アジア太平洋スクリーン・アワード2013 受賞結果!

 第7回アジア太平洋スクリーン・アワードの各賞が発表されました。(12月12日)

 【アジア太平洋スクリーン・アワード(Asia Pacific Screen Awards)】

 アジア太平洋スクリーン・アワードといっても、世界各地で開催される様々な映画祭・映画賞の1つに過ぎませんが、スポンサーにユネスコとCNNと国際映画製作者連盟がついているというのがユニークで、そんな映画賞がなぜかオーストラリアのクイーンズランドを拠点として開催されています(音頭取りをしているのが、クイーンズランドだからなんですが)。

 アジア太平洋スクリーン・アワードは、2007年ニスタートしていて、中東までを含めたアジア全域と、オセアニアの映画の振興を目的とする賞で、対象国は70カ国にも及んでいます。
 スケールや認知度・注目度は格段に違いますが、おそらくヨーロッパ映画賞を意識はしていて、アジア太平洋地域におけるヨーロッパ映画賞のような映画賞を目指しているのだろうと思われます。

 今回は、41カ国から230作品がエントリーされ、その中には米国アカデミー賞2014 外国語映画賞代表作品が19作品含まれていたと発表されています。

 ※審査員:Shyam Benegal(インドの監督)(審査員長)、Hon Dr Malani Fonseka(スリランカの女優)、キム・テヨン、Tamer Levent(トルコの俳優・舞台監督)、クリストフ・シャウブ(Christoph Schaub:スイスの監督)、Albert Lee(香港のプロデューサー)

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 ◆作品賞(best feature film)
 ・『そして父になる』(日) 監督:是枝裕和
 ◎“Omar”(パレスチナ) 監督:ハニ・アブ=アサド
 ・『ある過去の行方』(仏・伊) 監督:アスガー・ファルハディ
 ○“Television”(バングラデシュ) 監督:Mostofa Sarwar Farooki 審査員グランプリ
 ・“The Turning”(オーストラリア) 監督:Tim Winton
 ・“With You, Without You”(スリランカ) 監督:Prasanna Vithanage

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 “Omar”(パレスチナ) 監督:ハニ・アブ= アサド
 物語:オマールは、パレスチナ人のパン屋で、幼なじみのタレクの妹ナディアのことを愛していた。しかし、イスラエルによるヨルダン川西岸占領で、彼らは引き裂かれ、西岸に残されたタレクたちは自由を求めるパレスチナ人の戦士となる。
 『エルサレムの花嫁』『パラダイス・ナウ』のハニ・アブ=アサド監督の最新作。
 カンヌ国際映画祭2013 ある視点部門出品。審査員賞受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 アナザー・ビュー部門出品。
 トロント国際映画祭2013 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2013 ワールド・トゥデイ部門出品。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 パレスチナ代表。


 “Television”(バングラデシュ) 監督:Mostofa Sarwar Farooki
 物語:水に囲まれていて、まわりから隔離されたようなバングラデシュの田舎の村。首長アミンは、宗教的な根拠を楯に、あらゆる映像を禁止する。それは、テレビから携帯電話にまで及び、村民はその決定に大きな影響を受ける。特に抵抗を示したのは若い世代で、アミンは彼らの強い反抗に遭い、村は二分されてしまう。しかし、最後に、アミンは、嫌っていたはずのテレビに救われることになる……。
 アジア太平洋映画祭2012 脚本賞・撮影賞ノミネート。
 ドバイ国際映画祭2013 アジア・アフリカ長編コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 バングラデシュ代表。


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 ◆監督賞(Achievement In Directing)
 ◎アンソニー・チェン(Anthony Chen) “Ilo.Ilo(爸媽不在家)”(シンガポール)
 ○エミール・バイガジン(Emir Baigazin) 『ハーモニー・レッスン』“Uroki Garmonii (Harmony Lessons)”(カザフスタン・独・仏) スペシャル・メンション
 ○ヒネル・サレーム(Hiner Saleem) “My Sweet Pepperland”(イラク・クルディスタン・仏・独) スペシャル・メンション
 ・是枝裕和 『そして父になる』(日)
 ・Shahram Mokri “Mahi Va Gorbeh (Fish and Cat)”(イラン)

