トロント国際映画祭2006 調べてみたら、こんなに凄かった!

 考えてみれば、というか、考えるまでもなく、世界3大映画祭はすべてヨーロッパにあって、アメリカには1つもありません。アメリカは、あんなに映画大国なのに、大きな映画祭が1つもないなんて意外な感じがしますが、映画産業がハリウッドを中心に動いている以上、インディーズはともかく、アメリカ(の映画産業)にとって、賞を獲ったとか、獲らなかったとかいう映画祭はあまり重要ではないのかもしれません。マーケットは別にしても。

 そんな北米で、もっとも大きくて重要視されているのが、トロント国際映画祭(1976年~)です。
 その数週間前には同じカナダでモントリール国際映画祭が開かれる(そして数週間後にはバンクーバー国際映画祭が開催される)のに、映画ビジネスとして重要視されているのは、もっぱらこちらの方です(映画祭としての性格が違うので仕方がないといえば仕方がないのですが)。

 プレミア度は、3大映画祭に劣りますが、ワールド・プレミア作品も少なからずあり、カンヌやベネチアで話題になった作品が北米初上映となるのもここだったりします。

 日本で、トロント国際映画祭が注目されることになったのは、私の印象では、1997年の『CUBE』からで、その結果、新しい才能を発見できる映画祭として認知され、日本からも映画関係者が大挙してでかけていくようになりました。1998年の『ラン・ローラ・ラン』は、既にベネチアやモントリオールで上映されていましたが、大きな話題となったのは、確かトロントだったと記憶しています。
 3大映画祭やモントリオール、モスクワのように賞レースが話題となる映画祭ではないので、一般的な認知は低いかもしれませんが、業界的な関心度はトップクラスの映画祭と言えます。

 これまでトロントでワールド・プレミアとなった主な作品を挙げてみると――

 1995年 アントニア(オランダ・ベルギー・英) 観客賞(People’s Choice Award)

 1996年 キスト(カナダ) 最優秀カナダ映画賞特別賞

 1997年 ブギー・ナイツ(米) メトロ・メディア・アワード

       CUBE(カナダ) 最優秀カナダ映画賞デビュー作賞(Best Canadian First Feature Film)

 1999年 こころの湯(中) 国際批評家連盟賞

 2000年 月のひつじ(豪) 観客賞第2位

 2002年 クジラの島の少女(ニュージーランド) 観客賞

 2004年 ホテル・ルワンダ(米・英・伊・南ア) 観客賞

       サイドウェイ(米)

       Ray/レイ(米)

 これらのラインナップを眺めていると、トロント国際映画祭が3大映画祭とはちょっと違ったところで勝負をしている映画祭だということがわかってきます。とはいえ、クォリティーは高く、近年(特に2004年)では、アカデミー賞にからんでくる映画がここでお披露目されたりもしているので、アカデミー賞の賞レースはここから始まるとも言われています。

 トロント国際映画祭では、特定の審査員はおらず、観客が投票した観客賞(People’s Choice Award)が最高賞となっています。それもこの映画祭のユニークなところです。
 それは、言い方を変えれば、カンヌやベネチアで既に話題になっている作品が一同に会する映画祭でありながら、誰でもチケットさえ入手できれば、それらをいち早く観ることのできる映画ファンのための映画祭でもあるということになります。

 同時多発テロと開催時期が重なってしまった2001年は、映画祭どころではなく、大した作品がなくてよかったとも言われていますが、観客賞の1位を『アメリ』(フランスでは春に劇場公開されて既に話題になっていた)が、3位を『モンスーン・ウェディング』(ベネチアがワールド・プレミアで、トロントは北米プレミア)が獲得し、『氷海の伝説』(カンヌがワールド・プレミアで、トロントは北米プレミア)が最優秀カナダ映画賞を受賞しています。

 1984年以降は、カナダ映画を積極的に紹介し始めていて、そのためのプログラムも複数組まれています。

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 今年(第31回)の開催は、9月7日~16日までです。

 カンヌやベネチアのように、ラインナップを書き出してみたいのですが、コンペティション部門がメインにはなっていないのと、作品数が多すぎる(今年は400本近い作品を上映する)ので、それはちょっとムリなようです。

 ◆プログラム
 今年は18のプログラムが組まれています。公式HP:http://www.e.bell.ca/filmfest/2006/home/default.asp

