フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭2019 受賞結果

 第29回フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭(11月7日-17日)の受賞結果です。

フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭2019.png

 【フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭】

 フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭(Film fra Sør (Films from the South))は、1991年からノルウェーのオスロで開催されている映画祭で、元々はオスロ大学の映画クラブの上映会が母体でしたが、現在では3万人以上の観客を動員するノルウェー最大の映画祭に成長しています。
 「フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭」の「サウス」とは、ノルウェーより南方、つまり、ヨーロッパと北米を除く三大陸(アジア、アフリカ、中南米)のことで、三大陸から出品された、100本近い映画を上映しています。

 コンペティション部門としては、メイン・コンペティション部門(インターナショナル・コンペティション部門)とドック・サウスというドキュメンタリーのコンペティション部門があり、前回より第1回&第2回監督作品を対象としたNew Voices部門が新設されました。いずれも、基本的にはそれぞれ最優秀作品1本を選ぶだけという、ごくシンプルなものです。
 メイン・コンペティション部門では、1997年に『ユメの銀河』、2012年に『おおかみこどもの雨と雪』、2016年に『海よりもまだ深く』が最優秀作品賞であるThe Silver Mirrorを受賞し、2016年には『となりのトトロ』が観客賞、2018年には『万引き家族』が観客賞を受賞しています。その他の受賞作品には、『アモーレス・ペロス』、『少女の髪どめ』、『愛より強く』、『リンリンの電影日記』、『キャラメル』、『子供の情景』、“City of Life and Death(南京!南京!)”、『ハウスメイド』、『リアリティのダンス』、“Gett: The Trial of Viviane Amsalem”、『火の山のマリア』などがあります。

 本年度のプログラムには、地域別特集(復活したようです)、ディレクターズ・スペシャル・ポートレート、クリティカル・ルーム、ポリティカル・アニメーション、Thrills&Chills、児童映画・フロム・ザ・サウス、クラシックス・フロム・ザ・サウス、ブロックバスターズ・フロム・ザ・サウスという部門が設けられ、地域別特集はスーダン3作品、韓国4作品、ディレクターズ・スペシャル・ポートレートでは、パク・チャヌク監督作品長編3作品・短編4作品、Dominga Sotomayor Castillo監督3作品、ハイロ・ブスタマンテ監督3作品が組まれています。

 本年度の受賞結果は以下の通りです。

 【メイン・コンペティション部門】

 ◆グランプリ/The Silver Mirror for best film

 ◎The Silver Mirror 2019:“Wandering girl(Niña errante)”(コロンビア) 監督:Rubén Mendoz
 物語:コロンビアを渡る途中の4人の女性:父親の偶然の死に続いて、Angelaは急に目的のないまま放置される。ちょうどいい時期に会ったことのない3人の年上の異母姉妹が現れる。最年少の妹のために新しい家を見つけようと、4人の若い女性は、叔母が住んでいる国の反対側への旅行に乗り出す。そして、Angelaと彼女の姉妹と出会いの旅は、忘れられない過去だけでなく、彼ら自身の女性らしさと現在のコロンビアの厳しい現実に直面する。
 タリン・ブラック・ナイツ映画祭2018出品。グランプリ、音楽賞受賞。
 マイアミ国際映画祭2019出品。
 カルタヘナ映画祭2019出品。
 マラガ・スペイン映画祭2019出品。助演女優賞(Carolina Ramírez)受賞。
 トゥルーズ・ラテンアメリカ映画祭2019出品。
 Transatlantyk映画祭2019出品。
 チューリヒ映画祭2019出品。
 
Wandering girl.jpg

 ◎オナラブル・メンション:『見えざる人生』“The Invisible Life of Euridice Gusmao”(ブラジル・独) 監督:カリム・アイノズ
 物語:1940年代のリオデジャネイロ。GuidaとEuridice Gusmãoは、その時代の他のすべての女性と同様に、当時のブラジル社会の目には見えないように育った。
 Martha Batalhaの同名の原作の映画化。
 出演:フェルナンダ・モンテネグロ、Carol Duarte、クリスティナ・ペレイラ
 カンヌ国際映画祭2019 ある視点部門出品。ある視点賞受賞。
 ミッドナイト・サン映画祭2019出品。
 ミュンヘン映画祭2019出品。CineCoPro Award受賞。
 Transatlantyk映画祭2019出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2019ホライズンズ部門出品。
 エルサレム映画祭2019出品。
 リマ・ラテンアメリカ映画祭2019出品。APRECI Prize -オナラブル・メンション受賞。
 Cine Ceará(ブラジル)2019出品。
 デンバー国際映画祭2019出品。クシシュトフ・キエシロフスキ賞 オナラブル・メンション受賞。
 トロント国際映画祭2019 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 オステンデ映画祭2019出品。
 International Cinematographers' Film Festival Manaki Brothers 2019 Golden Camera 300受賞。
 El Gouna映画祭2019出品。
 ヘルシンキ国際映画祭2019出品。
 アスペン映画祭2019出品。
 チューリヒ映画祭2019出品。
 Filmekimi(トルコ)2019出品。
 バンクーバー国際映画祭2019出品。
 BFIロンドン映画祭2019出品。
 ハンプトンズ国際映画祭2019出品。
 サンパウロ国際映画祭2019出品。
 バリャドリッド国際映画祭2019出品。銀のスパイク賞、女優賞(Carol Duarte、Julia Stockler)、国際批評家連盟賞受賞。
 シカゴ国際映画祭2019出品。
 ウィーン国際映画祭2019出品。
 ミンスク国際映画祭2019出品。
 マル・デル・プラタ国際映画祭2019出品。
 米国アカデミー賞2020国際映画賞ブラジル代表。
 ハワイ国際映画祭2019出品。
 Cinema One Originals映画祭(フィリピン)2019出品。

