USCスクリプター2020 受賞結果!

 第32回USCスクリプターの受賞結果が発表になりました。(1月25日)

 USC スクリプターとは、正しくは、南カリフォルニア大学図書館スクリプター賞(The University of Southern California (USC) Libraries Scripter Award)のことで、南カリフォルニア大学図書館が、映画化された原作本の原作者と脚本家、および脚本を表彰するものです。

 30年も続けていればそれだけで十分に価値がありますが、この映画賞がいろんな映画情報サイト(アメリカの)に取り上げられるのは、たぶんそういう理由より、この賞がアカデミー賞脚色賞を占うもの、というポジションを築きつつあるからだろうと思われます。

 2001年以降のUSCスクリプターとアカデミー賞脚色賞との合致度を調べてみると、以下のようになっています。

 2019年:『足跡はかき消して』×(アカデミー賞は『ブラック・クランズマン』)
 2018年:『君の名前で僕を呼んで』〇
 2017年:『ムーンライト』〇
 2016年:『マネー・ショート 華麗なる大逆転』〇
 2015年:『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』○
 2014年:『それでも夜は明ける』○
 2013年:『アルゴ』○
 2012年:『ファミリー・ツリー』○
 2011年:『ソーシャル・ネットワーク』○
 2010年:『プレシャス』○
 2009年:『スラムドッグ$ミリオネア』○
 2008年:『ノーカントリー』○
 2007年:『トゥモロー・ワールド』×(アカデミー賞は『ディパーテッド』)
 2006年:『カポーティ』×(アカデミー賞は『ブロークバック・マウンテン』)
 2005年:『ミリオンダラー・ベイビー』×(アカデミー賞は『サイドウェイ』)
 2004年:『ミスティック・リバー』『シービスケット』×(アカデミー賞は『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』)
 2003年:『めぐりあう時間たち』×(アカデミー賞は『ピアニスト』)
 2002年:『ビューティフル・マインド』○
 2001年:『ワンダー・ボーイズ』×(アカデミー賞は『トラフィック』)

 アカデミー賞との合致度はそんなには高くありませんが、前々回までの11年は同一作品が受賞していて、しかも2010年はアカデミー賞での予想が難しかった『プレシャス』で受賞しています。

 本年度のノミネーション(ファイナリスト)&受賞結果は、以下の通り。

 なお、2015年度からテレビ部門が新設されています。

USCscripter会場.jpg

 【映画部門】
 61作品から選出。

 ・“Dark Waters”(Focus Features) 監督:トッド・ヘインズ
 脚本:マシュー・カーナハン(Matthew Carnahan)、Mario Correa
 ニューク・タイムズ・マガジンのナサニエル・リッチ(Nathaniel Rich)の記事(based on the New York Times Magazine article “The Lawyer Who Became DuPont’s Worst Nightmare” by Nathaniel Rich)

 ・『アイリッシュマン』
 “The Irishman”(Netflix)
 脚本:スティーヴン・ザイリアン
 チャールズ・ブラント(Charles Brandt)のノンフィクション(based on the nonfiction work I Heard You Paint Houses by Charles Brandt)

 ・『ジョジョ・ラビット』
 “Jojo Rabbit”(Fox Searchlight)
 脚本:タイカ・ワイティティ
 クリスティーン・ルーネンズ(Christine Leunens)の小説“Caging Skies”

 ◎『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
 “Little Women”(Sony Pictures)
 脚本:グレタ・ガーウィグ
 原作:ルイーザ・メイ・オルコット(Louisa May Alcott ) 『若草物語』

 ・『2人のローマ教皇』
 “The Two Popes”(Netflix)
 脚本:アンソニー・マクカーテン
 戯曲(based on his play The Pope)

 【テレビ部門】
 58作品から選出。

 ◎『Fleabag フリーバッグ』(Amazon Prime)
 脚本:フィービー・ウォーラー=ブリッジ(Phoebe Waller-Bridge)
 同名のひとり芝居の第一エピソード(for the first episode, based on her one-woman play of the same name)

 ・“Fosse/Verdon” (FX)
 脚本ジョエル・フィールズ(Joel Fields)、Steven Levenson
 Sam Wassonの自伝“Fosse”のエピソード‘Nowadays’(for the episode “,” based on the biography Fosse by Sam Wasson)

 ・『キリング・イヴ/Killing Eve』(BBC America)
 脚本:エメラルド・フェネル(Emerald Fennell)
 Luke Jenningsの小説“Codename Villanelle”のエピソード ‘Nice and Neat’(for the episode “Nice and Neat,” based on the novel Codename Villanelle by Luke Jennings)

 ・『アンビリーバブル たった1つの真実』“Unbelieveable”(Netflix)
 脚本:スザンナ・グラント(Susannah Grant)、マイケル・シェイボン(Michael Chabon)、Ayelet Waldman
 T. Christian Miller とKen Armstrongによる記事“An Unbelievable Story of Rape”の第一エピソード(for the first episode, based on the article “An Unbelievable Story of Rape” by T. Christian Miller and Ken Armstrong)

 ・『ウォッチメン』“Watchmen”(HBO)
 脚本:デイモン・リンデロフ(Damon Lindelof)、Cord Jefferson
 アラン・ムーア(Alan Moore)とデイヴ・ギボンズ(Dave Gibbons)のコミック・シリーズに基づくエピソード“This Extraordinary Being”(for the episode “This Extraordinary Being,” based on the comic book series by Alan Moore and Dave Gibbons)

 【特別賞・名誉賞】
 ◆スクリプター文学賞(Scripter Literary Achievement Award)
 ◎Susan Orlean ジャーナリスト、ベストセラー作家

Susan Orlean.jpg

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 映画部門の脚色賞の前哨戦は、
 サテライト・アワードは、『ジョーカー』
 クリティクス・チョイス・アワードは、『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
 でしたが、USCスクリプター賞が『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』だったことで、米国アカデミー賞も『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』でほぼ決まりでしょうか。

 ◆米国アカデミー賞(とBAFTA英国アカデミー賞)2020脚色賞ノミネーション
 ・『アイリッシュマン』 スティーヴン・ザイリアン
 ・『ジョジョ・ラビット』 タイカ・ワイティティ
 ・『ジョーカー』 トッド・フィリップス、
 ・『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』 グレタ・ガーウィグ
 ・『2人のローマ教皇』(英・米・伊・アルゼンチン) アンソニー・マクカーテン

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 *当ブログ記事

 ・USCスクリプター2020 ノミネーション発表:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201912/article_65.html
 ・USCスクリプター2019 ノミネーション発表:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201901/article_37.html
 ・USCスクリプター2019 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201902/article_27.html
 ・USCスクリプター2018 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201801/article_52.html
 ・USCスクリプター2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201802/article_26.html
 ・USCスクリプター2017 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201701/article_37.html
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 ・USCスクリプター2016 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_22.html
 ・USCスクリプター2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201602/article_37.html
 ・USCスクリプター2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201502/article_6.html
 ・USCスクリプター2014 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_27.html
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 ・USCスクリプター2013 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_42.html
 ・USCスクリプター2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201302/article_18.html
 ・USCスクリプター2012 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_26.html
 ・USCスクリプター2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201202/article_33.html
 ・USCスクリプター2011 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_10.html
 ・USCスクリプター2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_9.html
 ・USCスクリプター2010 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_6.html
 ・USCスクリプター2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_14.html

 ・全米の映画批評家協会系映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_2.html

 ・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html

 ・全米映画賞レース2019の受賞結果をまとめてみました:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201912/article_59.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2019年10月~2020年1月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201910/article_7.html

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