 【CANADA FIRST!】

 カナダの初監督作品。今年は9作品。

 【CANADIAN OPEN VAULT】

 旧作上映。今年はPeter Pearson監督の“Paperback Hero”(1973)。

 【CANADIAN RETROSPECTIVE - THE FILMS OF PETER METTLER】

 カナダ映画のレトロスペクティヴ。今年は、アトム・エゴヤンの『ファミリー・ビューイング』(1987)や“Open House”(1982)などの撮影監督であり、いくつかのドキュメンタリー作品の監督もしているPeter Mettlerの特集。監督作品を8本上映。

 【CONTEMPORARY WORLD CINEMA】

 世界の最新映画から40作品を上映。
 知らない名前も多いので困ってしまうのですが、その中から日本でも知られている監督の作品を中心にリストアップしてみたいと思います(知らない名前の中にこそ“掘り出し物”がある可能性が高いのですが)。[初]:ワールド・プレミア、[北米初]:北米プレミア
 *[初][北米初]はIMDbを基準にして判断しています(なので、間違っている可能性も多分にあります、というか既にかなりの情報漏れを発見しました)。

 ・Israel Adrián Caetano “Crónica de una fuga”(2006/アルゼンチン)
 今年のカンヌのコンペ部門に出品された作品。[北米初]

 ・アニエスカ・ホランド『敬愛なるベートーヴェン』(2006/英・ハンガリー)
 日本では2006年12月9日よりシャンテ シネほかにてロードショー![北米初]

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 ・バーバラ・アルベルティ“Falling”(2006/オーストリア)
 今年のベネチアでコンペ部門に出品された作品。[北米初]

 ・李相日『フラガール』(2006/日)
 9月23日より日本公開。[北米初]

 ・Rachid Bouchareb “Indigènes”『デイズ・オブ・グローリー』(2006/仏)
 今年のカンヌでコンペ部門に出品されて、男優賞、Award of the Youth、François Chalais Awardを受賞した作品。[北米初]

 ・アンヌ・フォンテーヌ “Nouvelle Chance(Oh la la!)”(2006/仏)
 『おとぼけオーギュスタン』『恍惚』などで知られるアンヌ・フォンテーヌの最新作。[北米初]

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 ・ジャファール・パナヒ “Offside”(2006/イラン)
 『白い風船』『チャドルと生きる』で知られるパナヒ監督の最新作。2006年のベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作。[北米初]

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 ・ホー・ユーハン “Taiyang yu(Rain Dogs)(太陽雨)”(2006/マレーシア・香港)
カンヌのマーケット、ベネチアのHorizons部門で上映済み。[北米初]

 ・Andrea Arnold “Red Road”(2006/英)
今年のカンヌで審査員特別賞を受賞した作品。[北米初]

 ・ミヒャエル・グラヴォッガー “Slumming”(2006/オーストリア・スイス・独)
今年のベルリン国際映画祭2006コンペ部門出品作品。[北米初]

 ・ロウ・イエ“Summer Palace”(2006/中)
 今年のカンヌでコンペ部門に出品された作品。[北米初]

 ・トニー・ガトリフ “Transylvania”(2006/仏)
 ワールド・プレミアはカンヌ。[北米初]

 ・アレックス・ファン・ヴァーメルダム “Waiter”(2006/オランダ)
 『ドレス』『アベル』で知られるヴァーメルダム監督の最新作。[初]

 【DIALOGUES: TALKING WITH PICTURES】

 ダイアログに焦点を当てて、作品の中軸となる俳優とディスカッションを行なう。今年は、マチュー・カソヴィッツ『憎しみ』、ブルース・ウェーバー『レッツ・ゲット・ロスト』、トッド・ヘインズ『ベルベット・ゴールドマイン』など6作品。