 “Ilo Ilo(爸媽不在家)”(シンガポール) 監督:アンソニー・チェン(Anthony Chen)
 出演:Koh Jia Ler、アンジェリ・バヤニ(Angeli Bayani)、Chen Tian Wen、ヤオ・ヤンヤン(Yeo Yann Yann)
 物語:1997年のシンガポール。リム家に、フィリピン人のメイド、テレサがやってくる。一家の家族関係は、元々悪くなりかけていたが、テレサがやってきた後、それはさらにひどくなる。問題ばかり起こしている息子Jialeは、しゃべらなくなったテレサと仲良くなっていく。その年、アジアに経済危機が訪れるが、それが一家にも影響を及ぼす。
 初監督作品。
 カンヌ国際映画祭2013 監督週間出品。カメラドール受賞。
 パリ映画祭2013 コンペティション部門出品。
 トロント国際映画祭2013 DISCOVERY部門出品。
 ミラノ映画祭2013 長編コンペティション部門出品。
 釜山国際映画祭2013 アジア映画の窓部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 第1回作品賞受賞。
 ムンバイ映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。監督賞(Silver Gateway Of India)、女優賞(ヤオ・ヤンヤン)受賞。
 フィラデルフィア映画祭2013 最優秀ナラティヴ作品賞受賞。
 ストックホルム国際映画祭2013 コンペティション部門出品。
 香港アジア映画祭2013 ニュー・タレント賞受賞。
 台湾 金馬奨2013作品賞・助演男優賞・助演女優賞・脚本賞・新人監督賞・新人賞ノミネート。作品賞、助演女優賞、脚本賞、新人監督賞受賞。
 東京フィルメックス2013 コンペティション部門出品。観客賞受賞。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 シンガポール代表。


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 『ハーモニー・レッスン』“Harmony Lessons(Uroki garmonii)”(カザフスタン・仏・独) 監督:エミール・バイガジン(Emir Baigazin)
 出演:Timur Aidarbekov、Aslan Anarbayev、Mukhtar Anadassov、Anelya Adilbekova、Beibitzhan Muslimov
 物語:13歳のアルスランは、健康診断で、みんなの前で恥をかかされて、それがその後の彼の性格に影を落とすことになった。彼は、潔癖症で、完璧主義になり、自分の身の回りのことをすべてコントロールしないではいられなくなった。彼は。カザフスタンの村におばあちゃんと一緒に暮らしていたが、そうした生活も限界に近づいていた。アルスランのいじめっ子の1人、ボラットは、年少者を恐喝し、彼らを守るためと称して、彼らからお金を巻き上げていたが、アルスランのことは侮蔑し、仲間はずれにしていた。
 初監督作品。
 ベルリン国際映画祭2013 コンペティション部門出品。芸術貢献賞(銀熊賞:Aziz Zhambakiyev(撮影))、ベルリナー・モルゲンポスト紙読者賞受賞。
 CPH:PIX2013 メイン・コンペティション部門出品。
 トライベッカ映画祭2013 新人監督コンペティション ナラティヴ部門出品。審査員スペシャル・メンション受賞。
 シアトル国際映画祭2013 ニュー・ディレクターズ・コンペティション部門出品。審査員グランプリ(最優秀新人監督賞)受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 ホライズンズ部門出品。
 サラエボ映画祭2013 キノスコープ部門出品。
 モントリオール世界映画祭2013 ワールド・グレイト部門出品。
 アテネ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 Zabaltegi部門出品。
 釜山国際映画祭2013 アジア映画の窓部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 DARE部門出品。
 シカゴ国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2013 ディスカバリー部門出品。NETPAC賞受賞。
 フィラデルフィア映画祭2013 オナラブル・メンション 撮影賞(Aziz Zhambakiyev)、新人監督賞(Archie Award for Best First Feature)受賞。
 アブダビ国際映画祭2013 NETPAC賞受賞。
 アミアン国際映画祭2013 長編コンペティション部門出品。グランプリ(ゴールデン・ユニコーン賞)、男優賞(Timour Aidarbekov)受賞。
 東京フィルメックス2013 コンペティション部門出品。審査員特別賞受賞。

