いよいよ全米映画賞レース 本格始動! ゴッサム・アワード2010 ノミネーション発表!

 アメリカ映画賞レースの先陣を切って、ゴッサム・アワードのノミネーションが発表されました。(10月18日)

 このところ、映画祭のラインナップと受賞結果を書き出すことに追われていて、ゴッサム・アワードのノミネーション発表は、もうちょっと後なんじゃないかと思っていたんですが、実は、昨年より1日早いだけでした。

 ゴッサム・アワードは、インディペンデント系の映画賞なので、『トイ・ストーリー3』などが入らないのはもちろん、本年度の映画賞レースの本命と見なされている『ソーシャル・ネットワーク』も入ってきません。細かいノミネート対象規定がどうなっているのかはよくわかりませんが、年末ぎりぎりで劇場公開される作品もここには入ってきません。

 しかしながら、それ以外の、インディペンデント系の目ぼしい作品はほとんどノミネートされる(ことになっている)し、2010年度の全米映画賞レースを面白くしてくれるインディペンデント映画はほとんどこの中にあると言っても過言ではありません。

 ちなみに、昨年の作品賞とアンサンブル・パフォーマンス賞は『ハート・ロッカー』が受賞し、生涯貢献賞のキャスリン・ビグローを含めると『ハート・ロッカー』&キャスリン・ビグローで3冠になっていて、その後の映画賞レースを大きく占うことになっていました。

 さて、今年は……。


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 ◆作品賞
 ・“Black Swan” 監督:ダーレン・アロノフスキー
 ・“Blue Valentine” 監督:Derek Cianfrance
 ・“The Kids Are All Right” 監督:リサ・チョロデンコ
 ・“Let Me In” 監督:マット・リーヴス
 ・『ウィンターズ・ボーン』“Winter’s Bone” 監督:デブラ・グラニック

 サンダンス・プレミアの作品が3本と、最近お披露目になったばかりの2作品がノミネートされています。4本は予想通りですが、“Let Me In”がやや意外と言えば意外でしょうか。
 一昨年は『レスラー』や『脳内ニューヨーク』よりも『フローズン・リバー』を選び、昨年は『シリアスマン』より『ハート・ロッカー』を選んでいるので、よりインディペンデントな佳作が受賞すると考えれば、『ウィンターズ・ボーン』が有力と言えるでしょうか。“Blue Valentine”や“The Kids Are All Right”が受賞しても全然かまわないのですが。

 ◆ドキュメンタリー賞
 ・“12th & Delaware” 監督:Heidi Ewing、Rachel Grady
 ・“Inside Job” 監督:チャールズ・ファーガソン
 ・“The Oath” 監督:Laura Poitras
 ・“Public Speaking” 監督:マーティン・スコセッシ
 ・“Sweetgrass” 監督:Lucien Castaing-Taylor、Ilisa Barbash

 サンダンス・プレミア作品が“12th & Delaware”と“The Oath”、今年のカンヌ国際映画祭で上映されて評判がよかったのが“Inside Job”、“Sweetgrass”は2009年のベルリン国際映画祭のフォーラム部門で上映されていた作品です。

 “Public Speaking”は、エリア・カザンに関するドキュメンタリー“A Letter to Elia”を上梓したばかりのマーティン・スコセッシによる、2010年製作のもう1本のドキュメンタリーで、ニューヨーク在住の評論家/コラムニストのフラン・レボウィッツ(Fran Lebowitz)を題材とし、アーカイブのフッテージばかりで構成した作品であるようです。
 スコセッシは、ハワード・ヒューズとかエリア・カザンとかフランク・シナトラとか、実在の人物によるアメリカ史を映画で(それもそれぞれの人物に合ったやり方で)やろうとしているように見えます。
 ちょっと意外なのは、スコセッシが主役に女性を持ってきたことで、これはフィクション、ドキュメンタリーを含めてもほとんど初めてのことなのではないでしょうか。

 “Sweetgrass”は、2003年に、ヒツジの群れを連れて、山越えを含む300キロの旅を行なった羊飼いに関するドキュメンタリーだそうです。

 ここの本命は、“Inside Job”か“The Oath”でしょうか。これらのほかにももっとノミネートされてもいい作品はあったように思いますが(ルーシー・ウォーカーの作品とか)、少なくともこの2作品は多くのドキュメンタリー賞にノミネートされるだろうと予想されます。

 ◆ブレイクスルー監督賞(Breakthrough Director)
 ・John Wells “The Company Men”
 ・Kevin Asch “Holy Rollers”
 ・グレン・フィカーラ、ジョン・レクア 『フィリップ、きみを愛してる!』“I Love You Phillip Morris”
 ・Tanya Hamilton “Night Catches Us”
 ・Lena Dunham “Tiny Furniture”