見えざる人生.jpg

 『その他のエントリー作品』
 ・“So Long, My Son(地久天長)”(中) 監督:ワン・シャオシュアイ
 ・“The Wild Goose Lake(南方車站的聚會)”(中) 監督:ディアオ・イーナン
 ・『パラサイト 半地下の家族』“Parasite”(韓) 監督:ポン・ジュノ
 ・“Devil Between the Legs”(メキシコ) 監督:アルトゥーロ・リプスタイン
 ・“Tremors”(グァテマラ・仏・ルクセンブルク) 監督:ハイロ・ブスタマンテ
 ・『猿』“Monos”(コロンビア・アルゼンチン・オランダ) 監督:アレハンドロ・ランデス(Alejandro Landes)
 ・“Divine Love”(ブラジル・ウルグアイ・デンマーク・ノルウェー) 監督:Gabriel Mascaro
 ・“The Fever”(ブラジル・仏・独) 監督:Maya Da-Rin
 ・“Too Late to Die Young”(チリ・ブラジル・アルゼンチン・オランダ・カタール) 監督:Dominga Sotomayor Castillo
 ・“Yao”(セネガル・仏) 監督:Philippe Godeau

 【ドック・サウス部門】(DOK:SØR)

 ◆最優秀作品賞
 ◎“Midnight Family”(メキシコ) 監督:Luke Lorentzen
 メキシコシティーには、900万人という人口に対し、緊急救急車は45台しかない。Ochoa一家は、民間の救急車を走らせて、地下のライフラインとして機能している。しかし、一家は、警察への賄賂と熾烈な争いでいっぱいである。彼らは、信用できるという評判を得ながらも、窮地にある患者からお金を稼ぐという倫理的に疑わしい慣行に身を置くことを余儀なくされる。本作では、至る所で、息をのむようなスピードと緊急の事態が展開する。カメラは緊張感あるテクスチャーと救急車とレスキューのスリルを捉えて、深刻な財政的および道徳的な強要の下での家族と社会についてのサブテキストの物語が浮かび上がっていく。
 サンダンス映画祭2019出品。撮影賞受賞。
 テッサロニキ・ドキュメンタリー映画祭2019出品。
 カルタヘナ国際映画祭2019出品。
 グアダラハラ国際映画祭2019出品。長編ドキュメンタリー賞、MEZCAL Awardメキシコ長編映画賞、監督賞受賞。
 CPH:DOX 2019出品。F:ACT Awardオナラブル・メンション受賞。
 香港国際映画祭2019出品。グランプリ(Firebird Award/火鳥大獎)受賞。
 Docville国際映画祭2019出品。
 ヒューストン・ラティーノ映画祭2019出品。
 ミネアポリス・セントポール国際映画祭2019出品。観客賞受賞
 New Directors/New Films 2019出品。
 ミネアポリス・セントポール国際映画祭2019出品。観客賞受賞。
 フル・フレーム・ドキュメンタリー映画祭2019出品。
 ナイト・ヴィジョンズ映画祭2019出品。
 FREEP映画祭2019出品。
 サラソータ映画祭2019出品。
 サンフランシスコ国際映画祭2019出品。
 HotDocsカナディアン国際ドキュメンタリー映画祭2019出品。
 インターナショナルTRTドキュメンタリー賞ノミネート。
 カルガリー・アンダーグラウンド映画祭2019出品。最優秀ドキュメンタリー長編スペシャル・メンション受賞。
 ボストン・インディペンデント映画祭2019出品。
 モントクレア映画祭2019 出品。Bruce Sinofsky Prizeオナラブル・メンション受賞。
 マンモス・レイク映画祭2019出品。Bravery Award受賞。
 クラクフ映画祭2019出品。
 グリニッジ国際映画祭2019出品。
 トランシルヴァニア国際映画祭2019出品。
 シアトル国際映画祭2019出品。
 シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭2019出品。審査員大賞受賞。
 シドニー映画祭2019出品。
 Biografilm フェスティバル2019出品。
 ナンタケット映画祭2019出品。
 AFI Docsフェスティバル2019出品。
 メイン国際映画祭2019出品。
 グアナファト国際映画祭2019出品。最優秀メキシカン・ドキュメンタリー長編受賞。
 ニュージーランド国際映画祭2019出品。
 ダーバン国際映画祭2019出品。
 ギムリ映画祭2019出品。審査員大賞受賞。
 エルサレム映画祭2019出品。In Spirit for Freedom Award受賞。
 トラヴァース・シティー映画祭2019出品。
 メルボルン国際映画祭2019出品。
 リマ・ラテンアメリカ映画祭2019出品。
 モンテレイ国際映画祭2019出品。最優秀メキシカン・ドキュメンタリー スペシャル・メンション受賞。
 デンバー国際映画祭2019出品。Maysles Brothers Awardオナラブル・メンション受賞。
 カムデン国際映画祭2019出品。
 セント・ペテルスベルク・メッセージ・トゥ・マン映画祭2019出品。Golden Centaur Award、Int'l Federation of Cinema Societies' Prize、Russian Press Prize受賞。
 アテネ映画祭2019出品。
 El Gouna映画祭2019出品。
 ベルゲン国際映画祭2019出品。Documentaire Extraordinaire受賞。
 チューリヒ映画祭2019出品。最優秀作品賞スペシャル・メンション受賞。
 バンクーバー国際映画祭2019出品。
 ブリスベン映画祭2019出品。
 ケルン映画祭2019出品。
 ハンプトン国際映画祭2019出品。
 ウィーン国際映画祭2019出品。
 デンバー国際映画祭2019出品。Maysles Brothers Award ホナラブル・メンション受賞。
 IDAアワード2019 長編ドキュメンタリー賞、撮影賞、編集賞ノミネート。
 コーク国際映画祭2019出品。
 Camerimage 2019出品。金の蛙賞 ドキュメンタリー映画部門受賞。
 ストックホルム国際映画祭2019出品。
 DOC NYC 2019出品。
 アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭2019出品。
 シネマ・アイ・オナーズ2020出品。アンフォゲッタブルズ受賞。