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 “My Sweet PepperLand”(イラク・仏・独・UAE) 監督:ヒネル・サレーム
 出演:ゴルシフテ・ファラハニ、Korkmaz Arslan、Suat Usta
 物語:舞台は、トルコやイランに近い国境地帯で、ここでは、アルコールやドラッグや機械の密輸が横行する無法地帯と化していた。クルディスタン独立戦争の英雄バランは、求められて、村の警察署長になるが、腐敗した村の長老Aziz Agaのやり方に従わず、彼から睨まれることになる。やがて、村にGovendという美しい女性が教師として赴任してくる。バランと彼女がつきあうことは、Aziz Agaも村の住人もGovendの兄弟たちも反対するが、のちにこの2人が村の古いしきたりを変えていくことになる。
 ヒネル・サレームは、イラクからフランスに亡命した作家で、日本で上映された監督作品はありませんが、『父さんの銃』という自伝的小説が翻訳されています。
 カンヌ国際映画祭2013 ある視点部門出品。
 釜山国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 シカゴ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。最優秀作品賞(ゴールデン・ヒューゴー賞)受賞。
 アブダビ国際映画祭2013 ナラティヴ長編コンペティション部門出品。審査員特別賞受賞。


 ◆男優賞(Best Performance By An Actor)
 ・アーロン・ペダーセン(Aaron Pedersen) “Mystery Road”(オーストラリア)(監督:Ivan Sen)
 ・Adam Bakri “Omar”(パレスチナ)
 ◎イ・ビョンホン 『王になった男』“Masquerade”(韓)(監督:チュ・チャンミン)
 ・仲代達矢 『日本の悲劇』“Nippon no higeki (Japan’s Tragedy)”(日)(監督:小林政広)
 ・Yerbolat Toguzakov “Shal (The Old Man)”(カザフスタン)(監督:Ermek Tursunov)

 ◆女優賞(Best Performance By An Actress)
 ・Ayça Damgacı “Yozgat Blues”(トルコ・独)(監督:Mahmut Fazil Coskun)
 ・ゴルシフテ・ファラハニ “My Sweet Pepperland”
 ・Negar Javaherian “The Painting Pool”(イラン)(監督:Maziar Miri)
 ・Whirimako Black “Tuakiri Huna (White Lies)”(ニュージーランド)(監督:ダナ・ロトベルグ)
 ◎チャン・ツィイー 『グランド・マスター』(香港・中)(監督:ウォン・カーウァイ)

 ◆脚本賞(Best Screenplay)
 ・アスガー・ファルハディ 『ある過去の行方』(仏・伊)
 ・Denis Osokin “Nebesnye Ženy Lugovykh Mari (Celestial Wives of the Meadow Mari)”(ロシア)(監督:アレクセイ・フェドルチェンコ)
 ・Mostofa Sarwar Farooki、Anisul Haque “Television”(バングラデシュ)
 ◎Ritesh Batra “The Lunchbox”(インド・仏・独)(監督:Ritesh Batra)
 ・:ウ・ウェイ・ビン・ハジサアリ(U-Wei Bin Hajisaari) “Hanyut (Almayer’s Folly)”(マレーシア)(監督::ウ・ウェイ・ビン・ハジサアリ(U-Wei Bin Hajisaari))

