アジア太平洋スクリーン・アワード2019 ノミネーション

 第13回アジア太平洋スクリーン・アワード(Asia Pacific Screen Awards)のノミネーションが発表されました。(10月16日)

 【アジア太平洋スクリーン・アワード(Asia Pacific Screen Awards)】

 アジア太平洋スクリーン・アワードといっても、世界各地で開催される様々な映画祭・映画賞の1つに過ぎませんが、パートナーにユネスコと国際映画製作者連盟とヨーロッパ映画アカデミーがついているというのがユニークで、そんな映画賞がなぜかオーストラリアのクイーンズランドを拠点として開催されています(音頭取りをしているのが、クイーンズランドだからなんですが)。以前は、CNNやヨーロッパ映画アカデミーがパートナーを務めていました、現在は外れていて、FIAPF(国際映画製作者連盟)がパートナーに加わっています。

 アジア太平洋スクリーン・アワードは、2007年にスタートしていて、中東までを含めたアジア全域と、オセアニアの映画の振興を目的とする賞で、対象国は70カ国にも及んでいます。
 スケールや認知度・注目度は格段に違いますが、おそらくヨーロッパ映画賞を意識はしていて、アジア太平洋地域におけるヨーロッパ映画賞のような映画賞を目指しているのだろうと思われます。

 本年度は、22カ国から37作品がノミネートされています。

 この映画祭は、日本映画もたくさんエントリーされ、前回は『万引き家族』が作品賞、過去には『百日紅~Miss Hokusai~』や『かぐや姫の物語』、『ももへの手紙』がアニメーション賞を受賞しているほか、脚本賞に『ハッピーアワー』(2016年)、男優賞に本木雅弘(2009年)、女優賞に樹木希林(2015年)、審査員グランプリに寺島しのぶ(2010年)、FIAPF賞に坂本龍一(2012年)が選ばれ、2011年には桃井かおりが審査員を務めています。

 ◆作品賞(Best Feature Film)
 ・“Beanpole (Dylda)”(ロシア) 監督:カンテミール・バラゴフ(Kantemir Balagov)
 ・“The Gold-Laden Sheep and The Sacred Mountain (Sona Dhwandi Bhed Te Suchha Pahad)”(インド) 監督:Ridham Janve
 ・『気球』“Balloon (Qìqiú)”(中) 監督:ペマ ツェデン
 ・“So Long, My Son (地久天長)”(中) 監督:ワン・シャオシュアイ
 ・『パラサイト 半地下の家族』(韓) 監督:ポン・ジュノ

 “Beanpole (Dylda)”は、カンヌ国際映画祭2019ある視点部門出品。国際批評家連盟賞、監督賞受賞。ヨーロッパ映画賞2019オフィシャル・セレクション。
 “The Gold-Laden Sheep and The Sacred Mountain (Sona Dhwandi Bhed Te Suchha Pahad)”は、ムンバイ映画祭2018 インディア・ゴールド部門シルバー・ゲイトウェイ賞受賞。香港国際映画祭2019ヤング・シネマ・インターナショナル・コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞受賞。
 『気球』は、ベネチア国際映画祭2019Orizzonti部門出品。
 “So Long, My Son (地久天長)”は、ベルリン国際映画祭2019コンペティション部門出品。男優賞(銀熊賞:ワン・ジンチュン(王景春/Jingchun Wang))、女優賞(銀熊賞:咏梅(Mei Yong))受賞。
 『パラサイト 半地下の家族』は、カンヌ国際映画祭2019コンペティション部門出品。パルムドール、AFCAE Art House Cinema Award受賞。

 ◆ユース作品賞(Best Youth Feature Film)
 ・“The Orphanage (Parwareshgah)”(アフガニスタン・デンマーク・独・仏・ルクセンブルク・カタール) 監督:Shahrbanoo Sadat
 ・“The Red Phallus”(デンマーク・ネパール・独) 監督:Tashi Gyeltshen
 ・『過ぎた春』“The Crossing (過春天)”(中) 監督:バイ・シュエ(Bai Xue/白雪)
 ・『はじめての別れ』“A First Farewell (第一次的离别)”(中) 監督:リナ・ワン(Wang Lina/王麗娜)
 ・“Buoyancy”(オーストラリア) 監督:Rodd Rathjen

 “The Orphanage (Parwareshgah)”は、カンヌ国際映画祭2019 監督週間出品。
 “The Red Phallus”は、釜山国際映画祭2018ニュー・カレント部門出品。国際批評家連盟賞受賞。
 『過ぎた春』は、トロント国際映画祭2018 NETPAC賞オナラブル・メンション受賞。
 『はじめての別れ』は、東京国際映画祭2018アジアの未来部門出品。作品賞受賞。ベルリン国際映画祭2019 ジェネレーションKplus部門出品。グランプリ/国際審査員賞受賞。
 “Buoyancy”は、ベルリン国際映画祭2018 パノラマ部門出品。エキュメニカル審査員賞受賞。

