BAFTA スコットランド・アワード2019 受賞結果

 BAFTAスコットランド・アワード2019の受賞結果が発表になりました。(11月3日)

 BAFTA英国アカデミー賞には、ウェールズとスコットランドにも支部があり、「本家」同様、毎年それぞれ賞の授与を行なっています。BAFTAウェールズは1991年、BAFTAスコットランドは1989年に設立されています。
 スコットランド映画もイギリス映画として入ってくるので、ちょっとわかりにくかったりしますが、1990年代半ばにダニー・ボイルやデイヴィッド・マッケンジーといった監督たち、そしてユアン・マクレガーやロバート・カーライル、ピーター・ミュラン、ジェームズ・マカヴォイといった俳優たちの仕事が盛んに紹介されるに及び、日本でもかなりなじみ深いものになりました。

 *日本で公開されたスコットランド映画(1935~2007年):http://umikarahajimaru.at.webry.info/200703/article_24.html

 BAFTAスコットランド・アワードでは―
 2018年は、アーマンド・イアヌッチが『スターリンの葬送狂騒曲』で監督賞 フィクション部門を、ジャック・ロウデン(Jack Lowden)が『最悪の選択』で男優賞 映画部門を受賞、
 2017年は、『T2 トレインスポッティング』が作品賞、監督賞、男優賞を受賞し、
 2016年は、ジョーン・コネリーの息子ジェイソン・コネリーの監督作品“Tommy’s Honour”が作品賞を受賞し、
 2015年には、ロバート・カーライルの初監督作品『バーニー・トムソンの殺人』が作品賞と女優賞(エマ・トンプソン)を受賞、
 2014年は、デイヴィッド・マッケンジーの『名もなき塀の中の王』が作品賞と監督賞と脚本賞を受賞し、ジャームズ・マカヴォイが『フィルス』で男優賞を、ソフィー・ケネディー・クラークが『あなたを抱きしめる日まで』で女優賞を受賞。
 2013年は、Paul Wrightの“For those in Peril”が作品賞と男優賞を受賞し、
 2012年は、Zam Salimの“Up There”が作品賞と監督賞、ケン・ローチの『天使の分け前』が男優賞(ポール・ブラニガン)と脚本賞を受賞しています。

 本年度のノミネーションは、以下の通り。

--------------------------------

 ◆作品賞 長編映画部門(Feature Film)
 ・“Freedom Fields”(英・リビア) 監督:Naziha Arebi プロデューサー:Flore Cosquer
 ・“Only You”(英・スウェーデン) Production Team 監督:Harry Wootliff
 ◎“Wild Rose”(英) 監督:トム・ハーパー(Tom Harper) プロデューサー:Nicole Taylor、フェイ・ウォード(Faye Ward)

 “Wild Rose”(英) 監督:トム・ハーパー
 出演:ジュリー・ウォルターズ、ジェシー・バックリー、ソフィー・オコネド、ジェイミー・サイブス(Jamie Sives)、Ashley Shelton、James Harkness、Jeffrey Wilkerson、Tracy Wiles、J. Thomas Bailey、Daniel Campbell
 物語:Rose-Lynn Harlanは、足首に監視装置をつけた門限つきのシングルマザーで、心配性の母親と2人の娘がいる。彼女は、刑務所を出た後、ハウスキーピングの仕事に就くが、彼女が歌うのを聴いた上司は、彼女がナッシュヴィルでカントリー歌手になるのを応援しようと決める。
 ダブリン国際映画祭2019 ダブリン映画批評家賞女優賞(ジェシー・バックリー)受賞。
 ブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワード2019作品賞・主演女優賞(ジェシー・バックリー)・助演女優賞(ジュリー・ウォーターズ)・脚本賞・衣裳デザイン賞・メイキャップ&ヘア・デザイン賞・音響賞・音楽賞・キャスティング賞・新人脚本作品賞ノミネート。
 ニューポート・ビーチ映画祭2019出品。演技賞(ジェシー・バックリー)受賞。