 “The Lunchbox(Dabba)”(インド・仏・独) 監督:Ritesh Batra
 出演:イルファーン・カーン(Irrfan Khan)、Nimrat Kaur、Nawazuddin Siddiqui、Denzil Smith、Bharati Achrekar、Nakul Vaid、Yashvi Puneet Nagar、リレット・デュベイ(Lillete Dubey)、Sada (Dabbawala)
 物語:アイラは、ムンバイの中流階級の若い主婦だが、夫婦関係は既に冷え切っている。彼女は、夫の愛を取り戻そうとして、夫のためにスペシャル・メニューのお弁当をこしらえることにする。お弁当は、デリバリー・サービスを使って配達されたが、間違って、引退間近の孤独な事務員サージャンの元に届けられる。夫から直接的なリアクションがなく、翌日、アイラは、お弁当に小さなメモを添える。こうして、見知らぬ2人の交流が始まる。彼らは、メモを通じて、孤独や思い出や後悔、恐れ、小さな喜びなどを綴っていく。彼らは会うこともなく、バーチャルな関係を続けていていたが、やがてそれが現実を脅かすものになる。
 初監督長編。
 ロッテルダム国際映画祭2012 The Eurimages Co-Production Development Award スペシャル・メンション受賞。
 カンヌ国際映画祭2013 批評家週間出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 ホライズンズ部門出品。
 オデッサ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。監督賞受賞。
 ノルウェー国際映画祭2013 メイン・プログラム出品。
 トロント国際映画祭2013 GALA PRESENTATIONS部門出品。
 レイキャビク国際映画祭2013 コンペティション部門出品。アイスランド教会賞受賞。
 釜山国際映画祭2013 アジア映画の窓部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。

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 ◆撮影賞(Achievement In Cinematography)
 ・Ehab Assal “Omar”(パレスチナ)
 ◎ルー・ユエ “Yi Jiu Si Er (Back to 1942/一九四二)”(中)(監督:フォン・シャオガン)
 ・マンディー・ウォーカー(Mandy Walker) ASC ACS “Tracks”(オーストラリア・英)(監督:ジョン・カラン)
 ・Murat Aliyev “Shal (The Old Man)”(カザフスタン)
 ・Rajeev Ravi “Monsoon Shootout”(インド・英・オランダ)(監督:Amit Kumar)

