米国アカデミー賞2020 オリジナル歌曲賞 ショートリスト 15作品 発表

 米国アカデミー賞2020 オリジナル歌曲賞 ショートリスト15作品が発表になりました。(12月16日)

 発表になったのは、作品名と楽曲名だけで、作曲者名等は添えられていません。

 【第92回米国アカデミー賞 オリジナル歌曲賞 ショートリスト15作品】

 ・‘Speechless’ 『アラジン』
 ・‘Letter To My Godfather’ 『ブラック・ゴッドファーザー: クラレンス・アヴァントの軌跡』
 ・‘I’m Standing With You’ “Breakthrough”(監督:ロクサン・ドースン)
 ・‘Da Bronx’ “The Bronx USA”(監督:ダニー・ゴールド)
 ・‘Into The Unknown’ 『アナと雪の女王2』
 ・‘Stand Up’ “Harriet”(監督:ケイシー・レモンズ)
 ・‘Catchy Song’ 『レゴ ムービー2』
 ・‘Never Too Late’ 『ライオン・キング』
 ・‘Spirit’ 『ライオン・キング』
 ・‘Daily Battles’ 『マザーレス・ブルックリン』
 ・‘A Glass of Soju’ 『パラサイト 半地下の家族』
 ・‘(I’m Gonna) Love Me Again’ 『ロケットマン』
 ・‘High Above The Water’ “Toni Morrison: The Pieces I Am”(監督:Timothy Greenfield-Sanders)
 ・‘I Can’t Let You Throw Yourself Away’ 『トイ・ストーリー4』
 ・‘Glasgow’ “Wild Rose”(監督:トム・ハーパー)

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 【オリジナル歌曲賞の傾向】

 オリジナル歌曲賞の特徴としては―

 ①アニメーション作品はノミネートされやすい。
 『ベルヴィル・ランデブー』『ポーラー・エクスプレス』『シュレック2』『カーズ』『ウォーリー』『プリンセスと魔法のキス』『塔の上のラプンツェル』『トイ・ストーリー3』など。

 ②かつてアニメーション作品がよく歌曲賞を受賞していたが、2002年を境に受賞されなくなった。
 1990年の『リトル・マーメイド』から始まって、『美女と野獣』、『アラジン』、『ライオン・キング』、『ポカホンタス』、『プリンス・オブ・エジプト』、『ターザン』、『モンスターズ・インク』まで、ほぼ毎年のようにアニメーション作品が歌曲賞を受賞していましたが、2002年の『モンスターズ・インク』を境に、アニメーション作品の歌曲賞受賞はパッタリ途絶えています。(2011年に『トイ・ストーリー3』、2014年に『アナと雪の女王』が受賞していますが。)
 これはアカデミー賞に長編アニメーション賞ができたのとたぶん無関係ではなく、それまではアニメーション作品への評価を歌曲賞に肩代わりさせていたようなところがあったのが、長編アニメーション賞を設けたことでその必要もなくなり、「歌曲賞はもっとほかの作品に」と考えられるようになったからだろうと考えられます。
 長編アニメーション賞ができたのと同じ年にアニメーション作品の歌曲賞受賞がパッタリ途絶えたというのはとても象徴的です。(この時代は、ちょうど1990年代のディズニー・アニメーションの全盛期とも重なっていて、ひょっとすると、ディズニー関係者は、アカデミー会員にこの部門でプロモーションをかけたのではないか、とも考えられます。)
 近年は、歌曲賞のノミネート枠が増えて、また傾向が変わったのか、ノミネートされやすくなり、2014年には『アナと雪の女王』と『怪盗グルーのミニヨン危機一発』、2015年には『LEGO ムービー』、2017年には『モアナと伝説の海』と『トロールズ』がノミネートされ、『アナと雪の女王』が受賞を果たしています。

 ③音楽にまつわるドラマはノミネート&受賞しやすい。
 アニメーションに替わって、受賞することが多くなったのが、音楽が重要なファクターとなっている作品の受賞で、受賞作品には、『エビータ』『8マイル』『ハッスル&フロウ』『ONCE ダブリンの街角で』『クレイジー・ハート』『ザ・マペッツ』『ラ・ラ・ランド』があり、そのほかのノミネート作品には、『ミュージック・オブ・ハート』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『シカゴ』『オペラ座の怪人』『コーラス』『ドリームガールズ』『NINE』『レミゼラブル』などがあります。