 『フィリップ、きみを愛してる!』は、フランス資本が入っていることもあってか、日本より大幅に遅れて全米公開になり、ここにこうしてノミネートされています。

 ◆ブレイクスルー俳優賞(Breakthrough Actor)
 ・Prince Adu “Prince of Broadway”(監督:Sean Baker)
 ・Ronald Bronstein “Daddy Longlegs”(監督:Ben Safdie、Joshua Safdie)
 ・Greta Gerwig “Greenberg”(監督:ノア・バウムバック)
 ・ジェニファー・ローレンス 『ウィンターズ・ボーン』(監督:デブラ・グラニック)
 ・John Ortiz 『ジャック、舟に乗る』“Jack Goes Boating”(監督:フィリップ・シーモア・ホフマン)

 2010年度のブレイクスルー賞、新人賞の類の賞を牽引していくのは、まず間違いなく、ジェニファー・ローレンスだろうと思われます。

 ◆アンサンブル・パフォーマンス賞(Best Ensemble Performance)
 ・“The Kids Are All Right” 監督:リサ・チョロデンコ
 アネット・ベニング、ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、ミア・ワシコウスカ、ジョシュ・ハッチンソン

 ・“Life During Wartime” 監督:トッド・ソロンズ
 シャーリー・ヘンダーソン、キアラン・ハインズ、アリソン・ジャニー、マイケル・ラーナー(Michael Lerner)、クリス・マークエット(Chris Marquette)、Rich Pecci、シャーロット・ランプリング、ポール・ルーベンス、アリー・シーディー、Dylan Riley Snyder、レニー・テイラー、マイケル・ケネス・ウィリアムズ

 ・“Please Give” 監督:Nicole Holofcener
 キャサリン・キーナー、アマンダ・ピート、オリバー・プラット、レベッカ・ホール、Ann Guilbert、ロイス・スミス、サラ・スティール、トーマス・イアン・ニコラス

 ・“Tiny Furniture” 監督:Lena Dunham
 Lena Dunham、ローリー・シモンズ、Grace Dunham、Rachel Howe、メリット・ウィーヴァー、Amy Seimetz、Alex Karpovsky、David Call、Jemima Kirke、Sarah Sophie Flicker、Garland Hunter、Isen Hunter

 ・『ウィンターズ・ボーン』“Winter’s Bone” 監督:デブラ・グラニック
 ジェニファー・ローレンス、ジョン・ホークス、Dale Dickey、Lauren Sweetser、ギャレット・ディラハント、ケヴィン・ブレズナハン(Kevin Breznahan)

 より華やかなアンサンブルを評価したいと思ったり、『ウィンターズ・ボーン』ばかりに賞を集中させたくないと思えば、ここは“The Kids Are All Right”が本命でしょうか。

 ◆映画館じゃ上映していないけれど、いい映画で賞(Best Film Not Playing at a Theater Near You)
 ・“Kati with an i” 監督:Robert Greene
 ・“Littlerock” 監督:Mike Ott
 ・“On Coal River” 監督:Francine Cavanaugh、Adams Wood
 ・『夏の草原』“Summer Pasture”(中・米) 監督:リン・トゥルー、ネルソン・ウォーカー
 ・“The Wolf Knife” 監督:Laurel Nakadate

 まだ配給会社がついていなくて、劇場公開が未定の作品を集めた部門です。
 いろんな国際映画祭にひっぱりだこなのは“Littlerock”で、この作品は、(当ブログでは何度も書いていますが)主役が日本人ということもあり、要注目です。“The Wolf Knife”は、監督が日系人のようです。

 ◆生涯貢献賞(Award Tributes)
 ◎ダーレン・アロノフスキー
 ◎ロバート・デュバル
 ◎ジェームズ・シェイマス
 ◎ヒラリー・スワンク

 “Get Low”で主演男優賞候補とみなされているロバート・デュバルと、“Conviction”で主演女優賞候補に挙がっているヒラリー・スワンクにここで賞を与えるのは、本年度の活躍を讃えたもので、この2人が本年度の映画賞レースに顔を出してくる可能性をより確実なものとしたと言えそうです。

 同様に、ダーレン・アロノフスキーの、本年度映画賞レース 監督賞ノミネートはほぼ濃厚になりました。

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 授賞式は、11月29日です。

 昨年と同様であれば、今年もネットで授賞式が無料中継されることになると思います。昨年は、日本時間の午前10時とか11時とかだったはずで、昨年は、当ブログで速報を入れています。(日本語で書かれた受賞結果としては最速だったはずです。)

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 *当ブログ記事
 ・ゴッサム・アワード2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200910/article_13.html
 ・ゴッサム・アワード2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_2.html
 ・ゴッサム・アワード2008 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200810/article_4.html
 ・ゴッサム・アワード2008 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_7.html

 ・2010年にブレイクアウトした10人:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_5.html
 ・ポスト・トロントでのオスカー2011予想 21部門:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_41.html
 ・25週前のオスカー2011予想!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201009/article_1.html
 ・2010年前半期全米ムービー・チャート TOP35!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_9.html
 ・早くも2011年米国アカデミー賞を予想してみました!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_25.html

 ・映画祭&映画賞カレンダー 2010年5月~2011年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_23.html

 追記:
 ゴッサム・アワード2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_33.html

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