 ルー・ユエは、2010年に『唐山大地震』でノミネート。台湾・金馬奨2013 撮影賞ノミネート。

 “一九四二(Back To 1942/温故1942)”(中) 監督:フォン・シャオガン
 出演:シュイ・ファン、チャン・グオリー(張国立)、エイドリアン・ブロディー、チェン・ダオミン、チャン・ モー(張黙)、ティム・ロビンス、チャン・ハンユー、ワン・ツィウェン
 物語:1942年、河南地方で300万人が亡くなる大飢饉が起こる。それだけの犠牲者が出たのは、飢饉に、イナゴや台風や地震という自然災害が重なったからだった。夜、農夫たちが、唯一、食糧を蓄えている地主ファンの家に鎌や松明を持って集まってくる。ファンは恐れをなして、農夫たちのために宴を開こうとするが、偶然も手伝って、ファンの屋敷は焼け落ちてしまう。その頃、河南の北部では日本軍と国民党の戦いが起こっていて、食糧は中国軍に提供してければならない。危機感を募らせた地方長官のリーは、重慶のチャン将軍に相談に行くが、打ち明けることができない。家を失い、食べる物もないファンは、陝西省へと向かう難民の列に加わる。幸いなことに彼には、彼についてきてくれる娘とロバと使用人のシャンと借地人のファとがいた。ファンは、旅の途上で、3人の人物と出会う。アメリカ人ジャーナリストのセオドア・ホワイト(エイドリアン・ブロディー)、判事から料理人になったマ老人、神に対する信仰を失ってイタリア人司祭(ティム・ロビンス)にアドバイスを求めている神父。ファンと使用人たちの身分の違いは消え、彼らは、戦争が終わったら、一緒に土地を耕そうと夢見るようになる。ファンは、食べるためには娘を売ろうとまで考える。シャンは、マ老人から求愛されて、受け入れ、初夜を迎えた後、飢えた子供たちを守ろうとしている新しい夫を救うために、自分を奴隷商人に売る。一行は、無事に陝西省に入る。ファンは死ぬために、河南へ戻り、ホワイトは、記事をタイム誌に送る。彼の記事は、チャン将軍の目に触れることになり、驚いた彼は、日本軍と戦っていた軍隊を後退させることに決める。
 ローマ国際映画祭2012 撮影賞(A.I.C. Award for Best Cinematography)、AGISCUOLA Golden Butterfly Award受賞。
 ファジル国際映画祭2013 ワールド・シネマ・コンペティション部門出品。脚本賞受賞。
 北京大学生電影節2013 最優秀作品賞受賞。
 上海影評人奨2013 監督賞、男優賞(チャン・グオリー)、年度電影受賞。
 北京国際映画祭2013 コンペティション部門出品。作品賞(天壇賞)、視覚効果賞受賞。
 香港電影金像奨2013 中国・台湾映画賞受賞。
 華語電影傳媒大奨2013 脚本賞、フィルム・オブ・ザ・イヤー受賞。
 金鶏奨2013 作品賞・主演男優賞・脚色賞・撮影賞・録音賞受賞。
 台湾・金馬奨2013 6部門ノミネーション。助演男優賞受賞(リー・シュエチン)。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 中国代表。

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 ◆長編ドキュメンタリー賞(Best Documentary Feature Film)
 ◎『殺人という行為』“The Act of Killing”(デンマーク・ノルウェー・英) 監督:ジョシュア・オッペンハイマー
 ・“Shomrei Hasaf (The Gatekeepers)”(イスラエル・仏・独・ベルギー) 監督:Dror Moreh
 ・“Menstrual Man”(シンガポール・インド) 監督:Amit Virmani
 ・“Frihet Bakom Galler (No Burqas Behind Bars)”(スウェーデン・日・オランダ・デンマーク) 監督:Maryam Ebrahimi、Nima Sarvestani
 ・『我々のものではない世界』“Alam Laysa Lana (A World Not Ours)”(レバノン・英・UAE・デンマーク・パレスチナ) 監督:マハディー・フレフェル