 ④作品賞受賞作品が歌曲賞までも制してしまうこともある。
 『タイタニック』『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』『スラムドッグ$ミリオネア』など。
 このクラスの作品がノミネートされると俄然受賞の確率も高くなります。

 ⑤2007年にドキュメンタリー作品として(たぶん)初めて『不都合な真実』が歌曲賞を受賞しています。それ以降、ドキュメンタリーからの受賞はありませんが、近年「ノミネート枠」を確保しつつあるように見えます。

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 【前哨戦】

 ◆サテライト・アワード2020 オリジナル歌曲賞(Original Song)ノミネーション
 ・‘The Ballad of the Lonesome Cowboy’ 『トイ・ストーリー4』
 ・‘Don't Call Me Angel’ 『チャーリーズ・エンジェル』
 ・‘Into the Unknown’ 『アナと雪の女王2』
 ・‘(I’m Gonna) Love Me Again’ 『ロケットマン』
 ・‘Spirit’ 『ライオン・キング』
 ・‘Swan Song’ 『アリータ:バトル・エンジェル』

 ◆クリティクス・チョイス・アワード2020 歌曲賞(Best Song)ノミネーション
 ・‘Glasgow (No Place Like Home)’ “Wild Rose”(英)(監督:トム・ハーパー)
 ・‘(I’m Gonna) Love Me Again’ 『ロケットマン』
 ・‘I’m Standing With You’ “Breakthrough”(監督:ロクサン・ドーソン(Roxann Dawson)
 ・‘Into the Unknown’ 『アナと雪の女王2』
 ・‘Speechless’ 『アラジン』
 ・‘Spirit’ 『ライオン・キング』
 ・‘Stand Up’ “Harriet” (監督:ケイシー・レモンズ)

 ◆ゴールデン・グローブ賞2020 オリジナル歌曲賞 ノミネーション
 ・‘Beautiful Ghosts’ 『キャッツ』
 ・‘(I'm Gonna) Love Me Again’ 『ロケットマン』
 ・‘Into the Unknown’ 『アナと雪の女王』
 ・‘Spirit’ 『ライオン・キング』
 ・‘Stand Up’ "Harriet"

 ◆ニュー・メキシコ映画批評家協会賞 オリジナル歌曲賞(Best Original Song)
 ◎‘Swan Song’ 『アリータ:バトル・エンジェル』
 次点:‘I Can’t Let You Throw Yourself Away’ 『トイ・ストーリー4』

 ◆ラスベガス映画批評家協会賞 歌曲賞
 ◎‘Stand Up’ “Harriet”(監督:ケイシー・レモンズ)

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 歌曲賞を持つ映画賞は多くはありませんが、前哨戦から有力候補を探すと、ざっと

 ・‘Speechless’ 『アラジン』
 ・‘I’m Standing With You’ “Breakthrough”(監督:ロクサン・ドーソン(Roxann Dawson)
 ・‘Into the Unknown’ 『アナと雪の女王2』
 ・‘Stand Up’ “Harriet” (監督:ケイシー・レモンズ)
 ・‘Spirit’ 『ライオン・キング』
 ・‘(I’m Gonna) Love Me Again’ 『ロケットマン』
 ・‘I Can’t Let You Throw Yourself Away’ 『トイ・ストーリー4』
 ・‘Glasgow (No Place Like Home)’ “Wild Rose”(英)(監督:トム・ハーパー)
 といったところでしょうか。

 ショートリストの中に『ライオン・キング』が2作品選ばれているのが、ちょっと気になりますね。

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 *当ブログ記事

 ・米国アカデミー賞2019 オリジナル歌曲賞 ショートリスト15作品発表:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_49.html

 ・米国アカデミー賞2018 歌曲賞候補70曲:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201712/article_75.html
 ・米国アカデミー賞2017 歌曲賞候補91曲:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201612/article_49.html
 ・米国アカデミー賞2016 歌曲賞候補74曲:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201512/article_26.html
 ・米国アカデミー賞2015 歌曲賞候補79曲:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201501/article_7.html
 ・米国アカデミー賞2014 歌曲賞候補75曲:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_56.html
 ・米国アカデミー賞2013 歌曲賞候補75曲:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_23.html
 ・米国アカデミー賞2012 歌曲賞候補39曲:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_46.html
 ・米国アカデミー賞2011 歌曲賞候補41曲:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_30.html
 ・米国アカデミー賞2010 歌曲賞候補63曲:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_29.html
 ・米国アカデミー賞2009 歌曲賞候補49曲:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_28.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2019年10月~2020年1月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201910/article_7.html

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