米・映画音響協会賞2019 受賞結果!

 第26回米・映画音響協会賞の受賞結果が発表になりました。(2月16 日)

 【米・映画音響協会(CAS:Cinema Audio Society)】
 1964年創立という歴史あるアメリカのミキサーの団体で、550名のミキサーが所属しています。
 アメリカの映画・テレビ業界の約半数がここに属していて、映画のエンドロールで、名前の後に「,CAS」とあるミキサーさんが、米・映画音響協会会員です。
 米・映画音響協会賞自体は、1994年に設けられた賞で、今年で26年目になります。公式サイトには「54th」と記されていますが、これは創立から数えた回数で、「年次」というような意味合いのようです。
 賞は、会員・非会員の別なく選ばれています。

 もう1つ、これに似た賞で、ゴールデン・リール賞という映画賞がありますが、これとどう違うかというと、CASがアカデミー賞録音賞に対応し、ゴールデン・リール賞がアカデミー賞音響編集賞に対応するといえばわかりやすいでしょうか。
 もっと端的に言うと、CASが録音技師の賞、ゴールデン・リール賞が音響編集者の賞ということになります。

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 【実写映画部門】(Motion Picture – Live Action)
 ◎『ボヘミアン・ラプソディ』
 プロダクション・ミキサー – ジョン・カサリ(John Casali)
 リ・レコーディング・ミキサー – Paul Massey
 リ・レコーディング・ミキサー – ティム・カヴァジン(Tim Cavagin)
 リ・レコーディング・ミキサー – Niv Adiri, CAS
 ADRミキサー– Mike Tehrani
 Foley ミキサー–: Glen Gathard
 Foley ミキサー–: Jemma Riley Tolch

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 【アニメーション部門】(Motion Picture—Animated)
 ◎『犬ヶ島』
 オリジナル・ダイアログ・ミキサー– Darrin Moore
 リ・レコーディング・ミキサー – Christopher Scarabosio
 リ・レコーディング・ミキサー – Wayne Lemmer
 スコアリング・ミキサー– Xavier Forcioli
 スコアリング・ミキサー– Simon Rhodes
 Foley ミキサー–: Peter Persaud, CAS

 【ドキュメンタリー部門】(Motion Picture—Documentary)
 ◎“Free Solo”
 プロダクション・ミキサー – Jim Hurst
 リ・レコーディング・ミキサー – Tom Fleischman, CAS
 リ・レコーディング・ミキサー – Ric Schnupp
 スコアリング・ミキサー– Tyson Lozensky
 ADRミキサー– David Boulton
 Foley ミキサー–: Joana Niza Braga

 【TV映画/ミニシリーズ部門】(Television Movie or Mini-Series)
 ◎『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』– 「1.流行り"の殺人鬼」
 プロダクション・ミキサー – John Bauman, CAS
 リ・レコーディング・ミキサー – Joe Earle, CAS
 リ・レコーディング・ミキサー – Doug Andham, CAS
 ADRミキサー– Judah Getz, CAS
 Foley ミキサー–: Arno Stephanian

 【テレビ・シリーズ 1時間番組部門】(Television Series – 1 Hour)
 ◎『マーベラス・ミセス・メイゼル』– ‘Vote for Kennedy, Vote for Kennedy’
 プロダクション・ミキサー – Mathew Price, CAS
 リ・レコーディング・ミキサー – Ron Bochar, CAS
 リ・レコーディング・ミキサー – Michael Miller, CAS
 スコアリング・ミキサー– Stewart Lerman
 ADRミキサー– David Boulton
 Foley ミキサー–: Steven Visscher

 【テレビ・シリーズ 30分番組部門】(Television Series – 1/2 Hour)
 ◎『モーツァルト・イン・ザ・ジャングル』 – ‘Domo Arigato’
 プロダクション・ミキサー – Ryotaro Harada
 リ・レコーディング・ミキサー – Andy D’Addario
 リ・レコーディング・ミキサー – Chris Jacobson, CAS
 ADRミキサー– Patrick Christensen
 Foley ミキサー–: Gary DeLeone

 【ノンフィクション番組-バラエティー、音楽シリーズ、特別番組部門】(Television Non-Fiction, Variety or Music Series or Specials)
 ◎『アンソニー世界を駆ける』– “Bhutan”
 リ・レコーディング・ミキサー – Benny Mouthon, CAS

 【学生賞】(CAS STUDENT RECOGNITION AWARD)
 ◎Anna Wozniewicz (Chapman University – Orange, CA)

 【プロダクト賞】
 ミキシングに有用な製品やワークフローに贈られる。CASの会員の投票によって選ばれる。

 ◆プロダクション賞(Outstanding Product – Production)
 ◎Dan Dugan Sound Design: Dugan Automixing in Sound Devices 633 Compact Mixer

 ◆ポスト・プロダクション賞(Outstanding Product – Post Production)
 ◎iZotope, Inc.: RX 7

 【特別賞・名誉賞】

 ◆シネマ・オーディオ・ソサイエティー・フィルムメイカー賞(The Cinema Audio Society Filmmaker Award)
 ◎スティーヴン・スピルバーグ

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 ◆キャリア貢献賞(Career Achievement Award)
 ◎リー・オルロフ(Lee Orloff)
 レコーディング・エンジニア。米国アカデミー賞録音賞には、7回ノミネートされて、『ターミネーター2』で受賞。(他に『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』『パトリオット』『インサイダー』『ジェロニモ』『アビス』でノミネート)

