テーマ:新作映画レビュー

すべては『エル・トポ』から始まった! 『ミッドナイトムービー』

 映画に対してこういう楽しみ方もあるのかと開眼させてくれたのが『ロッキー・ホラー・ショー』だったので、『ロッキー・ホラー・ショー』は私の中でも特別な位置づけにある映画です。  その『ロッキー・ホラー・ショー』を含む6本の映画がいかにして「ミッドナイトムービー」として受け入れられ、カルト・ムービーとなっていったのかを示した映画が『ミッド…
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暗闇に何かいる!in アメリカ 映画『ディセント』

 あれっ、確か、ホラーって聞いていたはずなのに、洞窟(ケイビング)を舞台にしたスリリングなアドベンチャーものなんじゃないの?  映画の前半部分を観た印象はそんなものでした。ところが後半になると、やっぱり……。  ちょっと閉所恐怖症の傾向がある私としては、ドキドキ感を感じさせるなかなかユニークな作品で、ある種『ナイト・オブ・リビン…
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映画『カーズ』の元ネタは?

 この映画で私が気になったのは物語の構造です。  すなわち、①主人公が華やかな世界からの突然のドロップ・アウトし、②ドロップ・アウトした先で自分を見つめ直し、そして③再起するというもの(パターン性・構造)で、同巧の作品としては『飛べないアヒル』とか『ファイティング・テンプテーションズ』なんかがすぐ思い浮かびます。『陽だまりのグラウンド…
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YUIは山崎まさよしを超えられるか? 映画『タイヨウのうた』

 のびやかと素直さがいい。それは、主演であるYUIとYUIの歌、そしてこの映画を演出している弱冠25歳の監督の手腕についても言えることで、未熟さ、拙さはあっても、ヘンな気取りや押し付けがましさがなくて、さっぱりとして清清しい。それは、主人公が好きになった男の子を初めて間近で見て、いても立ってもいられずに追いかけていき、ドンと体当たりして…
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解答編! 『インサイド・マン』

 数日前に書いた映画『インサイド・マン』についての記事に関して、多くのTBやコメントももらって、いろんな方のいろんな解釈を読み、私もあれから少なからず考え直してみました。  「解答編」というのは大げさかもしれませんが、以下に私が一番しっくりくる解釈を提示してみたいと思います。  まずは、疑問点から整理してみます。 ----…
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こういうことなのかなあ~ 映画『インサイド・マン』

 スパイク・リーの新作『インサイド・マン』が好動員を見せているようです。  まだ封切りから2週間だとはいえ、平日の昼の回でもかなりの入りで、最終回は早い時間に満席になってしまう。『マルコムX』(92)ほどではないにせよ、10年以上ぶりのヒットですね。  ヒットの要因は、デンゼル・ワシントン、ジョディー・フォスターらの豪華出演陣と、内…
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もう後編を観なくていいくらい満足しました(笑) 映画『デスノート 前編』

 『デスノート』が凄い人気だということは、時折覗かせてもらっている鈴木杏さんのブログや安藤希さんのブログを通して知っていました。作品の盛り上がり方から言って、少女コミック系の雑誌に連載されているのかと思ったら、「少年ジャンプ」に連載されていた作品なんですね。  映画『デスノート 前編』のマスコミ試写は、公開直前に数回行なわれただけ…
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ようやく観られた! 映画『インプリント ぼっけえ、きょうてえ』

 ようやく観ることができました映画『インプリント ぼっけえ、きょうてえ』。  本当は原作者(岩井志麻子)さんのトークが予定されていた先週の土曜に観に行ったのですが、上映3時間前であるのにも拘らず、既に立ち見が5人いると言われ、すごすごと退散したのでした(できれば快適な状態で観たかったので)。  やっぱり最初から平日に観に行くこと…
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サバイバル・レースを予想して楽しむ 映画『ポセイドン』

 オリジナル版『ポセイドン・アドベンチャー』との優劣はともかく、映画『ポセイドン』は、“サバイバルもの”の典型として、誰が生き残るかを予想して楽しむことができる映画になっています。  まずは11人のサバイバーたちのご紹介から。  ■①ブラッドフォード船長  黒人  ■②ディラン・ジョーンズ  船客をカモにしているプロの…
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好きで悪いかよ! 映画『太陽に恋して』

