たった3分でこれだけ怖い!? 清水崇 『片隅』『4444444444』

 ハリウッド映画『THE JUON/呪怨』(2004)の前に、日本版の『呪怨』(2002)があり、その前にビデオ版『呪怨』(1999)があったことはよく知られていると思いますが、さらにその前にこれらの原点となった(今となっては)伝説の作品があったことは、どのくらい知られているでしょうか。それが『学校の怪談G』(1998)に収められている2本の短編「片隅」と「4444444444」です。

 

 たかだか3分くらいの作品なのに、(クライマックスは別にしても) これがなぜこんなに怖いのか?

 演者の自然な演技(監督の演出)、複数のアングルからの短いカットの積み重ね、その中に誰(何)の主観なのかわからない主観を織り込むこと、……。

 いろいろ考えてみても、はっきりとした答えは出ないのですが、1つには、「作品の中に “逢う魔が時”のような時間・空間を作り出すうまさ」でしょうか。
 誰のものかわからない携帯電話が鳴っていて出てみると一切人の声は聞こえてこないということや、釘か何かで指を刺して血が出てしまうこと、そして、登場人物たちを取り囲む光や風、音。よく知っているはずだった空間が、不意になじみのない未知の空間になって、“闇”(“魔”)を呼び寄せてしまう。

 怖そうな演技をしなくても、音響や照明で脅かさなくても、こんなに怖い作品ができてしまう。

 すべてが計算しつくされているような気がしますね。

 この作品を作ったのは、関西テレビとアルタミラ・ピクチャーズ。
 アルタミラ・ピクチャーズというのは、周防正行監督作品や『がんばっていきまっしょい』『スウィングガールズ』『ウォーターボーイズ』などを製作した会社です。こんな作品も作ってたんだあと思って、公式サイトを覗いてみると、アーカイブにはこの作品は載っていないのでした……。

 ◆作品データ
 「4444444444」
 1998年/日本/2分56秒
 日本語の台詞あり/字幕なし
 実写作品
 「片隅」
 1998年/日本/3分22秒
 日本語の台詞あり/字幕なし
 実写作品

 *JAPANESE HORROR MOVIES DATADASE:http://www.fjmovie.com/horror/j/t6/27.html
 *SFオンライン:http://www.so-net.ne.jp/SF-Online/no23_19990129/review_movie.html#3

 この作品はビデオ・リリースはありましたが、DVD化はされていないようです。

画像

 ◆監督について
 清水崇
 1972年 7月27日生まれ。群馬県前橋市出身。
 近畿大学芸術学科で演劇・芸能を専攻(中退)。
 1995年 小栗康平監督の『眠る男』にスタッフ(小道具)として参加。
 以後、フリーのスタッフ・助監督としてテレビドラマやVシネマに参加。
 1997年 映画技術美学講座(現・映画美学校)の第1期生となり、黒沢清や高橋洋、塩田明彦、青山真治らの指導を受ける。
 1997年 仲間とプロダクション シャイカーを立ち上げる。
 1998年 映画技術美学講座の課題で自主製作した3分間のビデオ作品が認められて、黒沢・高橋両氏の推薦を受け、関西テレビ『学校の怪談G』の短編枠の2作品「4444444444」「片隅」で監督・脚本を手がける。
 1999年 高橋洋監修で、ビデオ版『呪怨』『呪怨2』の脚本・監督を手がける。
 2001年 初の劇場用作品『富江re-birth』公開。
 2002年 劇場版『呪怨』公開。
 2004年 『THE JUON/呪怨』で日本人監督による実写版作品として初めて全米で1位を獲得。

 *蛇足ですが、清水崇の「崇(たかし)」は「祟り(たたり)」と同じ字だとずっと思い込んでいました(笑)。常識的に考えると子どもの名前に「祟り(たたり)」なんてつけるはずはないんですがね~。

 *所属事務所 有限会社シャイカーの公式HP:http://www.shaiker.co.jp/shimizu_p.html

 ・1995年 「眠る男」[小道具]
 ・1998年 「4444444444」「片隅」(『学校の怪談G』)<TV> [監督]
 ・1999年 『呪怨』<OV> [監督]
 ・2000年 『伊藤潤二 恐怖collection 「悪魔の理論」』[監督]
 ・2000年 『真霊ビデオVI ほんとにあった怖い話 恐怖タレント体験談』 <OV> [監督]
 ・2000年 『真霊ビデオV ほんとにあった怖い話 恐怖心霊写真館』 <OV> [監督]
 ・2000年 『呪怨2』<OV> [監督]
 ・2001年 『富江re-birth 』 [監督]
 ・2001年 「天才テレビくんワイド」 エンディングVTR演出
 ・2002年 『幽霊VS宇宙人 Vol.1 怪談 こっちを見ないで…』[監督]
 ・2002年 『呪怨』 [監督] *スクリームフェスト最優秀外国映画賞受賞
 ・2002年 『もうひとりいる』[監修]
 ・2003年 『呪怨2』[監督] *シッチェス・カタロニア国際映画祭コンペ部門出品
 ・2003年 「エレベーター」「さとり」「待ち時間」(『怪談新耳袋』)<TV> [監督]
 ・2003年  『幽霊VS宇宙人 Vol.2 轢き出し地獄』[監督]
 ・2003年 『不倫妻 愛されたい想い』[出演]
 ・2004年 『日本のこわい夜』<TVM> [監督]
 ・2004年 『怪奇大家族』(第11・12・13怪)<TV>[原案・監修・監督]
 ・2004年 『稀人(まれびと)』(映画番長シリーズのホラー番長の一編)[監督] *ベネチア国際映画祭のデジタルシネマ部門に正式招待作品、ブリュッセル・ファンタスティック映画祭グランプリ(金のカラス賞)。
 ・2004年 『THE JUON/呪怨』[監督] *シッチェス・カタロニア国際映画祭コンペ部門出品
 ・2005年 『輪廻』[監督]
 ・2005年 「買いもの帰り」(『フューチャー・ビーンズ:未来の豆』) [監督]
 ・2006年 「うけつぐもの」(『コワイ女』)[原案・監修]
 ・2006年 “The Grudge 2” [監督](2007年に『THE JUON2/呪怨2』として日本公開)
 ・2007年 『ユメ十夜』(第三夜)[監督]
 ・2007年 『THE JUON2/呪怨2』
 ・2007年 ハリウッドで『寄生獣』の実写版を制作
 ・2008年 『呪怨3』

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