 【DISCOVERY】

 新しい才能を紹介するプログラム。19作品の上映。

 【GALA PRESENTATIONS】

 トップ・スターが出演しているようなスター映画のセレクション。20作品。
 ・Susanne Bier “After the Wedding”(2006/デンマーク・スウェーデン)[北米初]
 ・スティーヴン・ザイリアン“All The King's Men”(2006/独・米)[初]
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 ・マイケル・アプテッド“Amazing Grace”(2006/英・米)[初]
 ・サラ・ポーリー“Away From Her”(2006/カナダ)[初]
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 ・アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウ“Babel”(2006/米)[北米初] *カンヌ2006
 ・フォン・シャオガン“The Banquet(Ye yan)”(2006/中・香港)[北米初] *ベネチア2006
 ・ポール・バーホーベン“Black Book”(2006/オランダ・ベルギー・独・英)[北米初]  *ベネチア2006
 ・エミリオ・エステベス“Bobby”(2006/米)[北米初]  *ベネチア2006
 ・Christopher N Rowley “Bonneville”(2006/米)[初]
 ・アンソニー・ミンゲラ“Breaking and Entering”(2006/英)[初]
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 ・バーバラ・コップル、Cecilia Peck “Dixie Chicks - Shut Up and Sing”(2006/米)[初]
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 ・クリストファー・ゲスト“For Your Consideration”(2006/米)[初]
 ・リドリー・スコット“A Good Year”(2006/米)[初]
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 ・ダグラス・マクグラス“Infamous”(2006/米)[北米初]  *ベネチア2006
 ・ザカリアク・クヌク、Norman Cohn “The Journals of Knud Rasmussen”(2006/カナダ・デンマーク)
 ・パトリス・ルコント“Mon Meilleur Ami ”(2006/仏)[初]
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 ・Karan Johar “Never Say Goodbye”(2006/インド)
 ・Mark Palansky “Penelope”(2006/米)[初]
 ・ペドロ・アルモドバル“Volver”(2006/西)[北米初]  *カンヌ2006
 ・ティエリー・ピアンタニーダ、ティエリー・ラゴニーダ、ジャン・ルミール『ホワイト・プラネット』(2006/カナダ・仏)[北米初]

 【MASTERS】

 巨匠たちの最新作のセレクション。13作品。
 ・アラン・レネ “Private Fears in Public Places”(2006/仏・伊)[北米初]  *ベネチア2006
 ・ナンニ・モレッティ“The Caiman”(2006/伊)[北米初]  *カンヌ2006
 ・Allan King “EMPz 4 Life”(2006/カナダ)[初]
 ・マルガレーテ・フォン・トロッタ“I Am the Other Woman”(2006/独)[初]
 ・ブノワ・ジャコー“L' Intouchable(The Untouchable)”(2006/仏) [北米初]  *ベネチア2006
 ・アキ・カウリスマキ“Lights in the Dusk(Laitakaupungin valot)”(2006/フィンランド)[北米初]  *カンヌ2006
 ・ジャンニ・アメリオ“The Missing Star(La stella che non c’è)”(2006/伊・仏・スイス・シンガポール)[北米初]  *ベネチア2006
 ・ゴラン・パスカリエーヴィチ“The Optimists”(2006/セルビア・モンテネグロ)[初]
 ・ベルナー・ヘルツォーク“Rescue Dawn”(2006/米)[初]
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 ・フォルカー・シュレンドルフ“STRIKE”(2006/独・ポーランド)[初]
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 ・Robert Guédiguian “Le Voyage en Arménie”(2006/仏)[北米初]
 ・スパイク・リー“When The Levees Broke: A Requiem In Four Acts”(2006/米)  *ベネチア2006
 ・ケン・ローチ 『麦の穂を揺らす風』(2006/仏・アイルランド・英)[北米初]  *カンヌ2006

 【MAVERICKS】

 監督やプロデューサーなどを招いて、製作秘話やうら話、先取り情報などを聞くプログラム。今年は、マイケル・ムーア、ボリウッド映画、ジョン・ウォーターズ&ジョン・キャメロン・ミッチェルの3本。
 ・An Evening with Michael Moore
 ・The Making of a Bollywood Blockbuster
 ・Vanguard Cinema: John Waters and John Cameron Mitchell in conversation

 【MIDNIGHT MADNESS】

 いわゆるミッドナイトムービーを上映するプログラム。10作品。
 そのうち注目される1本が、“Trapped Ashes”(2006/米・日・カナダ)[初]。ケン・ラッセル、ショーン・S・カニンガム、モンテ・ヘルマン、ジョン・ガエタ共同監督による作品(たぶんオムニバス)。日本ではアスミック・エース配給で2007年公開予定。
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 ポン・ジュノ『グエムル 漢江の怪物』(2006/韓)[北米初]もここで上映。