 いやあ、よかったですよ。映画『太陽に恋して』。  レイトショー公開だったし、昼間に上映されている同監督の最近の作品(『愛より強く』)は国際的評価が高いわりにはそれほどの作品とも思えなかったので、旧作まで観ようかどうしようか迷ったのですが、観て正解でした。今年のマイ・フェイバリットの1本ですよ。まあ、私個人は、概して、ベテランとなった…
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これもまた青春を思わせる? 映画『ナイロビの蜂』

 前評判は知っていて(マスコミ試写も超満員で観られない人もいたとか)、観たいとは思っていたのですが、なんとなく観るのを先送りにしていたのは、「外交官夫人が、製薬会社による国際的な陰謀を明るみにしようとして殺されるという事件をきっかけに……」というプロットの「外交官夫人が」という部分に多少ひっかかりがあったからです。全世界的な自由・平等・…
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北朝鮮の真実、または、マスゲームのスペクタクル性への驚き 映画『ヒョンスンの放課後』

 ①北朝鮮では、国民が、労働者、農民、知識人、という3つの階級に分けられるが、それぞれは平等である。  ②ピョンヤンに住む200万人は、いわば西側諸国に見せるためのショーケースとして集められている特権階級である。  ③台所のラジオは1日中鳴らしっぱなしで、絶対に切ってはいけない。  ④テレビはマスゲームに参加したご褒美…
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僕の大事なメルキアデス、バイバイ&グッドラック!

 「俳優が監督している映画」を鑑賞する際のポイント(見どころ)について考えてみました。  ①オリジナル性・作家性  a.普通の監督では実現しがたいような難しいテーマに挑んでいるのかどうか  b.俳優として同等(あるいはそれ以上)に個性的な作品に仕上がっているかどうか  c.俳優として余技以上の出来で、監督としての…
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本年度邦画ベストワン! 『ルート225』

 相対的な意味での評価(他の作品と比べて)ではなく、絶対的な評価(作品それ自体の価値)として本年度ベスト・ワンです。いやあ~、本当に! 素晴らしいんです。  ストーリーの面白さと主演の多部未華子のチャーミングさに圧倒されてしまいました。  物語は、いわゆるパラレル・ワールドもの、と言ってわからなければ、実写版の『千と千尋の神隠し…
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高倉健がため息をつき、舌打ちする映画。『単騎、千里を走る。』

 東光徳間→解散  ドラゴンフィルム→倒産  ムービーテレビジョン→配給事業からの撤退、および体制&社名変更  冒頭からいきなりネガティブな話もどうかと思うんですが、中国映画を手がけてきた配給会社・映画会社の運命って、どれもこれも悲惨なことになっています。  中国映画を手がけたことが原因でこうなったのかどうかはわかりませ…
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いずこの国も同じ 映画『ひとすじの温もり』

 映画『ひとすじの温もり』は、ゴダール作品を除けば、日本では上映されることが非常に稀になっているスイス映画です。  アラン・タネールも新作を発表し続けているようなのですが、日本にはさっぱり入ってきませんし、ダニエル・シュミットも5年以上ご無沙汰です。ロカルノ国際映画祭という国際的に有名な映画祭もあるのですが……(ちなみに、2005年の…
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怪作!! 映画『拘束のドローイング9』

 ビョークのヌードが見られるから?  3週間という期間限定上映で、上映回数も1日3回のみ、しかも楽日が近いとはいえ、平日の昼にこんなにお客さんが入っているとは思いませんでした。せいぜい10数人くらいじゃないかと想像していたのに、シネマライズ(地下)の客席は半分以上埋まっていました。制服姿の女子高生もちらほら。そんな作品じゃないはずなん…
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あんまりカタいこと言うなよ?! 『ダブルD・アベンジャー』

 終映後、場内は微笑ましい笑顔に包まれる。  本作は、物語も演技も、C級またはそれ以下ですが、最初からこういうもの(おバカな映画)であろうと予想して観にやってきて、まさに予想通りのものであったと思えば、自然とこうした笑みが生まれるのでしょうか。くだらないとわかっていながら、それでも観に来てしまった自分に対する自嘲的な意味合いもあるので…
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ちょっとした拾いもの! 『アサルト13 要塞警察』

 こんな邦題だし、普通だったら観なかったかもしれない映画なのですが、たまたまちょうど時間がよかったので観ちゃいました『アサルト13 要塞警察』。観てみると、これが……ちょっとした拾いものだったんですね~。  キャストには主役級と準主役級が揃っていますが、監督は無名だし、宣伝にもそんなに力が入っていたという印象はありません。あまり映画を…
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危ない映画、危ない写真集 映画『アブノーマル・ビューティ』