 『殺人という行為』“Act of Killing”(デンマーク・ノルウェー・英) 監督:ジョシュア・オッペンハイマー
 1965年9月30日、スハルトのクーデター軍がスカルノ政権を倒した時、北スマトラのメダンのAnwar CongoとAdi Zulkadryは、映画チケットのブラックマーケットを預かるならず者から悪名高き殺人部隊のリーダーに昇格する。彼らは、1965年から66年にかけて、「アカ狩り」と称して無実の人々を100万人以上殺害、Anwar自身も約1000人を絞殺した。殺された者の中には華僑もいて、脅しても、金を差し出さない者は容赦なく殺した。彼らは、自分たちの犯した残虐な行為に対して、今日まで一切罪に問われることなく、それどころか、腐敗した政治家たちの支援を得て、力を増し、Anwar自身は、殺人組織を脱した右派の民兵組織Pemuda Pancasilaの設立者として尊敬すらされている。彼らは、「共産主義者たちとの闘い」における、効率的な殺し方を思い出しては、自慢したりするのだ。
 監督のジョシュア・オッペンハイマーは、本作のために、Anwarにアプローチし、彼とその友人たちに、ドラマとして、過去の「殺人」を再現させ、当時の記憶や感情を思い出させようとする。それらのシーンは、彼らの好きなギャング映画や西部劇やミュージカルのスタイルで撮影される。勝利者にとって、これは栄光の出来事を映画的に美しく再現することであり、決して「虐殺」などではないのだ。
 Anwarの友人の何人かは、「殺人」を悪かったことだと認めているが、Pemuda Pancasilaの若きメンバーたちは、今日のパワーの基礎を築いたのは、彼らの恐るべき力なのだから、大虐殺も大いに誇ればいいと語る。
 エロール・モリスとヴェルナー・ヘルツォークがエグゼクティヴ・プロデューサーを務める。
 第2監督長編。
 テルライド映画祭2012出品。
 トロント国際映画祭2012 TIFF DOCS部門出品。
 CPH DOX2012 グランプリ受賞。
 ベルリン国際映画祭2013 パノラマ部門 エキュメニカル審査員賞、観客賞受賞。
 イスタンブール・インディペンデント映画祭2013 批評家賞受賞。
 デンマーク・アカデミー賞2013 最優秀ドキュメンタリー賞受賞。
 SXSW映画祭2013 フェスティバル・フェイバリット
 デンマーク映画批評家協会賞2013特別Bodil賞(Årets Sær-Bodil)受賞。
 香港国際映画祭2013 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。
 ヴァランシエンヌ映画祭2013 ドキュメンタリー部門グランプリ受賞。
 ドキュメンタ・マドリッド2013 審査員グランプリ、観客賞受賞。
 Beldocs ベオグラード国際ドキュメンタリー映画祭2013 グランプリ受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 No Limit部門出品。
 シドニー映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭2013 審査員特別賞、観客賞受賞。
 プチョン国際ファンタスティック映画祭2013 ヴィジョン・エクスプレス部門出品。
 サラエボ映画祭2013 キノスコープ部門出品。
 ヘルシンキ国際映画祭2013 最優秀ノルディック・ドキュメンタリー賞受賞。
 山形国際ドキュメンタリー映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。優秀賞受賞。
 IDAアワード2013 長編部門ノミネート。
 ゴッサム・アワード2013 ドキュメンタリー賞受賞。
 ヨーロッパ映画賞2013 ドキュメンタリー賞受賞。
 ボストン・オンライン映画批評家協会賞2013 ドキュメンタリー賞受賞。
 ボストン映画批評家協会賞2013 ドキュメンタリー賞受賞。
 サンディエゴ映画批評家協会賞2013 ドキュメンタリー賞受賞。
 インディペンデント・スピリット・アワード2014 ドキュメンタリー賞ノミネート。

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 ◆長編アニメーション賞(Best Animated Feature Film)
 ・“Sa-i-bi (The Fake)”(韓) 監督:ヨン・サンホ
 ◎“Koo! Kin-Dza-Dza”(ロシア) 監督:Georgiy Daneliya、Tatiana Ilyina
 ・『サカサマのパテマ』“Sakasama no Patema (Patema Inverted)”(日) 監督:吉浦康裕
 ・『風立ちぬ』“Kaze Tachinu (The Wind Rises)”(日) 監督:宮崎駿
 ・“Goopi Gawaiya Bagha Bajaiya (The World of Goopi and Bagha)”(インド) 監督:Shilpa Ranade

 “Koo! Kin-Dza-Dza”(ロシア) 監督:Georgiy Daneliya、Tatiana Ilyina
 物語:建設作業員と音楽学生が、エイリアンの移送装置をいじっていたら、遥かな星に飛ばされてしまい、なんとかして故郷に戻ろうとする。
 『不思議惑星キン・ザ・ザ』のアニメーション化作品。

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 ◆児童映画賞(Best Children’s Feature Film)
 ◎『未熟な犯罪者』(韓) 監督:カン・イグァン
 ・『旅立ちの島唄 十五の春』“Tabidachi no Shima Uta – Jugo no Haru (Leaving on the 15th Spring)”(日) 監督:吉田康弘
 ・“Shopping”(ニュージーランド) 監督:Mark Albiston、Louis Sutherland
 ・“Wadjda”(サウジアラビア・独) 監督:Haifaa Al-Mansour
 ・“Lamma Shoftak (When I Saw You)”(パレスチナ・ヨルダン) 監督:Annemarie Jacir