Wild Rose.jpg

 ◆作品賞 テレビ・ドラマ部門(Television Scripted)
 ◎“The Cry”(英) プロデューサー:クレア・ムンデル(Claire Mundell)、ジャクァリン・パースキー(Jacquelin Perske)、Brian Kaczynski、グレンディン・イヴィン(Glendyn Ivin) - Synchronicity Films/BBC One [TVミニ・シリーズ]
 ・“Two Doors Down”(英) プロデューサー:Sasha Ransome、Catherine Gosling Fuller、Simon Carlyle、グレゴール・シャープ(Gregor Sharp)- BBC Studios Scotland/BBC Two [TVシリーズ]
 ・“The Victim”(英) プロデューサー:Niall MacCormack、Rob Williams(脚本)、Jenny Frayn、Sarah Brown - STV Productions/BBC One [TVシリーズ]

 “Two Doors Down”は、前回、Elaine C Smithが女優賞受賞、Jonathan Watsonが男優賞ノミネート。前々回、テレビ・ドラマ部門作品賞と脚本賞にノミネート。

 ◆ドキュメンタリー・シリーズ部門(Features & Factual Series)
 ・“Getting Hitched:Asian Style”(スコットランド) Production Team - Firecracker Scotland/BBC One Scotland [TVシリーズ]
 ◎“Murder Case”(スコットランド) プロデューサー:Matt Pinder、Iain Scollay、Audrey McColligan、Paul McGinness - Firecrest Films/BBC [TVシリーズ]
 ・“Rogue to Wrestler”(スコットランド) Production Team - Firecracker Scotland/BBC One Scotland [TVシリーズ]

 Matt Pinderは、前回、監督賞 ドキュメンタリー部門ノミネート。

Murder Case.png

 ◆作品賞 エンタテインメント部門(Entertainment)
 ・“The Dog Ate My Homework”(英) Production Team - BBC Children’s/CBBC [TVシリーズ]
 ・“Hogmanay Live”(スコットランド) Production Team - BBC Scotland/BBC One Scotland [TV映画]
 ◎“Last Commanders”(スコットランド) プロデューサー:Toby Stevens、Louise Brown、Ryan Meloy – OMG Scotland/CBBC [TVシリーズ]

 “Last Commanders”は、前回も作品賞 エンタテインメント部門ノミネート。

 ◆監督賞 フィクション部門(Director – Fiction sponsored by Taittinger)
 ◎ジョン・S・ベアード 『僕たちのラストステージ』(米・英・カナダ)
 ・Johnny Kenton “Endeavour”(英) [TVシリーズ]
 ・ブライアン・ウェルシュ(Brian Welsh) “Beats”(英)

 ◆男優賞 映画部門(Actor Film sponsored by Audi UK)
 ・ジャック・ロウデン(Jack Lowden) 『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
 ◎ローン・マクドナルド(Lorn Macdonald) “Beats”
 ・ピーター・ミュラン 『バニシング』“The Vanishing”(英)(監督:クリストファー・ニーホルム)

 ジャック・ロウデンは、前回、『最悪の選択』で男優賞 映画部門受賞。

Lorn MacDonald.png

 “Beats”(英) 監督:ブライアン・ウェルシュ(Brian Welsh)
 出演:Kimber Closson、Martin Donaghy、Brian Ferguson
 物語:1994年のスコットランド。人生をコントロールできない2人の10代の少年は、彼らの退屈な人生の最高の夜を望んで、違法なレイブに参加し、すべてを危険にさらす。
 ロッテルダム国際映画祭2019出品。
 スラムダンス映画祭2019出品。
 グラスゴー映画祭2019出品。
 Jameson CineFest - Miskolc International Film Festival 2019出品。
 ハンブルク・フィルム・フェスト2019出品。

