データ
 2004年/米/4分
 台詞なし/字幕なし
 アニメーション
 2005年度アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート
 2005年オタワ国際アニメーション・フェスティバル 児童短編映画部門OIAF Award受賞

 この作品を製作したBlur Studioというのは、『スパイダーマン2』のCGアニメーションや『マスク2』や『レジェント・オブ・ゾロ』の特殊効果を担当した会社で、その技術力で、年に数本、こうしたオリジナル・ムービーを発表しているようです。

画像

 ◆監督について
 ジェフ・ファウラー
 1978年 イリノイ生まれ。
 1996-1997年 オハイオ州立大学  Art and Technology専攻
 1998-2002年 Ringling School of Art and Design コンピュータ・アニメーション専攻
 1999年夏&2000年夏 AGA Digital Studiosでテレビ・アニメのインターンを務める
 現在 Blur Studioのキャラクター・アニメーター

 ・2002年 “Monkey Pit”「サル山」
 ・2004年 “Gopher Broke”「プレーリードッグは骨折り損」

 *関連サイト ジェフ・ファウラー公式サイト:http://www.jeff-fowler.com/
 “Monkey Pit”は、サル山に落ちたサングラスを拾ったサルの物語で、公式サイトで全編を観ることができます。

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 ・アカデミー賞短編アニメーション賞 リスト!

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