『バウンディン』 バド・ラッキー、ロジャー・グールド

 ピクサーの短編は、これまで、作品の上映時間と作品の中の実時間の長さがほぼ同じもの(つまり2分~5分程度のもの)がほとんどで、日常の中で、クスッと笑ったり、おもわず微笑んでしまうような瞬間を切り取った作品ばかりでした。
 『バウンディン』は、上映時間自体は変わらないものの、もう少し時間のスパンがある物語で、前向きに生きることについてのメッセージをも含んだ作品にもなってします。




 【物語】
 大自然の中で子羊が生きる喜びを謳歌している。ところが、ある日、トラックがやってきて、彼の毛を刈って、丸裸にして放り出していく。
 子羊は、すっかり気持ちを沈ませてしまう。
 そこへ、飛び跳ねながら、一頭の雄鹿がやってくる。
 子羊は、雄鹿に聞かれて、事情を話す。
 雄鹿は、外見なんて気にすることはない。中身は変わらないじゃないか。もし笑うヤツがいても気にすることはない。悲しい時でも、寂しい時でも、飛び跳ねて踊ってみろ。きっと楽しくなって、気持ちが晴れるはずだ、と子羊を元気づける。
 雄鹿に言われた通り、飛び跳ねてみると、ちょっと楽しくなって、これまでの沈んでいた気持ちも消え去ってしまう。
 季節が変わり、子羊はまた体中をたくさんの毛で覆われるようになる。
 また、トラックがやってきて、子羊は丸裸にされて放り出されるが、彼はもう悲しくはない。明るく元気に飛び跳ねるのだ。

画像

 英語のナレーションや台詞がありますが、英語がわからなくても、十分理解でき、楽しめる作品です。

 大げさなことや新奇なこと、奇抜なことを言っているわけではありませんが、雄鹿の言葉には真理があり、人を励ます力があります。何より、観ているこちらもウキウキ楽しくなります。

 原題は、飛び跳ねることを意味する“Boundin’”、すなわちバウンド。
 これを見て思い出すのは、ピクサーのトレードマークである卓上スタンド(ルクソーJr.)のホッピングです。バウンドとホッピングには通じ合うものがあるんじゃないかと考えるのですが、どうでしょうか。

 ◆作品データ
 2003年/5分/台詞あり・日本語字幕なし
 アニメーション
 2003年度アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート
 『Mr.インクレディブル』(2004)劇場公開時に併映
 DVD『Mr.インクレディブル』に併録

 ◆監督について
 バド・ラッキー
 1934年 ミネソタ生まれ。
 これまで“The Alvin Show”や『セサミ・ストリート』などでアニメーターとして活躍してきた大ベテラン。1960年代以降生まれの若いスタッフばかりが働いているピクサーではちょっと異色で、ピクサー作品では、『トイ・ストーリー』『バグズ・ライフ』『トイ・ストーリー2』などでキャラクター・デザインなどを担当。
 本作では、初監督を務めたほか、脚本、ナレーション、作曲、プロダクション・デザインも担当。本作がそれまでのピクサー作品とちょっと印象が違うとしたら、おそらくバド・ラッキーによるところが大きいと思われます。
 彼は、若いピクサーのスタッフにとって、この物語の雄鹿のような頼もしい存在なのかもしれません。ナレーションからもちょっとそんなところが感じられますね。

 ロジャー・グールド
 現在、ピクサーの短編部門の部長。
 ピート・ドクターとともに『マイクとサリーの新車でGO!』や“Exploring the Reef”、を共同監督。
 以前はディズニーに務めていて、『ヘラクレス』(1997)ではアニメーションを担当していた。

 *権利元の要請によっては、You Tube上にある本動画のリンク元はいつ削除されるとも限りません。そういう可能性があることを予めご容赦ください。
 リンク元の動画が削除されたので、新たに動画を探して、再リンクしました(2007年2月3日)。

 ピクサー公式サイト(米国):http://www.pixar.com/index.html
 ピクサー公式サイト(日本):http://www.pixar.com/jp/
 いずれのサイトでも冒頭1分余りをよりクリアな映像で鑑賞することができ、iTunesからダウンロードして購入すれば、全編を観ることができます(ただし、日本版サイトでも日本語字幕なし)。

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