 【MOZART'S VISIONARY CINEMA: NEW CROWNED HOPE】(新設)

 モーツァルト生誕250周年記念のモーツァルト・トリビュート映画(?)を集めたプログラム。6作品。
 ・マハマット=サレー・ハルーン“Daratt”(2006/チャド・仏・ベルギー・オーストリア)[北米初] *ベネチア2006
 ・バフマン・ゴバディ“Half Moon”(2006/イラン・イラク・オーストリア・仏) [初]
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 ・Paz Encina “Hamaca Paraguaya”(2006/アルゼンチン・パラグアイ・オランダ・オーストリア・仏・独)[北米初]  *カンヌ2006
 ・ツァイ・ミンリャン“I Don't Want to Sleep Alone(Hei yanquan)(黒眼圏)”(2006/台湾・仏・オーストリア)[北米初]  *ベネチア2006
 ・Teboho Mahlatsi “Moekgo and the Stickfighter”(2006/南ア・オーストリア)[北米初]
 ・ガリン・ヌグロホ“Opera Jawa”(2006/インドネシア・オーストリア)[北米初]  *ベネチア2006
 ・アピチャポン・ウェラセタクル“Syndromes and a Century”(2006/タイ・仏・オーストリア)[北米初]  *ベネチア2006


 【REAL TO REEL】

 ドキュメンタリー作品を上映するプログラム。35作品。
 日本から『ヨコハマメリー』がエントリー。その他の作品にジャ・ジャンクー“Dong(東)”(2006/香港・中)。

 【SHORT CUTS CANADA】

 カナダの短編映画。39作品。

 【SPECIAL PRESENTATIONS】

 GALAのようなマネー・メイキング映画ではないが、アカデミー賞にノミネートされたり、スマッシュ・ヒットが期待されたり、評論家受けがしそうだったりする作品のセレクション。51作品。その中から日本でも知られている監督作品を選ぶと――
 ・ブラッド・シルバーリング“10 Items or Less”(2006/米)[初]
 ・アウグスティン・ディアス・ヤネス“Alatriste”(2006/仏・西・米)[北米初]
 ・ノーマン・マクラレン“Blinkity Blank”、“Hen Hop”、“Le Merle”、“Neighbours”、“Opening Speech”、“Pas de deux”、“Stars and Stripes”、“Synchromy”、他
 ・ガイ・マディン“Brand Upon the Brain!” (2006/米・カナダ)[初]
 ・フィリップ・ノイス“Catch a Fire”(2006/英・南ア・米)[初]
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 ・スコット・カーン“The Dog Problem” (2006/米)[初]
 ・ジョニー・トー“Exiled”(2006/香港)[北米初] *ベネチア
 ・ハル・ハートリー“Fay Grim” (2006/米・独)[初]
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 ・ダーレン・アロノフスキー“The Fountain”(2006/米) [北米初] *ベネチア
 ・エマヌエーレ・クリアレーゼ“Golden Door” (2006/伊) [北米初] *ベネチア
 ・是枝裕和『花よりもなほ』(2006/日) [北米初]
 ・ケヴィン・マクドナルド“The Last King of Scotland”(2006/英)[初]
 ・トニー・ゴールドウィン“The Last Kiss” (2006/米)[初]
 ・アレック・ケシシアン“Love and Other Disasters”(2006/仏・英・米)[初?]
 ・ケネス・ブラナー『魔笛』(2006/英・仏) [北米初] *ベネチア
 ・ミラ・ナイール“The Namesake”(2006/インド・米)[初]
 ・Joachim LAFOSSE “Nue propriété”(2006/ベルギー・ルクセンブルグ・仏) [北米初] *ベネチア
 ・ギレルモ・デル・トロ“Pan's Labyrinth”(2006/メキシコ・西・米)[北米初] *カンヌ
 ・ブルーノ・ポダリデス、ガス・ヴァン・サント、コーエン兄弟、ウォルター・サレズ、クリストファー・ドイル、諏訪敦弘、アルフォンソ・キュアロン、オリヴィエ・アサヤス、ヴィンチェンゾ・ナタリ、ウェス・クレイヴン、トム・ティクヴァ、ジェラール・ドパルデュー、アレクサンダー・ペイン、他“Paris, je t'aime”(2006/リキテンシュタイン・スイス・独・仏)[北米初]
 ・アン・ホイ“The Postmodern Life of My Aunt”(2006/香港)[初]
 ・マーク・エヴァンズ“Snow Cake”(2006/英・カナダ) *ベルリン、トライベッカ
 ・シェーン・メドウス“This is England”(2006/英)[初]
 ・ロジャー・ミッチェル“Venus” (2006/英)[初]
 ・ホン・サンス 『浜辺の女』(2006/韓)[北米初]

