海から始まる

画像
 『スピード2』のオープニング。
 20世紀フォックス映画のロゴが流れ去るように消えて、海面が映し出され、(カメラは)低空から滑るように海面をなめていく。
 海面は路面に変わり、やがて路上練習中のアニーが映し出される。アニーの運転は乱暴なので、隣に座っている教官はハラハラしている。

 『ロストワールド』のオープニング。
 海面。
 (後でBサイドであることがわかる)島の浜。
 船。
 船長の家族と船員たちが浜に降り立つ。
 船長の娘は家族から離れて、ジャングルの入り口へ。
 小さな恐竜が飛び出してくると、娘は「島の仲間かしら? このローストビーフが欲しいの?」
 娘が恐竜にローストビーフを差し出すと、仲間の恐竜がぞろぞろ出てくる。
 娘が悲鳴を上げ、母親が駆けつける。
 様子を見た母親が絶叫する。暗転。

 『ラストサマー』のオープニング。
 (カメラが)海面をなめるように陸に向かって進んでいって、崖へ。
 崖の上で座って、「I LOVE YOU」と彫られてあるメダルをみつめる青年。
 ドーンと音がして、夜空に打ち上げられる花火。
 花火を見ている若者たち……。

 『輝きの海』のオープニング。
 海面をカメラがなめていき、やがて崖の上へ。
 崖の上にはエイミーと幼い息子が立っている。エイミーは息子に「おまえは海からきたのよ」と話す。そこへスウォファー氏が馬車でやってきて、「娘の具合が悪いんだ」と言う。

 最初のシーンが海面で、そのまま海の上をすべるように進み、やがて物語の舞台となる土地や物語世界へ。実はこういうオープニングを持つ映画はけっこう多い。
 なぜ最初のシーンが海面なのか? 『スピード2』の場合は、クライマックスが海だから、これから始まる物語を暗示してあると言っていいと思うけれど、別に海面から始めなくてもいいのではないかと思う映画も少なくない。海から町へ。そういう風に映していくことで、(海沿いにある)物語の舞台を示すという効果もあると思うけれど、どうもそれだけではない気がします。

 考えられる可能性としては、アメリカが移民の国であることに関係しているのではないかということ(「海面をすべっていく映像」で始まる映画は圧倒的にアメリカ映画が多い)。
 新天地としてアメリカに渡ってくる人たちは、長い船旅のあと、やっと船の上から新しい土地を見る。船から見える海面、その向こうにあって、間近に迫る土地には夢も希望もあって、想像もできないような様々な出来事が待っている。決して好ましい運命ばかりとも限らなくて、不安もあるけれど、でも、これから、ここから始まる新しい物語に胸は高まるばかり。
 「海から陸へ」が「新しい物語の始まり」という連想へと導き、それが(移民の子孫である)アメリカ人の記憶中枢の深い部分と結びついて、無意識レベルでの共有体験となっている。だからたくさんの映画でオープニングとして「海面をすべっていく映像」が使われるのではないか。そう私は考えるわけです。というか、それ以外にもう考えようがないんですが。
 すべての生命は海からやってきた、という意味でも、物語の始まりに、「海」は似つかわしい。
 それで、このブログのタイトルも「海から始まる!?」としてみたわけです。

 と言いつつ、海(もしくは水面)から始まる映画を書き出そうとすると、どの映画がそうだったか、なかなか思い出せないんですけど。
 わりとメジャーな作品で思い浮かんだのは冒頭に挙げたものくらい。あとは具体的にオープニングを書き出すまでには至らなかったんですが、『GIジェーン』や『ラスト・ウェディング』なんかも確かそうだったような気がします。

 上に書き出した作品も今回改めて作品に当たって確認したわけではないので正確ではないかもしれません。これらはおいおい確認していきたいと考えています。
 映画のオープニングに関しても、どこかでもっときちっとした形でまとめてみたいと思いますね。

 ※ちなみに、アップロードした画像は上に挙げたいずれの映画のものでもありません。さる人気監督の映画から抜いたものですが、何というタイトルの映画かわかりますか?

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