 ◆アニメーション賞(Best Animated Feature Film)
 ・“The Unseen (Kaghaz-Pareh ha)”(イラン) 監督:Behzad Nalbandi
 ・『捨て犬』“Underdog”(韓) 監督:Oh Sung-yoon、Lee Choon-baek
 ・『ペンギン・ハイウェイ』(日) 監督:‎石田祐康
 ・『天気の子』(日) 監督:新海誠
 ・“Mosley”(ニュージーランド・中) 監督:Kirby Atkins

 “The Unseen (Kaghaz-Pareh ha)”は、釜山国際映画祭2019ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。
 『天気の子』は、米国アカデミー賞2020国際映画賞日本代表。

 ◆ドキュメンタリー賞(Best Documentary Feature Film)
 ・“Advocate”(イスラエル・カナダ・スイス) 監督:Rachel Leah Jones、Philippe Bellaïche
 ・“Aquarela”(英・独・デンマーク) 監督:Victor Kossakovsky
 ・“The Australian Dream”(オーストラリア・英) 監督:Daniel Gordon
 ・“Narrow Red Line (Khat-e Barik-e Ghermez)”(イラン) 監督:Farzad Khoshdast
 ・“One Child Nation”(中・米) 監督:Nanfu Wang(王男栿)、Jialing Zhang

 “Advocate”は、サンダンス映画祭2019出品。香港国際映画祭2019 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。審査員賞受賞。ヨーロッパ映画賞2019 ドキュメンタリー賞 オフィシャル・セレクション。
 “Aquarela”は、ヨーロッパ映画賞2019 ドキュメンタリー賞 オフィシャル・セレクション。クリティクス・チョイス・アワード2019ドキュメンタリー賞 撮影賞など4部門ノミネート。
 “One Child Nation”は、クリティクス・チョイス・アワード2019ドキュメンタリー賞 作品賞、監督賞など5部門ノミネート。

 ◆監督賞(Achievement in Directing)
 ・エリア・スレイマン “It Must Be Heaven”(パレスチナ・カタール・トルコ・カナダ・仏・独)
 ・アディルハン・イェルジャノフ(Adilkhan Yerzhanov) “A Dark, Dark Man”(カザフスタン・仏)
 ・アノーチャ・スウィチャーゴーンポン(Anocha Suwichakornpong)、ベン・リヴァース Ben Rivers) “Krabi, 2562”(タイ・英)
 ・ラヴ・ディアス 『停止』“The Halt (Ang Hupa)”(フィリピン)
 ・ワン・シャオシュアイ “So Long, My Son (地久天長)”(中)

 “It Must Be Heaven”は、カンヌ国際映画祭2019コンペティション部門出品。スペシャル・メンション、国際批評家連盟賞受賞。
 “A Dark, Dark Man”は、サンセバスチャン国際映画祭2019オフィシャル・セレクション出品。
 “Krabi, 2562”は、ロカルノ国際映画祭2019 Moving Ahead部門出品。
 『停止』は、カンヌ国際映画祭2019監督週間出品。

 ◆脚本賞(Best Screenplay)
 ・カンテミール・バラゴフ(Kantemir Balagov) “Beanpole (Dylda)”(ロシア)
 ・Mohsen Gharaei、Mohammad Davoudi “Castle of Dreams (Ghasr-e Shirin)”(イラン)(監督:レザ・ミルキャリミ(Reza Mirkarimi))
 ・Tamar Shavgulidze(監督) “Comets”(ジョージア)
 ・ペマ ツェデン 『気球』“Balloon (Qìqiú)”(中)
 ・A Mei(阿美)、ワン・シャオシュアイ “So Long, My Son (地久天長)”(中)

 “Castle of Dreams (Ghasr-e Shirin)”は、上海国際映画祭2019 金爵奨コンペティション部門出品。作品賞、監督賞、男優賞(Hamed Behdad)受賞。ファジル映画祭2019脚本賞、音楽賞受賞。
 “Comets”は、トロント国際映画祭2019 DISCOVERY部門出品。

 ◆撮影賞(Achievement in Cinematography)
 ・Ksenia Sereda “Beanpole (Dylda)”(ロシア)
 ・Saurabh Monga “The Gold-Laden Sheep and The Sacred Mountain (Sona Dhwandi Bhed Te Suchha Pahad)”(インド)
 ・Teoh Gay Hian “The Science of Fictions (Hiruk-Pikuk Si-Alkisah)”(インドネシア・マレーシア・仏)(監督:Yosep Anggi Noen)
 ・Yu Ninghui(俞宁輝)、Deng Xu(鄧旭) 『春江水暖』“Dwelling in the Fuchun Mountains (春江水暖)”(中)(監督:Gu Xiaogang(顧暁剛))
 ・Kim Hyunseok(金炫錫) “So Long, My Son (地久天長)”(中)

 “The Science of Fictions (Hiruk-Pikuk Si-Alkisah)”は、ロカルノ国際映画祭2019インターナショナル・コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 『春江水暖』は、カンヌ国際映画祭2019国際批評家週間出品。