Beats.jpg

 ◆女優賞 映画部門(Actress Film)
 ◎ジェシー・バックリー(Jessie Buckley) “Wild Rose”
 ・シャーリー・ヘンダーソン(Shirley Henderson) 『僕たちのラストステージ』
 ・フローレンス・ピュー(Florence Pugh) 『アウトロー・キング スコットランドの英雄』“Outlaw King”(米・英)(監督:デイヴィッド・マッケンジー)

 ◆男優賞 TV部門(Actor Television)
 ◎アレックス・ファーンズ(Alex Ferns) 『チェルノブイリ』“Chernobyl”(英・米)(監督:ヨハン・レンク)
 ・ンクーティ・ガトワ(Ncuti Gatwa) 『セックス・エデュケーション』“Sex Education”(米・英)(監督:ベン・テイラー)
 ・リチャード・マッデン(Richard Madden) 『ボディガード -守るべきもの-』“Bodyguard”(英)(監督:Thomas Vincent、John Strickland)

Alex Ferns.png

 ◆女優賞 TV部門(Actress Television)
 ・モーヴェン・クリスティ(Morven Christie) “The Bay”(英) [TVシリーズ]
 ・ジェナ・コールマン(Jenna Coleman) “The Cry”(英) [TVミニ・シリーズ]
 ◎ケリー・マクドナルド(Kelly MacDonald) “The Victim”(英) [TVシリーズ]

 モーヴェン・クリスティは、前回、“The A Word”で女優賞 TV部門ノミネート。

ケリーマクドナルド.jpg

 ◆映画/TV部門 脚本家賞(Writer Film/Television supported by Screen Scotland)
 ・ジャクァリン・パースキー(Jacquelin Perske) “The Cry”
 ・Kirstie Swain “Pure”(英) [TVシリーズ]
 ◎Nicole Taylor “Wild Rose”

 ◆時事問題賞(Current Affairs)
 ・“Disclosure: Can Cannabis Save My Child?”(スコットランド) Production Team - BBC Scotland/BBC One Scotland
 ・“Disclosure: Suffer The Children”(スコットランド) Production Team - BBC Scotland/BBC One Scotland
 ◎“Disclosure: Who Killed Emma?”(スコットランド) Production Team - BBC Scotland/BBC One Scotland

 時事問題賞(Current Affairs)は、前回はなかったが、復活した。

 ◆単発ドキュメンタリー賞(Single Documentary)
 ・“The Bank That Almost Broke Britain”(英) Michael McAvoy、Leo Burley、Lotte Murphy-Johnson - STV Productions/BBC Two
 ・“In Sight of Home - The Iolaire”(スコットランド) Production Team - BBC Scotland/BBC Two Scotland
 ◎“Real Kashmir F.C.”(スコットランド) Production Team – Matchlight、Bodhi Media/BBC Scotland

 Michael McAvoyはドキュメンタリー・スペシャル賞でもノミネート。

Real.png

 ◆ドキュメンタリー・スペシャル賞(Specialist Factual sponsored by Deloitte)

 ・“Fashion‘s Dirty Secrets”(英) Wendy Rattray、Ted Oakes、Emeka Onono、Allanah Langstaff - Hello Halo Productions & Oak Island Films/BBC One
 ・“The Flu That Killed 50 Million”(英) Production Team - BBC Studios PQP/BBC Two
 ◎“YES/NO: Inside The Indyref”(スコットランド) Michael McAvoy、Stephen McGinty、 Paul Mitchell - STV Productions/BBC Scotland

 Allanah Langstaff、2016年に“Into The Wild With Gordon Buchanan”でドキュメンタリー・シリーズ賞ノミネート。
 Michael McAvoyは、単発ドキュメンタリー賞でもノミネート。

 ◆監督賞 ドキュメンタリー部門(Director – Factual)
 ・Greg Clark “Real Kashmir F.C.”
 ・Louise Lockwood “Imagine... Hockney, the Queen and the Royal Peculiar”(英)
 ◎Matt Pinder “Murder Case”