 初日の3回目の上映回を観ましたが、観客は私を含めて7人。寂しいですね~。  監督であるパン・ブラザーズには、『レイン』という全国公開された映画(おそらくタイ映画としては日本初)があったにも拘らず、ですから、あまりにも落差が激しいですね~。 内容が内容であるということもあるのでしょうが(本来はレイトショー向き)、宣伝が行き届いていな…
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1つの生き方、1つの死に方 映画『マイ・アーキテクト』

 『ボウリング・フォー・コロンバイン』や『ディープ・ブルー』『皇帝ペンギン』ほどの大きな注目を集めている作品はまだありませんが、2006年に入っても、なかなか興味深いドキュメンタリー映画がいくつも公開されています。  私のおすすめの1本は、『マイ・アーキテクト ルイス・カーンを探して』です。  この作品が面白いところは――  …
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時を経て、より印象が強まる映画 『カミュなんて知らない』

 ・登場人物たちの映画に関する知識が、マニアックな部分がありつつも、あまりにも無知な部分もあって、チグハグ感がぬぐえない。  ・この映画の中で描かれている大学生たちが、大学生として(あるいは、今の大学生として)リアルな存在感を持って感じられてこない。例えば、指導教授にアッシェンバッハと綽名をつけるとか、ストーカーまがいの女子学生を…
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恐い顔の女 映画『フライトプラン』

 映画『フライトプラン』の元ネタの1つがヒッチコックの『バルカン超特急』(1938)であることはよく知られていて、『バルカン超特急』と比べて……という書き方をしているブログも多いのですが、実はもう1本この映画の元ネタになった映画がありました。  その映画のタイトルは『バニー・レークは行方不明』(1965)。監督はオットー・プレミンジャ…
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映画『ミュンヘン』は、『SAYURI』にも匹敵する一大国際プロジェクトでした。

 エリック・バナ(もしくはダニエル・クレイグ)が、考え込んでしまっているかように、がっくり肩を落として座っているシルエット。  映画『ミュンヘン』の予告編から事前に私が得たイメージ映像はこれだけでした。  アメリカでの先行公開が、アカデミー賞をぎりぎりで狙える12月23日であり、日本でも事前のマスコミ向けの試写も年明けにわずか1回行…
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バンデラス自身もバツイチ・再婚・1女あり! 『レジェンド・オブ・ゾロ』

 『レジェンド・オブ・ゾロ』を見て思うのは、現代アメリカが求めるヒーロー像の変化ですね。つまり、父親、もしくは1人の成人男性とかだけではなく、家族全員が力を合わせて“悪”と闘わなければないということ。名づけて“スパイ・キッズ・シンドローム”です。  1人の男性ヒーローが家族を巻き込んで闘うことになる映画を家族史的に並べてみると―― …
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魅了されちゃいました! 『プライドと偏見』

 過去に映画化されたジェーン・オースティン原作の映画(『エマ』や『いつか晴れた日に』)の印象や原作のタイトルの印象から、大して期待せずに観に行ったのですが、すっかり魅了されて帰ってきました。凄くいいですよ!  内容は、5人姉妹、及びその周辺の男女の人生の選び取り方(つまり、人生のパートナーの選び取り方)を描いた作品、ということ…
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観た後でもっともっと楽しむ、映画『THE有頂天ホテル』

 ・タイトルは、『踊る大捜査線』が映画『踊る大紐育』と映画『夜の大捜査線』を足して2で割ったものだというのにならって、2本の映画タイトル『有頂天時代』と『グランド・ホテル』を足して2で割って作った。(劇場パンフより)  ・上映時間は、大ヒット映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』と『Shall we ダンス?』がともに2時間16…
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すご~く評判がよいようなので…… 映画『狼少女』

 すご~く評判がいいようなので観てきました、映画『狼少女』。  感想はというと、よく言われているような「郷愁をそそる作品」、ではなかったですね。1970年代を忠実に再現しているというわけでもありませんし(せいぜいでゲイラ・カイトが出てくるくらい)、自分の子ども時代を思わせて懐かしい感じがするというのでもありませんでした。  …
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自分らしく生きようとする人への賛歌 映画『TABOO』

 ボーイ・ジョージの半生をミュージカル化した同名の舞台をライブ収録した作品。予備知識として知っていたのは、それだけだったのですが、観てみたらちょっと違っていました。  物語は、ショービズの世界で成功を夢見るカメラマン志望の青年ビリーの視点で描かれていて、夢を叶えるために彼が家を飛び出すところから始まります。彼は、ロンドンでメジャー…
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