Midnight Family.jpg

The winner of DOC:SOUTH 2019 is: Midnight Family directed by Luke Lorentzen

 【New Voices部門】
 ※第1回または第2回監督作品を対象とするコンペティション部門。

 ◎New Voices 2019:“Buoyancy”(オーストラリア) 監督:Rodd Rathjen
 物語:14歳のChakraは、タイの漁船の船長に奴隷労働者として売られている。船長の船長のルールは残酷で気まぐれだ。
 ベルリン国際映画祭2019 パノラマ部門出品。エキュメニカル審査員賞受賞。
 メルボルン国際映画祭2019出品。
 米国アカデミー賞2020 国際映画賞オーストリア代表。
 ワルシャワ国際映画祭2019出品。
 シカゴ国際映画祭2019出品。
 アジア太平洋スクリーン・アワード2019 ユース作品賞ノミネート。
 ムンバイ映画祭2019 インターナショナル・コンペティション部門出品。シルバー・ゲイトウェイ賞受賞。
 サンパウロ国際映画祭2019出品。
 AACTA2019 インディー・フィルム賞ノミネート。 ベルリン国際映画祭2019 パノラマ部門出品。エキュメニカル審査員賞受賞。観客賞第3席。
 マカオ国際映画祭&アワード2019出品。

Buoyancy.jpg

 ◎オナラブル・メンション:『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』“Long Day`s Journey Into Night”(中・仏) 監督:ビー・ガン(Bi Gan)

 【観客賞】
 ※メイン・コンペティション部門、ドック・サウス部門、New Voices部門から選出。
 ◎『パラサイト 半地下の家族』(韓) 監督:ポン・ジュノ

 本年度は日本映画の受賞はありませんでしたが、以下のような作品が上映されています。
 新作ばかりというわけではありませんが、ノルウェーでの日本映画公開状況の反映ということでしょうか。
 ・『初恋』“First Love”(日) 監督:三池崇史
 ・『僕はイエス様が嫌い』“Jesus”(日) 監督:奥山大史
 ・『バケモノの子』“The Boy and the Beast”(日) 監督:細田守
 ・『始皇帝暗殺』“The Emperor and the Assassin”(中・日・仏) 監督:チェン・カイコー
 ・『真実』“The Truth”(仏・日) 監督:是枝裕和
 ・『Vision』“Vision”(日・仏) 監督:河瀬直美

 *この記事がなかなか参考になった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。
      ↓ ↓ ↓ ↓
 
      ↑ ↑ ↑ ↑
      クリックしてね!

 *当ブログ記事

 ・フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201811/article_33.html
 ・フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭2017 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201711/article_32.html
 ・フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_37.html
 ・フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_21.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2019年10月~2020年1月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201910/article_7.html

この記事へのコメント