 ◆男優賞(Best Performance by an Actor)
 ・Eran Naim “Chained (Eynayim Sheli)”(イスラエル・独)(監督:ヤロン・シャニ(Yaron Shani))
 ・Navid Mohammadzadeh “Just 6.5 (Metri Shisho Nim)”(イラン)(監督:Saeed Roustayi)
 ・Mohsen Tanabandeh “Rona, Azim’s Mother (Rona, Madar-e Azim)”(イラン・アフガニスタン)(監督:ジャムシド・マームディ(Jamshid Mahmoudi))
 ・Manoj Bajpayee “Bhonsle”(インド)(監督:Devashish Makhija)
 ・ワン・ジンチュン(Wang Jingchun/王景春) “So Long, My Son (地久天長)”(中)

 Eran Naimは、エルサレム映画祭2019 Anat Pirchi Award受賞。
 “Just 6.5 (Metri Shisho Nim)”は、ベネチア国際映画祭2019Orizzonti部門出品。Navid Mohammadzadehは、Hafez Ceremony 2019男優賞受賞。ファジル映画祭2019助演男優賞ノミネート。
 “Rona, Azim’s Mother (Rona, Madar-e Azim)”は、米国アカデミー賞2019外国語映画賞アフガニスタン代表。
 “Bhonsle”は、釜山国際映画祭2019アジア映画の窓部門出品。
 ワン・ジンチュンは、ベルリン国際映画祭2019男優賞受賞。

 ◆女優賞(Best Performance by an Actress)
 ・Viktoria Miroshnichenko “Beanpole (Dylda)”(ロシア)
 ・Max Eigenmann “Verdict”(フィリピン・仏)(監督:レイモンド・リバイ・グティエレス(Raymund Ribay Gutierrez))
 ・Yong Mei(咏梅) “So Long, My Son (地久天長)”(中)
 ・Ji-hu Park “House of Hummingbird (Beol-sae)”(韓・米)(監督:キム・ボラ)
 ・サマル・イェスリャーモワ(Samal Yeslyamova) 『オルジャスの白い馬』“The Horse Thieves. Roads of Time”(カザフスタン・日)(監督:竹葉リサ、エルラン・ヌルムハンベトフ)

 Viktoria Miroshnichenkoは、サハリン国際映画祭2019女優賞受賞。
 “Verdict”は、ベネチア国際映画祭2019 Orizzonti部門出品。
 Yong Mei(咏梅)は、ベルリン国際映画祭2019女優賞受賞。
 Ji-hu Parkは、トライベッカ映画祭2019女優賞受賞。

 ◆文化の多様性賞(Cultural Diversity Award Under The Patronage of UNESCO)
 ・“The Sun Above Me Never Sets (Min urduber kyun khahan da kiirbet)”(ロシア) 監督:Liubov Borisova
 ・“It Must Be Heaven”(パレスチナ・カタール・トルコ・カナダ・仏・独) 監督:エリア・スレイマン
 ・“Rona, Azim’s Mother (Rona, Madar-e Azim)”(イラン・アフガニスタン) 監督:Jamshid Mahmoudi
 ・“Bhonsle”(インド) 監督:Devashish Makhija
 ・“Made in Bangladesh”(バングラデシュ・仏・デンマーク・ポルトガル) 監督:Rubaiyat Hossain

 “The Sun Above Me Never Sets (Min urduber kyun khahan da kiirbet)”は、上海国際映画祭2019出品。
 “Made in Bangladesh”は、Saint je de Luz国際映画祭2019 Prix d'interpretation feminine(Rikita Nandini Shimu)受賞。

 ◆アジア太平洋スクリーン・アワード 国際映画製作者連盟賞(APSA FIAPFAward)
 未定。

 ◆ヤング・シネマ賞(Young Cinema Award 2018)YOUNG CINEMA AWARD
 未定。

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 主な作品のノミネート状況は以下の通り。

 ・“So Long, My Son (地久天長)”(6):作品・監督・脚本・撮影・男優・女優
 ・“Beanpole (Dylda)”(4):作品・脚本・撮影・女優
 ・“The Gold-Laden Sheep and The Sacred Mountain (Sona Dhwandi Bhed Te Suchha Pahad)”(2):作品・撮影
 ・『気球』(2):作品・脚本
 ・“It Must Be Heaven”(2):監督・多様性
 ・“Rona, Azim’s Mother (Rona, Madar-e Azim)”(2):男優・多様性

 日本からのノミネーションは、アニメーション部門が2本と女優賞が1本のみで、今年はちょっと寂しかったですね。

 カンヌからの流れからして、『パラサイト 半地下の家族』が中心になるのかと思いきや、『パラサイト 半地下の家族』はわずか1部門のみのノミネートにとどまり、“So Long, My Son (地久天長)”が最多ノミネートになりました。

 授賞式は、11月21日です。

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 *当ブログ記事

 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2018 ノミネーション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201810/article_31.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201811/article_45.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2018 受賞作品:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201811/article_46.htm

 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2017 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201710/article_39.html
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 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_23.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_32.html
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 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_44.html
 ・アジア太平洋スクリーン・アワード2008 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_7.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2019年10月~2020年1月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201910/article_7.html

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