 【SPROCKETS FAMILY ZONE】(新設)

 キッズ・ムービーのセレクション。4作品。

 【VANGUARD】(新設)

 技術や文化、セクシュアリティ、あるいは映画それ自体の可能性を広げた作品のセレクション。13作品。
 ・Murali K. Thalluri “2:37”(2006/豪)[北米初] *カンヌ
 ・John Barker “Bunny Chow”(2006/南ア)[初]
 ・ジャン・マルク・バール、パスカル・アーノルド “Chacun sa nuit ”(2006/仏)[初]
 ・Gerardo Naranjo “Drama/Mex”(2006/メキシコ)[北米初] *カンヌ
 ・ジョニー・トー“Election”(2005/香港)[北米初] *カンヌ2005
 ・ジョニー・トー“Election 2”(2005/香港)[北米初] *カンヌ
 ・イーサン・ホーク“The Hottest State”(2006/米)[北米初] * ベネチア
 ・Antti-Jussi Annila “Jade Warrior”(2006/フィンランド・オランダ・中・エストニア) [初]
 ・ジェフリー・ライト 『マクベス』(2006/豪)[初]
 ・Christian Volckman “Renaissance”(2006/仏・米・ルクセンブルグ)[北米初]
 ・ジョン・キャメロン・ミッチェル“Shortbus”(2006/米)[北米初] *カンヌ
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 ・Bobcat Goldthwait “Sleeping Dogs Lie(Stay)”(2006/米) *サンダンス
 ・Paul Goldman “Suburban Mayhem”(2006/豪)[北米初] *カンヌ

 【VISIONS】

 革新的な作品を集めたプログラム。31作品。
 ・Marc Recha “August Days”(2006/西)[初]
 ・Abderrahmane Sissako “Bamako”(2006/マリ・米・仏)[北米初] *カンヌ
 ・マノエル・デ・オリヴェイラ“Belle toujours”(2006/ポルトガル・仏)[北米初] *ベネチア
 ・三池崇史『46億年の恋』(2006/日)[北米初] *ベルリン
 ・Jem Cohen “Blessed are the Dreams of Men”(2006/米)[初?]
 ・Ana Kokkinos “The Book of Revelation”(2006/豪)[北米初]
 ・大友克洋『蟲師』(2006/日)[北米初] *ベネチア
 ・Jem Cohen “Building a Broken Mousetrap”(2006/米)[初?]
 ・Olivier Masset-Depasse “Cages”(2006/ベルギー・仏)[初?]
 ・ヌリ・ビルゲ・ジェイラン“Climates”(2006/トルコ・仏)[北米初] *カンヌ
 ・ペドロ・コスタ“Colossal Youth(Juventude Em Marcha)”(2006/ポルトガル・仏)[北米初] *カンヌ
 ・Gabriel Range “D.O.A.P. ”(2006/英)[初?]
 ・Catherine Martin “Dans les villes”(2006/カナダ)[初]
 ・Julia Loktev “Day Night Day Night”(2006/米)[北米初] *カンヌ
 ・Jay Anania “Day on Fire”(2006/米)[初?]
 ・Lisandro Alonso “Fantasma”(2006/アルゼンチン・米・オランダ)[北米初] *カンヌ
 ・ブリュノ・デュモン“Flanders”(2006/仏)[北米初] *カンヌ
 ・Akin Omotoso “Gathering the Scattered Cousins”(2006/南ア)[初]
 ・So Yong Kim “In Between Days”(2006/米)[北米初] *ベルリン
 ・ペンエック・ラタナルアン“Invisible Waves”(2006/オランダ・タイ)[北米初] *ベルリン
 ・パーヴェル・ルンギン“The Island”(2006/ロシア)[北米初] *ベネチア
 ・Peter Brosens, Jessica Woodworth “Khadak”(2006/米・ベルギー・独)[北米初] *ベネチア
 ・Zeka Laplaine “Kinshasa Palace”(2006/コンゴ・仏)[初]
 ・Perry Henzell “No Place Like Home”(2006/米)[初]
 ・Jem Cohen “NYC Weights and Measures”(2006/米)[初?]
 ・Yao Ramesar “Sistagod”(2006/トリニダード・トバゴ)[初]
 ・Özer Kiziltan “Takva - A Man's Fear of God”(2006/独・トルコ)[初]
 ・György Pálfi “Taxidermia”(2006/ハンガリー・オーストリア・仏)[北米初] *カンヌ
 ・ロルフ・デ・ヘーア“Ten Canoes”(2006/豪)[北米初] *カンヌ
 ・キム・ギドク“Time”(2006/日・韓)[北米初] *カンヌ
 ・ダグラス・ゴードン、フィリップ・パレーノ『ジダン 神が愛した男』(2006/仏)[北米初] *カンヌ