 『未熟な犯罪者』“범죄소년(Beom-joe-so-nyeon/Juvenile Offender)”(韓) 監督:カン・イグァン
 物語:ジグは、15歳で犯罪を犯してつかまったが、執行猶予で、今は祖父と一緒に暮らしている。その祖父が死んだ時、死んだと思っていた実の母親が現われる。失われた時間を埋め合わせるべく、2人の新たな生活が始まる。
 トロント国際映画祭2012 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 東京国際映画祭2012 コンペティション部門出品。審査員特別賞、男優賞受賞。
 シネマニラ国際映画祭2012 インターナショナル・コンペティション部門出品。男優賞、リノ・ブロッカ賞受賞。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 韓国代表。


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 【その他の賞】

 ◆審査員グランプリ
 ◎Ritesh Batra “The Lunchbox”(インド・仏・独)

 ◆ユネスコ賞
 “The Painting Pool”(イラン) 監督:Maziar Miri

 “Painting pool(Hoz e naghashi)”(イラン) 監督:Maziar Miri
 物語:マリヤムとレザは、若い夫婦だが、ともに軽度の知的障害を抱えている。彼らは、健常者との差異を、愛の力によって乗り越えようとする。
 ファジル国際映画祭2913 イラン映画コンペティション部門出品。衣裳&ステージ・デザイン賞、観客賞受賞。
 釜山国際映画祭2013 アジア映画の窓部門出品。

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 ◆FIAPF賞
 ◎イ・チュニオン
 『亀、走る』『ファン・ジニ 映画版』『囁く廊下/女校怪談』などを手がける韓国のプロデューサー。

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 ◆NETPAC Development Prize
 ◎Adilkhan Yerzhanov “Stroiteli(Constructors)”(カザフスタン)

 ◆MPA APSA Academy Film Fund Recipients
 ◎Ainsley Gardiner “Canoe(Vaka)”(ニュージーランド)
 ◎Jeannette Paulson Hereniko “Fall Out”(ハワイ)
 ◎レイス・チェリッキ(Reis Çelik) “Kerbala Orkestrası(Karbala Orchestra)”(トルコ)
 ◎ガリン・ヌグロホ “Topeng Monyet(The Monkey Mask)”(インドネシア)

 ◆APSA Academy Children’s Film Fund
 ◎Sudheer Palsane “Noor”(インド)
 ◎Kate Shelper “The Wonderful Adventures of Topsy Brown & Other Terrible Tales”
(オーストラリア)

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 主な作品のノミネート&受賞状況は以下の通り。

 ・“Omar”(1/3):作品・男優・撮影
 ・『そして父になる』(0/2):作品・監督
 ・“『ある過去の行方』(0/2):作品・脚本
 ・“Television”(0/2):作品・脚本 +審査員グランプリ
 ・“My Sweet Pepperland”(0/2):監督・女優 +監督賞スペシャル・メンション
 ・“Shal (The Old Man)”(0/2):男優・撮影

 結果的には、米国アカデミー賞2014外国語映画賞各国代表作品ばかりが受賞しています。

 日本作品および日本人がたくさんノミネートされていましたが、残念ながら無冠に終わってしまいました。

 前回は、各部門で次点のような賞(High Commendation)を設けていましたが、今回は予算がなかったのか、該当者がいなかったのか、作品賞部門の審査員グランプリ、監督賞部門のスペシャル・メンションを除けば、なくしてしまったようです。

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 *当ブログ記事

 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_18.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201210/article_20.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2012 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_22.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_23.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_32.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_6.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2009 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_44.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2008 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_7.html

 ・台湾・金馬奨2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_2.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年12月~2014年4月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_1.html

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