『フミの不運な左足』 ディヴィッド・チャイ

 先頃発表されたアニー賞では残念ながら、受賞は逃しましたが、2006年の短編アニメーションの中で最も評判のよかった作品の1つ、“Fumi and the Bad Luck Foot”(「フミの不運な左足」)。英語の台詞が少々ありますが、わからなくてもどうってことはありません。

 

 【物語】
 フミの左足は生まれつき不運だった。
 足の上にナイフやハサミが飛んでくるのは日常茶飯事で、散歩すれば、犬に噛まれるし、海水浴に行けば、カニに挟まれる。というわけで、彼女の左足はいつも傷が絶えず、包帯でぐるぐる巻きだった。
 あんまり不運なので、左足だけ地面に埋めてしまおうかとも思って試したが、もちろんそんなことでは何も解決されない。
 ある日、フミは坂道を猛スピードで降りてくる乳母車を目撃。その先には自動車が迫ってきている。フミは、今こそ自分の不運な左足を使うべきだと判断し、迫り来る自動車の前に左足を突き出す。すると、自動車は見事に横転し、乳母車の赤ん坊を救うことができた。
 それからはもうフミは左足にコンプレックスを持つことはなくなった。左足に不運が押し寄せるようなら、逆にそれを利用すればいいのだ。災い転じて福となす。どんな不運がやってきてもへっちゃらだった。

 不運すぎて笑っちゃうような女の子が主人公の物語ですが、幸が薄くて頼りない感じがシンプルな絵によくマッチしています。
 最後には、主人公が、コンプレックスをプラスに変えて、明るく元気に歩いていくっていうのは、ギャグみたいですが、なんだか健気でもあり、微笑ましくも感じられます。笑いの質が、前半と後半では微妙に変わり、見終わって後味がいいのがいいですね。

画像

 ◆作品データ
 2006年/米/7分54秒
 英語の台詞あり/字幕なし
 アニメーション
 The Best of ASIFA-EAST 37th Annual Competition (2006)!
 2006年度アニー賞短編アニメーション賞ノミネート

 ◆監督について
 デイヴィッド・チャイ
 サン・ホセ州立大学卒業
 インディペンデント系アニメーションThunderbean Animationを立ち上げて、そこでアニメーションの制作を行なっている。
 サン・ホセ州立大学でアニメーションとイラストレーションの教官を務め、教え子たちとアニメーションの制作も行なっている。

 ・2003年 “25 Ways to Die”「死ぬための25の方法」
 ・2004年 “Flames of Passion”「情熱の炎」
 ・2006年 “Fumi and the Bad Luck Foot”「フミの不運な左足」

 *同姓同名でCMやPVなどを撮っている監督がいますが、別人です。

 *制作会社 ThunderbeanのHP:http://www.thunderbeananimation.com/

 *参考サイト Acme Animation:http://www.acmeanimation.org/Content/ViewHallOfFameMember.aspx?ArticleId=145031&SectionId=1106

 *当ブログ関連記事
 ・第34回アニー賞結果発表!

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この記事へのコメント

2007年02月15日 11:49
シネマアンジェリカには、『王の鳥』を見に行きました。せっかく情報をいただいたのですが、『春のめざめ』は、残念ながら見に行くことができなさそうです。
『フミの不運な左足』 ディヴィッド・チャイ
見させてもらいました。
嫌いだった自分の一部分を好きになっていく女の子、シンプルなのに感情が伝わってくる絵ですね。
でも足に穴があく所なんて、ぞくっとしました。
うん、でもこういう作品も面白いな。
umikarahajimaru
2007年02月15日 17:20
ikukoさま
コメントありがとうございます。
この作品も観てくださったんですね。
>嫌いだった自分の一部分を好きになっていく女の子
という表現のされ方がとてもいいですね。
『春のめざめ』は5~6週は上映してると思いますが……。

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