 【WAVELENGTHS】

 カナダ以外の短編映画のセレクション。27作品。主な作品に――
 ・石田尚志 『絵馬・絵巻2』(2006/日・カナダ)http://www.geocities.jp/office_ishidatakashi/japanese_top.html
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 ・アッバス・キアロスタミ“Roads of Kiarostami”(2005/イラン・韓)
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 ・松山由維子 『追憶』(2006/日・カナダ)http://www.geocities.jp/m_yuiko/aitistpage/yuiko/yuiko_screening.html
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 ◆若干のコメント

 ・まず、この量に圧倒されます。10日間で400本近い作品を20余りのスクリーンを使って上映するそうです。

 ・部門もちょっと多いですね。境界線がよくわからない部門もあります。

 ・カンヌ国際映画祭2006のコンペ出品作全20作品のうち、14作品が、ベネチア国際映画祭2006のコンペ部門出品作全22作品のうち、14作品が上映されます。これだったら、ベネチアに行かなくてもいいですね。

 ・プレミア上映作品に注目するなら――
 リドリー・スコット“A Good Year”、
 アンソニー・ミンゲラ“Breaking and Entering”
 パトリス・ルコント“Mon Meilleur Ami ”
 スティーヴン・ザイリアン“All The King's Men”
 マイケル・アプテッド“Amazing Grace”
 マルガレーテ・フォン・トロッタ“I Am the Other Woman”
 ベルナー・ヘルツォーク“Rescue Dawn”
 フォルカー・シュレンドルフ“STRIKE”
 フィリップ・ノイス“Catch a Fire”
 ブラッド・シルバーリング“10 Items or Less”
 ハル・ハートリー“Fay Grim”
 ミラ・ナイール“The Namesake”
 シェーン・メドウス“This is England”
 ロジャー・ミッチェル“Venus”
 バフマン・ゴバディ“Half Moon”

 アレックス・ファン・ヴァーメルダム、ガイ・マディンなどいう名前も懐かしく、サラ・ポーリーの監督作にも興味がそそられます。

 ・プレミア以外では、ウディ・アレンに関するドキュメンタリー『ワイルド・マン・ブルース』や『My Generation』を撮ったバーバラ・コップルの新作、『氷海の伝説』のザカリアク・クヌク監督の新作も気になります。

 ・といっても、無名の新人を発見するのがトロントの醍醐味なので、バイヤー的な見方をすると、カナダの新人やDISCOVERY部門、ドキュメンタリー部門、VISIONS部門あたりが狙い目なのかもしれません(当リストでは肝心のその部分をほとんど省略してしまっていますが)。

 ・日本からの出品は、李相日『フラガール』、是枝裕和『花よりもなほ』、中村高寛『ヨコハマメリー』、三池崇史『46億年の恋』、大友克洋『蟲師』、石田尚志『絵馬・絵巻2』、松山由維子『追憶』の7作品。そのほか、諏訪敦弘監督が“Paris, je t'aime”に参加しています。
また、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウ“Babel”や“Trapped Ashes”など日本人俳優が出演している作品があり、キム・キドク“Time”など日本が製作にかかわった作品もあります。

 ・日本映画以外で、『ホワイト・プラネット』や『ジダン 神を愛した男』など日本で上映済みの作品があるというのも(日本の配給・興行サイドが狙いがあって、そうしたというのが伺われて)面白いですね。