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 ◆プレジデント賞(The President’s Award)
 ◎MaryJo Lang(Foley Mixer)

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 米・映画音響協会(CAS )とアカデミー賞録音賞の過去の受賞結果を比較してみると、以下のようになっています。

 2019年(4/5) CAS:『ボヘミアン・ラプソディ』 AA:
 2018年(4/5) CAS:『ダンケルク』 AA:『ダンケルク』
 2017年(3/5) CAS:『ラ・ラ・ランド』 AA:『ハクソーリッジ』
 2016年(4/5) CAS:『レヴェナント:蘇えりし者』 AA:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
 2015年(4/5) CAS:『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 AA:『セッション』
 2014年(4/5) CAS:『ゼロ・グラビティ』 AA:『ゼロ・グラビティ』
 2013年(3/5) CAS:『レ・ミゼラブル』 AA:『レ・ミゼラブル』
 2012年(2/5) CAS:『ヒューゴの不思議な発明』 AA:『ヒューゴの不思議な発明』
 2011年(3/5) CAS:『トゥルー・グリット』 AA:『インセプション』
 2010年(4/5) CAS:『ハート・ロッカー』 AA:『ハート・ロッカー』
 2009年(3/5) CAS:『スラムドッグ&ミリオネア』 AA:『スラムドッグ&ミリオネア』
 2008年(3/5) CAS:『ノーカントリー』 AA:『ボーン・アルティメイタム』
 2007年(4/5) CAS:『ドリームガールズ』 AA:『ドリームガールズ』
 2006年(4/5) CAS:『ウォーク・ザ・ライン』 AA:『キング・コング』
 2005年(3/5) CAS:『アビエイター』 AA:『レイ』
 2004年(5/5) CAS:『マスター・アンド・コマンダー』 AA:『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』
 2003年(4/5) CAS:『ロード・トゥ・パーディション』 AA:『シカゴ』
 2002年(4/5) CAS:『ロード・オブ・ザ・リング』 AA:『ブラックホーク・ダウン』
 2001年(5/5) CAS:『グラディーター』 AA:『グラディーター』
 2000年(2/5) CAS:『マトリックス』 AA:『マトリックス』
 1999年(3/5) CAS:『プライベート・ライアン』 AA:『プライベート・ライアン』
 1998年(4/5) CAS:『タイタニック』 AA:『タイタニック』
 1997年(4/5) CAS:『イングリッシュ・ペイシェント』 AA:『イングリッシュ・ペイシェント』
 1996年(3/5) CAS:『アポロ13』 AA:『アポロ13』
 1995年(3/5) CAS:『フォレスト・ガンプ』 AA:『スピード』

 年の後の数字は、ノミネーションの合致度です。

 受賞作品の合致度は、13/25(52%)で、数字だけ見るとそんなに高いものではありません。
 ただし、受賞作品が異なる年も、ノミネーション段階では、1994年と2015年以外すべて、双方の受賞作をそれぞれのノミネーションに確実にエントリーさせていて、全く異なる性質を持っている賞ではないことがわかります。

 米・映画音響協会(CAS)に比べて、米国アカデミー賞録音賞は、明らかに音楽ものを評価する傾向が強く、また、米・映画音響協会(CAS)が「ドラマ」作品をも評価してきているのに対して、米国アカデミー賞録音賞は、よりスペクタクルものを好むという傾向があるようです。

 ◆米国アカデミー賞2019録音賞(Achievement in sound mixing)ノミネーション
 ・『ブラックパンサー』 Steve Boeddeker、ブランドン・プロクター(Brandon Proctor)、ピーター・デヴリン(Peter J. Devlin)
 ・『ボヘミアン・ラプソディ』 Paul Massey、ティム・カヴァジン(Tim Cavagin)、ジョン・カサリ(John Casali)
 ・『ファースト・マン』 Jon Taylor、Frank A. Montaño、Ai-Ling Lee、Mary H. Ellis
 ・『ROMA/ローマ』 スキップ・リーヴセイ(Skip Lievsay)、Craig Henighan、ホセ・アントニオ・ガルシア(José Antonio García)
 ・『アリー/スター誕生』 Tom Ozanich、Dean A. Zupancic、Jason Ruder、Steven Morrow

 録音賞を持つ映画賞は多くはなく、本年度は、サテライト・アワードは『クワイエット・プレイス』、BAFTA英国アカデミー賞は『ボヘミアン・ラプソディ』、米・映画音響協会賞(CAS)は『ボヘミアン・ラプソディ』で、すべて一致というわけにはいきませんでしたが、音楽ものでもあるし、米国アカデミー賞録音賞も『ボヘミアン・ラプソディ』がややリードということになるでしょうか。

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 ・米・映画音響協会賞(CAS)2018 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201801/article_42.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201802/article_61.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2017 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201701/article_46.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2017 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201702/article_44.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2016:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201602/article_39.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2015:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201502/article_21.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_46.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201402/article_45.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_20.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201302/article_30.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_37.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201202/article_32.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_16.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_38.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_2.html
 ・米・映画音響協会賞(CAS)2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200902/article_19.html

 ・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html

 ・全米映画賞レース2018 前半戦の受賞結果をまとめてみました:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_77.html
 ・全米映画賞レース2018 後半戦の受賞結果をまとめてみました:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_78.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2019年1月~5月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201901/article_31.html

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