 ◆短編映画賞(Short Film)
 ・“Jealous Alan”(英/16min) 監督:Martin Clark、プロデューサー:James Heath
 ・“Red Hill”(英/14min) 監督:Laura Carreira、脚本:Ramón Durman、出演:Billy Mack
 ◎“That Joke Isn‘t Funny Anymore”(スコットランド/12min) 監督:Hannah Currie、プロデューサー:Beth Allan

 “Red Hill”は、エジンバラ国際映画祭2019 New Visions Award 受賞。“Jealous Alan”、“That Joke Isn‘t Funny Anymore”は、エジンバラ国際映画祭2019出品。

 “That Joke Isn‘t Funny Anymore”(スコットランド/12min) 監督:Hannah Currie
 ポールは、脳損傷になって、繰り返しジョークを語り続けるようになった。妻のリンゼイは、困難な時代に友人や家族が去っても夫のそばを離れなかった。どうしてそんなことができるのだろうか。
 監督の叔父夫婦を映した短編ドキュメンタリー。
 エジンバラ国際映画祭2019出品。
 DOCNYC 2019出品。

That Joke.jpg

 ◆アニメーション賞(Animation)
 ・“4:3”(スコットランド/16min) 監督:Ross Hogg、作曲:Robbie Gunn
 ・“The Fabric of You”(英/11min) 監督:Josephine Lohoar Self、プロデューサー:Calum Hart, Reetta Tihinen
 ◎『ラブ、デス&ロボット』 「救いの手」 “Love Death & Robots – Helping Hand”(米/10min) 監督:Jon Yeo、Caleb Bouchard

 “The Fabric of You”は、エジンバラ国際映画祭2019出品。

 『ラブ、デス&ロボット』「救いの手」“Love Death & Robots – Helping Hand”(米/10min) 監督:Jon Yeo、Caleb Bouchard
 物語:「宇宙空間でミッションを遂行している女性宇宙飛行士は不慮の事故に遭ってしまう。そこで彼女は生存のために思い切った決断を迫られる。」(Netflix)

救いの手.jpg

 ◆ゲーム賞(Game)
 ・“Bloons Adventure Time TD” Production Team - Ninja Kiwi
 ◎“Observation” Production Team - No Code
 ・“Socketeer” Tom Goodchild - Ice BEAM

 ◆貢献賞
 ◎技術への貢献賞(Outstanding Contribution to Craft (in Memory of Robert McCann))
 Pat Rambaut

Pat Rambaut.png

 ◎テレビへの貢献賞(Outstanding Contribution to Television)
 The Creative Team Behind Still Game: Greg Hemphill, Ford Kiernan, Michael Hines

貢献賞.png

--------------------------------

 主な作品のノミネート&受賞状況は以下の通り。

 ・“Wild Rose”(3/3):作品賞長編映画部門・女優賞映画部門・脚本
 ・“The Cry”(1/3):作品賞テレビ・ドラマ部門・女優賞テレビ部門・脚本
 ・“Murder Case”(2/2):ドキュメンタリーシリーズ・ドキュメンタリー監督
 ・『僕たちのラストステージ』(1/2):監督賞フィクション部門・女優賞映画部門
 ・“Beats”(1/2):監督賞フィクション部門・男優賞映画部門
 ・“The Victim”(1/2):作品賞テレビ・ドラマ部門・女優賞テレビ部門</span>
 ・“Real Kashmir F.C.”(1/2):単発ドキュメンタリー</span>・ドキュメンタリー監督

 今回は日本に紹介されている作品が多いですね。

 *この記事がなかなか参考になった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。
     ↓ ↓ ↓ ↓
 
 ↑ ↑ ↑ ↑
 クリックしてね!

 *当ブログ記事

 ・BAFTAスコットランド・アワード2019 ノミネーション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201910/article_34.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2018 ノミネーション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201810/article_28.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201811/article_8.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2017 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201710/article_5.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2017 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201711/article_10.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2016 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_7.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_11.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_18.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201411/article_7.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_7.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_18.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_7.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_15.html
 ・BAFTAスコットランド・アワード2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_15.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2019年10月~2020年1月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201910/article_7.html

この記事へのコメント