 ・現実問題として日本に入ってこない映画も多いのですが、このうち40本くらいは劇場公開され、20本くらいは何らかの形で上映されるんじゃないかと考えられます(邦画を除いて、約35本が劇場公開されると考えると、日本で劇場公開される外国映画の約1割がこの10日間で観れてしまうことになります)。
 まあ、たとえ全部入ってきても1年かけても観られるかどうかという本数なんですが。

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 ◆リンク集

 ・トロントに住むライター、翻訳家である三藤あゆみさんのサイト:http://www.toronto2g.com/agstyleindex.htm

 ・トロント国際映画祭に関するWikipedia:http://en.wikipedia.org/wiki/Toronto_International_Film_Festival

 ・Robert Maurinという方による今年のトロント国際映画祭の見どころ:http://www.where.ca/toronto/article_feature~listing_id~148.htm

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この記事へのコメント

2006年09月09日 02:37
TBありがとうございました。
私はYahooブログになりますがお気に入り登録させていただきました。
また、よければ訪れてください。
umikarahajimaru
2006年09月09日 03:10
Micoさま
現地で映画祭を楽しまれているようで、羨ましい限りですね。映画祭レポート、楽しみにしております。
ayumi
2006年09月09日 08:36
はじめまして。トロント国際映画祭のサイトを紹介していただき、ありがとうございます。ここに遊びにきてみたら、いろいろ詳しくておもしろいので、週末にじっくり読ませていただきます!こちらからリンクはってもいいですか? Cheers!
umikarahajimaru
2006年09月09日 10:12
ayumiさま
コメントありがとうございました。
リンクOKです。
こちらこそどうぞよろしくお願いします。
あやまま
2006年09月09日 15:50
初めまして。
私の好きな俳優の映画が、この映画祭に招待されましたので調べておりましたところ、こちらを見つけまして、勉強させていただきました。また、記事を書きましてので、TBさせていただきます。
ありがとうございました。
umikarahajimaru
2006年09月09日 17:04
あやままさま
コメント&TBありがとうございました。
『少女たちの遺言』で知られるキム・テヨン監督の最新作なんですね。好きな俳優というのは、ムン・ソリさんのことでしょうか。
3話のオムニバスで、今年5月に韓国で公開されて、もうDVDが出ちゃってるみたいですね(http://global.yesasia.com/en/PrdDept.aspx/code-k/section-videos/pid-1004312127/)。
オムニバス映画って日本ではちょっと敬遠されがちなので、劇場公開はどうでしょうか?映画祭での上映なら可能かな~っていうところでしょうか。
あやまま
2006年09月09日 17:54
TBありがとうございました。
私が好きなのはオム・テウンでして、この映画は劇場で4回見ました^^
オムニバスでちょっと分りづらいのですが、なかなか味わいのある良い映画でした。映画祭での上映でもいいので、是非実現して欲しいと思っています。
umikarahajimaru
2006年09月09日 18:15
あやままさま
あ~、そうでしたね。ブログ名で気づくべきでした。でも、オム・テウンて……。
調べれば、出演作はわかりますが、記憶にありませんねえ。これからは気をつけて見ることにします(笑)。
それにしても、「オム・テウン」で検索すると一番最初にあやままさんのサイトがヒットするんですね。凄い!

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    Excerpt: これからもよろしくお願いします。 韓国俳優キム・スンウ主演の映画「浜辺の女」が Weblog: 韓国女優@韓国情報バンキング racked: 2006-09-08 23:09
  • トロント国際映画祭

    Excerpt: 「家族の誕生」が、今年のトロント国際映画祭(9.7~9.16)に招待されたのですが、 公式HPと「Family Ties」紹介記事 を見つけました^^ 上映は.. Weblog: The オム・テウン racked: 2006-09-09 15:48
  • トロント映画祭行ってきま~す♪

    Excerpt: 今日から1週間ちょっと、トロントへ行ってきまーす{/hearts_pink/} 今回カナダは3度目。 海外大好きなくせに、実は一人で行くのは初めてなので寂しい&ちょっぴり不安。。。{/ase/} でも.. Weblog: 我想一個人映画美的女人blog racked: 2006-09-12 11:35